明るさの単位を説明する方法 照度(lx) 光束(lm) 光度(cd) 輝度(cd/㎡) 以上、4種類の明るさの単位がそれぞれ何を意味して いるかを理解してもらうための、うまい説明の方法を 考えます。 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 照度の説明(1) 光源 照明をつけて、机の上で本を読む ようなシーンを考えます。 このとき、その「本」にどれだけの 光が当たっているか、を表すのが 「照度」です。 照度はルクス(lx)という単位で表し ます。 本 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 照度の説明(2) 同じ光源でも、距離が違っていれば、手元の照度には差が出ます。 この3つは同じ光源。 光の広がり方は同じ。 光源 光源 光源 本 本 本 光の束が一本し か当たってない →暗い 光の束が三本 当たる →明るい 光の束が5本 当たる →もっと明るい Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 光束の説明(1) 照明が周囲を照らすとき、「光の束を放射している」と考えて、 「光の束の量」のことを光束と言い、ルーメン(lm)で表します。 光源 本 ルーメン(lm)は、光源そのものの全 体の明るさを表す その光が対象物に当たったときの、対象物 の明るさを照度と言い、ルクス(lx)で表す たとえば、60W型白熱電球は約800ルーメン程度の光束を発します。 それが1メートル離れた面に当たると、その面の照度は約64ルクスになります。 読書をするときの照度は300ルクス以上必要とされているので、60W電球1個・1メートルではちょっと暗いですね。 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 光度の説明(1) ここに、ある点光源があって、360度全方向に同じ強さの光を放射 しているとします。 360度全方向に同じ強さの光 を放射する点光源 光源 その「光」の束をもし一本だけ取りだ したとして、その一本だけの光の強さ をその光源の「光度」といい、カンデ ラ(cd)で表します Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 光度の説明(2) もし360度全方向に1カンデラの光度で光を放つ点光源があると、 その点光源から出る光束(光の量)の合計は約13ルーメン(*1)です。 全方向に 1カンデラの 光度を持つ 点光源 全方向に放射する光束を合 計すると約13ルーメン 光源 *1:60W電球の60分の1程度の明るさ。 13は半径1メートルの球の面積 ( 4×3.14×1×1)に該当する。 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 輝度の説明(1) ところでその「全方向に1カンデラの光度で光を放射する点光源」と 同じ量の光束を放つ、面積1㎡の面光源があったとしましょう。この とき、その面光源は1cd/㎡の「輝度」を持つ、と言います。 全方向に 1カンデラの 光度を持つ 点光源 1㎡の面積を 持つ面光源 光源 全方向に放射する光束を合 計すると約13ルーメン 光 源 1カンデラの点光源と同じ 13ルーメンの光束を発する 輝度 1cd/㎡ Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 輝度の説明(2) 「輝度」とは、光源が「単位面積あたりに発する光の強さ」のことで、 カンデラ/㎡(cd/㎡)で表します。 輝度の低い光源 輝度の高い光源 光源 光源 ルーメン(光束の総量)は同じ 光源の「面積」が関係してくるため、「輝度」は液晶ディスプレイパネルのような、「面 で発光するもの」について使われる概念です。 通常、屋外で発光体を視認できるた めには300cd/㎡以上の輝度が必要とされています。 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 光束・照度・輝度・光度の関係 光束(ルーメン):光源か ら放射される光の総量 光 源 照度(ルクス):対象物 の表面での明るさ 対 象 物 単位面積 輝度(cd/㎡):光源の単位 面積あたりの光の強さ 光度(カンデラ):1つの 方向に向かう光の強さ Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 「光束」を使う場面 1つの光源で近距離の、ただし角度が広い範囲の対象物を明るく照らしたい、 と言う場合は、光の総量=「光束」が重要です。 そのため、家庭用照明器具では光束の単位である「ルーメン」を使います 光源 対 象 物 角度の広い範囲を 照らすので光の総 量が重要 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 「光度」を使う場面 1つの光源で遠くを照らしたい、ただし角度範囲は狭くていい、という場合は、 1つの方向に向かう光の強さ=「光度」が重要です。 そのため、自動車ヘッドライトなどでは光度の単位「カンデラ」を使います。 前方を集中的に照らしたい 対 象 物 光源 少しでも外れたと ころは暗くてよい 1つの方向に向かう 光の強さが重要 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved. 「輝度」を使う場面 周囲が明るい場所で、何かが光っているかどうかを認識するためには、発 光体の単位面積あたりの明るさ=「輝度」が重要です。 そのため、発光体そのものを直接見て情報を得るような用途の発光体(液 晶ディスプレイ、LEDなど)の明るさを示すときは「輝度」を使います。 周辺から光(環境光)が当たっている 発 光 体 環境光の反射 発光体自身の発する光 これを区別するためには、 発光体自身の単位面積 あたりの明るさが重要 Copyright 2011 アイデアクラフト 開米瑞浩 All rights reserved.
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