ビデュリオン vs リキスミア ~インスリンと併用ができるかどうか~ HDC アトラスクリニック院長 日本医科大学客員教授 鈴木 吉彦 M.D. ビデュリオン投与後52週までの HbA1c値の推移(GWCK試験) ビデュリオン (n=78 ) バイエッタ/ビデュリオン (n=77) (%) 9.0 試験薬投与期間 継続期間 HbA1c値 (バイエッタはビデュリオンに切り替え) この間の12週間を 我慢できるか・・・ 8.0 7.0 ~ ~ 平均値±標準誤差 0 0 4 8 12 20 26 30 34 38 46 52 (週) 対 象 : 経口血糖降下薬単剤(スルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤)または2種類併用のいずれかを服用しても効果不十分な20 歳以上の日本人2 型糖尿病患者 155例 方 法 : 無作為化非盲検並行群間比較試験。ビデュリオン2mg週1回皮下注射(78例)又はバイエッタ10μg1日2回皮下注射(投与開始後4週間は5μg:77 例)にて26週間投 与した。続いてすべての被験者にビデュリオンを26週間投与した。 バイエッタは承認された効能・効果と異なる患者(スルホニルウレア剤非併用)を含む 承認時評価資料:アジア地域での第Ⅲ相比較試験(GWCK試験)52週 Onishi Y. et al.: J Diabetes Invest. 4: 182-189, 2013(GWCK試験) ビデュリオンはビクトーザと バイエッタの欠点を補っている ●ビデュリオンの長所 ①作用時間が長く、週1回投与なので、QOLが向上が期待できる。 ②悪心、嘔吐が、従来のGLP-1製剤より少ない。 ③GLP-1タキフィラキシーが少ない。RHGTも少ない可能性が高い。 ④人前で投与する事がない。長期の旅行など薬剤の持ち歩きがない。 ⑤注射に対する心理的抵抗感が少ない。 ※RHGT:Rebound Hyperglycemia of GLP-1 Tachyphylaxis ●ビデュリオンの欠点 ①注射部位の違和感(硬結・結節)の頻度が高い。 ②投与準備(キット組立て)が複雑である。(高齢者の自己注は困難) ③他のGLP-1製剤からの切り替えでは一時的な血糖コントロールが悪化。 ※空腹感を思い出すという、人としての「自由」を奪われかねない。 (ただし、この「抗肥満作用」として活用すれば、欠点が長所にも なる。特に、大柄の肥満患者の血糖コントロールに成功する。) ビデュリオンは、バイエッタより導入が困難な場合もあります。なので、まず、リキ スミアや、バイエッタの導入により、患者個々の消化器系副作用・食欲低下など の反応を診てから初めても遅くはないと考えています。 まず、リキスミア、バイエッタ・ビクトーザ等の処方経験がある糖尿病専門医が、 処方するのが良い薬剤であると考えます。 リキスミア、バイエッタ・ ビクトーザ (GLP‐1製剤の基本を習得する) ビデュリオン (バイエッタ・ビクトーザの応用) この空腹時血糖値 を下げるか、下げにくいか の差が後になり、大きな 差になり現れてくる。 4〜6週間で突然に 空腹時血糖値が下がる。 就寝前ランタスとの併用は 低血糖の危険を増すので 難しい 15週間超えてくるとFBSが 上がってくる。安心して慣れが 起こる。過食が始まる。しかし、 そこにランタスを追加すると、 体重が増え、HbA1cが上がる。 アマリールの食後服用の可能性(?): 今後は要検討 • GLP1受容体作動薬で吐気がでてきた頃には アマリールは、食前投与だと、低血糖を 起こすことがある。 • 心配であれば、アマリールを食後内服を勧めることもあり。導 入時には特に注意が必要。 • Case 実例:男性50歳台。ビデュリオン投与後に数週目で電話 あり。アマリールを朝、服用したが、朝食が食べられなかった。 すると、昼食前に、急激な寒気が襲ってきて、布団に はいって寝ていたら治った。低血糖でしょうか?という質問。 • ビデュリオンだけでなく、リキスミアでも起こる可能性はあり。 BOT(DPP4阻害薬を含む)からの切り替えにおいては リキシセナチドと インスリンとの併用 (イメージ像) 週1回製剤の GLP1受容体作動薬 への切り替え
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