Texas Instruments PLL Loop Filter Simulator -HELP FILE- このツールは、ループを一つまたは二つ持ったCDCM52002の様なPLLのループ帯域 を最適化するための3次のローパスフィルタの設計を手助けすることができます。 このツールは一般的に以下の手順で使用されます。 先ず初めにツールをスタートさせると以下のStart Screenが立ち上がります。 Start Screen: 次に、ユーザーは次頁以降に記載されている順番(Step1 ~Step12)に従って目標値を 入力する必要があります。 1 Step1. ターゲット周波数の入力 Step6. 所望のループ帯域を入力(BW) Step7 C3の目標値入力 ①入力周波数(fin) ②比較周波数(fcomp) ③VCXO発振周波数(fvcxo) ④出力周波数(fout). ⑫Loop BW ⑬C3 PLLは、レファレンスクロックに対して ローパスフィルタとして動作し、その出 力クロックは帯域内では入力のPhase Noiseにトラッキングし、帯域外では Phase Noiseは減衰します。 入力クロックのPhase NoiseがVCOのノ イズよりも小さい時には、高いループ 帯域が望まれ、そうでない場合や特に 入力クロックノイズが不明の時(例えば ジッタクリーナーのアプリケーション時) には低いループ帯域が望まれます。 分からない場合は、default の20pFのままにしておきま す。 Step2. 分周器の設定 ⑤R,⑥N,⑦P,⑧M Step3. チャージポンプの電流値の入 力 ⑨CP current (Ip) BWの目安は、 fcomp/1000 ~fcomp/20000程度。 Step4. VCXOのゲインの入力 ⑩KVCO 製品によってはこの第三の 極がPLLのチップ内部の容量 で構成されており、小さな固 定容量のみ許されている場 合がありますので、データ シートをチェックしてください。 この例としてはCDCM52005 があります。 To Step8. Closed Loop Gain Peaking Step5. 位相余裕の入力 ⑪Phase Margin(PM) 分からない場合は、60 degreeを入力し ます。推奨は 46°~ 89°。 BW ①②③④⑤⑥⑦ ⑧⑨⑩⑪⑫⑬ 2 微調整 ⑯Closed Loop (1) Step8. (オプション) ⑭Gamma(γ)は、ロック時間とSpur gain に影響を与えます。 Defaultは1です。 (1) 入力クロックジッタの 出力クロックへの伝達特 性。 Jitter Transferとも言 われる。 微調整 Step9. (オプション) ⑮Ratio pole T3 to T1(T31) T31は、第一の極(2次フィルター)と第 三の極(R3/C3)間の比率を設定します。 このパラメータを0に設定すると事実上 3次フィルターは2次フィルターになり ます。このパラメータを1に設定すると、 理論上Spur attenuationを最大化しま す。理論上、 Spur attenuationはT31を ~62%(0.62)へ設定することにより既に 最大化されています。 Defaultは0.42(42%)です。 C3をVCOの入力容量の3倍よりも小さく することなくT31を最大化する様にして 下さい。 Step10. “Graph”の各ボタンをクリックすると、 それぞれのグラフが表示されます。 ⑯ Closed Loop ⑰ Open Loop ⑱ Phase Margin ⑰Open Loop ⑱Phase Margin ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ To Step11. 3 Step11. ⑲“Suggest RCs”のボタンをクリックす ると、RCの推奨値がRC Input/Outputの 各欄 に発生します。 Step12-A. ⑳-A R2,R3,C1,C2,C3を微調整します Step12-B ⑳-B このボタンをクリックすることに より、適正化されたRとCに基づいて、 Loop BWとPhase Marginが再計算され ます。 END ⑲ ⑳-A ⑳-B 4 Step10.関連 A グラグのどこかをクリックすると、選ばれ た箇所がポインタでマークされます。 B そのX,Y座標と傾きがレポートされます。 C Gain Peaking の値です。 A B C 5 付録 ●Closed Loop (Jitter Transfer)とGain peaking 下のClosed LoopのグラフではGain peakingが+10dBもあり、十数kHzの周波数の 入力ジッタが3倍 に増幅され出力されることになりますので、好ましい特 性では ありません。 Gain peakingは通常+0.5dB程度以下が望ましく、どうしても収まらない場合でも最 悪 +2dB~+3dB程度以下にはした方が良いです。但しこの場合、 Gain peakに なる近辺の周波数のジッタ が無いかどうかの確認と ある場合の影響を確認し ておく必要はあると思います。 また、Gain peakingが大きい場合、その周波数近辺の周波数のノイズが電源に 載っていると一般的に出力ジッタは大きくなりますので、電源ノイ ズの周波数に も注意する必要があります。 Gain peaking: 10dB 改版履歴 1版: 2013年12月26日 6
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