職場における メンタルヘルス対策

21.7.7
アパレル会社 勉強会
企業における
メンタルヘルス対策の必要性
独立行政法人 労働者健康福祉機構
大阪労災病院 勤労者予防医療センター
保健師
米山 貴子
今日の内容
1 勤労者のメンタルヘルスをめぐる現状
2 事業者の責任
3 過去の判例
4 メンタルヘルス対策の実際
5 休業者の職場復帰支援
事業場におけるメンタルヘルス対策の必要性
①職場でストレスを感じているという労働者:60%近く!
②労働者の自殺:1万人近い!
③勤務問題が原因の自殺:2000人超(≧労災死亡者数)
④うつ病等、精神障害による自殺が多い!
⑤精神障害、自殺に係る労災認定事案の増加
⑥事業場のメンタルヘルス対策に係る、民事責任を認める
判例の増加
労働者の心の健康の保持増進のための指針(平成18年3月
31日付け 基発第0331001号)に基づく、事業場における積極的
なメンタルヘルス対策の推進の必要性が高まっている。
1 勤労者のメンタルヘルスをめぐる現状
労働者健康状況調査
仕事上のストレス等の内訳(平成19年労働者健康状況調査)
34.8%
30.6%
仕事の質
仕事の量
22.5%
仕事への適性
38.4%
職場の人間関係
21.2%
昇進・昇給
8.1%
配置転換
22.7%
21.2%
会社の将来性
定年後の仕事・老後
2.3%
事故や災害の経験
9.3%
その他
不明
仕事や職業生
活に関して強
い不安、悩み、
ストレスがあ
る労働者
12.8%
雇用の安定性
58.0%
0.1%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
自殺の発生状況/自殺者の推移
自殺した労働者数の推移(交通事故死亡者との比較)
(全国)
交通事故死亡者と自殺者の推移 (全国)
交通事故
自殺
(警察庁調べ)
40,000
35,000
32,863 33,048
34,427
31,957
31,042
32,143
30,000
33,093 32,249
32,325 32,552 32,155
うち、労働者
8,997人
25,000
20,000
自営業・家族従事者
3,206名
15,000
10,000
10,805
10,372 10,403 10,060 9,575
8,877
8,492
7,931
7,272
6,639
5,155
5,000
0
10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
自殺の発生状況/自殺者の年齢別内訳
不詳
224人
19才以下
611人
20~29才
3,438人
60才以上
11,793人
平成20年
自殺者の
年齢別割合
(全国)
※全32,249件
50~59才
6,363人
30~39才
4,850人
40~49才
4,970人
自殺の発生状況/自殺者の原因別内訳
平成20年自殺者の原因別割合(全国)
※全32,249件中、原因・動機特定者23,490件の内訳
(※複数回答)
その他
学校問題
男女問題
勤務問題
勤務問題
※うつ病の
悩み・影響
6,490件
1,538件
337件
1,115件
2,412件
7,404件
経済・生活問題
精神疾患の
悩み・影響
9,405件
15,153件
健康問題
健康問題
家庭問題
0.0%
( 警察庁調べ)
3,912件
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
労災認定件数
精神障害等に係る労災認定件数等の推移
(全国)
精神障害等の労災補償状況 (全国)
(労災補償件数)
(うち自殺件数)
1000
176
819
800
600
400
200
122
112
92
265
31
70
447
121
524
147
656
341
43
100
45
130
40
108
42
127
952
164
66
205
81
268
927
148 150
100
66
269
0
(年度)
200
50
0
13
14
15
16
請求件数
請求(自殺)
17
18
19
認定件数
認定(自殺)
20
精神障害等の労災認定の判断(1)
☆ストレスが強いからといって、必ず精神疾患を発症する
わけではない
→ 労災認定には客観的な判断が求められる
→ 「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の
判断指針」に基づいて、地方労働局で判定
→ 今年4月、「ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を
受けた」という項目が、最も心理的負荷の強いⅢと
して追加された(その他にも全12項目)。
※以前は「上司とのトラブルがあった(強度Ⅱ)」
精神障害等の労災認定の判断(2)
精神障害等の労災認定の判断(3)
①判断指針で対象とされる精神障害を発病していること
②判断指針の対象とされる精神障害の発病前おおむね
6ヶ月の間に、客観的に当該精神障害を発病させる
おそれのある業務による強い心理的負荷が認められ
ること
③業務以外の心理的負荷及び個体側要因により当該
精神障害等を発病したとは認められないこと
①~③のすべての要件を満たす精神障害を、
業務上の疾病として取り扱うこととしている。
精神障害等の労災認定の判断(4)
• 労災保険:故意による災害には給付されない
→ 自殺は故意 → 基本的に給付されない
☆ 業務による心理負荷によって精神障害が発病したと認められた
人が自殺を図った場合、思いとどまる抑制力が著しく阻害されて
いる状態と推定 → 業務起因性が認められる
☆ 精神障害の全てに希死念慮が現れるわけではないので、関連に
ついては要検討
2 事業者の責任
メンタルヘルスと企業責任
<電通事件>
過労自殺に対して安全配慮義務 (注意義務) 違反による損害
賠償責任を初めて認めた最高裁判決(H12.3.24)
入社1年半で
自殺
損害賠償額 1億6800万円
入社2年目の24才
男性営業社員
自殺1か月前から前日
半年経過後から
入社当時
明朗快活、責任感
が強く、健康診断
でも問題なし
徹夜を含む慢性的な
残業、有給休暇を申し
出ても取れない環境
健康状態の悪さを上司は認識
していたが、過重な労働実態の
改善を行わなかった。(本人か
らの相談もあった。)
仕事の区切りがついた直後
体調が悪いと会社を欠勤
同日自宅で 自殺
メンタルヘルスと企業責任
過労による自殺に対して
安全配慮義務違反が
初めて認められた損害賠償請求事件
最高裁
「使用者は、
業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が
過度に蓄積して労働者の心身の健康を
損なうことがないよう注意する義務を負う」
事業者は労働者の健康状態を常に把握し、業務の負荷によ
る健康状態の増悪を防ぐための措置をとる必要がある
事業者に求められる安全配慮義務とは
• 安全配慮義務は、もともと判例の積み重ねに
よって確立されてきた概念
→ 2008年3月に施行された労働契約法第5条に
おいて、
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその
生命、身体等の安全を確保しつつ労働するこ
とが出来るよう必要な配慮をするものとする」
と既定され、明文化が図られた。
労務管理上での安全配慮義務のポイント
●労務管理は大変重要!!
・ 過重な業務負荷はなかったか?
昇進やパワハラ、ノルマなど
・ 時間外勤務時間は?
1ヶ月に100時間を越えたり、80時間を超える
月が2ヶ月以上続いていないか?
→あった場合、精神障害を発症する予見ができたと
みなされることが少なからずある。
→適切な対応をしていたか?
3 過去の判例
ケース1:過重労働からうつ病を発症し、解雇された
判例(東京地裁:平成16年(ワ)24332号 )
40代女性 技術職
●社内で発足したプロジェクト業務に従事し、長時間残業・
休日出勤等により、業務上の過度のストレスを受け、うつ
病に罹患、従事してから約10ヵ月後より休職を余儀なく
された。
●会社は、本人が業務上の疾病に罹患しているにもかかわ
らず、休職期間満了を理由に解雇
●長時間労働とうつ病発症の因果関係を認め、解雇を無効
とし、賃金未払いと安全配慮義務違反による損害賠償を
命じる(計3000万円)。
ケース2:過重労働から自殺へ至った判例
(福岡高裁:平成19年(ネ)第131号 )
20代男性 製造業
●時間外労働と休日労働が自殺2か月前から連続して
月100時間を超え、昇格による心理的負荷もあった。
●同人の業務には,精神障害を発病させるに足りる強い
負担があり、自殺を惹起しうるうつ病に罹患していた
ものと推認されるとされた
●予見可能性の対象は「業務量・業務時間・業務内容」。
→安全配慮義務違反による損害賠償(計7430万円)
ケース3:上司のパワハラから自殺へ至った判例
(東京地裁:平成18年(行ウ)143号 )
30代男性 営業職
●直属の上司が赴任後、同人からのハラスメントを原因
としてうつ病を発症
・「お前は会社を食いものにしている、給料泥棒」
・「お願いだから消えてくれ」
・「どこへ飛ばされようと、おれはお前が仕事をしないやつだと言い
ふらしたる」等
●さらに短期間に複数の取引先とのトラブルを生じて自殺
●業務外の心理的負荷や個体的脆弱性も認められない
→業務起因性自殺→労災の不支給処分を取り消した。
★パワハラを原因とする自殺事案で労災認定されたのは初
4 メンタルヘルス対策の実際
4 メンタルヘルス対策の実際
4-1 メンタルヘルス対策の根拠(1)(2)
4-2 メンタルヘルス不調とは
4-3 メンタルヘルス対策の推進にあたっての留意事項
4-4 心の健康づくり計画
4-5 メンタルヘルス対策の具体的な進め方
①セルフケア
②ラインによるケア
③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
④事業場外資源によるケア
4-6 小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の取組みについて
メンタルヘルス対策の根拠 (1)
労働者の心の健康の保持増進のための指針
平成18年3月31日付け 基発第0331001号
(健康教育等)
労働安全衛生法第69条
事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相
(健康の保持増進のための指針の公表等)
談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要
労働安全衛生法第70条の2
な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなけ
厚生労働大臣は、第69条第1項の事業者が講ずべ
ればならない。
き健康の保持増進のための措置に関して、その適切
2かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するも
労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、
その健康の保持増進に努めるものとする。
のとする。
2 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又は
その団体に対し、必要な指導等を行うことができる。
メンタルヘルス対策の根拠 (2)
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の概要
1
3
4
5
趣旨 2 メンタルヘルスケアの基本的な考え
衛生委員会等における調査審議
心の健康づくり計画
メンタルヘルスケアの推進
(1) セルフケア
(2) ラインによるケア
(3) 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
(4) 事業場外資源によるケア
6 メンタルヘルスケアの具体的進め方
7 個人情報の保護への配慮
8 小規模事業場におけるメンタルヘルスケアの取組
の留意事項
9 定義
「メンタルヘルス不調」とは
メンタルヘルス不調は、心の不健康を総称する言葉
精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみな
らず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、
社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的
および行動上の 問題を幅広く含むもの をいう。 (指針)
精神病
神経症
心身症
総合失調症
不安神経症
うつ病 等
強迫神経症
胃・十二指腸
潰瘍等
現在 職場で
問題になっている
心気症 等
メンタルヘルスケアの推進にあたっての留意事項(1)
心の健康問題の特性
労働者の個人情報の
保護への配慮
心の健康については、その評価は容易では
なく、さらに、心の健康問題の発生過程には
個人差が大きいため、そのプロセスの把握が
困難。 また、すべての労働者が心の問題を
抱える可能性があるにもかかわらず、健康問
題以外の観点から評価される傾向が強いと
いう問題があります。
対策を進めるに当たり、健康情報を含む労働
者の個人情報の保護及び労働者の意思の尊
重に配慮することが重要。 労働者の個人情報
の保護への配慮は、労働者が安心してメンタ
ルヘルスケアに参加し、メンタルヘルスケアが
より効果的に推進されるための条件になります
。
人事労務管理との連携
家庭・個人生活などの
職場以外の問題
労働者の心の健康は、職場配置など
の人事労務管理と密接に関係する要因
によって、より大きな影響を受けるため
、メンタルヘルスケアは、人事労務管理
と連携する必要があります。
心の健康問題は、家庭・個人生活など
の職場以外のストレス要因の影響を受け
ている場合があります。また、個人の要
因も心の健康問題に影響を与えることが
あり、これらは、相互に影響し合う場合が
多くあります。
メンタルヘルスケアの推進にあたっての留意事項 (2)
「事業場内メンタルヘルス推進担当者」の選任
※担当者を明確にしておきましょう。
★保健師、衛生管理者、産業医(規模50人以上の
事業場等)
★衛生推進者、安全衛生推進者(規模10人~49
人の事業場等)
★人事担当者、総務担当者、衛生担当者 他
→ 研修の実施、資料の提供、計画の策定、
事業場外資源との連携
○テキスト:中災防 安全衛生サービスセンター ホームページ
「事業場内メンタルヘルス推進担当者テキスト」
http://www.jaish.gr.jp/information/mental/mental_h2003.pdf
心の健康づくり計画
メンタルヘルスケアは
継続的かつ計画的に
行われるようにすることが重要
衛生委員会等で調査審議(労働者の意見を聴きながら)
•
事業場における心の健康づくりの体制の整備
•
事業場における問題点の把握およびメンタルヘルスケアの実施に関すること
•
メンタルヘルスケアを行うための人材確保および事業場外資源の活用
•
労働者の健康情報の保護に関すること
•
心の健康づくり計画の実施状況の評価及び計画の見直しに関すること
•
その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること
対象事例が発生してから混乱することがないように、
対応をマニュアル化しておく!!
メンタルヘルスケアの計画及び進め方(参考例)
組織づくりと計画
心の健康づくりの方針
実施
組織づくりと中長期目標の設定
心の健康づくり計画の作成
評価
見直し
事業者自らが実施することを表明し、
継続的・計画的に行うことが重要
メンタルヘルスケアの具体的な進め方
4つのメンタルヘルスケア(対策)の推進
4つのケア(対策)
セルフケア
(労働者自身による気づき)
労働者自身
ラインによるケア
(管理監督者による対策)
管理監督者
事業場内産業保健スタッフ等
によるケア
産業医、衛生管理者、
保健師、専門スタッフ等
事業場外資源によるケア
(外部の専門家の活用)
事業場外でメンタルヘルス
ケアへの支援を行う機関
及び専門家
①セルフケアの支援
事業者は労働者に対しセルフケアに
関する教育研修、情報提供を行う
事業場内・事業場外の相談体制を整備
ストレス調査票、情報端末機器を活用して
随時セルフチェックを活用することも有効
自発的な相談 (相談体制の整備)
自分1人では
解決できないなぁ・・・
相談先についての情報提供
管理監督者
自発的な相談
労働者
労働者が上司や専門家に
相談しやすい環境を
整えることが大切!!
産業保健スタッフ
専門家
メンタルヘルスケアの具体的な進め方
②ラインによるケア
職場環境等の
把握と改善
労働者に対する
相談対応
ラインによるケアを推進するための環境整備
事業者は、管理監督者に対し、ラインによるケアに関する教育
研修等を行います。
また、管理監督者に方針を明示するとともに、事業場内産業
保健スタッフ等による支援、相談への対応等が行われるように
します。
<ラインによるケア>
職場環境等の改善
職場環境の具体的問題点を把握
調査票等を用いた職場環境等の評価結果等を活用
過度な長時間労
働
過重な疲労
心理的負荷
責任等はないか
?
職場環境等の改善
職場環境・勤務形態の見直し
管理監督者の人間関係調整の能力の向上
職場組織の見直し等
<ラインによるケア>
「いつもと違う」部下の把握と対応
・ 遅刻・早退・欠勤が増える
・ 仕事の能率が悪い、思考力・判断力が低下
・ 報告や相談、職場での会話がなくなる
・ 表情に活気がなく、動作にも元気がない
・ ミスや事故が目立つ
「いつもと違う」部下に
「いつもと違うがどうした?」と問いかけ、話を聴く
<ラインによるケア>
労働者に対する相談対応
日常的に労働者から
自主的な相談に対応
参考:積極的傾聴法
事業場内産業保健スタ
ッフ等や事業場外資源
への相談や受診を促す
積極的傾聴法 -人の話を聴く基本技法< 傾聴の基本姿勢>
• 受容:肯定的関心を持って相手の話を聴く
• 共感:相手と同様な心理体験をする
• 支持:話を理解していることを相手に伝える
<本人に考えさせる>
 オープン・リード:相手が自由に話せるような質問をする
 ついていく:話の流れに沿って聴く
< リフレクション(言い返し) >
相手の言っていることを言い返す
メンタルヘルスケアの具体的な進め方
③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
労働者及び管理監督者に
対する支援
メンタルヘルスケアの
実施に関する企画立案
ネットワークの形成
事業場内産業保健スタッフ等は、事業場と事業場外資源との
ネットワークの形成及び維持に中心的な役割を担います。
事業場内産業保健スタッフ等による
ケアを推進するための環境整備
事業者は、事業場内産業保健スタッフ等に対し、教育研修、知識修得等の機会を
提供します。また、事業場内産業保健スタッフ等に方針を明示し、必要な支援を
行うとともに、自発的相談制度・体制の整備や事業場外資源の活用の措置を取ります。
労働者に対する相談対応等
労働者が、自分自身でそれを解決していくその過程を、その人の依頼に
基づき、心理学的手法を用いて支援します。
<事業場内産業保健スタッフ等によるケア>
職場環境等の改善

職場内のストレス要因を把握・評価
職場巡視、聞き取り調査等を行う

職場環境等の改善
評価結果に基づき管理監督者と協力
< 改善項目>
・作業レイアウトの改善 ・勤務スケジュールの改善 ・過大な負荷の軽減
・休憩時間の確保・周囲の支援を得やすい環境づくり
<事業場内産業保健スタッフ等によるケア>
労働者に対する相談対応等
• 労働者のストレスや心の問題を把握
• 保健指導、健康相談等を実施
• 適切な事業場外資源を紹介
• 職場適応及び職場復帰の指導
実は…
相談が
あります
<事業場内産業保健スタッフ等によるケア>
ネットワークの形成
• 内部にメンタルヘルス対策の実施するための専門家を
確保していない事業所も多い
→ 事業場外の様々な資源を活用し、メンタルヘルスに
ついての知識や専門家からの助言などを得られるよう
にしておく
<窓口>
・メンタルヘルス推進担当者
・衛生推進者
事業場外資源
※資源に依存して、事業者の主体性が失われないよう留意する!
メンタルヘルスケアの具体的な進め方
④事業場外資源によるケア
事業場外資源の活用
事業者は、専門的な知識の入手や人材の活用など必要に応じ、
それぞれの役割に応じた事業場外資源を活用し、情報提供や
助言を受けます。
ネットワークの形成
事業者は、必要が生じた場合のスムーズな活用のため、日頃
から※事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって、事業場外
資源とのネットワークを構築しておきます。
※いない場合はメンタルヘルス推進者・衛生管理者などが担当
<事業場外資源によるケア>
事業場外資源の紹介および利用勧奨の方法
※ 事業場外資源の利用方法はもとより、事業場内の相談窓口からの紹介ルートや、
利用者のプライバシーの確保に関する情報などが十分理解されることが効果的な活用につながる
<某企業の事業場外資源の活用ルート紹介例>
~悩み事、よろず相談のおすすめ~
悩み事や心配事は、気軽に相談しましょう。思わぬところに解決の糸口があるものです。
相談に応じてくれる所は、社内窓口の他にもいろいろあります。
まずは電話かe-メールでご相談を!!
外線窓口
健康保険組合
tel:0120-***-***
e-メール:***@***
○○労災病院
tel:092-***-****
○○県精神保健福祉センター
tel:092-***-****
ご本人
内線窓口
健康管理センター 人事課
内線:****
内線:****
産業医○○先生 直通:***-***-***
ご希望に応じて専門機関を紹介
<事業場外資源によるケア>
事業場外資源の種類と機能の一例
• 精神科・心療内科等の医療機関
治療の拠点、教育研修、復帰指導相談
• 地域保健機関(精神保健福祉センター、保健所、市町村保健センター等)
心の電話相談、精神保健相談、アルコール相談
• 各種相談機関
NPO等が主催する「いのちの電話」等の相談窓口
• 産業医学振興団体
機関紙等による情報提供、講習、研修の場の提供
• 医師会(日本医師会及び都道府県医師会)
産業医の法定上の要件となっている研修の実施
• 臨床心理士、精神保健福祉士等
心の健康づくり計画、労働者に対するカウンセリング、社会復帰の相談
小規模事業場におけるメンタルヘルスへの
取組について
①メンタルヘルス推進担当者の選任
(→ 安全衛生推進者・衛生推進者等)
②事業者による取組の表明
③セルフケア、ラインによるケアを中心と
した取組
④事業場外資源の活用
※実施可能なところから、着実に取組を進める
職場復帰支援
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」より
① 病気休業開始及び休業中のケア
② 主治医による職場復帰可能の判断
③ 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プラン
の作成
④最終的な職場復帰の決定(職場復帰)
⑤職場復帰後のフォローアップ
参考に
<厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署>
・心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援
の手引き(H21.3.23改訂)
・職場における心の健康づくり
~労働者の心の健康の保持増進のための指針~
・心の健康づくり事例集
~職場におけるメンタルヘルス対策~
・労働者の健康を守るために
~過重労働による健康障害防止対策~
・精神障害等の労災認定について
<中央労働災害防止協会>
・事業場内メンタルヘルス推進担当者テキスト
中央労働災害防止協会
• メンタルヘルス対策に新たに取り組む事業場、または
これまでの取組みをさらに拡充しようとする事業場に、
中災防が選任したメンタルヘルスの専門家(メンタルヘ
ルス推進支援専門家)等を派遣し、その進め方のアド
バイスなどを行います。
(厚生労働省からの委託事業により費用は無料)
詳細はホームページを参照ください。
※大阪労災病院勤労者予防医療センターでは
健康に関する様々なセミナーや健康測定を
行っております。
詳しくは本日配布いたしておりますパンフレット
及び当センターのホームページをご覧下さい。