資本市場と弊社の関与例からの展望 森林ファンド ― Zurich Capital Marketsのケース 日本語訳 Mike Watanabe November 2002 Zurich Capital Markets 本プレゼンテーション資料(以下、「本資料」という。)は機密性の確保がなされることを前提として、本資料を受取られた方に対してのみまたデ ィスカッションを目的としてのみ作成されたものです。本資料はいかなる取引に関する助言でも推奨でもありません。本資料は有価証券又は金 融商品の売買(ファンド又はこれに関連する取引又は金融商品を含む。)の申込みの勧誘を目的として作成されたものではなく、有価証券の 募集又は売り出しに関する文書又は広告ではありません。本資料は弊社又は弊社の関連会社が信頼に値する情報源から得た情報を基にし ていますが、弊社はその情報の正確性及び完全性等に関し、いかなる表明もせず、また一切の責任及び資料から発生するいかなる金銭的損 失に対しても責任を負いません。本資料に関する又は本資料に含まれる全ての予想、評価及び分析は、本資料を受け取られた方の本資料に 対する評価を手助けすることを意図しています。本資料に関する予想、評価及び分析は弊社の主観的見解及び前提に基づいたもので、それ ぞれ異なる結果を導き出す可能性のある様々な方法論の内の一つを用いている場合も有り得ます。従って、本資料に関するもしくは含まれる 予想、評価及び統計的な分析は事実もしくは将来の出来事の確実なる予想として用いられてはなりません。いかなるパフォーマンス目標も達 成される保証はありません。本資料は完成したものではなく、随時に変更が加えられる場合があります。 弊社は法制、税制、会計、金融及び金融行政に関する助言者ではなく又助言者であるような印象を与える行為を一切行っていません。本資料 を受け取られた方は、本資料の内容に関してあくまで独自に評価及び決定を行って下さい。弊社及び弊社関連会社は本資料内に述べられた 取引と同一な、または関連した、もしくは経済的に同一な取引もしくは金融商品に関し、マーケット・メイクを行ったり、時には非常に大きなロン グまたはショート等のポジションを取る場合が有り得ます。また、弊社及び弊社の関連会社は本資料内で述べられた取引及び金融商品の発 行体と商業的もしくは他の関係がある場合が有り得ます。本資料と本資料の内容一切は弊社及び弊社関連会社の所有するものであり、弊社 の書面での了解を得る事なく、資料の全体もしくは一部を転用することを禁じます。© Zurich Capital Markets Inc. 本資料をご覧になられる際には、本資料で説明しているいかなるアセットクラス、投資やトレーディングプログラムの過去のパフォーマンス結果 は必ずしも将来達成される可能性があるパフォーマンスを示すものではないということをご理解ください。投資を行おうとする投資家はかかる 投資に関連するリスクを負うことができ、かつかかる投資に関連する適合性基準を満たさなければなりません。いくつかまたは全ての代替投 資プログラムは特定の投資家には不適切である場合があります。 3 Zurich Capital Markets 概要 4 1. 資産クラスとしての森林 2. 代替資産投資(オルタナティブ)市場の成長 3. 環境関連市場と森林事業 4. 弊社のオーストラリアにおける森林ファンド事業例 Zurich Capital Markets 1. 資産クラスとしての森林 資産クラスとしての森林ファンド 優れた代替投資 株式などの伝統的資産に比べて長期的に安定した投資資産 (年率ボラティリティ: 約14.0%) 5 伝統的市場との逆相関性 実体を伴う資産への投資 Zurich Capital Markets 1. 資産クラスとしての森林 森林事業投資の性質 代替資産投資は、下図の通り 伝統的資産投資に対し、優位なリスク・リターン・プロファイルを有し ています。 代替資産投資のリスク・リターン 1960-2001 16% 代替資産投資 12% 年率平均リターン (%/Year) ツナ・ヘッジ・ファンド(FoF)指 数 森林ファンド S&P 500 小型株式 国際株式 商業不動産 8% 長期社債 伝統的資産投資 米国T-Bills 4% 日経225株式 0% 0% 5% Sources: HNRG 6 Zurich Capital Markets 10% 15% 年 率 ボラティリティー 20% 25% 30% 1. 資産クラスとしての森林 長期的なボラティリティー・トレンドの考察 下記の図の通り、代替資産投資の長期的なボラティリティーは、S&P500や国際株式投資 に比べて安定的です。 森林ファンドのボラティリティは過去20年にわたり15%以下のボラティリティを維持してい ます。 過去20年間におけるボラティリティーの推移 30.0% 25.0% 年率ボラティリティー 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% 1981 1982 1983 1984 S&P 500 7 Zurich Capital Markets 1985 1986 1987 1988 国際株式 1989 1990 1991 1992 1993 1994 森林ファンド(JHTI) 1995 1996 1997 1998 1999 2000 ツナ・ヘッジ・ファンド(FoF)指数 2001 1. 資産クラスとしての森林 伝統的資産投資との逆相関性 森林ファンドは、下図の通り伝統的資産と逆相関性を有しています。 すなわち森林ファンドを伝統的資産で構成されるポートフォリオに組み込んだ場合、ポートフォリオ全体の リスク低減効果が見込まれます。 森 林 ファンド と 他 の 資 産 ク ラ ス と の 相 関 性 商業不動産 日経225 -0.08 -0.26 -0.22 S&P 500 小型株式 -0.13 国際株式 長期社債 -0.14 -0.31 米国T-Bill ツナ・ヘッジ・ファンド(FoF)指数 0.01 -0.20 93.0 インフレーション -0.50 Sources: HNRG 8 Zurich Capital Markets -0.25 0.00 0.25 0.50 2. 代替資産投資(オルタナティブ)市場の成長 過去10年間におけるヘッジファンド市場の成長は目を見張るものでした。代替資産投資 の一部として今後、森林ファンド、再利用エネルギーファンドの成長も見込まれます。 例示: ヘッジ・ファンド市場の成長 – 運用資産残高(推定値) $600 $536.06 $559.21 $487.58 運用資産残高 (10億米ド ル) $500 $456.43 $400 $300 $367.56 $374.77 1997 1998 $256.72 $185.75 $200 $167.79 $167.36 1993 1994 $95.72 $100 $38.91 $58.37 $0 1990 1991 1992 Source: HFR 9 Zurich Capital Markets 1995 1996 1999 2000 2001 Q1 2002 2. 代替資産投資(オルタナティブ)市場の成長 ヘッジ・ファンドの投資家層 現在、個人、機関投資家を含めた様々な投資家が、ヘッジ・ファンドに投資しています。 50 投資比率(%) 40 30 20 10 0 銀行 寄金 財団 年金 基金 U.S. 10 Zurich Capital Markets ファン 個人 ド ・オ ブ・フ ァンズ Non-U.S. ファミ 保険 会社 オフィ ス リー・ その他 <Source: HFR> 2. 代替資産投資(オルタナティブ)市場の成長 市場環境の変化 投資家のニーズの変化 世界的金利低下と株式市場の低迷 絶対リターンの追及 年金財政の悪化に伴うリスク管理政策の変更 伝統的資産との低相関性の重視 伝統的資産の市場リスク・プレミアムへの期 待値の低下 行き過ぎたベンチマーク主義に対する反省 代替資産市場へのアロケーションの増加 環境配慮強化の動き 11 京都議定書の採択 エコファンド等の発言権の増加 PR/IR Zurich Capital Markets ヘッジ・ファンド、ヘッジ・ファンドのFoF プライベート・エクイティー等 代替資産の一つとして注目 森林ファンド 再利用エネルギーファンド等 3. 環境関連市場と森林事業 環境関連市場と森林事業 12 森林資産における問題点 流動性 資産評価における透明性 森林ファンドに対する本邦潜在投資家 年金、基金 金融法人、保険会社 個人富裕層 リテール Zurich Capital Markets 3. 環境関連市場と森林事業 森林資産の発展 環境関連市場の発展に伴い、森林ファンドにとって好環境が整いつつあります。二酸化炭素排出権( Carbon Credits)といった新たな環境関連資産の登場により、従来からの森林事業の内容に殆ど変 化をもたらすことなく、収益性を改善する可能性があります。 環境関連市場の発展 二酸化炭素排出権(Carbon Credits) 土壌塩害防止価値(Salinity Credits) 生物多様性保存価値(Biodiversity Credits) 風力発電権(Wind Farms) 近年、頻繁に議論されている事項としては、二酸化炭素排出権の売却益が森林ファンドの補完的な 収益源となり得る点が挙げられます。“持続可能”な森林ファンドであれば、植林、伐採といった事業 スケジュールに殆ど変更を加えることなく、木材から生じる排出権の売却益により、ファンドの運用収 益を高めることが出来ます。 13 Zurich Capital Markets 4. 弊社のオーストラリアにおける森林ファンド事業例 弊社は本年、オーストラリアにおいて森林ファンド、Australian Forest Funds Limited (AFFL)、を構築しました。AFFLは機関投資家向けに、環境に配慮しパフォーマンスも 優れた投資を提供することを目的にしています。 パフォーマンス目標 14 諸費用・税引き後の内部収益率が9% 新たな土地、森林買収を通じてビジネスを拡大 第三者の機関投資家にとって魅力的でかつ定期的に配当を行いうる資産の構築 次の方策によるリターンの最適化を慎重に実施 木材、二酸化炭素排出権、その他環境関連資産の販売管理 土地売却代金の運用 借入による資金調達 Zurich Capital Markets 4. 弊社のオーストラリアにおける森林ファンド事業例 ストラクチャー Hancock Natural Resource Group 森林管理契約 土地、木材 当初 森林所有者 (MIS) 普通株式 投資 Australian Forest Fund Limited CO2排出権等 ZCM 土地、木材 CO2排出権等 投資 土地、木材 CO2排出権等 1 –木材や環境資産からのリターンを得られる投資機会 2 – CO2排出権の直接購入 15 Zurich Capital Markets 1 投資家 株式 2 CO2排出権 CO2排出権 購入者 4. 弊社のオーストラリアにおける森林ファンド事業例 AFFLの主な資産は土地、二酸化炭素排出権、資産内のインフラストラクチャー、及び その他の環境関連資産です。 AFFLは以下の5つの主要な土地資産を保有します。 16 2,200ヘクタールの既存の植林地 今年7月に植林された6,300ヘクタールの土地 個人投資家用投資スキームに供されている 45,000ヘクタールの土地。この土地にある木材は 個人投資家が所有し、二酸化炭素排出権はAFFL が所有。 12,000ヘクタールの草木自生地 商業目的の森林事業に適さない18,500ヘクター ルの土地。当該土地は、農業用または再利用エ ネルギー事業用(例えば、風力発電、バイオマス 発電)として賃貸に出すことが可能。 Zurich Capital Markets 北部準州 クイーンズランド州 西オーストラリア州 サウス オーストラリア州 ニューサウス ウェールズ州 ビクトリア州 タスマニア州
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