エネルギー環境論1

エネルギー環境論1
エネルギー問題と政治
エネルギー問題と政治
• エネルギー問題は、工学や科学の問題だけ
ではない
• エネルギーの選択は、政治家の選択でもある
• 政治は国民の世論を反映してるわけでもない
民主党政治時代
野田政権(2011年(平成23年)9月2日-2012年(平成24年)1月13日)
2012年9月14日に野田政権は、
「2030年代の原発稼働ゼロ」
を目指すエネルギー戦略を打ち出した。
エネルギー・環境会議
(2012年(平成24年)6月29日 民主党政権時)
• エネルギー・環境に関する選択肢という会議
で、3つのシナリオ提案
• 原発比率を震災前の2010年の実績値約26%
から、2030年までに0%程度、あるいは15%
程度、または20~25%程度まで下げていくと
いう3つのシナリオである。
原発稼働ゼロの実現のための3原則。
▶40 年運転制限制を厳格に適用する
▶原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ、
再稼働とする
▶原発の新設・増設は行わない
ただし、「過程において安全性が確認された原発
は、これを 重要電源として活用する」と明記してお
り、原発の再稼働を否定したわけではなかった。
再稼働賛成か反対か不明瞭
今後のエネルギー・環境政策については、「革
新的エネル ギー・環境戦略」(平成 24 年9月 14
日エネルギー・環境会 議決定)を踏まえて、関
係自治体や国際社会等と責任ある議 論を行い、
国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の
検証 と見直しを行いながら遂行する。
(2012年9月19日の閣議決定本文。内閣官房
HPより)
3つのシナリオ
3つのシナリオ比較
政権交代
• 公約を尽く反故にした野田政権のせいで、
2012年12月16日の衆議院選挙で民主党は
地滑り的大敗北
• 自民・公明の選挙公約
自民党「原子力に依存しなくてもよい社会を目指す」
公明党「可能な限り速やかに原発ゼロを目指す」
と必ずしも同じでない
安倍政権の原発方針
民主党政権が掲げた二〇三〇年代に原発稼
働ゼロを可能とするという方針は、具体的な根
拠を残念ながら伴っていないものでありまして、
ゼロベースで見直しをして、エネルギーの安定
供給、エネルギーコスト低減の観点も含め、責
任あるエネルギー政策を構築をしていかなけれ
ばなりません(4月22日、参議院予算委員会で
の安倍首相の答弁より)
三権分立?
・資源エネルギー庁がまとめた報告書「エネル
ギー白書」では、民主党政権下で目標とされた
「原発ゼロ」について記載されなかった。
・これは自民党による原発政策の方針転換の
影響だと報じられている。政権が行政に影響を
与えている。
・安倍首相は三原則を守るのだろうか?
自民党政権の方針
• 電力各社の申請を受け、原⼦⼒規制委員会
が新基準をクリアし、安定と認定した原発の
再稼働を認める。
原子力規制委員会の新基準1
●過酷事故対策
・「緊急時対策所」の設置
・フィルター付きベント設備の設置(PWRは5年間
の猶予)
・原子炉を冷やすための電源車や注水車の配備
・外部電源の多重化、非常用電源車
●津波対策
・防潮堤、防水扉の設置
●地震対策
・活断層を40万年前までさかのぼって調査
原子力規制委員会の新基準2
●火災対策
・燃えにくい電気ケーブルへの交換
●テロ対策
・「緊急時制御室」の設置:原子炉を遠隔操作
(5年間の猶予)
●その他
・運転期間「原則40年」を明記(20年延長の道あ
り)
・「バックフィット」で常に最新の安全技術を反映
・噴火対策:活火山の調査
自民党政権下での再稼働申請
<安全審査を申請した原発>
・泊原発 1~3号機 北海道電力
・高浜原発 3、4号機 関西電力
・大飯原発 3、4号機 関西電力
・伊方原発
3号機 四国電力
・川内原発 1、2号機 九州電力
県)
・玄海原発 3、4号機 九州電力
(北海道)
(福井県)
(福井県)
(愛媛県)
(鹿児島
(佐賀県)
九州電力:川内原発 規制委安全審
査6月にも完了⇒事故が起きたら
海洋汚染のRI(放射性同位元素)トレーサー結
果⇒1月後:有明海汚染、3ヶ月後:日本沿岸、
韓国沿岸汚染⇒日本の魚を食べるの不可能へ
米、六ケ所再処理工場に懸念 プルト
ニウム増加止まらず(朝日新聞デジタル 4月14日(月))
原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取
り出す青森県六ケ所村の再処理工場の稼働に
ついて、米国が「懸念」を日本に伝えてきている。
原発が動いていない現状では核兵器に転用で
きるプルトニウムが増えるばかりで、オバマ政
権が力を入れる核不拡散に逆行するからだ。
記事続き
10月の完成を目指す六ケ所再処理工場は、年
800トンの使用済み核燃料を再処理し、8トン
のプルトニウム(うち核分裂性は5トン弱)を取り
出す能力がある。これを原発で燃料として消費
する予定だが、現在、そのめどが立っていない。
これとは別に、日本がすでに保有しているプル
トニウムは44トン(同29トン)あり、数千発の核
兵器に相当する。
当選者数各党割合
各党得票率
政党支持率
原発再稼働に関する安倍政権方針
と国民世論
• 原発再稼働を唱えているのは、自民党ぐらい
• 自民党支持率は、今年の3月で26.9%
• 朝日新聞社が3月15、16日に実施した全国
世論調査(電話)で、原子力発電所の運転再
開の賛否を尋ねたところ、「賛成」は28%で、
「反対」の59%が上回った