スライド 1

温室効果の物理をエネルギーバラ
ンスを用いて正しく理解する
三重大学・大学院生物資源学研究科
共生環境学専攻
地球環境気候学研究室
教授 立花義裕
典型的な間違った図
財団法人省エネルギーセンター の図を引用
http://www.eccj.or.jp/summary/warm.html
課題
• 温室効果について、下記のような間違った説明がし
ばしばなされている。どこが間違っているか?1)間
違いを指摘し、2)正しい解説に直せ。
• 温室効果ガスが無い場合は、太陽からやってくる光
エネルギーと、地球から宇宙へ放出される赤外線エ
ネルギー(熱エネルギー)が丁度バランスしている。
ところが、温室効果ガスが増えると、地球から宇宙
に放出されるはずの熱エネルギーが、温室効果ガ
スに遮られて、熱が宇宙に逃げられなくなる。従って、
太陽からやってくる光エネルギーと地球から宇宙へ
逃げる熱エネルギーの量のバランスが崩れ、結果と
して熱がどんどん溜まっていき、地球は温暖化して
いく。これを温室効果という。
温室効果のメカニズム
•鍋にふたをすると
なぜ中のお湯は冷めないのか
この理由とかなり似ている
湯
•
•
•
•
部屋の温度は
どのように決まっているのか?
1:00
2:00
3:00
4:00
15℃
15℃
15℃
15℃
室温15℃
一定
時間変化なし
窓
②暖気
でも、温度は下がらない
Why?
①寒気
(常に暖
めてい
る。)
(常に冷やしている)
家電製品等から
①=②だから
=エネルギーがバランス
室温 15℃
温度変化なし
エネルギーバランス
①もらうエネルギー=②失うエネルギー
地球にあてはめてみよう!!
co2 がない場合の地球
• その壱
一定
•
•
•
•
1900年
1930年
1960年
1990年
15℃
15℃
15℃
15℃
時間変化なし
エネルギーバランスしている
①地球にとってのもらうエネルギー
・太陽光エネルギー
②地球にとっての失うエネルギー
・赤外線エネルギー
赤外線 :全ての物質からはその温度にほぼ
比例して赤外線が放出されている。
• ex .
鉄板を触らなくても鉄板の上に
手をかざすだけで熱いかどうかわかる
200度
熱く感じる
手
赤外線 大
200度
手
赤外線 小
50度
熱く感じナイ
50度
お好み焼き屋
さんの鉄板
・手は赤外線の強さを感じることが出来る。
・手は赤外線を吸収する。
再び地球を考える。。。
赤外線
エネルギー
①
②
太陽光
エネルギー
地表面
①=②である
①にバランスする温度が15℃である。
co2 がたくさんある地球
•
•
•
•
2100年
2101年
2102年
2103年
全てほぼ同じ温度であると
仮定する。
X℃
X℃
X℃
X℃
温度一定
エネルギーバランス
その温度が何度であるか?を考える。
co2 の重要な性質;
①赤外線を吸収する!!
②太陽光は吸収しない!!
エネルギーバランスを考えよう!
赤外
太陽光
Y℃
①
co2
吸収
② ②赤外 ① 赤外
地表
X℃
エネルギーバランス
①地球表面がもらうエネルギー
太陽 1コ + 赤外 1コ
= 2コ
②地球表面が失うエネルギーは?
①=② でないといけない!!
従って、赤外が2コ なければならない
エネルギーバランスの要請から
赤外を2コ出すためにはどうすればよいか?
赤外線 :全ての物質からはその温度にほぼ
比例して赤外線が放出されている。
• ex .
鉄板を触らなくても鉄板の上に
手をかざすだけで熱いかどうかわかる
200度
熱く感じる
手
赤外線 大
200度
手
赤外線 小
50度
熱く感じナイ
50度
お好み焼き屋
さんの鉄板
・手は赤外線の強さを感じることが出来る。
・手は赤外線を吸収する。
エネルギーバランスを考えよう!
赤外
太陽光
①
吸収
②
Y℃
co2
①
②
赤外
X℃
地表
地表のエネルギーバランス
①地球表面がもらうエネルギー
太陽 1コ + 赤外 1コ
= 2コ
②地球表面が失うエネルギーは?
①=② でないといけない!!
従って、赤外が2コ なければならない
エネルギーバランスの要請から
赤外を2コ出すためにはどうすればよいか?
温度が2倍 あればよい!!
エネルギーバランスを考えよう!
赤外
太陽光
①
吸収
②
地表
co2
Y℃
①
②
赤外
X℃
co2大気層のエネルギーバランス
①co2 大気層がもらうエネルギー 地表面からの赤外
co2
②
大気層が失うエネルギー
2コ =2コ
下向き1コ + 上向き1コ =2コ
①=② より、エネルギーバランスしている!!
再び、ナベに戻って。。。
② 赤外
フタのないナベ
②のみで
バランスしていない。
どんどん温度が下がる
湯
吸収
フタのあるナベ
赤外
X℃
①
②
湯
赤外 ①=②
エネルギーが
バランスしている
温度一定