建築家の材料選定 -青木淳の半透過性外装材- ①雪のまちみらい館 所在地:新潟県 竣工:1999年6月 用途:雪国の生活の知恵や工夫を紹介する施設 外装材:ポリカーボネート大波板 設計者の意図 雁木をモチーフにした動線 雪国の古くからの町並みには、雁木とい う木製のアーケードのようなものがあ る。積雪時には道路側に雪の壁を作り、 安全な動線を確保するようにしていた。 外装材 外装材 気密性をもたせずに雪や風を防ぐ外壁 波板によって外界との間を 曖昧にしきった 新潟は湿気が多い土地なのでキズの 原因となる静電気が発生しにくく、 20年はもつのではないか ポリカーボネートの特性 加工性:ガラスより熱曲げ加工が容易。 強度:耐衝撃性はガラスの100倍 全光線透過率:ガラスとほぼ同等 ガラ ス92% ポリカーボネート87% 熱的特性:低温では-20℃まで性能の変 化ない。110℃まで熱変形がなく、難燃 性がある。 静電気により細かい傷がついてしまう。 考察 雁木をモチーフにした雪や風を防ぐ 簡単な境界として、 あえて気密性を持たせない外壁にした。 そのことによる容易な施工が、ガラス ではなくポリカーボネートが選択された 最大の理由と考えられる ②B 所在地:千葉県浦安市 1999年7月 用途:住居 外装材:網入り波板ガラス 設計者の意図 複雑で無根拠な構成 無根拠な構成をファサードに 表現する必要はない 外装材 光のフィルター 外装材 網入り大波ガラス板 新たにデザインした留め具 考察 構成の表現を捨て、構成を覆いつくす ベールのようなものとして、透明度の 低い波板ガラスが採用された。 ファサード全面を覆いつくすのに剛性が 高い網入り波状のほうが都合がよく、 また内部に様々な光の演出をするのに、 波状であることは適していたと考えられる。 雪のまち未来館とBの比較 気密性 耐候性 加工性・施工性 ③LOUIS VUITTON Nagoya Ginza Omotesandou Roppongi N.Y. Nagoya モアレを発生 させる装置Ⅰ Nagoya Ginza 外装詳細 Ginza モアレを発生 させる装置Ⅱ Omotesando ランダムに積んだ トランクと ステンレスメッシュ Omotesando 外装詳細 Roppongi ユニット化した ガラスファサード Roppongi 外装詳細 N.Y. 水晶の束としての摩天楼 N.Y. 外装詳細 考察 表層・外装・ファサードに対する 考え方の変遷 外装としては、表参道以外は一枚のガラス 狙った視覚効果と、その実現の間で 様々な工夫 まとめ 半透過性外装材 : 外部と内部に「スキマ」 を作る役割 直接外装材を変化させる : B、みらい館 表参道 ガラス一枚からの操作 : 名古屋、銀座 六本木、N.Y.
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