講義:エコビジネス論 第9回(11月27日) 豊澄智己 http://environ.shudo-u.ac.jp/~toyozumi/ • エコビジネスが一過性のベンチャー企業として登場 してきたのではなく、構造的な産業転換の要因に なってきた根拠。さらにエコビジネスは既存の産業 構造を(創造的)破壊する可能性がある • 環境効率と経済効率性を一致させる市場メカニズム づくりは、単なる経済システムの目標ではなく、いま や企業の持続的成長の条件 • 環境政策と経済政策のアンバランスにともなって生 じる貧困や人権の課題、環境問題、公害問題を解 決するためには、持続可能な発展の経済社会の実 現が必須 仲上健一「エコビジネス論」法律文化社 • 企業の環境戦略 ①汚染防止(205頁) ②製品管理(206p) ③クリーン技術(206p) ②と③がエコビジネスに関連 例)自動車産業(ホンダとマスキー法) (207頁及びビデオ) 1960年代:米国では大気汚染が深刻化 1970年代:日本でも光化学スモッグが発生 1970年代、自動車の排出ガスに含まれる有害物質を1976年ま でに1/10に削減するというマスキー法が可決 CVCCエンジンで1972年に世界で始めて基準をクリアー 1992年環境宣言 http://www.honda.co.jp/environment/details/library/movie 01a_bb.html 地球そのものを活動の舞台とするグローバルカ ンパニーとしての責務 地球市民の一員としての自覚 人々の喜びのためにその喜びを次世代へつな げるために グローバルな視点から環境への取り組みを進 めている。 ホンダの環境技術 ハイブリット車の世界展開 2005年11月新ハイブリットシステム「シビック ハイブリット」の販売 出力:20%↑ 燃費:5%↑ 2194500~2362500 cf.1879500~2236500 http://www.honda.co.jp/tech/auto/engine/honda-ima/ • Hondaは、1999年にアメリカで初のハイブリッド車 「インサイト」を発売して以来、「シビックハイブリッド」、 さらに「アコードハイブリッド」を発 売してきましたが、 2005年11月、新Hondaハイブリッドシステム「3ス テージi-VTEC+IMA」搭載の「シビックハイブリッド」 を発売しまし た。 • Hondaは、今後、より一層の燃費向上と、さら に低価格を実現したファミリーユースに適した 新型のハイブリッド専用車を開発し、よりお求 めやすい価格で、世界のより多くのお客様へ ハイブリッドをお届けし、CO2の削減に貢献し ていきます。 「マイルドハイブリット」と「フルハイブリット」 ・アイドリングストップやブレーキをかけた時に 発生するエネルギーを無駄にせず、吸収、回 生させ、エアコンなどの作動に使うというシス テム(トヨタの「クラウン」や「ヴィッツ」にマイル ドハイブリッド方式(THS-M)) ・エンジンとモーターの2つの駆動手段+バッテ リーとタンクの2つのエネルギー貯蔵システ ム • パラレル方式はエンジンを主動力に、モー ターを補助動力として加速時のみに使用する ため、エンジンの使用割合が圧倒的に多い • ホンダが先 頭に立って推進しており、「アコー ドハイブリッド」や「シビックハイブリッド」に採 用 • エンジンにモーターが補助的につくというシン プルな機構 • シリーズ方式は、エンジンで発電機を動かし、 その発電した電力によってモーターが車輪を 駆動する方式 • モーターだけで走行するわけで、モーターが 大きくなければならないうえ、発電しながら走 るため航続距離が伸びない • 一定地域内を走るバスやトラックに採用され たケースはあるが、今は乗用車としての製品 はほとんど存在していない • シリーズ・パラレル方式は、発進時や低速走 行時にはモーターだけで走る一方、通常走行 時や全開加速時にはモーターとエンジンが力 を合わせてパワーを発揮するなど、走行状況 に応じてモーターとエンジンの使用割合を自 在に制御する • こちらの開発最前線を行くのがトヨタで、「プリ ウス」や「ハ リアーハイブリッド」「クルーガー ハイブリッド」に搭載されている 次世代ディーゼルエンジンの開発 CO2の排出削減のために、キーテクノロジー として着目 2003年12月欧州にてディーゼル:アコード発 売 新型Dエンジンで 「ティア2 Bin5(ガソリン車 と同等のNOX排出レベル)」をクリアー2006・ 9・25 進化型エンジンによる燃費性能の向上 VTEC(可変バルブタイミング・リフト機能)を搭 載 2005年9月シビック・・・17km・L 2003年にインスパイアーから導入したVCM(可 変シリンダーシステム)を進化させ、2005年 のV6エンジンよりも11%燃費向上 燃料電池車 http://www.honda.co.jp/FCX/ 走行中に水しか排出しない次世代燃料電池車 水素と酸素の反応で電気を作り、モーターを駆動す る。ガソリンを使わず、排出ガスゼロ。 一回の水素充電で570km http://www.honda.co.jp/environment/details/library/movie04c_bb.html ブラジル向けFFV(フレキシブル・フューエル・ ビークル) ガソリンをベースにエタノール燃料orガソリンと エタノールの混合燃料(エタノール混合燃料) でも走行可能 ガソリン車と同等の性能 バイオエタノールはカーボンフリーのため地球 温暖化対策技術として着目 ●エンジンスペック (Honda テスト値) シビックFFV フィットFFV 排気量 1.8L 1.4L 最高出力103kW(140ps)/6,200rpm(エタノール※1) 102kW(138ps)/6,200rpm(ガソリン※2) 61kW(83ps)/5,700rpm(エタノール※1) 59kW(80ps)/5,700rpm(ガソリン※2) 最大トルク174N・m(17.7kg・m)/4,300rpm(エタノール※1) 172N・m(17.5kg・m)/5,000rpm(ガソリン※2) 119N・m(12.1kg・m)/2,800rpm(エタノール※1) 116N・m(11.8kg・m)/2,800rpm(ガソリン※2)※1 エタノール100% ※2 エタノール22%混合ガソリン まとめ • Hondaは、早くから時代ごとの環境課題に積極的に 取り組んできました。 1980年代半ばより地球上で様々な環境問題が顕在 化し、世界的な対応が求められるようになりました が、Hondaはこうした問題が発生する以前の、いわ ゆる公害問題の時代から、環境課題の一つひとつ に取り組みを展開してきました。 さらに、取り組みを具体化させるための達成目標を 掲げ、環境保全活動を推進し、新世紀に世界の皆 様から「存在を期待される企業」となることを目指し ています。 • 参考)電気自動車 エリーカ (Eliica) は、慶應義塾大学と38社に上 る企業が共同開発した電気自動車。最高速 度は370km/hを記録し、世界一の速度を持つ 電気自動車 • これまでの自動車と大きく異なり、8本の車輪 の中にモータやブレーキをそれぞれ内蔵した 8輪駆動を実現している。 このため、走行中 の損失が低減されるとともに、タイヤごとの制 御によって運転性能が向上している。 • 電源としてリチウムイオン電池を使用 http://www.eliica.com/
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