Economics of Strategy Chapter 5 Case by KIRIN BEVERAGE ~Domain of Make or Buy~ Presented by 早稲田大学商学部井上ゼミ2期生 田部菜穂子 竹内基 薮内由布子 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 1 発表の流れ 資料のまとめ、現状分析(5分) 事前設問の議論と解説(20分) ベサンコより戦略的提携、合弁会社について (レクチャー形態15分) 将来展望設問・議論(30分あったらいいな) Nahoko,Yuko,Motoi Presents 2 資料のまとめ+現状分析 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 3 キリンビバレッジ 1991年キリンから別離し単独のグループ会社 として清涼飲料部門を担当 清涼飲料メーカー(現在コカコーラ、サントリーに ついでシェア第3位) 現在売上高3000万円超、10年後に1兆円へ の引き上げ計画を持つ コスト削減への戦略として生産拠点の湘南工場 でペットボトル成型、充填の一体化ラインを製造 頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48 4 何故自製を開始したか? キリンビバのペットボトル製品構成比は業 界全体よりはるかに高い数値にある ペットボトル容器の割高による収益の圧迫 ペットボトルのコストを どこまで下げれるかが至上命題 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~ 48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 5 飲料の垂直チェーン 湘南工場の範囲は PET樹脂 プリフォーム 生産 ボトル 成型 洗浄 充填 飲料 Nahoko,Yuko,Motoi Presents キャッピング ラベリング 梱包 発送 VolvicHP(http://www.volvic.co.jp) 2004年5月25日を参考に、筆者が図式化 6 ペットボトルの伸び率 2002年にはペットボトルの生産量は缶の約二倍となる 出所:全国清涼飲料工業会HP(http://www.j-sda.or.jp/index03.htm)2004年5月5日 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 7 清涼飲料水業界の市場分析 アミノ酸飲料がヒット 類似商品の乱立で シェアの食い合い 市場はすでに飽和状 態 気候の変化によって 需要は大きく変化す る 参入障壁は低い 出所:週間東洋経済臨時増刊(2004)『図解 最新 業界地図』 東洋経済新報社,2004年4月7日号P. 参考:週間東洋経済臨時増刊(2004)『図解 57 最新業界地図』 東洋経済新報社,2004年4 Nahoko,Yuko,Motoi 月7日号P.57 Presents 8 コーヒー飲料 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版,日本実業出版社,P.110 需要は堅調 コカ・コーラ(ジョージ ア)が独走 家庭より個人の嗜好 が強いため、ペットボ トルの比率は低い 缶:ペットボトル=7:3 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版,日本実業出版社,P.110 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年版日 本実業出版社,P.110 9 緑茶飲料 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版,日本実業出版社,P.111 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版,日本実業出版社,P.111 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 前年比10.3%増と三年 連続の二ケタ成長 キリンビバレッジ<生茶 >が大ヒットし二位に上 昇 伊藤園とキリンビバレッジ の一騎打ち ペットボトルの多様化が 加速 参考;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版,日本実業出版社,P.111 10 ウーロン茶飲料 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.112 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.112 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 前年比12.9%減 緑茶を中心とする機 能性飲料との競争激 化によるカニバリゼー ションのため全体シェ アが低下 参考;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.112 11 スポーツ機能性飲料 サントリ<DAKARA> によって市場が拡大 大ヒットキリンビバレッ ジ<アミノサプリ>は 成長促進中 ペットボトル比率は7 1%から77%に上昇 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.113 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.113 12 キリンビバの販促活動 清涼業界の中では華やかなイメージが強い 午後の紅茶には松浦あや、小泉今日子。生茶に は松嶋奈々子などを起用、キャンペーンも随時 行っており販促にかなりの費用を投じている アミノサプリはユニークな戦隊もの。 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考:キリンビバレッジHP(http://www.beverage.co.jp) 2004年5月25日 13 ペットボトルのコスト構造 缶に比べて製造に1.5倍のコスト 環境問題も含め社会的責任のコスト 一般的収益構造を考えてみよう 紙パック=500cc=100円 缶飲料=350cc=120円 ペット=500cc=150円 ペット大=1.5L=300円 ペットボトルの収益性の低さがわかる Nahoko,Yuko,Motoi Presents 14 事前設問・議論・解説 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 15 さあ問題です。~ベサンコ5章参照~ Q1..コストダウン計画=ペット肉薄化による資料に 書かれていない問題点(Page2下段ブランク)を考え よう。 Q2.ペットボトルを部分的に自製をすることによるメ リットを考えてみよう。 ~おまけ~飲料を自製することで得られるメリットも 考えてみよう。 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 16 Q1.問題点について コストダウン= 原料樹脂の量を減らし肉薄のPETボトルへ 供給業者の売価減少 ホールドアップの危険性 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 17 Q2.部分的自製によるメリット 自製によって不可能が可能に。(原料樹脂 代が2割お得)自分でやるからね。 なんと物流費もお得!プリフォームの特性 を考えると5分の1に。 自製することでコストについての情報入手、 相手(サプライヤー)に騙されないぞ。相手 提示価格を牽制。 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 18 おまけ問題(^ー^) 飲料自製のメリット 生産委託は設備投資がかからずとっても 便利。ただ数ヶ月前に業者に発注する必 要が・・・なもんで天候気候による需給変動 に対応できない。自製ならOK。 パッカー大半は複数企業の生産を請け 負っている・・・なもんで情報漏れの危険 性!?自製なら大丈夫。 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 19 ケースを使った 戦略的提携と合弁会社(ジョ イントベンチャー)の解説 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 20 生産設備の技術供与 戦略的提携の事例 大日本印刷の原材料供給、 容器殺菌のノウハウ + 澁谷工業の充填のノウハウ これらの協力関係によってラインを作成 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 21 澁谷工業 ボトリング事業シェア1位(約60%) PETボトルに限ると、ほぼ100% 1993年 無菌充填機 小規模企業の瓶詰め→医療品の充填へ 社 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 日経ビジネス編『小さなトップ企業』(2002) 日経BP 22 大日本印刷 ・1993 樹脂キャッピング装置 インラインPETボトル無菌充填システムを開発 →1994 キリンビバ「午後の紅茶」で採用 ・その他にも多くの特許を所有 ・幅広い分野での納入実績→信頼 参考:大日本印刷HP(http://www.dnp.co.jp) 2004年5月25日 特許電子図書館(http://www.ipdl.jpo.go.jp/homepg.ipdl) 2004年5月25日 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 23 共同開発のメリット ・DNP プリフォーム・ラベル納入 ICタグ実験・・・物流管理 ・澁谷工業 得たノウハウを基に、新規事業展開 参考:大日本印刷HP (http://www.dnp.co.jp) 2004年5月25日 澁谷工業HP (http://www.shibuya.co.jp) 2004年5月25日 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 24 ICタグ導入実験 2003年10月~2004年3月 DNP NTTコムウェア DNP柏工場 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 東洋倉庫 キリンビバレッジ 湘南工場 大日本印刷HP(http://www.dnp.co.jp) 2004年5月25日を参考に、 25 作者が図式化 共同開発のメリット ・DNP プリフォーム・ラベル納入 ICタブ実験・・・物流管理 ・澁谷工業 得たノウハウを基に、新規事業展開 参考:大日本印刷HP (http://www.dnp.co.jp) 2004年5月25日 澁谷工業HP (http://www.shibuya.co.jp) 2004年5月25日 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 26 シブヤマシナリー 設立 1993年 事業内容 環境設備、システムの開発 澁谷工業の既存顧客の二-ズ + 蓄積されたボトリングに関する技術や営業 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考:シブヤマシナリー株式会社HP(http://www.shibuya.co.jp/smc/) 2004年5月25日 27 合弁会社設立(ジョイントベンチャー) もうひとつの事例 ミネラルウォーター事業の ダノン、三菱商事との 合同生産販売会社(キリンMCウォーターズ) 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 28 キリンMCダノンウォーターズ ダノン社、三菱商事との3社による合弁新会社と して2002年11月1日業務開始 Volvicの輸入、アルカリイオンの水の生産、各 マーケティングを手がける ダノンの一貫生産の技術を導入(プリフォーム生 産、富士御殿場蒸留所のラインが2003年5月 に稼動) 環境ボトルへの積極的取り組みを行う 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents キリンビバレッジHP (http://www.beverage.co.jp)2004年5月23日 ボルビックHP (http://www.volvic.co.jp)2004年5月21日 29 ミネラルウォーター 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.114 出所;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.114 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 供給量の最高記録更 新 参入企業200組で シェア争い混戦 ペット比率87.2% 330ml~2㍑までペッ トサイズの多様化が 進む 参考;松井睦(2004)『一目で分かる業界シェア&市場規模』2004年 版日本実業出版社,P.114 30 考えてみよう 現在のミネラルウォーター市場 水に求められる新しい機能や用途・価値・ 魅力 ミニ設問 これら合弁会社にいたった理由、 メリットを5章から考えてみよう。 デメリットはないのか? Nahoko,Yuko,Motoi Presents 31 5章+事実からの考察 メリット 企業が一社で必要な専門技術を独自に開発すると非常 に高くつく(この場合一貫生産、エコペットなどの環境的 問題) ダノンの販売経路の問題(異国への参入) 日本の市場は拡大傾向、用途も拡大可能性 デメリット エージェンシー費用がかかる? お互いがどこまでコミットできるのか? 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents キリンビバレッジHP (http://www.beverage.co.jp)2004年5月23日 ボルビックHP (http://www.volvic.co.jp)2004年5月21日 32 将来展望設問・議論 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 33 設問!!! このような状況を加味した上で 成長のための戦略として キリンビバレッジは 自社でのペットボトルの 生産比率を上げていくべきだろうか? 「上げる」=垂直統合に近づく 「下げる」=購買に近づくというイメージ 今までの学習を踏まえて双方のメリット、デメリットをおさえながら 方向性について議論してください。 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 34 ヒント① 生産比率向上のメリット 需給変化への対応がより確実性をもてる 物流費のコストダウン、交渉力UP これからの多様化するボトルの種類に対 応(280cc、350cc、700cc、1Lなど) デザイン特性化がすすむボトルパッケージ への対応 今後の市場規模増大による経済性の獲得 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 Nahoko,Yuko,Motoi Presents キリンビバレッジHP (http://www.beverage.co.jp)2004年5月21日 ベサンコ(2002)『戦略の経済学』ダイヤモンド社、◆5章 35 ヒント② 生産比率向上のデメリット 生産設備投資の必要性 自社の技術が非効率化したときのリスクが 高くなる(自社標準化コスト、埋没コスト) 垂直統合にかかわるデメリット要素が今よ りも現れてくる可能性 供給側の調整関係が難しくなる恐れ Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 キリンビバレッジHP (http://www.beverage.co.jp)2004年5月21日 ベサンコ(2002)『戦略の経済学』ダイヤモンド社、◆5章 36 ヒント③ 生産比率減少のメリット 生産設備などの固定費がかからない 経済性を得ることで今後コストダウンが見 込める可能性(強力な供給企業の出現) 技術革新や環境の変化に対応がし易い 自身の業務に専門的に経営資源を配分で きる 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 キリンビバレッジHP (http://www.beverage.co.jp)2004年5月21日 ベサンコ(2002)『戦略の経済学』ダイヤモンド社、◆5章 Nahoko,Yuko,Motoi Presents 37 ヒント④ 生産比率減少のデメリット 購買のデメリットが発生する可能性が高ま る(取引費用) 現在の設備が埋没費用になる可能性 需給調整や各垂直チェーン上での調整に かかるコストが高くなる 情報が漏洩する可能性が高い(差別化が 難しくなる) Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 キリンビバレッジHP (http://www.beverage.co.jp)2004年5月21日 ベサンコ(2002)『戦略の経済学』ダイヤモンド社、◆5章 38 うちらの答え!?(;^□^) 成型設備は導入済み、そのほか前述のメリット のため生産比率は上げるべき!! しかし新工場設立など新たな生産設備の導入は、 自社のリスクが高まるため現状の工場の稼働率 をあげる工夫を取るべき。 提携や合弁による技術をより自社用に効率化し て過剰な設備や機能を省いてラインの効率を向 上させる。(殺菌やプリフォーム自製など自社の 特化技術といえる) Nahoko,Yuko,Motoi Presents 参考:『日経ビジネス』2003年6月16日号46~48頁 キリンビバレッジHP (http://www.beverage.co.jp)2004年5月21日 ベサンコ(2002)『戦略の経済学』ダイヤモンド社、◆5章 39 参考文献一覧 『日経ビジネス』2003年6月16日号 p46~48 日経ビジネス編『小さなトップ企業』(2002)日経BP社 『図解 最新業界地図』(2004)東洋経済新報社 松井睦 『一目でわかる業界シェア&市場規模』(2004)日本実業出 版社 全国清涼飲料工業会HPhttp://www.j-sda.or.jp/index03.htm 大日本印刷HP http://www.dnp.co.jp 澁谷工業HP http://www.shibuya.co.jp シブヤマシナリー(株)HP http:// www.shibuya.co.jp/smc/ キリンビバレッジHP http://www.beverage.co.jp ボルビックHP http://www.volvic.co.jp 特許電子図書 http://www.ipdl.jpo.go.jp/homepg.ipdl Nahoko,Yuko,Motoi Presents 40
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