PowerPoint プレゼンテーション

5.サイリスタ・TRIACの知識
サイリスタは、SCR(Silicon Controlled Rectifier)とも呼ばれ2つのトランジスタを組み合わ
せたものと解釈できる。
まず、ゲートGにトリガー電圧を瞬間加えることによりQ2のトランジスタがONしそのコレ
クタ電流は、Q1のベース電流を流しQ1がONすることによりトリガー電流がなくなって
もQ1からの保持電流によりQ2は、ONしつづける。よってA(アノード)K(カソード)間の
電圧が保持電流を流す電圧以下になるまで、AーK間の電流は、流れすづける。
トリガー電流IG=0の状態でアノードーカソード間に順方向電圧を加え大きくしていくと急
に順方向電流が流れはじめる、この電圧を「ブレークオーバー電圧」という。サイリスタは
アノードーカソード間がわずかな電圧であっても、トリガゲート電流IGを流すことにより
ターンオンし大きな電流を流すことができる。
アノードーカソード間に、加わる交流電圧に、雑音サージのような高い電圧が瞬時でも
加わると勝手にターンオン(導通)してしまうので注意が必要です。一旦ターンオン(導
通)したサイリスタをターンオフ(非導通)にするには、順方向電圧を保持電流以下の電
圧に下げるか、逆方向に電圧をかけます。
5.1定電圧ダイオード(ツエナーダイオードZener Diode)
シリコンの接合型ダイオードは非常に急激なブレークダウン特性を持っている。逆方向
電圧が低い間は、その逆方向電流は、極めてわずかであるが、ある電圧(ツナー電圧
VZと表す)に達すると、急激に電流が流れ始めブレークダウン現象を起こすこの範囲
内では、電流の広い範囲にわたって電圧が一定値に保たれるので低電圧素子として使
えます。
じゃツナー電圧Zvには、色々の電圧がありシミュレーションで確か
めよう!
5.1.1 ツナーを使った定電圧回路の設計
設計する電源仕様:
出力:DCout
DC5V50mA
入力:DCin
DC8V~DC14Vの非安定電源
設計手順1
まず、このドロッパー型電源(負荷に応じて電圧降下を生じさせ出力電圧を調
整するタイプ)は、入力電圧が低いのが厳しくなるからそれを検討する。使用す
るツエナーダイオードは、5Vであるから次の回路を想定する。
入力電圧8Vの時に、定電圧ダオオードに流れる電流を10mA(この電流がツエ
ナーに流れる最低となるこの電流は、もっと小さくはできるが、5~10mA程度な
がしたほうが安定である今回は10mAとする)とすると、この入力電圧が最低条
件の場合も負荷には100%の電流50mAを流す必要があるので、この条件での
入力電流Iiは10+50=60mAであるこのときのRzはRz=8-5/60mA=50
Ωとなる。
設計手順2
こんどは、入力電圧最大を考慮するRzは50Ωであるから、負荷電流が、0mA(負荷接
続なし無負荷)の時、ツエナーに流れるIzは、Izmax=14V-5V/50Ω=180mAとな
るこのうち負荷を最大50mAとるとツエナーに流れる電流Izは、Iz1=180mA-50mA
=130mAとなる。この手順2では、入力最大電圧時の各電流を検討したものである。
設計手順3
抵抗Rzの選定、Rzはこれまで50Ωで検討したが市販抵抗のE24ランクでは、近い値
として51Ωがあるので、Rz=51Ωで決定する。ここで抵抗には、金属皮膜抵抗と炭素
皮膜抵抗があり、ここでは、信頼性と温度係数が有利な金属皮膜抵抗の許容差1%(5
1Ωの1%のばらつきの抵抗)を選定する。次に、Wであるが、Rzには、これまでの検討
結果より最大180mAでRzの両端の最大は9VであるのでWmax=0.18×9=1.6
2Wの抵抗がいる。そこで50%のロードで使用すると(これをデイレーテイングという)約
2倍で3Wとなる。次に、ツエナーの選定であるが、ツエナーに一番負担がかかるのはI
zmax=180mAである。よってツエナーの最大消費電力はWz=0.18×5=0.9W
である。よって5V1Wのツエナーで行けることになる。(ほんとうは2Wを使用したほう
がいいが?)
5.1.2シミュレーションしてみよう!
入力電圧
無負荷出
力電圧
全負荷出
力電圧
8V
5.122v
5.020v
14V
5.241v
5.188v
負荷変動
率
負荷変動に対する電源の
電圧変動率 
無負荷出力電圧 全負荷出力電圧
100
全負荷出力電圧
では、入力変動にたいする電圧変動率は?自分で考えよう
5.2 単結合トランジスタ(ユニジャンクショントランジスタ)
この動作は、50kと0.1uFからなつ回路でCが充電が進むと
ある電圧になるとB2-B1がオンし47Ωの抵抗にパルス電流
が流れC の蓄えられら電荷も放電し発振を繰り返す。
5.3 SCRの動作をシュミレーションして理解しよう!
負荷
この抵抗を
変えると位
相角が変わ
る
電圧波形
電流波形
5.4 トライアック
TRIAC(トライアック)は、3端
子双方向サイリスタのことで
3つの電極をもつ交流スイッ
チです。サイリスタと同様に
ゲート端子にトリガーを与え
るとターンオンするがこれが
双方向でできる。
5.5 DIAC(ダイアック)
DIACは、トライアックのゲートトリガー用に作られたもので、トリガーダイオードとかPNPN
ダイオードとも呼ばれている。特性は、双方対象であり極性は無く、T2ーT1間に電圧を加
えていくと、約30Vで負性抵抗特性をあらわし両端電圧は、数ボルトになるこのときゲート
に電流が流れる。
5.6 TRAIACによる交流電圧の位相制御
この回路でVR1を調整すると負荷への供給電流をOから100%まで連続的に可変するこ
とができ調光装置やヒータによる温度制御に幅広く使われる。またモータなどの誘導負荷
を接続した場合電圧と電流との間に位相差を生じトライアックのターンオフ時の高電圧発生
でゲート電流が流れていなくても勝手にターンオンしてしまう場合があり、C2とR2の回路
で高電圧のサージ電圧を吸収する働きをする。これをスナバ回路という。C2に蓄えられた
電荷は、ターンオンしたときに放電する。
6.デイスクリート部品を使用した回路体験その1
6.1 直流電源回路
仕様:入力100V±10%
出力 DC5V1A
手順1
定電圧にする前の直流の変動を定める。
出力電圧が5Vであるので、それを、常に5Vに調整するためのトランジスタのド
ロップ分は、完全ON状態では、通常1V前後であるが、この状態では、制御範
囲をはずれるので、最低のドロップ電圧を2V以上で考える。そうすると、トラン
ジスタQ1への入力電圧は、最低でも7V以上必要となる。では、次の回路の全
波清流回路をシュミレーションしてみよう!
まず、トランスT1は、とりあえず、10:1の比(100V:10V)を使用する。次にC
1は、最初は10uFで負荷は、直流出力maxが1Aなので7~10Ω程度とし、今
回は、8Ωとする。C1を10uF、470uF、1000uF、2000uFと変化させて次
表を完成しましょう。
整流回路のC1変化のシュミレーション結果表
V1
10uF
470uF
1000uF
2000uF
V2
I1
I2
表を完成させて、気が付いたことは?
C1のコンデンサ容量を上げると、I1の電流が以上に大きくなることです。これは、容量
が大きくなると、C1を電荷が空の状態からの充電から始まり突入電流が流れます。
Transient Analysisの設定が、下のように0時間スタートに、なっているとその時点から
終了時間までの、平均をマルチメータに表示するので、大きい値となる。しかし、これ
は、整流ダイオードブリッジの選定の際重要で、突入電流の最大値が、整流ブリッジの
絶対最大定格を超えてはならないので、これを、考慮して選ぶと、使用する定格より大
きい整流ブリッジを使用することになる。インバータの場合は数万uFのコンデンサを使
うので、突入防止用抵抗をコンデンサの前に直列にいれます。
大きな容量のコンデンサを使う場合は、突入電流に
周辺半導体が耐えられるか検討しましょう。
では、コンデンサーC1に流れる突入電流波形を見て
みましょう。コンデンサーC1にプローブをあて[I]にな
るところ、最大負荷8Ωと無負荷100kで見ましょう
突入電流のピークは、約10Aですから1
0A流れてる時間に耐えられるブリッジダ
イオードを選定します。また、突入電流を
減らすためには、コンデンサ容量を小さく
し、トランス2次側の電圧を上げる方法も
ありますが、とりあえずトランスの2次は
10Vで進みましょう。
では、先ほどの表を左の設定(突入時間を除いた)に換えも
う一度、表を完成させましょう。
整流回路のC1変化のシュミレーション結果表(定常状態)
V1
10uF
470uF
1000uF
2000uF
V2
I1
I2
整流回路出力の電圧波形
2000uFの時の入力電圧変動の調査
+10%
155V(110V)
無負荷
1.406mA
(10k)
整流出力電圧
14.06V
トランス2次電流
8.639mA
+10%
155V(110V)
全負荷
1.074A
(11Ω)
整流出力電圧
11.82V
トランス2次電流
2.139A
-10%
127V(90V)
無負荷
1.128mA
(10k)
整流出力電圧
11.28V
トランス2次電流
7.578mA
-10%
127V(90V)
全負荷
1.010A
(9.1Ω)
整流出力電圧
9.194V
トランス2次電流
1.949A
このシュミレーション結果からC1は、変化分の最小が、5V+3V程度の2000uFが妥
当であり2000uFを採用する。
この時の、トランス2次側電流(I1)と負荷電流(I2)の比は、約2倍弱であり、ダイオード
ブリッジの定格は、2A以上を選択しトランス容量は、W=10V×2A=20Wとする。
トランス発注の際は、一次100V2次10V 2Aとすればよく、トランスは、2次に2A流し
て10Vのものがくる。(これは内部インピーダンスのドロップ分を勘定にいれたものであ
るシュミレータでは、100mΩになっている)ついでに、ブリッジダイオードの電圧ドロップ
も見ておこう。
次にトランジスタQ1であるが、トランジスタの許容損失が何ワット必要かである。ドロッ
パ型であるため、出力5Vにするため入力電圧(最大値)ー出力電圧×1A(最大負荷)と
なり、交流入力電圧の最大値100V×1.1の時の整流回路出力である。シュミレーション
波形から13V程度と仮定する(13-5)×1A=8Wである。よって許容損失10W以上
のトランジスタを選定する。次にhFEであるが、これは、本シュミレータの中から選ぶとす
ると2N3055になるでは、これを使用して次のステップを検討する
2N3055の静特性を次に示す。
この静特性から直流電流増幅率hFEは、約50である。
手順2
トランジスタQ1とツエナーダイオードD2の検討
ツエナーダイオードの電圧(Vz)を
決める出力電圧は、5Vであるの
で、5V=VBE+VzであるからVBE
は0.6Vと考え極性が反対である
のでVzは5.6Vとなる。したがって
ツエナーは、1W5.6VのIN4734を
選ぶ、次に、トランジスタQ1が最
大1A流すためには、IB=1A/hFE
=1000/50=20mAとなる
これがIBの最大電流である。入力
電圧の最小値は、7.8Vである。
この電圧に対してもツエナー電流は10mA以上残る必要があるから7.8V-5.6=2.
2Vに対してIBの20mA+20mA(ツエナー電流)=40mA流そうとするとR1は、55Ω
であるのでR1=51Ωとする。
次に最大入力電圧の場合は、14.06VであるのでVZの5.6Vを引くと8.46Vとなる
そうすると、上限入力電圧で無負荷の場合が、ツエナーの最大電流となる。これは8.4
6V/51Ωで168mAとなる。この時の消費電力は0.168×5.6=0.94Wで1Wのツエナー
でいけることになる
デザインした回路(1ページ)の電源性能を(シミュレーションで)見てみよう!
入力電圧変動試験
入力電圧
出力電圧
変動率
110V
4.953V
+0.63%
100V
4.922V
0
90V
4.888V
ー0.69%
負荷変動(入力電圧100V)
負荷変動(%)=
=
無負荷電圧ー全負荷電圧
 100
全負荷電圧
5,225  4.922
 100  6.1%
4.922
リップル電圧(入力電圧100V全負荷時)
23.86mV
7.デスクリート部品を使用した回路体験その2
7.1 波形成形(シュミットトリガ)回路
入力波形
出力波形
UTP=
R3 ( 
V 1 Q2 V CEset )  Q1V BEon
R3  R5
LTP=
R3 ( 
V 1 Q1V CEset )  Q1V BEon
R3  R1
7.2 マルチバイブレータ
T (周期)  0.69( R1 C1  R3 C 2)
マルチバイブレータの発振波形
7.3 フリップフロップ(双安定マルチバイブレータ)
1bitの2進カウンターの回路
2進カウンタの入出力波形
7.4 フリップフロップ・1bitの記憶回路
7.5 演算増幅器(オペアンプ)
理想値
実際の増幅器
差動利得(Ad)
∞
100dB(10の5乗)以上
同相利得(Ae)
0
0db(1倍以上)
入力インピーダンス(Zi)
∞
300kΩ以上
出力インピーダンス(Zo)
0
75Ω
周波数帯域幅
∞
10KHz
入力換算オフセット電圧
0
1mV
反転増幅器
Vo=(R2/R1)Vi
非反転増幅器
Vo=(1+R4/R3)Vi
7.5.1 トランジスタで実現したOPアンプ(単電源用)
単電源でのOPアンプ入出力波形
7.5.2 両電源用OPアンプ回路1
両電源であるので反転増幅として働く
7.5.2 両電源用OPアンプ回路2
両電源OPアンプ回路2のシュミレーション・入出力波形
補足7・インダクタンス負荷の開閉について
Lに流れる電流を切るのは難しい!
普通のリレー駆動回路でみてみよう
まずは、ダイオードなしで
シミュレーションしてみよう!
シミュレーションでのきずいた点!
1.ベース信号がoffしてもコレクター電流は、すぐ反
応していない、少し遅れがある。(キャリヤ蓄積効
果)
2.電流が0になるまでに時間がかかっている。Lの
電流は、切るのが難しい!
3.VCEの電圧が200Vもでているトランジスタが破
壊するほど高い電圧。これが、Lによる逆起電力
di
Lによる逆起電力e=
L
dt
4.トランジスタの電力損失が最大2Wになっている
これはVCE×ICである
さあ!こんどは、高速化用コンデンサーを入れて
シミュレーションしてみよう!
そして最後に、ダイオードをいれるとどうなるか?
確かめよう!
ダイオードを入れた場合、Lに蓄えられたエネル
ギが抵抗を通してダイオードを流れこのエネル
ギーを抵抗で消費する。このダイオードに流れ
る電流を回生電流という。
Lに蓄えられるエネルギ
ーは、 W 
1 2
L i ( j)
2
8 デイスクリート部品を使用した回路体験その3
8.1 単安定(ワンショット)マルチバイブレータ
シミュレーション前に、下記の波形を考えよう!
入力トリガー信号が次のようにきた場合の波形を書こう!
信号名称
記号
入力トリガー
1
信号
Q1のコレクター
2
Q2のコレクター
(出力)
3
Q2のベース
4
Q1のベース
5
波
形
では、シミュレーションで考えた波形の検証をしよう!
8.2 ツエナーダイオードによる波形成形(リミッター回路)
5.1Vのツエナー両極性5.1Vクリップさ
れている
5.1Vのツエナー片側のみクリップ
8.3 ダイオードによるクランプ回路
正逆のうちどちらかのみ使いたい時に、片方をクランプする。
8.4 Not回路
論理記号
8.5 2入力NAND回路
真理値表
NAND
出力
入力A
入力B
0
0
0
1
0
1
0
1
1
0
0
1
1
1
1
0
AND
出力
8.6 2入力NOR回路
OR回路
NOR回路
入力A
入力B
OR
出力
NOR
出力
0
0
0
1
0
1
1
0
1
0
1
0
1
1
1
0
SANWA テスタの組み立て写真 KIT-8D
このように部品を台紙に乗せてR1から順番に半田付けする
完成基板の部品面
完成基板の半田面
接点金具の取り付け
完成品
9
テスターの回路から学ぶ
9.1 倍率器(マルチプライヤ)
E
r
E0  I  (R  r)
I
E
 (R  r)
r
上式を変形すると
E

0
R  r  ( E 0  1) ここで
E
R  r  (n  1)
E
E
0
 n(拡大率)とすると
9.2 分流器(シャント)
E  I r
E
1 1
I 0  1  E  (r  R)
1 1

r R
1 1
r

I

r

(

)

I

(
1

)
I0
r R
R
r
R
ここで I 0  n とすれば
I
( I 0) 1
I
r
R
n 1
9.3 交流電流、電圧計測のための整流回路
2
全波の場合の平均値は、
E であるが、半波の場合

sin d  E  cos   E

1 
E av  2 0 E m
となり、全波の半分と
m
m
は
m
2
なる。
0

実効値はEは、1周波に対する平 均2乗の平方根で E 
よって E 

E  2.22 E av
E
2
av
E av 
2

E  0.45E
E
m
2
である
9.4 抵抗計の原理
スイッチSWをONに
流れる電流を
I0 
した場合回路に
I とすると 0
E
R
T
スイッチSWをOFF
にしたとき
R
X
が
直列に入るのでその時 の電流Iは
I
E
この電流の減少の割合 から

RT R X
R
X
を求めるのが抵抗計で す。I 0に対する比Pは
E
 RX
I
R
T
P


E
I0
R
R
T
RT  R X
T
R
X

RT  (
1
 1) となる
P
よって
R
X
は