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日本原子力学会 2009年秋の大会
東京大学大学院 工学系研究科
○寿楽 浩太、川崎大介、小田卓司、勝木知里
カリフォルニア大学バークレー校 Joonhong Ahn
東大原子力グローバルCOEでの
「社会論」教育研究
工学系大学院教育の中での技術の社会的
側面に関する教育プログラム開発
 社会科学系の特任専任教員3名が専攻所
属教員や客員教員と連携して教育研究に
参加
 また、本GCOEが米UCバークレー校原
子力工学科と提携していることから、同
校との連携も模索

HLW処分と社会的側面
「社会論」教育研究のテーマの一つとして
HLW処分技術に注目
 HLW処分技術の(社会的文脈における)特
質

 まさにこれから事業化(≒立地)する段階
 「バックエンド」:直接的に便益を生み出すわ
けではない
 多に例のないほど長期・超長期なタイムスケー
ルが議論に登場
 社会的側面の検討と、それを理解できる人材育
成が急務
社会科学についての勉強会の開催
2008年度には1回3時間の「放射性廃棄
物処分・核燃料サイクルに関する社会科
学勉強会」を14回開催
 六ヶ所村、東洋町でのpreliminaryな
フィールド調査も実施
 議論を重ねる中で、具体的な教育プログ
ラム開発に向けた先行例として「サマー
スクール」形式での集中講義を計画

国際サマースクールの企画

2009年1月に米国で合宿を実施
 東大・UCB連携の枠内で、2009年夏にHLW処分
の社会的側面にフォーカスしたサマースクール
を実施することを決定

「国際サマースクール」としてUCBで実施
 技術の社会的側面についての教育研究では欧米
がなお先行
 HLW処分をめぐっても諸外国の事例は有益
 UCBの学生を始め、各国の学生にも門戸を開く
スクールのねらい

学んでもらいたいこと
 HLW処分技術についての基本的理解
 HLW処分事業の現状
 HLW処分技術を社会的文脈で理解するため
に必要な社会科学的素養
○ この場合、必ずしもHLW処分技術そのものを
テーマにしていなくても良い
 異なる分野の講師や他国の学生との対話を
通して技術者としての自分の立場を相対化
スクールの概要

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
“2009 Advanced Summer School of Radioactive
Waste Disposal with Social-Scientific Literacy”
2009年8月3日(月)~8月10日(月)
場所:UCバークレー校、SFベイエリア、WIPP
(ニューメキシコ州)
講師:文理をまたぎ日米を中心に25名
聴講者・学生:7カ国からポスドク・白紙化定額
制を中心に30名
講義・講演:21コマ
最終日には講師によるパネルディスカッションも
実施
地質学フィールド見学、WIPP施設見学を併せて
実施
プログラム
日付
8/3
8/4
講義題目等
講師・発表者
放射性廃棄物地層処分技術の基
Dr. Michael J. Apted (Monitor Scientific)
礎
Prof. R. Keith Schwer (ネヴァダ州立大学ラスベ
経済学の基礎
ガス校)
社会学の基礎
松本三和夫教授(東京大学)
核燃料サイクル技術の基礎
河田東海夫氏(原子力発電環境整備機構
(NUMO))
Dr. Peter Swift(サンディア国立研究所)
Knowledge Management技術
梅木博之博士(日本原子力研究開発機構)
放 射 性 廃 棄 物 地 層 処 分 の 規 制 Dr. Mikeael Jensen(スウェーデン放射線防護機
(スウェーデン事例)
関)
8/5
リスク・社会・環境I
Prof. Eugene A. Rosa(ワシントン州立大学)
核不拡散の技術
Prof. Jor-Shan Choi(東京大学)
核不拡散と国際政治
鈴木達治郎博士(電力中央研究所)
意思決定プロセス
Mr. Alan Pasternak
(カリフォルニア放射性物質管理フォーラム)
地層処分技術の技術史
Prof. Cathryn Carson(UCB)
プログラム
日付
講義題目等
講師・発表者
8/6
(シンポジウム形式)
河田東海夫氏,長崎晋也教授(東京大学),Dr. Gary
日・米・韓・スウェーデン Celfice(ネヴァダ大学),Dr. Mikeael Jensen,Prof.
各国専門家からの話題提供 Joo-Ho Whang(慶熙大学),Prof. Allison Macfarlane
( ジ ョ ー ジ メ イ ソ ン 大 学 ) , Dr. James Conca
(ニューメキシコ州立大学),Prof. Per F. Peterson
(UCB)
8/7
(シンポジウム形式)
テーマ1:
What does society want?
テーマ2:
Engineers' role in decision
making process
8/8
地質学フィールド見学(引率・解説:Dr. Michael J. Apted)
8/10
WIPP(放射性廃棄物隔離試験施設)見学
田中知教授(東京大学),Dr. Andrew Orrell(サン
ディア国立研究所),Mr. Joseph D. Ziegler(ネヴァ
ダ州ナイ郡コンサルタント),Mr. Engelbrecht von
Tiesenhausen(元ネヴァダ州クラーク郡放射性廃棄
物処分場担当),Dr. Michael J. Apted,Prof. Joo-Ho
Whang, Prof. Allison Macfarlane,岩田修一教授(東
京大学),Prof. Cathryn Carson,Dr. Peter Swift,河
田東海夫氏
所感と課題:次回以降に向けて

まず、講師・聴講者の集まりは予想以上
 潜在的需要の高さを再認識

参加した講師陣から高い評価
 文系の講師からも非常に好意的感想

学生にもおおむね好評だった
 しかし一方で「工学の相対化」は不十分?
 社会科学系の講義にはアレルギーもあった
模様

来年も続編をぜひ開催したい
 学生をheterogeneousにすることが重要?
ある学生の発言

“…technical experts are victims of social,
political process…”

講義期間の終盤にこうした発言があった
 もちろん、意見として否定しないが、そう
した見方とは異なる考え方の存在を伝えた
かった…
詳細は…
http://goneri.nuc.berkeley.edu/pages2009/
 報告書 “2009 Advanced Summer School of
Radioactive Waste Disposal with SocialScientific Literacy” を編集中


ご意見、お問い合わせがありましたら、
[email protected]までお寄せくださ
い。