§3. 「国民主権」 と民主制 2007年5月1日 社会科学部 憲法 §3.「国民主権」 と民主制 1.国民主権の多義性 2.ナシオン主権とプープル主権 3.純粋代表と半代表 4.代表制の意義=直接制の危険 5.国民主権の限界 §3.「国民主権」 と民主制 1.国民主権の多義性 「国民」 の 「主権」 ・「国民」…who? ・「主権」…what? 日本国憲法前文 「国政は国民の厳粛な信託に基づく」 「権威は国民に由来」 「権力は国民の代表者が行使」 §3.「国民主権」 と民主制 2.ナシオン主権とプープル主権 「ナシオン主権」 -ナシオン=抽象的存在としての国民総体 -純粋代表の理論 …代表する者とされる者の間の直接の 関係を必要とせず 「プープル主権」 -プープル=具体的な政治的能力者の総体 -直接制への指向…法律制定への直接の関与 §3.「国民主権」 と民主制 3.純粋代表と半代表 純粋代表 =代表者の意思は被代表者の意思によって縛られない 半代表 =代表者の意思は被代表者の意思に事実上拘束 (普通選挙、再選可能性、政党制、比例代表) 半直接 =代表者の意思は被代表者の意思に拘束される (命令的委任、リコール制) 直接制 §3.「国民主権」 と民主制 4.代表制の意義=直接制の危険 直接民主制の危険 - 国民投票=討議の過程が保障されない =選択肢の集約における決定の先取 - 選択肢の単純化 …究極的には、人を選んで全権委任 半直接の問題点 - 「国民全体の利益」が代表されない - 選出母体のエゴの、妥協不可能な対立 §3.「国民主権」 と民主制 5.国民主権の限界 プープル主権=直接制の危険による限界 ナシオン主権=空疎な正当性に転換 ∴「国民主権」の ・実質化の必要+・限界の認識 特に: 「国民主権」の限界としての基本的人権 ・基本的人権=多数決の限界線 ・人権のための民主主義であり、 民主主義のための人権ではない
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