未来構想フォーラムー第20回 ー日本の医療を如何に良くするかー 「日本の医療制度と医療経営の問題 点」 廣瀬 輝夫 秀明大学医療経営学科 主任教授 患者の医療費自己負担割合 ★は2002年10月から その他は2003年4月から 現行 70歳~ 1割 1割 ※診療所(開業医)での外来は1回 850円(5回目から無料)の定額負担 制度あり ※高所得者(夫婦世帯で年収約630 万円以上)は 2割 ★ ※定額負担制度は廃止★ 健保組合、政管 健保加入者など 0~ 69歳 加入者 本人 2割 家族の 外来 3割 70歳~ 国民健康保険 加入者 3割 3割 家族の 入院 2割 ※70歳未満は外来時に薬剤の 一部負担制度あり 3~ 69歳 0~ 2歳 2割 ★ ※70歳未満の外来時薬剤一部負担 制度は廃止 患者の自己負担限度月額 現行 2002年10月から 外来 70 歳 以 上 高所得者 一 般 3,200円 37,200円 大病院で 低 住民税非課税 受信した 24,600円 場合は 所 老齢福祉 5,300円 得 15,000円 年金受給者 者 高所得者 70 歳 未 満 外来 入院を合わせた 限度額 外来 入院 夫婦世帯で年収 約630万円以上 72,300円 40,200円 +1% 一 般 12,000円 40,200円 住民税非課税 24,600円 低 所 現行制度より 8,000円 15,000円 得 も対象を拡大 者 121,800円+1% 高所得者 139,800円+1% 一 般 63,600円+1% 一 般 72,300円+1% 低所得者 35,400円 低所得者 35,400円 (月収56万円以上) (住民税非課税) (注)「1%」はかかった医療費が一定限度額を超えた分の1% 老人保健制度の仕組み 70歳以上の高齢者が使った医療費=11兆円(2001年 度) 0.9兆円 10.1兆円 7.1兆円 自医 己療 負機 担関 額で の 3.0兆円 各医療保険制度からの拠出金 保政 険府 管 掌 健 康 健 康 保 険 組 合 共 済 組 合 国 民 健 康 保 険 公費(税金) 都 国 道 府 県 市 町 村 国民医療費の構造 (1999年度、単位%、厚労省調べ) 円約 )30.9 兆 円 ( 1 人 当 た り 約 24.4 万 入院 36.8 外来 40.8 病院 35.4 診療所 1.5 医師、看護婦ら 医療従事者 の人件費 病院 17.7 50.9 診療所 23.1 医薬品 19.4 医療材料 6.1 委託費 5.2 歯科診療所 8.2 調剤薬局 7.8 その他 6.4 その他 18.4 医療費の分配 医療機関の費用構造 OECD諸国の医療費の対GDP比 国名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 アメリカ合衆国 ドイツ スイス フランス カナダ スウェーデン オランダ オーストラリア ポルトガル アイスランド オーストリア デンマーク ベルギー イタリア ニュージーランド ノルウェー スペイン 日本 フィンランド ルクセンブルグ 24 イギリス 対GDP比:1997年(%) 14.01 10.45 10.15 9.88 9.27 8.58 8.51 8.33 8.23 8.05 7.87 7.74 7.63 7.60 7.55 7.43 7.39 7.32 7.30 7.07 65歳以上の割合: 2000年 推計(%) 12.05 16.4 14.7 15.9 12.8 17.4 13.8 12.1 15.7 11.5 14.7 15.2 16.7 18.2 11.6 15.4 17.0 17.1 14.9 14.4 6.69 16.0 World Population Prospects:OECDのデータ 社会保障給付費と国民所得の対前年度伸び率の推移 16 14 伸 12 社会保障 給付費 年金 福祉 び 10 率 8 ( % 6 ) 医療 4 国民所得 2 0 昭56 -2 -4 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 医療供給体制の各国比率(1998年) 人口千人当たりのベッド数 0 2 4 6 8 10 12 14 床 日 本 ドイツ ベッド数 フランス 医師数 イギリス 米 国 20 40 60 百ベッド当たりの医師数 80 人 医療従事者と医療施設の比較(1995年) 人口 病院数 病床数 医師 日本 米国 1億2600万 2億6000万 6450 1万 133万(1056) 90万(346) 24万(190) 68万(262) ドイツ 8600万 2900 97万(1130) 32万7000 (380) 7万8000(62) 18万(69) 6万8000(79) 歯科医師 18万8000 22万8000(84) 14万(163) 薬剤師 (149) 22万5000(179) 140万(538) 28万(326) コ・メディカル 75万(595) 260万 57万(663) 看護婦(正・准) (1000) 0 140万(538) 10万(116) 看護介助者 15万(119) 80万(308) 24万(279) 事務職員 15万(119) 180万(692) 9万(105) 一般職員 29.0日 6.4日 12.4日 入院日数 6.4% 17.0% 18.1% 入院率 ( )は人口10万人に対する人数 6.7% 4% 4.8% 受診率 フランス 5800万 4788 イギリス 5700万 2700 70万(1207) 45万(789) 20万(345) 8万8000(154) 5万(86) 11万(190) 5万(88) 10万(175) 18万(310) 30万(518) 9万(158) 40万(702) 15万(259) 12万(210) 20万(345) 13万(230) 15万(259) 10万(175) 14.1日 8.6日 12.1% 12.7% (廣瀬輝夫作成) 4.5% 3.8% 医療保険各制度の財政状況 (億円) 2000 政府管掌健康保険 1,174 組合管掌健康保険 1000 国民健康保険(市町村一般被保険者) -17 0 -292 -1000 -935 -774 -881 -1,222 -1,370 -1,090 -1,154 -2000 -950 -1,976 -3000 -2,809 -2,783 -4000 -4,193 -5000 1993 (平成5) 1994 (平成6) 1995 (平成7) 1996 (平成8) 1997 (年度) (平成9) 資料:厚生省保険局調べ、社会保険庁調べ、厚生省監修(1999)より転載 公費(租税)負担医療費のGNPに対する割合の日米比較 (1980~1990年) % 4.5 4 3.5 3.2 3.3 1.7 1.8 3.6 3.7 3.6 3.7 3.8 1.8 1.8 1.7 1.6 1.7 3.9 4.0 1.6 1.6 4.1 1.5 4.4 3 2.5 2 1.5 1.5 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 アメリカ 日本 出所 二木立 『90年代の医療と診察報酬』 国民医療費に占める患者負担の割合 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 保険料給付 患者負担 1955 1960 1965 1970 1975 年度 1980 1985 1990 1995 出典 岡本悦司 ケヤエコノミックス 点数改定影響率 前年同月対比 単純比較 医科 入院外 入院 ※日数調整後 日当点対比 対前月比 対前年比 対前月比 無床診療所 ▲3.92% ▲7.76% ▲9.33% ▲3.66% ▲3.90% 有床診療所 ▲1.01% ▲4.97% ▲4.92% ▲5.60% ▲2.77% 病院 ▲2.61% ▲6.51% ▲5.67% ▲2.19% ▲3.59% 合計 ▲2.99% ▲6.87% ▲7.12% ▲3.07% ▲3.23% 有床診療所 ▲12.78% - ▲8.98% ▲11.32% ▲4.41% 病院 ▲4.19% - ▲8.82% ▲0.78% ▲4.54% 合計 ▲4.74% - ▲8.83% ▲1.79% ▲5.21% ※ 日祭日を除くと、2001年4月が24日、2002年3月が25日、2002年4月が25日であり、2002年4月 は2001年4月より診療日数が1日多い。したがって、昨年より今年の方が25分の1だけ収入が 多くなって初めて中立となるため、単純結果に25分の24を乗じて診療日数調整を行った。 2002年3月は、診療日数が同じなので調整は不要。 米国病院経営の相違 営利病院 効 率 性 篤志病院 米 一般病院 日 慈善病院 < 経営公共性 > Humanistic Administration Patients Rigth Medical Employee Obligation 医 療 従 事 者 の 義 務 Logical Administration Effectiveness Competability 競 争 性 < 経営合理性 > 患 者 の 権 利 福 祉 診療報酬改定の国民医療費に対する影響 国民医療費 影響率 影響額 ▲4.74% 5214億円 ▲6.87% 8588億円 (平成11年度概算) 入院医療費 入院外医療費 ※合計 11.0兆円 12.5兆円 26.0兆円 ▲6.34% 1兆6474億円 ※合計には、入院医療費、入院外医療費のほか、歯科医療費も含まれる 私立・国立医科大学病院病床数の「シェア」の推移(1951年~1996年) 1951 1959 1970 1982 1988 1996 病院病床総数(単位:千 床) 295.1 私立医大病床総数(A) 4,838 11,285 14,989 36,519 45,226 49,115 (%) 国立医大病床総数(B) 1.64 662.2 1062.6 1402.0 1634.3 1664.9 1.70 1.41 2.60 2.77 2.95 11,536 16,151 20,753 30,384 32,859 32,769 (%) 3.91 2.44 1.95 2.17 2.01 1.97 私立/国立 (A/B) 0.42 0.70 0.72 1.20 1.38 1.50 資料:1)厚生省『医療施設調査』各年版 開設者別病院総数および病床総数 病院数 総数 国公立計 国立 公立 民間計 個人 医療法人 その他の法人 資料 厚生省 統計情報部 1998年 病床数 9,333 1,656,415 1,744 509,317 375 151,277 1,369 358,040 7,589 1,147,098 1,458 127,329 5,157 769,227 974 250,542 病院診療所関連 (ピラミッド型)系列型 教育病院 中小病院 診 療 所 中小病院 診 療 所 特定機能 病院 第三次医療 診 療 所 診 療 所 第二次 医療 第一次 医療 公共病院 診 療 所 中小病院 診 療 所 診 療 所 (水平的ネットワーク)二重構造型 特定機能病院 中型病院 公 国 教 中小病院 立 立 育 専門病院 中小病院 病 病 病 院 院 院 診 療 所 診 療 所 診 療 所 公 立 病 院 専門病院 診 療 所 診 療 所 診 療 所 第三次 医療 第二次 医療 診 療 所 第一次 医療 医療費と医療収入の関連性 100 医療機関 医師の仕事量 0 医療需要曲線 医療規制 患 者 数 増 加 基準収入 人口老化 長期均衡点 支払い制限 基準支払い 先端医療導入 医 療 機 関 医 師 の 収 入 医療供給曲線 0 医療費支払い 100 医師の平均給与と医師数 25 医師数 20 100 80 15 60 医 師10 数 ・ 万 人 5 74年 ( 見 込 み ) 医師の 平均給与 80 85 90 95 2000 (注)医師数は厚生労働省調査。 給与は民間病院勤務者、人事院調査(時間外手当を除いた税込みの月額平均) 給 40 与 ・ 万 20 円 米国医師の収入(年収)の変化 千ドル 200 180 160 195.5 180.3 199.6 164.5 140 120 100 80 60 40 20 0 112.2 名目収入 88.2 52.5 70 69.0 68.0 51.0 53.0 70 69.0 66.0 実質収入 75 80 85 75 80 85 90 90 95 93 95 97 医療経営指標 % 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 所得再配分規制 (保険料租税徴収) 支払規制 (市場の失敗) 均衡点 公 的 医 療 機 関 教 育 医 療 機 関 私 的 医 療 機 関 介 護 施 設 独 立 外 来 診 療 所 商 業 臨 床 検 査 場 M S ・ P F I 営 利 医 療 機 関 マ ネ ー ジ ド ケ ア 医 療 サ ー ビ ス 会 社 医 療 器 具 製 作 会 社 医 療 コ ン サ ル タ ン ト 会 社 製 薬 会 社 薬 品 医 療 器 具 卸 会 社 医 療 品 販 売 業 医 療 情 報 ま た は 雑 誌 社 薬品・食品・医療器具開発の過程 レベル 分野 分野 レベル 機 材 材 料 素材 D ※GLP ※GMP 安有 バ有 安 全意 ラ効 全 性性 ン性 性 ス 無生 害体 性適 合 性 ※GLP ※GMP 安有 全効 性性 組織 実験動物 I S O 9 0 0 1 5 1 0 K ※ 医療器具 開発 有 効 成 分 安有 無安 有 全効 毒全 効 I 性性 性性 性 N ※ 食品開発 構 造 機 能 細胞 ※ 薬品開発 分子 臨床データ 実験動物 I D E 臨床治験 第一相 第二相 安有 全効 性性 安定 全量 性 ※I C ※ IRB 摂取量 第三相 市販承認 承安 認全 新性 薬 定年 性 量令 適 応 臨床検査 効果予測 新薬承認 1日必要摂取量 第一相 臨床データ 安無 全害 性性 第二相 副承 作認 用取 消 ※ DUR 日常食品 伝統食品 新期薬品 ※I C ※ IRB 安有 全効 性性 市販後監視 安耐 全久 性性 有承 効認 性新 期 具 第三相 市販承認 臨床治験 事故報告 機承 能認 不取 全消 市販後監視 注 ※IC-Informed Consent ※IND-Investigational New Drug ※IDE-Investigational Device Exempt ※DUR-Drug Users Report ※IRB-internal Review Board ※GLP-Good Manufacture Practice ※ISO-International Standard Organization 医薬品市場規模の変化 1996年 (総額2,908億ドル) 南米7.1% 2000年(総額3,628億ドル) その他 10.5% その他 11.0% 北米 33.0% 日本 18.2% 欧州 30.7% 南米6.5% 北米 43.0% 日本 15.9% 欧州 24.1% 出典:ファイザー製薬 研究開発費の日米比較 2310 億円 日本企業の1社当たり研究開発費(10社平均) アメリカ企業の1社当たり研究開発費(9社平均) 2000 1900 1565 1411 1500 1272 1100 1000 692 603 500 263 283 297 904 841 798 302 321 334 346 369 386 433 488 0 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 1999年、2000年は連結ベース 出典:日本製薬工業協会「データブック2002」 世界の大手製薬企業の合併、吸収による売上高ランキングの変動 (2000年) 順位 社名(合併後) 合併会社 合併年度 (百万ド ル) 売上高 1 ファイザー(米) ワーナーランバート(米) 2000 22,280 2 グラクソ・スミスクライン(英) スミスクライン(英) 2000 22,210 3 メルク(米) メドコ(米) 1993 17,482 4 アストラ・ゼネカ(スウェーデン) ゼネカ(英) 1998 14,834 5 アベンティス(独) ヘキスト・ローヌプーラン(仏) 1998 13,968 6 ブリストル・マイヤーズ・スクイブ スクイブ(米) 1993 12,900 7 ノバルティス(スイス) チバガイギ・サンド 1996 10,905 8 ジョンソン・エンド・ジョンソン(米) セントコア(米) 1999 10,694 9 ファルマシア(スウェーデン) アップジョーンズ(米) 1995 10,830 10 アメリカン・ホーム・プロダクト(米) アメリカンサイアナミツド 1994 9,506 11 イーライ・リリー(米) PCS(米) 1999 9,367 12 サノフィサンテラ(仏) サンテラポ(仏) 1998 7,320 13 ロシュ(スイス) シンテックス(米) 1994 7,200 医療用具の大分類別生産金額(1999年度) 単位:億円 分類 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 画像診断システム 処置用機器 生体現象計測・監視システム 生体機能補助・代行機器 家庭用医療機器 画像診断用X線関連装置および用具 歯科材料 眼科用品および関連製品 医用検体検査機器 治療用または手術用機器 歯科用機器 施設用機器 鋼製器具 衛生材料および衛生用品 生産金額 2,984 1,944 1,721 1,634 1,517 1,031 907 876 851 618 358 291 81 66 厚生労働省薬事工業生産動態統計より 各国の医療機器実勢価格 (単位:千円) 日本 ペースメーカー 米国 独 英国 1,431 783 バルーンカテーテル 257 71 77-147 人工肺 219 143 185 52 14 17 眼内レンズ 370 220-537 (注)医療経済研究機構調べ。購買力平価を用いて換算した 53-87 7-15 医療用機器の生産・輸出入動態 億円 15,000 10,000 輸入金額 輸出金額 生産金額 5,000 0 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 厚生労働省薬事工業生産動態統計より 経営主体別衛生検査所 550 500 450 株式会社 400 財団法人 医師会 100 有限会社 50 公立 個人 その他 (数) '87 '88 '89 '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 (年) 米国臨床ラボ施設の配分率(1999) 二大商業臨床ラボ 年間売上 370億ドル 32% LAB CORP QUEST 総合保健網 中型ラボ7% (IDN) 6 04施設 院内臨床ラボ 商業臨床ラボ 160億ドル 42% 140億ドル 39% 地 方 独 立 ラ ボ 61 % 診療所ラボ 70億ドル 9% 1 単独院内ラボ 17% 12万ヶ所 IDN-INTEGRATED HEALTHCARE DELIVERY NETWORK 検査工程技術刷新と検査過誤数の関係 検査過誤数 イ ノ ベ ー シ ョ ン の 度 合 検査工程技術刷新 開始 安定 日時 製品ライフ・サイクル 0+ 企業成長に 必要な利潤 - 利潤 追加新製品 販売高 導入 成長 成熟 飽和 衰退 技術知識のライフサイクル 30 利益の得られる期間 市場に導入されるまで 研究開発期間 25 20 年15 21.8 16.8 10.2 10 6.5 5 1.1 4.5 0 ~1959年 1.2 3.8 1.5 3.9 1.2 3.4 1960年~1969年 1970年~1979年 1980年~1989年 3.2 0.9 2.6 1990年以降 (資料) 科学技術庁科学技術政策研究所 「研究開発関連政策が及ぼす経済効果の定量的評価手法に関する調査」(中間報告)1999.6 M&A戦略のタイプ 垂 直 型 単独型 中間型 多角化型 食品 メーカー 医療器具 メーカー 薬品 メーカー 卸 卸 卸 小売A 小売B 小売C 水平型 小売D 小売E 診療所経営 ポーターのファイブ・フォース・モデル 新規診療所 新規参入の脅威 競争 患者 既存医療機関 供給の種類 需要の種類 ・高齢者 ・産婦 ・小児 既存の競争相手との 敵対関係 治療法改善 新技術導入 ・介護 ・ホスピス ・先端医療 病院経営を取り巻く状況 外部環境(患者の保護) 経営理念と 目的 (医療倫理) 内 部 状 専門科目 況 病床数(モ ノ)従業員(ヒ ト)資産(カ ネ) 人口構成比率、地域性 農、工、漁、都市、僻地、田園 病院経営戦略 病床数 療養施設 病院数 外来診察室 近接医療機関 補 助 M.S 関 PFI 連 連鎖病院 組 織 診療所病院医薬収益率年次推移 医 50 業 収 40 益 率 30 ( % ) 有床診療所 無床診療所 個人立病院 20 医療法人立病院 10 一般病院全体 0 公立病院 -10 国立病院 -20 1970 76 84 87 91 93 95 97 99 2001 (年) 医療経済実態調査・一般診療所(個 金 額 人) Ⅰ 医業収入 1.保険診療収入 (再掲) 入院 (再掲) 外来 2.公害等・その他診療収入 3.その他の医業収入 11年6月 7,928 7,219 414 6,805 488 221 (千円) 金額伸び 率% 13年6月 7,421 ▲6.4 6,780 ▲6.1 292 ▲29.5 6,488 ▲4.7 468 ▲4.1 172 ▲22.2 Ⅱ 医業費用 1.給与費 2.医薬品費 3.減価償却費 (再掲) 建物 (再掲) 医療機器 4.その他 5,559 2,104 1,585 302 141 77 1,568 4,933 1,810 1,410 247 104 59 1,465 Ⅲ 収入差額(Ⅰ-Ⅱ) 施設数 2,369 2,488 689 893 ▲11.3 ▲14.0 ▲11.0 ▲18.2 ▲26.2 ▲23.4 ▲6.6 5.0 - マネージドケアの推移 組織数の推移 (組織数) 1600 1400 1,395 HMO組織数 1200 PPO組織数 1000 802 マネージドケア組織数 800 593 600 400 200 0 70 72 74 76 78 (百万人) 80 82 84 86 88 加入者数の推移 120 90 96 (年 ) 1億3,300万人 HMO加入者 100 7,000万人 PPO加入者 80 マネージドケア加入者 60 (POS、メディケア、メディケイドの一部を含 む) 40 6,330万人 20 0 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 (年 ) 医療施行損益曲線 収 益 ・ 費 用 効率低下線 利益域 変動費 V 損失域 効率上昇線 損益分岐点 総 収 総 益 費 用 固定費 F 症例数 医療機関の戦略-Profit Portfolio Management- B部門 高 花形=☆PTCA 開心術 維持 ( 有 効 性 問題児=? 成長 緊急部 ± A部門 僅少侵襲手技 - D部門 ) 市 場 成 長 率 C部門 収穫 撤退 低 金のなる木=¥ + 負け犬=× 高 低 (マーケット・シェア) 効率性 小児科 産科 - 年功賃金・終身雇用 賃金 貢献度 人質 賃 金 ・ 貢 献 度 0 22歳 60歳 年齢 経営実務 「MOGST」 使命 目標 目的 戦略 戦術 (mission) (objectives) (goals) (strategy) (factics) 「SWOT」 独自能力 強み (strengths) 弱み (weaknesses) 組織の環境 機会 (opportunities) 脅威 (threats) 日本的経営 メリット 雇用の安定性 人事の柔軟性 従業員の会社一体感の育成 デメリット 従業員の依頼心の助長と自主創造の精神の抑制 雇用における差別待遇と自由な横断的労働市場形成への障害 エスカレーター・システムの弊害と中高年齢層人事の渋滞 従業員の働く喜びと働きがいの喪失 外注単価の求め方と価格管理 材 料 費 = 予定価格 × 使用量 加 工 費 = 時間(工数)×時間費用(賃率) 一般管理費 外注単価 = 材料費+加工費+ +利益 販売費 日本医療団体サービス業 サービスの種類 サービス内容 市場規模 委託率(現 行) 検体検査 商業臨床ラボ、ブランチラボ 5,000億円 94.10% 院内給食 患者給食、職員食事、訪問者レストラン 3,000億円 33.90% 汚染物洗濯 寝具類洗濯、賃貸リネン、貸おむつ 1,800億円 97.40% 院内清掃 病室病棟清掃、事務室清掃、病院構内清掃 800億円 74.60% 滅菌消毒 医療器消毒、医療廃棄物処理、 汚染手術衣・病室消毒 40億円 17.00% 医療経営 コンサルタント 病院経営援助、公認会計士、弁護士、税理士 5億円 10.30% 医療事務 レセプト作成、医療費請求 900億円 34.5% 公益、営利、公立の医療介護施設比較(1996年) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 公益 営利 公立 共 同 体 病 院 多 岐 精 神 病 組 織 精 神 薄 弱 施児 設の 在 宅 ケ ア ホ ス ピ ス ケ ア 急 性 病 院 外 来 精 神 病 ク リ ニ ッ ク 精 神 病 院 リ ハ ビ リ 病 院 老 健 施 設 在 宅 ケ ア 施 設 人 工 透 析 セ ン タ ー H M O 組 織 英国のPFI計画 衛生長官 NHS信託 支ポ 払ン いド 直接同意 奉 仕 計画同意書 上 級 指 導 官 出 資 同 意 支ポ 払ン いド 奉施 仕設 計画会社 公正価格 ポンド先任負債 ポ ン ド 支 払 い 契 約 ポ ン ド 支 払 い 契 約 公 正 価 格 ポ ン ド 支 払 い 契 約 主要契約会社 従属契約会社 ポ ン ド 支 払 い 附属負債 分け前 契 約 公 正 価 格 出 資 者 日本の医療制度と医療経営の問題点 日本医療経営学会会長 廣瀬輝夫 日本の国民皆保険の社会保険制度は昨年迄は世界で最も効率的であったが、10年 来の経済不況のために、診療費支払い切り下げと自己負担の増加により国民の社会 保障費負担率は悪化した。殊に列国が医療費増加を施行しているのに反して、今回制 度始まって以来の切り下げは医療機関及び関連産業に対する影響は甚大である。又 国民の医療費3割負担は既に奉仕料、病床差額等で医療費の1割を負担しているので、 実質上4割となり、又老人の2割負担は社会保証金が減少して居り、金利が殆どない 状態なので苛酷である。健康保険経営破綻の最大原因である老人保健拠出金を統べ て租税で補う事と、老人の個人負担をなくすことが必要である。先進国の保険制度では、 通常個人負担に5%前後で、最高である米国のメディケアでさえ20%である。 又保険支払いのマルメ支払いの導入と診療費支払い点数の低減、再診療支払い切 り下げ及び治療費削減に加えた薬価切り下げで、診療所病院共に5%前後の減収が 見られ、自己負担増加による診療回数の減少でも5%以上の減収が予想されるので、 医療機関の経営状態は悪化し、閉鎖機関及び病床の減少が予想される。更に老健施 設医療機関、製薬会社、医療器具会社、商業臨床検査所の経営も順調とは言えず、又 医療経営に対する専門家が不足しているので、その急遽養成及び経営建直しが必要 である。日本経営学会は此等の問題点に対する検討を、各界の権威者と共に行って、 危機に瀕している日本医療界の再建に寄与したいと思う。 医療機関の戦略-Profit Portfolio Management- B部門 高 成長 維持 ( 緊急部 ± A部門 僅少侵襲手技 - D部門 ) 市 有 場 効 成 性 長 率 C部門 問題児=? 花形=☆PTCA 開心術 低 収穫 撤退 小児科 金のなる木=¥ + 負け犬=× 産科 - 高 低 (マーケット・シェア) 効率性 某病院のポートフォリオ 売上高構成比 魅力度 相対マーケット・シェア A部門 ¥ 40% 低 ± 高 B部門 ☆30% 高 + 高 C部門 ?20% 高 - 低 D部門 ×10% 低 - 低
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