国民経済計算入門

国民経済計算入門
専修大学
経済統計学・経済の世界
(作間)
経済とは何か?
経済とは、全体としてみたときの人々の生活のこと、言
い方を換えれば、集団的に(協同して)営まれているもの
として観察されたものとしての人々の暮らしのことである。
「経済的という言葉の実体的な意味は、人間
ハンガリー人の経済学者カール・ポランニー(1886ポランニーの「過程」概念は、「動き」、すなわち、ものの物理的
が生活のために自然とその仲間たちに依存
1964)は、この意味における経済のことを「実体的意味
移動や所有権の移動の総体のことであった。市場経済のもとで
することに由来する。それは、結局において、
における経済」と呼んだ。
は、それは「取引」の総体に近い。ここでは、若干の拡張解釈を
人間に物質的欲求充足の手段を与えるかぎ
 ポランニーは、『経済の文明史』の中で、この実体的意
して、サービスを含む、協同の枠組みをさしたことばとして使っ
りでの、人間と自然環境および社会環境との
味における経済を「過程」(process)あるいは「制度化さ
ている。
あいだの相互交流(interchange)を指すもの
れた過程」(instituted process)として捉えようとした。そ
である」(「制度化された過程としての経済」
れは、一種の「グラフ」であったと考えられる。
『経済の文明史』所収)。

「経済学」の稀少性定義(ライオネル・ロビン
ズ)への批判(1)
<稀少性定義>とは?
「経済学は、目的と、さまざまな用途に使用することが可
能な稀少な手段との関係としての、人間の行動を研究す
る科学である」(『経済学の本質と意義』1935年)。
 ロナルド・コース(『企業・市場・法』1988年)
「経済学で発展してきたのは、分析対象から切り離された
アプローチである」。「経済学者は分析対象というものを
もたないのである」。「選択を行う動物・・・ねずみや猫や
たこにも適用可能」

「経済学」の稀少性定義(ライオネル・ロビン
ズ)への批判(2)

「経済学が・・・選択の論理の問題にばかりとら
われているということは、一方では法学、政治学、
社会学の再活性化に最終的には貢献するかも
しれないが、しかしそれにもかかわらず経済学
それ自身には、深刻なマイナスの影響を及ぼし
てきた」(コース、『企業・市場・法』、宮澤他訳5
頁)。
「ケーニヒスベルクの7つの橋」
――グラフとは何か?――(1)

ケーニヒスベルクは、現在のカリーニングラード。
「ケーニヒスベルクの7つの橋」
――グラフとは何か?――(2)
「ケーニヒスベルクの7つの橋」
――グラフとは何か?――(3)
「ケーニヒスベルクの7つの橋」
――グラフとは何か?――




かつての東プロシアの首都ケーニヒスベルクには次のように中の島
クナイプホフAをはさんでプレーゲル川が流れていて、町をA,B,C,D
の4つの部分に分けていた。これらを結ぶa~gの橋がかけられてい
た。あるとき、この町のひとびとの間で話題になっている問題があっ
た。
「同じ橋を2度渡ることなく、しかもこれらの橋を一度ずつ渡るように、
町を案内できるか」 (出発点にもどってくるバージョンもある)
ケーニヒスベルクのひとびとは、いろいろと試みたが、成功したもの
はいなかった。そして、この問題は後世、「ケーニヒスベルクの橋渡
り問題」とよばれるようになった。
有名な数学者オイラーは、そのような橋渡りは不可能であることを
証明した。
オイラー(Leonhard Euler 1707 – 1783)
「ケーニヒスベルクの7つの橋」(2)






右の図のようにA~Dの4つの地区を点であらわし、
橋を点と点を結んだ線で表す。そうすると橋渡りの問
題は、「右の図を一筆書きできるか」という問題に言
い換えられる。
「一筆書き」できるものについて調べる。
① 書き始めであって、書き終わりでない点からは、
奇数本の線が出ている。なぜなら、書き始めで1本、
そのあとは、通過するたびに2本づつ線が増えていく
からである。このように奇数本の線が出ている点を
「奇点」とよぶ。
② 書き終わりであって、書き始めでない点も同様
に奇点である。
③ 書き始めであって、書き終わりでもある点は偶
数本の線が出ている。書きはじめで1本、書き終わり
で1本、通過のたびに2本づつだから。偶数本の線が
出ている点を「偶点」とよぶ。
④ 書きはじめでも書き終わりでもない点も偶点で
ある。通過のたびに2本増えるだけだからである。
「ケーニヒスベルクの7つの橋」(3)






以上のことから、つぎのことがわかる。
① 一筆書きする図形に奇点があったら、そこを書きは
じめか書き終わりにしなければならない。
② 奇点が3個以上ある図形は一筆書きできない。
したがって、右の図形は奇点が4つあるので、一筆書きは
できないことがわかる.
数学では、このように、点(頂点)と点(頂点)同士をむす
ぶ線(辺)の集合のことをグラフという。ケーニヒスベルク
の橋渡りの問題は、数学上のグラフ理論の嚆矢となった。
なお、案内をしたあとに出発点にもどってくるという問題
(一筆書きよりむずかしい)の場合、それが可能なグラフ
は、オイラー・グラフと呼ばれる、そのための必要十分条
件は、頂点がすべて偶点であることである。(一筆書きで
きる必要十分条件は、奇点が正確に2つであること。)
ひとびとの協同性の表現としてのダイグラフ
辺に方向のあるグラフがダイグラフである。方向のある
辺を弧という。下の図は、3人のひとの協同のありさま
をあらわす。
ac
弧にウェイトを
aa
bb
cc
ba
つけてもよいが、
A
B
bc
C
ab
ここではウェイトは
cb
すべて
ca
Fig. 3-1
1としている。
経済の営みを(ダイ)グラフであらわす
B
A
α
γ
β
は主体の
管轄範囲
を示す
Aが何かを生産し、それをBに手渡してBが消費した。
点を場所として意味づける。


生産・消費の場所。消滅・出現の場所。
この点から弧が出てくると、経済対象
の出現、この点に弧が入ると、経済対
象の消滅をあらわす。
倉庫型の場所。弧が入ってゆくと、経
済対象の積み増し(増加)、出てくると、
経済対象の引き出し(減少)をあらわ
す。
グラフであらわされた経済の営みを勘定であ
らわす
勘定の左側を借方、右側を貸方といい、借方に→の入、
貸方に→の出を記録する。
β
α
β
α
複式記入(1)
垂直型複式記入と水
平型複式記入とがあ
る。
商品の販売
A
借方
現金増
B
貸方
商品減
現金の提供
商品増
現金減
複式記入(2):移転の概念
現金の支払
A
税金支
払
移 転 ( 税
金)
現金減
現金増
B
税金受
取
移転
移転
A
B
δ
α
γ
β
一周して帰って来ることができている!
は主体の
管轄範囲
を示す
複式記入(3)バランス項目
倉庫型
の場所
50
出現/消滅の場所
25
100
借(←)
中間消費
(75)
付加価値
(25)
貸(-)
産出額
(100)
(補)移転を記入することはなぜ必要か?



主体内部で完結しているフ
ローは、貸方・借方に同額を
追加しているから、全体とし
ての勘定バランスに影響な
い。
バランス項目によりバランス
していないT字図形を最後
のひとつを残してバランスさ
せることができる。
しかし、結局、外部からの≪
入≫フローと≪出≫フローと
をバランスさせる必要があり、
それを実現するひとつの十
分条件が移転を記入するこ
とである。
ここまでの内容の復習・整理(1)
A
B
C
ここまでの内容の復習・整理(2)
ここまでの内容の復習・整理(3)
ここまでの内容の復習・整理(4)
ここまでの内容の復習・整理(5)
経済対象のフローを弧(→)であらわす





経済対象には、実物的経済対象(生産された財、生産さ
れたものではない土地のような有形資産)と非実物的経
済対象とがある。
非実物的経済対象の典型は、金融資産、負債である。
金融資産は負債を≪裏側≫から見たもの。金融資産は、
負債を発行することによって出現する。
預金は銀行の負債、社債は会社の負債。
現金は日本銀行の負債。
特許権のような特別な無形資産も非実物的経済対象と
考える。
サービスとは何か?



サービスとは、事前の合意のもと
に1経済主体が他の経済主体の
管轄下にある何か(その経済主体
の身体、精神、所有する財、土地)
に対して、変化をもたらすことであ
る。自分が自分に行う≪自己勘定
の≫サービスを認める
サービスには、要素サービス(労
働)と非要素サービスとがある。
財と同格の経済対象とみなして、
耐久性が極度に低い財であると
か、すぐ腐ってしまう財であるとか
と説明することには無理がある。
サービスは、出現・消滅
勘定同士を結ぶ弧で表
現される。これは、移転と
同じルールである。
国民経済計算とは?



経済の営みを勘定のシステム(内部につながりをもった勘定の組)
の枠組みによって記録することに関する研究分野を国民経済計算
(national accountingまたはnational economic accounting)という。
「国民」の語は、一国経済を考察対象にすることが多かったという経
緯をあらわすとみればよい。
移転という人工的なフローを追加することにより、ひとびとの暮らし
の営み(ポランニーの過程)をあらわす(ダイ)グラフを≪勘定≫群、
あるいはむしろ≪勘定体系≫によって表現することができる。
勘定体系をダイグラフに戻すと、オイラー・ダイグラフ(すべての弧を
通りながら一周してくることができるようなダイグラフ)なので、国民
経済計算は、「経済循環」として経済の営みを記録しているといって
も、同じことである。
SNA


国連が示した(1953年、1968年、1993年)、国
民勘定統計作成上の基準、「国民勘定の体系」
(System of National Accounts)の略称がSNA
である。つまり、SNAとは、特定の方針によって
設計されたひとつの国民勘定体系の名称である。
わが国では、93SNAに準拠して、GDP統計が
作成されている。統計の正式名称は、「国民経
済計算」、SNAと略称されることがあり、やや紛
らわしい。
出現・消滅勘定を分解する
(単純化された説明)
中間消費50中間消費 産出額
50
サービス
50
現金受取
150
最終消費
貯蓄
180
付加価値
100
財の生産
最終消費
付加価値
100
130
130
貯蓄
財の販売
現金支
払150
100
30
出現・消滅勘定を分解する
(単純化された説明)続
中間消費
サービ
ス産出
付加価
値
財産
出
最終消費
貯蓄
生産勘定
借方
貸方
中間消費
産出額
付加価値



出現・消滅勘定を生産勘定と所得・支出勘定に分解する。
GDPは、付加価値の合計。「生産の境界」概念に依存する。
「生産の境界」は、二重になっている。
生産の境界の二重性

生産の境界は、二重になっている!
体系の生産境界
市場向けの生産プ
ラス帰属
主婦の
家事労
働
帰属
家賃
マイカーの運
転
本来の(一般的)
生産境界 第三
者基準による
帰属(imputation)




≪みなし≫のこと。
たとえば、経済の営みを記述するとき、市場で売買され
るような財・サービスの生産だけを生産にカウントするの
では不十分である。
一般に、実際に取引が行われたわけではないのに、経
済の営みを記録するという観点からあたかもそのような
取引があったかのようにみなして追加的に記録すること
を帰属(帰属計算)という。
帰属の代表例は、「帰属家賃」。
生産勘定と所得形成勘定
中間消費
産出額
付加価値
68SNAでは、上下の勘定をひとまとめにし
雇用者報酬
たものを生産勘定と呼んでいた。
付加価値
固定資本減耗
生産・輸入品に課される
税(控除)補助金
営業余剰/混合所得
所得・支出勘定
第1次所得とは、生産に関与することによって得ら
れるようなタイプの所得のこと。生産・輸入品に課
される税(控除)補助金つまり間接税を含む。
第1次所得の支払
雇用者報酬
その他の経常移転の
支払
営業余剰/混合所得
最終消費支出
生産・輸入品に課される
税(控除)補助金
貯蓄
第1次所得の受取
可処分所得
その他の経常移転の受
取
蓄積勘定
固定資本形成
貯蓄
在庫増加 蓄積勘定は、さまざまな形態の経済
固定資本減耗
対象の蓄積を左側に、それをどのよう
土地の純購入
資本移転の純受取
にまかなったかを右側に記す。移転
負債の純発行
無形非生産資産
の記入が行われていれば、バランス
(非金融無形資産)
の純購入 項目なしにバランスする。
金融資産の純取得
個別経済主体の勘定を集計する




集計には、2つの方法がある。
結合(combination)と連結ある
いは統合(consolidation)であ
る。
ここでは、連結を用いる。
さらに、一国のすべての経済主
体の勘定をひとまとめにし、外
国との関係は存在しないことを
仮定する。
A
B
○
△
△
☆
×
□
◎
▲
A+B
△
△
◎
□
○
☆
×
▲
簡単な国民勘定

以上の仮定のもとに、生産(所得形成勘定をまとめたも
の)、所得・支出勘定、蓄積勘定を集計する。
純付加価
Y
値
固定資本
D
減耗
最終消費
C
支出
最終消費
C
支出
I資本形成
S
貯蓄
純付加価
Y
値
資本形成
I
貯蓄
S
固定資本
D
減耗
ケインズ・モデル
方程式(より適切には、恒等式)形式で
S=I(Y=C+I)は、恒等式であると同
Y+D=C+I
時にマクロ経済理論では、方程式でも
C+S=Y
ある。なぜか?
I=S+D
 完全接合体系
いずれかの式の左辺(右辺)に一度現れた変数は、もう
一度右辺(左辺)に現れる。したがって、上の2つの式を
右辺同士、左辺同士で足しあわせ、整理すると、三番目
の式が得られる。

マクロ経済理論と国民経済計算

意図せざる在
庫増加
Y
C+I
C
S=I,Y=C+Iは、い
ずれも、勘定の貸
方=借方つまりつ
ねに成り立つ恒等
式であると同時に
均衡国民所得とい
う未知数を決定す
るための方程式で
もある。
ケインズ・モデルの行列表示



完全接合体系は、行列で表示で
C
きる。
第1行と第1列の対で(68SNA)
生産勘定をあらわす。第2行と第
Y
2列の対で所得・支出勘定、第3
行と第3列の対で蓄積勘定をあら
D
S
わす。行が貸方、列が借方とする。
Cは生産勘定の貸方と所得・支出
勘定の借方にあるから、第1行と
第2列の交点にCを記入する。他
項目 借方(列)
のフローも同様である。
右下のような表を完成させてみよ
C
所得・支出(2)
う。そのうえで、右上の行列を完
成させよう。
Y
生産(1)
I
貸方(行)
生産(1)
所得・支出(2)
ケインズ・モデルのグラフ(経済循環)表示


「連結」によって得ら
れた国民勘定体系
をルール通りグラフ
に戻すと右の図。
「購買力」の動きを
描く場合もある。右
図の場合、→を逆
にするだけである。
たとえば、Cのフ
ローに伴って、金融
資産が経済対象の
動きとは逆向きにお
こるはずである。
生産
Y
I
C
所得・支
出
D
蓄積
S
GDPとは何か?





日本経済新聞2000年11月20
日
GROSS DOMESTIC PRODUCTのこと。
「国内総生産」と訳される。生産の集計量。
一国全体の付加価値の合計である。
「一国全体」というのがくせもの。
正確に言うと、居住者である生産者の付加価値
の合計。
第1次所得バランスの合計が国民所得



所得・支出勘定の一部分を抜
き出して、「第1次所得の配分
勘定」をつくる。そのバランス
項目が第1次所得バランス。
その合計が国民所得(国民総
所得=GNI、国民純所得=
NNI)
GNIは、かつてのGNPと同じ
もの。
第1次所得の配分勘定
第1次所得
支払
第1次所得
バランス
(総あるい
は純)付加
価値
第1次所得
受取
海外部門を含む国民勘定(行列表示)
C11
I 11
P12
C, I, Y, S, Dは、既出
1:国内
部門
Y11
F 12
+T12
P:中間消費
D11
S11
F:第1次所得
K 12
P21
C21
T:その他の経常移転
2;海外
部門
C12
F 21
K:資本移転等
Y22
+T21
二重の添字は、左の
C22添字の国から右の添
I 22
字の国へフロー(→)
が向かうように見る。
L:純貸出(金融資産の純取
得-負債の純発行)
K 21
D22
S22
+L21
国内部門は居住者の集合である。




居住者とは?
国籍ではなく、「居住」が問題になる。
<1年基準>と<経済的利害の中心基準>の2
つの基準がある。『SNAがわかる経済統計学』
83頁を見よ。
シティバンクの銀座支店は、日本の居住者。
海外部門の連結勘定を含む国民勘定
C11
連結生産勘定
Y11
C11
D11
I11
P21
P12
C12
I 11
P12 +
C12
F 12 +
T12
Y11
D11
S11
P21
C21 + K 21
F 21 + +
T21
L21
K12
生産勘定(国内消費と国民消費)
国内消費
連結生産勘定
YY
1111
DD
1111
PP
2121
C21
Y11  D11  P21  C11  C12  I11  P12
C
C11
11+C21
II11

11
P
P12
12
C
C12
Y11  D11  ( P21  C21 )  (C11  C21 )  I11  ( P12  C12 )
12
輸入
国民消費
輸出
国民消費概念を導入した行列表示
C11 + C21
I 11
P12 +C12
F 12 +T12
Y11
D11
S11
P21
+ C21
C21 +F 21 +T21 K 21 +
L21
K12
GDP
生産勘定(結合)
生産勘定(連結)
Y
D
P
MP(中
間財輸
入)
MF(最終
財輸入)

C←国内の所得・支出
勘定へ
I←国内の蓄積勘定へ
P←国内の生産勘定へ
X(輸出)←海外へ

海外の勘定から
GDPは、
居住者で
ある生産
者の付加
価値の合
計
C、I、Xは、
輸入品を
含む
GDP(つづき)
結局、GDP=C+I+XーM
 ここで、M=MP+MF
 政府支出G(=CG+IG)を導入すると、
GDP=C+I+G+XーM

民間分のみ
連結所得・支出勘定
C11
連結所得・支出勘定
C11
Y11
C21
F12
S11
T12
F21
T21
国民可処分所得
I 11
P12 +
C12
F 12 +
T12
Y11
D11
S11
P21
C21 + K 21
F 21 + +
T21
L21
K12
連結蓄積勘定
C11
連結蓄積勘定
I11
S11
K21
D11
L21
K12
I 11
P12 +
C12
F 12 +
T12
Y11
D11
S11
P21
C21 + K 21
F 21 + +
T21
L21
K12
資本勘定(実物取引勘定)と金融勘定(金融
取引勘定)とに細分された蓄積勘定
資本勘定
連結蓄積勘定
I11
S11
K21
D11
L21
K12
金融勘定
LA21
L21
LL21
LAは、金融資産の純取得
LLは、負債の純発行
海外部門の連結勘定
C11
海外部門の連結勘定
輸出
X
P12
P21
C12
C21
F12
F21
T12
T21
K12
K21
L21
輸入
M
I 11
P12 +
C12
F 12 +
T12
Y11
D11
S11
P21
C21 + K 21
F 21 + +
T21
L21
K12
貯蓄投資差額(S-I)と経常収支
国際収支統計の経常収支CBは、X-M+F+Tと書
ける(F=F12-F 21、 T=T12-T 21)。
 海外勘定から、CB=L –K( L=L21、
K=K12-K 21 )。
 一方、蓄積勘定から、CB=S+D-I=S-I*
(添字は、自明なので、省略、 I*は純資本形成)
 以上から、経常収支=貯蓄投資差額
=純貸出-資本移転の純受取等。

経常収支に対するS-Iバランスアプローチ


経常収支=貯蓄投資差額であることを用いて、
経常収支に対する新しい見方が可能になる。
CB=S-I=(SP+SG)-(IP+IG)
= (SP- IP)+(SG-IG)= (SP- IP)+(T-CG-IG)
民間貯蓄
投資差額
政府貯蓄
投資差額
双子の赤字
民間貯蓄
投資差額
政府黒字