目標表情の実現を目指した 表情トレーニングシステムの提案 ○伊藤京子* **, 黒瀬啓之**,高見愛**,清水良介*,西田正吾** *大阪大学コミュニケーションデザイン・センター **大阪大学大学院基礎工学研究科 背景 • 「コミュニケーション能力」への関心の増大 • 「表情」の重要性 →表情トレーニング:自分の表情をよりよくする – 一般のコミュニケーション、医療・福祉分野 – セミナー形式、自習形式 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 2 目的 • PCを用いた有効な表情トレーニングシステム の開発(自習形式) • 参考: – バーチャルミラー(三輪他,1999) • 表情の各特徴を強調して表示 • ポジティブなフィードバック Center for the Study of Communication-design, Osaka University 3 PC型表情トレーニング方法 1. トレーニングの目標 自分の顔で目標表情を作成 2. トレーニングの方法 目標表情と実際の表情(現状表情)を横に並べて比較 3. トレーニングの結果 比較結果を記録 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 4 表情トレーニングシステムの設計 1. 自分の顔を用いた目標表情の選択 • • • • • 直感的な選択 満足のいく選択 「大まか」と「詳細」選択の段階を設定 第1段階(大まか)→後述 第2段階(詳細) • • 眉・目・頬・口・顎の計25種類のAction Unitを利用 スライダーバーを利用 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 5 表情選択インタフェース(1) • 大まかな表情を直感的 に選択する方法 →「感情マップ」(黒瀬ら, 2005)を参考 – 感情をラベルとして表情 を配置 – 2次元の円状から1点を 選択して表情を選択 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 6 表情選択インタフェース(2) • 感情マップを改良 – ラベルとして画像を用意 – 感情の混合と強弱に対 応する1点を選択 →直感的に大まかな表情 を選択 嫌悪 悲しみ 怒り 喜び 恐れ Center for the Study of Communication-design, Osaka University 驚き 7 表情トレーニングシステムの開発 • 表情トレーニングシステム iFace – 開発環境:Visual C++ – FaceFitを利用(Galatea Projectより) • © 2000-2003情報処理振興事業協会(IPA) • © 2000-2003 京都高度技術研究所(ASTEM) – 利用方法 • • • • ユーザ登録 目標表情の設定 現状表情の表出とその記録 現状表情と目標表情の比較結果の閲覧 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 8 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 9 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 10 評価実験 • 目的 A.コンピュータを用いた目標表情表出に向けた表 情トレーニングシステムの実現性の検討 B.目標表情を設定するインタフェースの有効性の 確認 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 11 実験方法 • 流れ 1. 2. 3. 4. • • 1回目の目標表情設定(笑顔) 目標表情を目指した現状表情の表出(3回) 2回目の目標表情設定(自由) 目標表情を目指した現状表情の表出(3回) 実験参加者:歯科医師12名(女性) 実験後アンケートを実施 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 12 実験結果(1) A.コンピュータを用いた目標表情表出に向けた表情 トレーニングシステムの実現性の検討 – アンケート結果(7段階評価:+3~-3) • 提案トレーニング方法のわかりやすさ(平均+2.6) • 目標表情を見比べながら現状表情を表出(平均2.5) • 提案システムの日常的な利用可能性(併記院+1.8) – 自由記述 • • • • • • 楽しかった・面白かった(12名中8名) システム上で理想の笑顔を児童で作成してみてみたい 日本人の美意識の向上に利用できると思う 日常的に利用していくと筋肉の老化がわかる 顔面に麻痺のある患者さんのリハビリにつかえる モチベーションの向上が簡単にできそう Center for the Study of Communication-design, Osaka University 13 実験結果(2) B.目標表情を設定するインタフェースの有効性の確認 • 選択表情:ポジティブ(2),中立(4),ネガティブ(6) • 設定時間(秒):1回目(66, 200),2回目(100, 99) • アンケート結果(7段階評価:+3~-3) – 第1段階の表情選択は大まかな選択として十分 (平均+1.5) – 選択は直感的にわかりやすい(平均+2.2) – 1点クリック・円からの選択・ラベルの画像は選択に役立 つ(平均+2.3, 2.6, 2.5) – 表情の満足度:1回目(平均-0.3),2回目(平均+1.7) Center for the Study of Communication-design, Osaka University 14 まとめ • 目標表情を選択する表情トレーニングシステ ムの提案 – 目標表情と現状表情の比較 – システムの実装 – 評価実験の実施 • 今後の課題 – 適用場面の検討 Center for the Study of Communication-design, Osaka University 15
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