当院における4年間の院内急変対応 システム(RRS)起動実績の検討 聖マリアンナ医科大学 救急医学 高松由佳,楳川紗里,柳井真知,森澤健一郎, 田北無門,藤谷茂樹,平泰彦 日本救急医学会 COI 開示 筆頭発表者: 高松 由佳 この発表における開示すべきCOIはありません. 目的 ・大学病院においては,専門性・主治医制が強く, 一般的にRRS(Rapid Response System)の導入は 難しいとされる. ・当院における4年間の起動実績を集計し,推移を 報告する. 対象と方法 研究デザイン:前向き疫学研究 期間:2010年6月1日~2014年8月31日(4年+3ヶ月) 施設:聖マリアンナ医科大学病院 対象:上記期間中にRRS要請のあった患者 除外:なし RRS報告書に基づき,年次毎の各検討項目の推移を 比較検討した. 聖マリアンナ起動基準 上記のいずれかを満たし,かつ Medical Emergency Teamの起動が適当と判断された場合 RRS組織図 診療科所属長 病棟師長 病院長 医療安全管理室 報告 報告 報告 報告 RRS起動病棟 看護師 RRS起動 ベッド調整 (+救命救急センター 看護師) MET(medical emergency team) RRS起動 RRS起動病棟 主治医 フィードバック 協議 :リーダー+後期研修医1名 +初期研修医1名以上 結果 患者背景 0 5 循環器内科 神経内科 呼吸器・感染症内科 消化器・肝臓内科 代謝・内分泌内科 リウマチ・膠原病・アレルギー内科 腎・高血圧内科 血液内科 腫瘍内科 総合診療内科 神経精神科 消化器・一般外科 呼吸器外科 腎・泌尿器外科 心臓血管外科 整形外科 脳神経外科 乳腺内分泌外科 形成外科 小児外科 産婦人科 耳鼻咽喉科 皮膚科 眼科 その他 15 20 25 2 7 3 22 6 5 3 〈2010年6月~2014年8月〉 • N=138 • 平均年齢 62.8歳 S.D.= 19.1 • 性別 男性 69人(50%) 女性 69人(50%) 10 5 7 3 11 6 4 8 1 14 1 1 1 1 12 3 2 5 5 起動件数(件) 月毎のRRS発生件数(2010年6月-2014年8月) 8 7 6 5 4 3 2 1 0 平均2.7件/月,最大7件/月 1000入院あたりRRS発生数 2010/6- 2011/6- 2012/6- 2013/6- 2014/6-8 1000入院あたり RRS発生数(人) 7.29 7.48 13.19 9.57 17.13 1000入院あたり 死亡数(人) 3.11 2.86 3.12 2.98 2.58 RRS発生数と死亡数に有意差はなし(P=0.973*) *m×n Chi square testで検定 Successful rapid-response systems consistently deliver a high response “dose” (>25 calls per 1000 admissions). Jones DA, DeVita MA, Bellomo R: Rapid-response teams. N Engl J Med 2011; 365:139–146 発生場所 0% 2010/6- 2011/62012/6- 2013/62014/6- 8 20% 40% 60% 80% 100% 一般病室 外来 画像室 手術室 SCU 分娩室 透析室 その他 年度に関わらず一般病棟が最多であった 起動者の内訳 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% それ以外 看護師 医師 2010/6- 2011/6- 2012/6- 2013/6- 2014/6- 8 看護師は医師やそれ以外と比較し,有意に増加している (P=0.0018*) *m×n Chi square testで検定 起動内容(2010年6月-2014年8月) 16 14 12 10 8 6 4 2 0 30% 7.3%* 4.6% 2010/62011/62012/62013/62014/6- * 接触時CPA率: 27% 60 50 件数 40 30 20 10 0 MET介入内容(2010年6月-2014年8月) 移送先 0% 2010/62011/6- 2012/62013/62014/6-8 20% 40% 60% 80% 100% ER経由ICU ER経由CCU ER経由帰宅 一般病棟へ 一般外来へ 移送せず 転帰 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 改善率 増悪率 * 死亡率 * 増悪: 例えばCPA蘇生後低酸素脳症,1か月以内に死亡したもの等 結語 4年間で看護師からの起動件数は増加しており, RRSが急変時の対応策の一つとして院内に浸透し てきたといえる.
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