特定領域研究 「質量起源と超対称性物理の研究」

2005年3月7日
金
特定領域研究
「質量起源と超対称性物理の研究」
第3回研究会 2005年3月7-8日 つくば国際会議場エポカル
研究目標
「物質に質量があるのはなぜか,
物質の質量を決めている物理法則は何か」
〇質量起源の謎を解く鍵となるヒッグス粒子の探索
世界最高エネルギーの陽子反陽子衝突実験
(A01 CDF実験)
〇素粒子物理の標準理論からのずれ(新しい物理の手がかり)
ファクトリー加速器を用いた精密実験
(A01~A05 トップ・B・τ・Kファクトリー)
〇次世代の加速器実験の提案と開発研究
LHC実験, ILC実験,J-PARC実験,SuperB実験 (公募研究)
理論(A06)と実験の密接な共同研究
信弘
領域内における研究組織
計画研究(平成14年度発足) ・公募研究(平成16年度発足)
http://www.tsukuba.jp.hep.net/~skim/tokutei/h14kenkyuu-tokutei.html
http://www.tsukuba.jp.hep.net/~skim/tokutei/h16kenkyuu-tokutei.html
計画研究
高エネルギー陽子・反陽子衝突によるヒッグス粒子の探索 A01
CDF実験
金 信弘(筑波大学物理学系)
Bファクトリーを用いた質量起源の探求 A02
BELLE実験
相原博昭(東京大学大学院理学系研究科)
タウレプトンの物理 A03
BELLE実験
大島隆義(名古屋大学大学院理学研究科)
Kファクトリーを用いたK0→π0νν崩壊の測定 A04
KEK-E391a, JHF
山中 卓(大阪大学大学院理学系研究科)
荷電および中性K中間子の稀崩壊の精密測定 A05
BNL-E949, KOPIO
杉本章二郎(KEK素粒子原子核研究所)
ヒッグスセクターと超対称理論ダイナミックスの現象論的研究 A06
理論
日笠健一(東北大学大学院理学研究科)
平成16-17年度公募研究
平成16年2月9日 科学研究費補助金審査部会質量起源専門委員会
20件の公募研究が採択(A01 5件、A02 5件、A03 1件、A06 9件) うち1件辞退
http://www.tsukuba.jp.hep.net/~skim/tokutei/h16kenkyuu-tokutei.html
公募研究名
研究項目番号
代表研究者(所属)
APDによるシンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメータの読み出し A01 吉田拓生(福井大学工学部)
超小型シンチレータタイルを用いたデジタルハドロンカロリメータの開発研究 A01 竹下徹(信州大学理学部)
超対称ヒッグス粒子の探索 A01 両角卓也(広島大学大学院理学系研究科)
高放射線環境下での素粒子実験用電子回路の安定動作技術の確立 A01 福永力(東京都立大学大学院理学研究科)
大強度・高輝度加速器で使用するビームモニターの開発 A02 中家剛(京都大学大学院理学系研究科)
波長変換剤を添加した改良型シリカエアロゲルの開発 A03 住吉孝行(東京都立大学大学院理学研究科)
Belle測定器の高抵抗板検出器をスーパーKEKBで使うためのガスの研究 A03 寺本吉輝(大阪市立大学)
超高帯域光通信路によるデータ収集系の研究 A02 中尾幹彦(高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所)
低消費電力1GHz波形記憶集積回路の開発研究 A02 田中真伸(高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究
所)
エアロジェルRICH検出器の開発研究 A03 飯島 徹(名古屋大学大学院理学研究科)
格子QCDによる重いクォークの物理の研究の展開 A06 青木慎也(筑波大学物理学系)
三世代の質量構造と新しい物理 A06 佐藤 丈(埼玉大学理学部)
ドメーン・ウォールなどに局在した粒子の質量と対称性の破れの研究 A06 坂井典佑(東京工業大学)
電子・陽電子リニアコライダーにおける標準模型を超える新しい物理の現象論的研究 A06曹基哲(お茶の水女子大学)
クォーク・レプトン質量行列のフレーバー構造の研究 A06 谷本盛光(新潟大学理学部)
B中間子のセミレプトニック崩壊と小林益川行列要素の決定 A06 大野木哲也(京都大学基礎物理学研究所)
現実的湯川行列を導く機構とその対称性の破れの項への影響 A06 小林達夫(京都大学大学院理学研究科)
自然な大統一理論の構築とその予言 A06 前川展祐(京都大学大学院理学研究科)
ヒッグス場の起源が高次元ゲージ場のスカラー成分である可能性についての研究 A06 波場直之(徳島大学)
A01成果:
トップクォーク
の質量測定結果
CDF標準bジェット同定アルゴリズム
(SECVTX)に加えて、Jet probabilityア
ルゴリズムも用いて、4つのジェットの
うち2つがボトムクォークのジェットで
あると同定できる11事象を選別。
質量再構成は従来の方法。
佐藤構二(筑波大)博士論文解析
bジェット一個を同定した事象に対して
トップクォークの質量をDynamical
Likelihood Method (DLM)で再構成。
寄田浩平(早稲田大)博士論文解析
近藤都登教授(早稲田大)考案のDLM解析
A01:トップクォークとWボソン質量測定による
ヒッグス粒子の間接探索
テバトロン実験 Run Iの成果 :
(2004年: Mtop = 178.0 ± 4.3 GeV/c2 )
MW = 80.452 ± 0.062 GeV/c2
Run II
ヒッグス粒子の質量に与えられる制限 :
251 GeV (2004年) @95%CL
Higgs Mass
RunⅡ 2 fb-1(~2006年春):
ΔMtop < 3 GeV/c2
ΔMW ~ 30 MeV/c2
→ ΔMHiggs ~ 30%
Higgs Mass (GeV)
250
200
?
150
100
50
0
1999年
2000年
2004年
2006年
A02成果:B中間子崩壊における量子効果を用いた新しい物理の探索
hadronic
s penguins:
B  K S b →
B  K S
と 0
の
崩壊時間分布の非対称性
など。
0
2億7500万B・反Bペアから
139個φKs事象検出+他のモード→
sin21(bgsqq) = 0.43  0.08
sin21(bgccs) = 0.726  0.037
CL = 3.410-4 (3.6s)
(標準理論と99.96%の確率で
ずれている。)
A02成果を報道した新聞各紙
現状と展望
• 各研究項目において実験と検出器製作が順調に進んでおり、
期待された成果があがっている。
– 質量起源のヒッグス粒子の間接探索となるトップクォークの質量測定。
– B中間子の稀崩壊の測定で b → s penguins でのCPの破れが標準理
論予測からずれている(99.96%の確率)。超対称性粒子の可能性。
– タウレプトンの稀崩壊の探索による新しい物理の手がかり追求。
– Kファクトリーでの実験・実験準備が進展中。
• 最終年度が4月より始まる。各研究の成果を全体的に総合す
る段階であり、所期の研究目的を達成するべく務める。今後の
研究会で、現在進めている方向に研究連携を深めて、領域全
体での 研究成果を結実させる。