構造力学 復習用資料 津田研究室 4年 村上香織 モーメント 力 • 物体に作用する力Fは加速度aおよび質量m に比例する.(ニュートンの第二法則より) F=ma (単位:N=kgm/s2) • 力はベクトル量 • 力の三要素:「大きさ」・「向き」・「作用点」 モーメント • モーメントとは任意の点の周りに 回転させようとする力の働きのこ と. (単位:Nm,kNm) M=Pl • 一般的に,時計回りを正,反時 計回りを負とする. • 手でナットを回す力Pとスパナの 長さlの積PlがモーメントMである. • スパナの端を持ったほうが楽 lが長いほうがモーメントが大きい モーメント • モーメントとは任意の点の周りに 回転させようとする力の働きのこ と. (単位:Nm,kNm) M=Pl • 一般的に,時計回りを正,反時 計回りを負とする. • 手でナットを回す力Pとスパナの 長さlの積PlがモーメントMである. • スパナの端を持ったほうが楽 lが長いほうがモーメントが大きい 偶力 • 大きさが等しく平行で,方 向が異なる二つの力のこと を偶力という. • 偶力は物体に作用して回 転運動を起こす. ⇒偶力のモーメント • 例:車のハンドル,水道の 蛇口 偶力 • 大きさが等しく平行で,方 向が異なる二つの力のこと を偶力という. • 偶力は物体に作用して回 転運動を起こす. ⇒偶力のモーメント • 例:車のハンドル,水道の 蛇口 力の合成・分解 同一作用線上の力 • 同一線上の力であれば,力を移動すること ができる. P • P'=P 同一線上の力は,足し算,引き算ができる. P1 P2 R= P1+ P2 2力の合成 • 1点に作用する2つの力 は,この2力を2辺とする 平行四辺形の対角線を 用いて,合成することが できる. • 合成した力を合力という. • 例:ゴムのぱちんこで玉 を飛ばす 2力の合成 • 1点に作用する2つの力 は,この2力を2辺とする 平行四辺形の対角線を 用いて,合成することが できる. • 合成した力を合力という. • 例:ゴムのぱちんこで玉 を飛ばす 力の分解 • 三角関数を用いることによ り,1つの力を2方向の力に 分解することができる. • 分解したそれぞれの力を分 力という. • 例:二人でバケツをもつ 荷重 集中荷重 • 集中荷重とは,部材のある 1点に集中して作用する荷 重である. (単位:N,kN) P モーメント荷重 • モーメント荷重とは,部材 のある1点に回転力として 作用する荷重である. (単位はN・mm,kN・m) M 分布荷重 • 分布荷重は部材に分布して作用する荷重である. (単位:N/m,kN/m) w w 等分布荷重 w 等変分布荷重 三角分布荷重 w 任意分布荷重 支点と反力 固定端 • 移動も回転も生じない点 • 反力数は3 • 鉛直と水平方向に移動し ない • 回転しない:モーメント反 力あり ピン支点(回転端,ヒンジ) • 回転が自由な支点 • 反力数は2 • 鉛直と水平方向に移動し ない • 回転は自由:モーメント反 力なし ピン支点(回転端,ヒンジ) • 回転が自由な支点 • 反力数は2 • 鉛直と水平方向に移動し ない • 回転は自由:モーメント反 力なし ローラー支点(移動端) • 回転し地面と平行な方向 の移動が可能な支点 • 反力数は1 • 鉛直方向には移動しない • 水平方向と回転は自由: 水平方向反力,モーメン ト反力なし ローラー支点(移動端) • 回転し地面と平行な方向 の移動が可能な支点 • 反力数は1 • 鉛直方向には移動しない • 水平方向と回転は自由: 水平方向反力,モーメン ト反力なし 力の釣り合い 力の釣り合い • 物体が静止してそのままの状態を保つとき,力は釣 り合っている. • X軸方向の力の総和が0 • Y軸方向の力の総和が0 • 任意の点に対する力のモーメントの総和が0 SX=0 SY=0 SMA=0 節点 ピン節点(滑節点,ヒンジ) • • • • • モーメントを伝達しない節 点 ピン節点ではモーメント が0 部材は端部で回転し部 材間の角度は変化する. 節点で伝達される力は, 軸方向力とせん断力の2 つである. 例:トラス構造 ピン節点(滑節点,ヒンジ) • • • • • モーメントを伝達しない節 点 ピン節点ではモーメント が0 部材は端部で回転し部 材間の角度は変化する. 節点で伝達される力は, 軸方向力とせん断力の2 つである. 例:トラス構造 剛節点 • • • • モーメントを伝達する節 点 部材端部は相互に剛に つながっているため,節 点が回転しても部材相互 の角度は不変である. 節点で伝達される力は, 軸方向力,せん断力, モーメントの3つである. 例:ラーメン構造 応力 応力 • 物体に外から外力を加えると,内部には応力 (内力)が発生する • 応力は,物体の切断面に生じる(断面力とも いう) りんごの実験 • 枝に生っているりんご は地球からの重力Fを 受けているが落ちない ということについて考え る. N=-F F りんごの実験 • りんごのへたを切断し てみるとりんごは落下 する. N=-F F りんごの実験 • りんごのへたを切断し てみるとりんごは落下 する. N=-F F りんごの実験 • りんごのへたを切断す る前に,切断個所の少 し下を指で挟み,押さえ た状態のまま切断する. N=-F F りんごの実験 • 切断すると下方に引く 力Nが指にかかるのを 感じる. N=-F • このとき,指で支えてい る限り,りんごが落ちる ことはない. F りんごの実験 • 指でりんごを支えたま ま,反対の手でりんご を下から支えてみる. N=0 • 手がりんごに触れると, 指に感じていた力は消 滅する. N '=-F F りんごの実験 • 支える手をはずすと指 に再び力を感じる. N=-F F りんごの実験 • へたは,りんごに作用している重力に釣り合うだけの力でり んごを支えている. ⇒りんごは力が釣り合い状態 ⇒静止 • 手で支えたとき:下からりんごを支える. ⇒りんごに働いていた重力Fの効果を打ち消した. ⇒へたに生じていた力が消えた. • 物体に外から力(ここでは重力)を加えた場合,それに“応じ て”物体内部に生じる力を応力と呼ぶ. サイコロの実験 • サイコロを並べて両側 から圧縮外力Pを加え る. • 5つのサイコロを一つの 部材と考える. • Pは釣り合っている外力 ⇒サイコロは静止 サイコロの実験 • 中央のサイコロに注目 する. • Pが左右のサイコロを 伝わり,Pと同じ大きさ の力P'が左右から働い ている. サイコロの実験 • これらのサイコロを構造部材として考えると, P'は部 材を切断した面に生じていることになる. • P'のように外力に応じて部材内部を伝わり切断面に 生じる力を応力という. 消しゴムの実験 • 消しゴムを右図のよう に左手で持ち,右手で 押してみる. • 消しゴムを建物,左手 を地盤,右手を荷重(外 力)と例えている. 消しゴムの実験 • 左手で消しゴムを持ち, 右手で押すと,消しゴ ムは曲がり,左手に消 しゴムを押し返そうとす る力(反力)を感じる. 消しゴムの実験 • 次に,消しゴムを切断し 元の形に重ねる. 消しゴムの実験 • この消しゴムを右手で 押すと,切断した部分 から消しゴムは落ちて しまう. • このとき,左手には力を 感じないし,消しゴムは 上部が転落し,下部に は変形を生じない. 消しゴムの実験 • 消しゴムを切断する前: 変形あり,反力あり • 消しゴムを切断した後: 変形なし,反力なし • 消しゴムの切断面には, くっつき合うための力が ある ⇒応力 応力の種類 軸方向力(N) • 部材の材軸方向に引っ 張ったり押したりする力 引張 + • 両側に引っ張られるとき は引張応力,押されると きは圧縮応力という. 正 圧縮 • 通常は,引張を正,圧縮 を負とする. (単位はN,kN) ー 負 曲げモーメント(M) • 部材に両側から作用して曲 げようとする力 下に凸 + • 通常は,下側が引っ張られ る状態に正(下に凸:+),上 側が引っ張られる状態を負 (上に凸:-)とする. (単位はN・mm,kN・m) 正 上に凸 ー 負 せん断力(Q) • 部材の軸に直角方向に 部材を断ち切ろうと作用 する力 時計回り • 一組の反対向きの力か らなる. 正 • 部材を時計方向に回転さ せるときに正(+),反時 計回りのときに負(-)と する. (単位はN,kN) + 反時計回り ー 負 応力図(断面力図) 自由体(free body) • 部材にかかる応力を求めるとき,部材の一部 を切り出して自由体(free body)として考える とよい. • 釣り合いの式により,応力が算定できる ⇒応力が分かると,M,Q,N図が書ける. 自由体(free body) • 自由体(free body) は,右図のように, 荷重や支点,節点 で区分される部分 について切り出して 考えればよい. 自由体(free body) • 水平部材については,部材の左の面,右の面につ いて下図の方向を正とする. • 鉛直部材については,せん断力は時計方向に回転 する方向,軸力は引張を正とする. + + + 正 正 正 片持ち梁型 • 片持ち梁型は,自由端(固 定端でない方)からの自由 体を作るとよい. ⇒このようにすると,反力の 計算が不要である. • 右図の場合,A点から囲ん だ部分を切り取って自由体 を考える. P A 片持ち梁型 P N図 A A l Q図 • A点から自由体を仮定して断 面力を求める. SXx=0:N=0 SYx=0:P-Q=0,Q=P SMx=0:M+Px=0,M=-Px M N P Q (+) A M図 A 変形図 P x A x A 単純梁型 • 単純梁型は,まず反力を求 めて,自由体を作る. • 外力のモーメントが働いて いないピン支点,ローラー 支点はモーメントが0(連続 梁では0ではない:外力の モーメントが働くことと同じ となる). • 右図の場合,まず反力を求 める.そのあと,A点から囲 んだ部分と,B点から囲ん だ部分を切り取って自由体 を考える. P l/3 A 2l/3 C B 単純梁型 ① A点での反力をVA,B点の反力をVB とすると, SX=0:N=0 SY=0:VA + VB =P SMA=0:Pl/3- VB l=0,VB =P/3, VA =2P/3 ② Aから囲んだ部分 SXx=0:N=0 SYx=0: 2P/3-Q=0,Q=2P/3 SMx=0: (2P/3)x-M=0,M=(2P/3)x P ① A C l/3 2l/3 VA VB M ② A x N Q 2P/3 ③ Bから囲んだ部分 SXx=0:N=0 SYx=0: P/3+Q=0,Q=-P/3 SMx=0: (P/3)x-M=0,M=(P/3)x B x M ③ N Q B x x P/3 単純梁型 • 応力図は右図のように なる. N図 A B C Q図 (-) A B (+) C 変形図 P M図 A A C B B C 変形の概略図の注意点 ①支点の変形に注意する a)固定端では,その点は動かず,かつ材長方向の回転角は0 であること b)ピン支点では,その点は動かないが,回転はできること c)ローラー支点では,ローラーに垂直方向には動かず,水へ 右方向および回転はできること ②材が連続する剛節点では,変形後も角度変化がないこと ③モーメント図との関係では,モーメント図は引張側に書かれて おり,変形図における曲がり方が分かる モーメントが大きい点は,大きく曲がり,モーメントが0の部分 は直線.モーメントが一定の部分は円弧 ご清聴ありがとうございました. アンケートの協力,よろしくお願いします.
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