リニア新幹線が日本を変える!? ~リニア新幹線開通に伴う移動・宿泊の変化について~ 大島 大輝 名倉 伸 1 目次 この研究を行う理由 1 リニア新幹線概要 2 地域事例 3 アンケート 4 ホテルアンケート 5 まとめ 6 2 1.この研究を行う理由 3 この研究を行う理由 • リニア新幹線開通後の移動手段や宿泊状況 が大きく変化し地域経済に大きなインパクト を与えると考える。 • 安藤他(2013)は、観光業衰退を予測してい るが私達は、リニア新幹線の開通によって宿 泊業がどう変化し、どのように影響するのか を学術研究したいと考えました。 4 2.リニア新幹線概要 5 1時間あたり本数 • 東海道新幹線のぞみ • 最大10本 • リニア新幹線 5本程度走らせる計画 鉄道2014年10月28日(火) のぞみ10本ダイヤ http://response.jp/article/2014/10/28/236037.html 6 日本経済新聞10月20日 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60280160X20C13A9TY1P01/ 車体 • 車両のデザインはこれまでと同様、白地に青の ラインがひかれたものとなっており、東海道新 幹線のイメージを引き継ぐカラーリング Technity2013年6月3日 http://ggsoku.com/tech/linear-superexpress-l01-unveiled/ 7 最高速度・座席 • 営業運転での最高速度は505kmに設定されてお り、座席は4列シートで先頭車両は24人・中間車 両は68人が乗車できるとのこと Technity2013年6月3日 http://ggsoku.com/tech/linear-superexpress-l01-unveiled/ 8 リニア新幹線には運転士がいない • リニア新幹線をコントロールするのはコンピュー ター。 • 鼻の部分には新幹線にあるはずの、運転席がない。 • 動物が飛び出したり事故にあいそうになったら、鼻 先のカメラで危険をかぎ分ける。 9 本数内訳と距離間隔 10 MSN産経ニュース2013.9.18 http://sankei.jp.msn.com/life/news/130918/trd13091823110010-n1.htm リニア新幹線と新幹線の料金比較 +700円 +1000円 11 MSN産経ニュース2013.9.18 http://sankei.jp.msn.com/life/news/130918/trd13091823110010-n1.htm 駅建設費の違い • 最短ルートで地元負担による1県1中間駅 • (地上350億円 地下駅2200億円)を前提 2010 Linear Citizensリニア・市民ネットhttp://www.gsn.jp/linear/jrzaigen2.html 12 総工費 • 名古屋開業までで5兆4300億円 • 大阪開業まで含めると約9兆円に上る。 13 所要時間 ボーイング777 80分 のぞみ700系 138分 リニア新幹線 67分 リニア中央新幹線建設促進期成同盟会http://www.linear-chuo-shinkansen-cpf.gr.jp/index.html 14 1編成あたりの定員 ボーイング777 514人 のぞみ700系 1323人 リニア新幹線 1000人 15 リニア中央新幹線建設促進期成同盟会http://www.linear-chuo-shinkansen-cpf.gr.jp/index.html 移動手段ごとの平均速度 ボーイング777 474km/h のぞみ700系 213km/h リニア新幹線 329km/h 16 リニア中央新幹線建設促進期成同盟会http://www.linear-chuo-shinkansen-cpf.gr.jp/index.html 3.地域事例 17 鹿児島市の例 リニア新幹線開通後の予想を立てるため平成23 年に開通した九州新幹線が通る鹿児島市の統計 データを調べた。 18 鹿児島入観光数 入観光数 10 000 9 500 9 000 8 500 九州新幹 線先行開 業 8 000 7 500 鹿児島の入観光数 • 平成23年3月に 九州新幹線開通 • 新幹線開通により 入観光客数の増 加が見られる 7 000 九州新幹線開通 鹿児島県内外別観光 数 • 県内も増加している が県外からの観光 客が圧倒的!! • やはり新幹線開通 による影響が大きい 九州新幹線先行 開業 入観光数(県内外) 5 500 5 000 4 500 県内人数 4 000 県外人数 3 500 新幹線開業 3 000 19 移動手段別 5 000 4 500 4 000 3 500 新幹線先行開 業 鉄 道 3 000 バス 2 500 自家用 2 000 航空機 1 500 船舶、その他 1 000 500 0 新幹線開 業 新幹線の開業により鉄道の利用客が増加! • 新幹線と自動車以外の乗り物が減少 20 宿泊観光数(千人) 3 600 3 400 3 200 3 000 2 800 新幹線先行開 業 2 600 2 400 2 200 新幹線開業 2 000 新幹線の開業の影響は宿泊にも影響はあり! 21 新幹線開業の影響 • 平成23年度の入込観光客数は9 5 5 万5 千人で前年 比7 . 7 % 増、宿泊観光客数は3 2 6 万1 千人で前年 比1 3 . 9 % 増となり、いずれも過去最高となった。 • 新幹線の開業年以降の移動手段は鉄道が上昇傾向に ありその他の移動手段は減少傾向にある。 これにより新幹線に移動手段を変更した事が分かる。 この効果はリニア新幹線開通にも当 てはまるのか!? 22 4.アンケート 23 アンケート調査の実施 • リニア新幹線開通後人々の移動手段は現在と比 べどう変化していくかを明らかにするため • 人々の属性による変化はあるのかを明らかにす るため 24 アンケート基本情報 • • • • • • 開始日 8月14日 締切日 9月30日 手段・・・知り合いや身内関係に依頼 アンケート配布枚数310 総サンプル数・・・276 回収率・・・89%(総サンプル276÷アケート 配布枚数310) • 欠損データ・・・37 • 有効回答数・・・239 25 26 1% 年齢 20代 31% 18% 40代 22% 28% 30代 50代 60代以上 27 従業上の役職 3% 1% 6% 85%が男性 経営・役員 管理職 18% 14% 経営者・役員職・以 外の正規社員 非正規社員(パート・ アルバイトを含む) 58% 86%が女性 自営業主 その他 28 名古屋~東京(品川)間の開通前後の 日帰り・宿泊の変化 現在新幹線で 日帰り、宿泊 日帰り 宿泊 42% 58% 将来リニアで 日帰り、宿泊 0% 20% 日帰り 宿泊 69% 31% 40% 60% 80% 29 100% あなたは新幹線で名古屋と東京(品 川)を往復することがありますか? よくある 17% 19% 時々ある あまりない 64% ない 30 その場合、何を目的に利用しますか? 4% 1% 仕事 レジャー・観光 39% 帰省 56% その他 31 リニア開通後名古屋と東京(品川)を往復 する場合、リニアと新幹線どちらを利用す ると思いますか? リニアが多い 18% 新幹線が多い 17% 65% どちらとも言えない 32 リニア開通後、東京・名古屋の往 復を増やそうと思いますか? 増やそうと思う 4% 70% 26% どちらかといえば増 やそうと思う どちらかといえば減ら そうと思う 減らそうと思う 33 アンケート結果 • リニアが開通する前とした後では、日帰りを選択する人 が42%から69%に増加。 • 交通手段としては新幹線からリニアを利用するという人 が65% • リニアが開通したら品川~名古屋往復を増やすという 人が96% このままでは往復回数が増えても宿泊が 減ってしまう!! 34 役職別新幹線での宿泊、日帰り比率 経営者・役員 85.70% 管理職 71.40% 正規雇用 非正規雇用 14.30% 28.60% 39.90% 60.10% 11.60% 自営業 88.40% 28.60% 0% 10% 20% 71.40% 30% 40% 新幹線日帰り 50% 60% 70% 80% 90% 100% 新幹線宿泊 役職別リニアでの宿泊、日帰り比率でも 同じ傾向に見られた 35 新幹線 日帰り 経営者・役員 管理職 宿泊 + + - 正規雇用 非正規雇用 + 自営業 この+・-は統計学的に選択する傾向、選択しな い傾向である事を示している 36 役職別利用目的 経営者・役員 84% 管理職 63% + 14% + 34% 37 正規雇用 39% 55% 非正規雇用 2% 自営業 + 91% 29% 0% 10% 71% 20% 仕事 30% 40% レジャー観光 50% 帰省 60% 70% その他 80% 90% 100% 結果 • 経営者・役員など役職が高い人はリニアを使いより 多く往復し仕事目的で利用する為日帰りが多い。 • 非正規雇用などの役職が低い人はレジャー・観光目 的の為、新幹線を利用し宿泊が多い。 この結果にアンケート結果を加味すると、リニアが開通し 利用客が増えても宿泊を伸ばすことはむずかしい。 宿泊を伸ばすにはレジャーだけでなく仕事目的の人に対 38 しても対策が必要!! 5.ホテルアンケート 39 ホテルアンケート基本情報 • • • • • • 開始日 10月25日 締切日 11月13日 手段・・・名古屋駅近郊ホテルに投函 アンケート配布枚数・・・30 総サンプル数・・・22 回収率・・・73%(総サンプル22÷アンケー ト配布枚数30) • 欠損データ・・・0 • 有効回答数・・・22 40 ホテルへの調査結果 • 返信があったホテルの過半数が宿泊数がやや減少 するものと回答 • やや減少すると答えたホテルの4分の3が何かしら 対策を検討していると回答 リニア開通に伴い御社の宿泊 数はどのように変化するお思 いしますか? やや かなり 増える 減少 5% 4% 変わら ない 27% やや 減少 64% 宿泊数減少に伴い何か対策を 検討されていますか 検討し ていな い 13% わから ない 20% 検討し ている 67% 41 ホテル • 客層の変化にあわせてホテルの施設改装。 *学会展示会、スポーツ研修団体客の集客強化。 • 営業力の強化・サービス強化。 • リニア新幹線工事期間中は工事特需、リニア 新幹線完成後はストロー現象に対して臨機応 変な対応。 • アクセスの向上により宿泊客、外国人観光客 の取り込み強化。 42 6.まとめ 43 これまでのまとめ • 地域事例(九州新幹線開業)から見るとリニア開通後も、 利用客が増え宿泊も増加傾向にあるものであると予想し ていた。 • アンケート結果よりリニア開通後は利用客は増えるが宿 泊ではなく日帰りを増やすと答えた人が多かった。 • クロス集計の結果では日帰りの人は仕事目的で利用し ているという事が分かった。 • 今後とも宿泊を伸ばすためにはレジャー・観光だけでなく 仕事目的で来る人にも対策が必要 44 これからの対策 研究結果からレジャー・観光客よりもビジネス客の減少が見 込まれるため以下の対策が必要であると考えた。 • ビジネス客を確保して ホテルでの仕事が円滑に進むようにビジネスの打ち合わ いかないと今後は生き せフロアの作成が必要。 打ち合わせ残ることができない!! ⇒ 会食 ⇒ 宿泊の流れを作れるように する。 • 地域ならではの食べ物などリピート客を掴む工夫をす る。 ビジネス客は同じ地域に何度も来ることが多い為リピー ト回数を増やす必要がある。 45 参考文献 • 2013年度中部経済学インターゼミ リニアモーターカーの開通による各 地域の経済効果安藤他(2013)中京大学近藤ゼミ http://www.ceis.jp/2013.html • 鉄道2014年10月28日(火)のぞみ10本ダイヤ http://response.jp/article/2014/10/28/236037.html • 日本経済新聞10月20日 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60280160X20C13A9TY1P01/ • Technity2013年6月3日 http://ggsoku.com/tech/linear-superexpressl01-unveiled/ • MSN産経ニュース2013.9.18 http://sankei.jp.msn.com/life/news/130918/trd13091823110010n1.htm • 2010 Linear Citizensリニア・市民ネット http://www.gsn.jp/linear/jrzaigen2.html • リニア中央新幹線建設促進期成同盟会 http://www.linear-chuoshinkansen-cpf.gr.jp/index.html 46
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