27pRE-3 ’06 03月27日 愛媛学会口頭発表 アクセプターを注入したn型ドープ量子細線 の発光における正孔の局在効果 Hole localization effect on PL spectra of an n-type doped T-shaped quantum wire with acceptor doping 東大物性研、CREST(JST)、ルーセント・ベル研A 井原章之、吉田正裕、秋山英文、Loren N. PfeifferA、Ken W. WestA ISSP, Univ. of Tokyo, CREST(JST) and Bell Labs., Lucent TechnologiesA イントロ ~ ドープ量子細線とは ノンドープ系 ドープ系 ポイント : 量子細線はBand端に状態密度の発散を持つ 背景 ~ これまでのドープ量子細線 J. M. Calleja et al., Solid State Commun. 79, 911 (1991). T. Ihara et al., To be published (2006). ・Band端の発光なし ・Band端の発光が強い ・強いFermi端異常 ・Fermi端異常なし 高次サブバンドの影響? 正孔の有効質量が関係? アイデア ~ 微量のAcceptorを注入 正孔をAcceptorイオンに局在させる Band端の発光は消え、Fermi端の発光が現われ る! (理論曲線) P. Hawrylak et al., Solid State Commun. 81, 525 (1992). 試料構造 ◎へき開再成長による高品質T型量子細線 (幅:6 x 14 nm) ◎片方の量子井戸にSiの変調ドープ ⇒ 電子ガス形成(1x1011cm-2) ◎ゲート電極の設置 ⇒ wire・arm wellの電子濃度が可変 ◎ Arm wellの内部にCarbonをデルタドープ(2x1010cm-2) ⇒ wireには3x104cm-1 程度のAcceptor準位が生じる 低電子濃度のPL(発光)およびPLE(発光励起)スペクトル ※ ※ ※ アクセプタードープ無しの試料との比較や、 励起強度依存性・スペクトルの空間分解によって同定した。 エネルギー的にも妥当。 電子濃度を増加させると、、、 電子濃度の増加に対して、、、 (wire、Arm well共通) Acceptor発光 ブルーシフト Plasma発光 レッドシフト Arm Plasma の 発光と吸収の関係 1.3x1011cm-2 Plasma 非局在正孔 発光 吸収 Band端(ブロー Fermi端 Arm Acceptor の 発光と吸収の関係 発光 Acceptor 局在正孔 吸収 Fermi端 Fermi端 Arm wellのPlasmaとAcceptorの違い Plasma 発光 非局在正孔 Band端 吸収 Fermi端 (ブロード) Acceptor 局在正孔 Fermi端 Fermi端 正孔の局在がFermi端の 発光を生じさせている Fermi端特異性(FES)効果には、 正孔の局在が必要であることを示唆。 このことは過去にも予測されていた(※)が、 実験的に明確に示したのは今回が初。 ※ Brown et al., Phys. Rev. B 56, 3937 (1997). Skolnick et al., Phys. Rev. Lett. 58, 2130 (1987). Hawrylak et al., Phys. Rev. B 44, 3821 (1991). Wire Plasma の 発光と吸収の関係 4.8x105cm-1 Plasma 非局在正孔 発光 吸収 Band端(シャー Fermi端 Wire Acceptor の 発光ピークのシフト 発光 Acceptor 局在正孔 Fermi端 吸収 wireのPlasmaとAcceptorの違い Plasma 発光 非局在正孔 Band端 吸収 Fermi端 (シャープ) Acceptor 局在正孔 Fermi端 Acceptor発光ではBand 端の発光は見えない 正孔が局在している場合は、 一次元系でもBand端の発光が現わ れない(Hawrylakの予測と一致)。 過去の実験(※2)でBand端の発光 が現われなかったのは、正孔が局在 していたからだと考えられる ※1 井原他 日本物理学会 2005年秋季大会 20aXB-5、20pPSA-21. ※2 J. M. Calleja et al., Solid State Commun. 79, 911 (1991). まとめ アクセプターを注入したn型ドープ量子細線の 発光および発光励起スペクトルを測定した。 一次元・二次元電子系ともに、正孔の局在が Fermi端の発光を生じさせることを示した。 (過去の予測と一致、明確に示したのは初) 正孔が局在している場合は、 一次元系でもBand端の発光が現われないことを示した。 (Hawrylakの予測と一致、過去の実験結果を説明)
© Copyright 2025 ExpyDoc