史学講義1

史学講義1
第7回 11月15日
志内 一興 SHIUTI,Kazuoki
ローマの公文書=ローマの法=勅答
勅答
・書簡
利用可能だったのは都市/高位高官(パー
ソナルな手段)
・陳情書
スブスクリプティオ
「王」←→「皇帝との対話」この差異は?
ローマ「皇帝」とは?
プリントの3行が語っていないものはなにか?
⇒19C~:モムゼン(独):法的制度
私人ではない
前27年 属州総督命令権
・・・公職に就任せず職権のみ付与
前23年
護民官職権(ローマ市内の最高権力者)
:肉体への不可侵
ローマ「皇帝」とは?②
前23年
上級属州総督命令権
(すべての属州総督の権限に対して優越)
前19年 コンスル(執政官)命令権
公職に就任せず職権のみ付与
ローマ「皇帝」とは?③
284年 ディオクレティアヌス帝
「Dominus!」:「ご主人様!」
奴隷が主人を呼ぶ言葉を使うことを強制
剥き出しの帝政開始
ローマ「皇帝」とは?④
以上がモムゼンらによる基本的な帝政の
流れであり、法制度的解釈にのっとったも
ので、教科書でも採用されている。しかしこ
れは一仮説に過ぎない。事実ではない。
ローマ「皇帝」とは?⑤
他の解釈
①皇帝:神聖王
宗教儀礼を通じて紙として扱われたのでは
ないか?
②皇帝:パトロネジの頂点
社会的/人間的ネットワークこそが皇帝を支
えていたのでは?
ローマ「皇帝」とは?⑥
モムゼン、①、②はいずれも上から見た考
えであり皇帝を頂点としたピラミッド構造が
前提である。
1970s~:法制度⇒庶民に理解可?
下から見た考えにシフトしつつある
ローマ「皇帝」とは?⑦
③ポール・ヴェーヌ「パンと競技場」
「エヴェルジェディズム」
(施与行為・気前のよさ)
皇帝:最大の施与者
←→「施与」なしでは承認されない?
ローマ「皇帝」とは?⑧
④ファーガス・ミラー説
デメトリオス王についてのエピソードをハド
リアヌスに借用したのではないか?
ミラーは王=皇帝であると述べている
(民衆からみて)
⇒「裁き」「調停者」