携帯端末(ハンドヘルドデバイス)を使った学ぶ こと

携帯端末(ハンドヘルドデバイス)を
使った学ぶことの意味
国内国外のサーベイと展望
データセクション株式会社
代表取締役 / ITコンサルタント
デジタルハリウッド大学助教授
橋本大也
携帯デバイス
電子辞書の安定市場
• 安定して成長している
• 学生の必需品化
• 10年間で紙の辞書の
発行部数は、1500万
部→1000万部へ減少
とも言われる。
1999年 310万台 290億円
2000年 330万台 390億円
2001年 330万台 360億円
2002年 280万台 390億円
2003年 250万台 440億円
2005年 330万台 600億円
2006年 340万台 655億円
電子辞書以外の可能性は?
• 話題の商品、売れ筋商品の事例
モバイル学習の人気コンテンツ
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語学(英語、その他外国語)
各種の資格試験
ビジネススキル
脳力開発
カルチャー(文学・娯楽)
辞書・辞典
Nintendo DS 英語漬け
• 『えいご漬け』は、ニンテンドー
DSから聞こえてくる英語を聴き、
タッチペンで実際にタッチパネル
に書き取るシンプルで合理的なト
レーニング。
• 『えいご漬け』ではネイティブの発
音する1400以上の英単語と
1800以上の文章を使用します。
• 耳から入った「音声」と手で書い
た「つづり」が、自然な形であなた
の中に英語の基礎を作り出しま
す。
脳を鍛える大人のDSトレーニング
• 「毎日トレーニング」と「脳年齢
チェック」
• 毎日トレーニングは、文字どおり、
日々トレーニングを行って、常に
脳を活性化させるのがねらい。ト
レーニング内容は、簡単な計算
を連続で回答するものや、文字
を音読するものなど多彩なもの
が用意されているので、毎日
やっても飽きない。
• 脳年齢チェックは、毎日トレーニ
ングの効果測定をするためのよ
うなもので、現代の脳年齢を
チェックしてくれる
iPod Selection 英会話
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ソースネクスト1980円
英会話の音声コンテンツと液晶に対
訳テキスト表示
シリコンバレー直送!アメリカ発の英
会話レッスン
本製品は、米国シリコンバレーで日
本人に大人気の英会話学校から生
まれた「英会話リスニング教材」です。
現地で生活する日本人が、実際に
「困った」時の実体験をベースにした
本場のレッスンを丸ごと収録。日本
で暮らしていてはわからない、生きた
本場の英会話が学べます。実際にア
メリカで使われている日常会話をレッ
スンに取り入れているので、ネイティ
ブに近い言い回しを勉強できる上に、
文化的背景も学べます。
TALKMAN
•
•
『TALKMAN』は、PSP本体のUSB
端子に接続した「マイクロホン」での
音声認識により、日本、中国、米国、
韓国の4ヶ国語をマトリクス状に変換
可能な、外国人とのコミュニケーショ
ンを楽しく演出する今までにない全く
新しいエンタテインメント・ソフトウェ
アです。
ゲーム内のキャラクター「マックス」が
4ヶ国語を話せる愉快な相棒として、
海外旅行など外国人とのコミュニ
ケーションが必要な場面をサポートし
ます。他にも「マイクロホン」を使うこ
とにより4ヶ国語の発音を採点形式
でチェックできる、ゲームモードなど
も収録しており、「学び」からコミュニ
ケーションの場まで幅広く楽しめる内
容になっております。
しゃべる DSお料理ナビ
•
DSがしゃべって、お料理をナビゲー
ション!
•
誰でも簡単に作れる!シェフのしゃ
べれる通りに手順を進めていくだけ
で美味しい料理が完成!
•
ボリュームたっぷり200レジピ以上収
録!
– 1.シェフが細かい手順まで、丁寧に
わかりやすくしゃべって教えてくれま
す!
– 2.シェフが器具や冷蔵庫にある食材
から、おいしい献立を考えてくれま
す!
– 3.シェフがあなたの「今、食べたい料
理」を見つけて提案してくれます!
脳に快感 アハ体験!
• 脳科学者の茂木健一
郎博士監修による脳の
活性化ゲーム集。
• サイトに詳細な説明
http://aha.sega.jp/i
ndex.html
ナンプレ
•
遊び方
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いくつかの数字が配列され
ている画面の上に、次の
ルールに従って、ボタンを
使って数字を入力していく。
1)タテの9列とヨコの9列の
どの列にも、1から9までの数
字をひとつずつ入れる。
– 2)太線で囲まれた3×3の
9コのブロックにも、1から9ま
での数字をひとつずつ入れる
– (つまり、縦、横、太枠内の
いずれにも同じ数字は入らな
い)
iPod Music Store
オーディオブック、ポッドキャスト
• 語学、能力開発、落語・
小噺が上位を占める人
気コンテンツ
• ポッドキャストのポータ
ルとして認知
Audible.com
米国のオーディオブック市場
• 車社会でオーディオ
ブック市場が先行して
いた(カセット)。
• 60ドル程度のカセット
に比べて10ドル程度と
格安である
• 機能性アップで割安感
• ビジネス本の要約版と
完全版、小説、伝記、
ヒーリングなど。
大学のポッドキャスト
OpenCourseWare
• 最近のコンテンツ
– 小柴 昌俊 「宇宙と素粒
子」
– 佐藤 勝彦 「物質の生
い立ち」
– 家 泰弘 「物質の性質」
– 小宮山 宏 「物質を作り
利用する」
河合塾 ポッドキャスト
• 大学入試センター試験
速報ほか。
• 音声と映像で解説
デジタルハリウッド大学 放送部
• 公認サークル デジハ
リ放送部による
• 課外活動におけるラジ
オ制作の現場体験
• Akiba+に毎週出演、放
送部が編集の合作
• 放送を制作すること自
体が大きな教育効果を
持つ可能性
分析、考察、課題
大学教員、ポッドキャスター、ネットビジネス
のコンサルタントとしての結論。
PCではなく紙の代替か?
• 紙は究極の携帯デバイス
– 携帯性、即時性だけではPCと差別化できても、
紙とは差別化できない
• 紙との差別化があること
– 大量の情報を持ち歩ける
– 検索ができる
– 音声や映像がある
– インタラクティブなゲーム性がある
キラーコンテンツ、キラーアプリ
についての考察
• まだ大ヒットは見当たらない国内市場
• 教育効果? ブログもポッドキャストもコンテ
ンツの作成者がもっとも学習している。
• 制作に参加するプロセス、コラボレーションす
るプロセスが、ネットに固有で、最大の学習効
果を持つ、のではないか。
世界最大のオンライン教育イベント
ThinkQuest
• ThinkQuestは、中高生がイン
ターネットを駆使し、国を越えて
一つのチームを組み、教材とな
るWeb作品を制作し、その出来
映えを競うコンテストとして、
1995年、米国でスタートしました。
ThinkQuest@JAPANが日本語
で制作するコンテストであるのに
対し、国際コンテストは英語で制
作するコンテストです。
• 125カ国、10万人以上、6000作
品、毎月数百万人が教材を利用
している。
ThinkQuestの詳細 1
• 2~3人のグループによる協同作業
ThinkQuest は、異なる能力やスキルを持った 2~
3人の生徒がチームを組み、それぞれの知識や知
恵をお互いに出し合い、補完し合いながら、作品制
作という協同作業を進めていく過程に価値があると
考えています。これは、「個」が持つ力を最大限に活
かしながら「全体」をネットワークし、一つの目標を達
成するということであり、これからのデジタル社会に
おいて求められる作業スタイルと言えます。インター
ネットをいかに活用するかという観点から、離れたメ
ンバーがインターネットを通じて協同作業をした場合
の方が、評価が高くなるのも特徴の一つです。
ThinkQuestの詳細 2
• コーチ(教師)の役割
ThinkQuest は、先生から知識を学ぶ「講義
型」の教育に対し、生徒が自ら考え、学んで
いく「実践型」のプログラムです。教室で学ん
だ知識を生かし、 自ら選んだ題材について調
べ、まとめ、解決していく中で、生徒が成長す
ることをねらいとしています。生徒の学習意欲
を喚起し、生徒がもっているものをいかに引
き出すかが、先生の重要な役割となります。
ThinkQuestの詳細 3
• デジタル社会におけるプロダクト管理のトレーニン
グ
ThinkQuest の活動の中で、 生徒は、テーマの設定、
チームの結成、役割分担、協力、知識・技術・情報
の共有、より多くのユーザーに利用してもらうための
PR、といった一連の実践活動を体験します。この体
験は、企業が一つの製品を作り、宣伝し、販売して
いくという「プロダクト管理サイクル」であり、実社会
においても必ず役に立つものです。ThinkQuest は、
21世紀を担う人材育成のためのプログラムでもある
のです。
大学教育における現場問題意識
• 携帯デバイスの利用による
– 学習時間の捻出
– 学習意欲の亢進
– 学習効果の促進
• をいかに満たすか?
• 作るのは容易だが。
• 無駄な実験はしたくないと
いう考えも。
• 教員がポッドキャストを積
極公開する動機づけを作
れるか
– 一方的な講義にならないよう
にしたい
– 理解度に応じた個別対応を
したい
– 教室のライブ感を大切にした
い
– 携帯デバイスは本来は邪魔
者だが味方にするには?
コンテンツ単体ではなく、より大きな
教育プロセスのひとつとして機能させたい
携帯端末学習について結論
• 電子辞書の事例のように紙との有意差別化
• 聴くだけでなく創る過程の教育効果に期待
• 単体ではなく教育手法に調和させての利用
– アイデア
• 授業の補足解説的なコンテンツの自由開放
• 携帯を使った自主フィールドワーク授業
• ゲーム型のワーキンググループ活動での利用