植物系統分類学・第14回 分子系統学の基礎と実践 2015年1月19日 尾形 善之 これから3回の構成 ★第12回(今回):木本植物の特徴と分類 ♦ 樹木の識別方法 ♦ 樹木の分類 ★第13回:分子系統学の基礎と実践 ♦ 遺伝子・DNAによる分類 ♦ 公共データバンクの活用 ★第14回:比較ゲノミクスの基礎と実践 ♦ ゲノム情報の取得 ♦ 比較ゲノミクスとは ゲノム情報の基本・1 ★セントラルドグマ ゲノム情報の基本・2 ★DNA ♦ 塩基配列(ATGC) ★RNA ♦ 塩基配列(AUGC) ★ポリペプチド(タンパク質) ♦ アミノ酸配列(20種類) ゲノム情報の基本・3 ★塩基配列 ♦ ATACCTTTTACAATTTGTTT…… • RNAもATGCで利用(情報学的な理由) ★アミノ酸配列 ♦ MEGSSKGLRKGAWTTEEDSL…… ゲノム情報の分析 ★従来はサンガー法 ★次世代シーケンシング 分析装置とビッグデータ・1 シーケンサーと塩基配列 サンガー法 次世代シーケンサー シーケンサーと塩基配列 イルミナ社HPより 次世代シーケンサーの種類 リード塩基数/配列 (base) リード塩基数/ラン (base) GAIIx 200 (100x2) 76G HiSeq2000 200 (100x2) 480G 11日 MiSeq 200 (150x2) 1.5G 27時間 100 (50x2) 80G 16日 200 1G 3時間 700 700M 23時間 500 35M 10時間 1500 60M 30分 機種名 Illumina Illumina Illumina Applied Biosystems SOLiD 4 Applied Biosystems Ion Torrent PGM Roche 454 GS FLX+ Roche GS Junior Pacific Biosciences PacBio RS 時間/ラン ゲノム情報の入手 ★公共データベース ♦ NCBI • ありとあらゆる情報 ♦ PlantGDB • よく纏められた情報 ♦ Phytozome • 最新の研究など チェックポイント・I 1. ゲノム情報の流れとは? 2. 塩基配列はどのように分析されるか? 3. ゲノム情報を入手する方法は? ゲノム情報の解析 ★塩基配列の比較 ♦ 配列を合わせる ♦ 配列の違いを見つける 配列を合わせる・1 ★配列が共通している部分を中心に合わせる ♦ 「アライメント」といいます ♦ もちろん、手作業で合わせるわけではありません 配列を合わせる・2 ★アライメントツール ♦ ClustalX (ClustalW) ★相同性解析ツール ♦ BLAST 配列の違いを見る ★似ている部分を見る ♦ 保存領域 • 機能ドメイン • 遺伝子機能の解析、比較ゲノム ★違う部分を見る ♦ 非保存領域 • 種(品種)の多様性 • 比較ゲノム 塩基配列の比較方法 ★BLAST ♦ 塩基配列・アミノ酸配列の相同性を解析する • 似ている配列部分を探して比べる ♦ NCBIが提供している無償ツール ♦ ウェブ版とスタンドアローン版がある • ウェブ版を紹介します(情報処理演習で実習します) 比較ゲノムから分かること ★遺伝子以外の領域の比較 ♦ 非保存領域 ♦ 種や品種の同定 ★遺伝子領域の比較 ♦ 保存領域 ♦ 一塩基置換 ★遺伝子構成の比較 ♦ 遺伝子の種類 ♦ 種特異的遺伝子の探索 チェックポイント・II 4. 塩基配列を比較する目的は? 5. 比較ゲノムから分かることは? 本日の課題 ★植物または他の生物のゲノム情報を利用して、 比較ゲノムを実施するとしたら、どのような研究 をしてみたいですか。種名と目的を明らかにして 書きなさい。
© Copyright 2024 ExpyDoc