安全教育へのアプローチ (KYTの導入)

これから、 「安全教育の実践」について 説明します。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
安全教育の実践
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
説明する 「安全教育の授業内容」は 次の①~⑧の内容です。
安全教育の授業内容
①
②
③
④
⑤
⑥
高等学校(工業)
製造業における安全教育の必要性
ハインリッヒの1:29:300の法則と5つの駒
ヒュ-マンエラー
KYT(危険予知訓練)の基本
例題(硫酸の希釈)
系列別KYT練習シート
溶接実習・足場実習・焼成実習
⑦ 系列別KYT問題シート
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
⑧ 4S・5S
はじめに 「製造業における安全教育の必要性」について 説明します。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
製造業における
安全教育の必要性
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
これは、 日本で 工業高校の
労働災害によって
死傷した人数を
このグラフから、
卒業生が
最も多く 就職する 製造業は、
グラフにしたものです。
全産業の 中でも 死傷災害の 発生件数が業種別に
比較的 多いことが
分かります。
製造業における安全教育の必要性
業種別死傷災害発生状況
また、 死亡災害についても 製造業は、
全産業の 中でも 比較的 多いことが 分かります。
製造業における安全教育の必要性
業種別死亡災害発生状況
これは、 職場における 安全衛生教育が 充実したことが、
死亡者数は、 労働安全衛生法が施行された 昭和47年ごろから 激減しています。
労働災害の減少に 大きく影響したものであると 言えます。
製造業における安全教育の必要性
労働安全衛生法施行(安全衛生教育が充実)
激減
死亡災害発生状況の推移
厚生労働省調査データ
次に 「ハインリッヒの1:29:300の法則と5つの駒」について 説明します。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
ハインリッヒの
1:29:300の法則と5つの駒
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
その
さらに、
さらには、
このことから、
「ヒヤリ・ハット」を無くすことが、
統計から、
事故には至らなかった
事故の原因とも
「KYT」(危険予知訓練)によって
1件の
「重大災害」が
なり得る
ものの、
発生する背景には、
危険な状態がないかを 認識し、
これは、
アメリカの
保険技師である
ハインリッヒが
災害を
数千件の
未然に防ぐために
「危険な状態」があることが
明らかになりました。
分かります。
およそ
29件の
これに類する「軽傷事故」が発生しており、
労働災害の
約300件の
統計を
これに関する
分析して
「ヒヤリ・ハット」が発生しており、
導き大変重要であることが
出した 「1:29:300の法則」
です。
ハインリッヒの1:29:300の法則
重傷 1件
軽傷 29件
ヒヤリ・ハット 300件
危険な状態・行動 数千件
また、
この 2つの
「不安全状態・行動」とは、
どちらかが 欠けていても
次に、
まず、「設備的・環境的欠陥」ですが、
「KYT」(危険予知訓練)では
これは、
「管理的欠陥」ですが、
「ハインリッヒの5つの駒」
この3点に注目することにより、
というもので、
これは
これは
「作業時に
「安全教育がなされていない」などの
危険な段差がある」などの
事故・災害につながる
寝不足や
災害が
注意不足などで
ハード面での
起こる要因を
ソフト面での
可能性が高い
起こりやすくなります。
考えたものです。
欠陥を指します。
という事です。
効率よく
事故・災害を
未然に防ぐことが
できます。
ハインリッヒの5つの駒

設備的・環境的欠陥(危険がある)

管理的欠陥(安全教育不足)

不安全状態・行動

事故

災害
次に 「ヒューマンエラー」について 説明します。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
ヒューマンエラー
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
人間は
必ず 不注意や人為的な
錯覚を 起こしますし、
ヒューマンエラーとは、
過誤や ミスのことで、
JISでは、
近道や
「意図しない結果を生じる人間の行為」と
省略を してしまうために、 ミスを 起こしてしまいます。
規定しています。
ヒューマンエラー
①不注意
②錯誤(錯覚)
③近道・省略
※ 誰にでも生じる
たとえば、 ボタンの数が 少ない機械では 一つ一つに 注意して
1つ目の 「不注意」とは、 危険なボタンを
人間の 注意の範囲には
限界がある
ということです。
見つけることが
できますが、・・・・・・
ヒューマンエラー(不注意)
危
を探してみよう!
安
中
安
安
安
安
安
安
安
中
中
危
安
中
安
安
中
安
安
安
このような ボタンの数が 多い機械では、
危険なボタンを 見つけることが 困難になります。
ヒューマンエラー(不注意)
危
を探してみよう!
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
中
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
中
安
安
中
安
中
安
安
中
安
中
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
危
安
安
安
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
中
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
中
安
安
中
安
中
安
安
中
安
中
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
中
安
安
中
安
中
安
安
中
安
中
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
安
中
安
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
中
安
安
安
安
安
安
安
安
安
中
中
安
安
安
安
中
安
安
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
安
安
中
安
安
中
安
安
中
安
中
安
安
中
安
安
安
中
安
安
中
安
こうした
そして、
人間は、
次に、 人間は
原因から
注意には
一つの物事に
自分と関係ないものには
人間は
方向性があります。
集中し続ける事は
不注意を 起こし、
注意をしない
不可能で、 傾向があります。
まず、
さらに、
先ほどの例で
人間の注意は
示したように、
時間とともに変動し、
人間の
注意の範囲には
リズムがあります。
限界があります。
不注意が
生じる原因には、
次のようなことが
あります。
つまり、自分が興味ないものには
意識をしないと
注意は出来ないものです。
たとえば
意識をしない限り
意図しない
時々
後ろから
他のものに
結果(ミス)を
飛んでくるボールなどは
注意がいってしまうときが
生じてしまうことが
避けられません。
あります。
あります。
ヒューマンエラー(不注意)
注意の範囲には限りがある。
 自分の関係ないものに注意をしない。
 注意には方向性がある。
 注意は変動する。
 注意にはリズムがある。

錯覚ともいいますが、
このような絵を 見られた事が
人間の感覚は
あると思いますが、
とても 曖昧なもので、
これが
視覚の
錯誤(錯覚)です。
次に、
錯誤についてです。
視覚は
周りの状況によって
影響されます。
機械のように左の方が
正確には大きく
判断できないものです。
中央の
まるの大きさが 同じであるのに
見えてしまいます。
ヒューマンエラー(錯誤・錯覚)
大きく見える
小さく見える
時間の感覚についても
さらに、聴覚においても
触覚においても
また、
これらが
このように錯誤や
視覚は、
錯覚と
すべての事を
いわれるものです。
正確には 判断できないことが あります。
救急車のサイレンが
同じ1時間でも
同じ温度の
楽しいときと
どちらから聞こえてくるか
お風呂でも
つまらないときでは
夏と冬では間違えた経験は
体感温度が
全く違って 感じてしまいます。
かなり違います。
ありませんか?
ヒューマンエラー(錯誤・錯覚)
視覚は、全ての事を正確には、判断できな
いことがある。
 聴覚は、方向や距離を正確には、判断でき
ないことがある。
 触覚は、そのときの状況によって、正確に
は判断できないことがある。
 同一時間であっても、そのときの状況に
よって、長く感じたり短く感じることがある。

下の図で、
しかし、 人間は
Sから つい近道を
Gに行くとき、
したがるものであり、
3つ目は
こうした 近道・省略が
近道・省略です。
原因となって 事故を 起こしてしまいます。
「まあいいや」と 考えて
右にある
危険なところを
渡りを 通って
飛び越えて
行くことが
渡ろうとします。
安全です。
ヒューマンエラー(近道・省略)

人間は、つい近道・省略をしたがり、
本来やるべきことを省略することも多い。
S
事故
G
このようにヒューマンエラーを
そして、
「不注意」や「錯誤・錯覚」、「近道・省略」は
起こさないように するために、
不安全状態・行動を
KYT(危険予知訓練)による
起こし、 事故や
意識付けが
災害に
必要となってくるのです。
つながっていきます。
ヒューマンエラー
不注意
 錯覚
 近道・省略


不安全状態・行動
事故
災害
次に 「KYT(危険予知訓練)の基本」について 説明します。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
KYT(危険予知訓練)の基本
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
実習の中で
容易に
可能な技法で、
作業中に
5人前後の
その危険性を
イラストが「ヒヤリ」、「ハット」した事例や、
小グループで
描かれた
正しく 実施することが
認識できるよう
訓練シートを使って、
話し合って、
感受性を高め、
行動する前に
安全を 先取りする 訓練です。
KYTとは、 「危険」,「予知」、「訓練(トレーニング)」の
ローマ字の 頭文字で
その中に潜む
危険要因と
それが引き起こす
現象を、
危険を
作業の中に潜む
察知する
数限りない
コツを
身に付けることが
できます。
とらえて、
危険ポイントや 重点実施項目を 唱和し、 危険要因等を
指差呼称で 意識付け、
KYT(危険予知訓練)とは
訓練シート
 どんな危険が潜んでいるか?
 5人前後の小グループで話し合う
 危険ポイント、重点実施項目を唱和
 指差呼称

危険
予知 訓練(トレーニング)
メンバー構成や 作業状況、 費やす時間 などにより、
ここでは、
KYTには 最も基本的な
最も基本となる「4ラウンドKYT」のほか、
「4ラウンドKYT」を 主に 実施します。
「短時間KYT」、 「一人KYT」など 様々な手法の KYTが あります。
KYT(危険予知訓練)の手法
 4ラウンドKYT
 短時間KYT
 一人KYT
 ワンポイントKYT
など
「4ラウンドKYT」の 4つの ラウンドとは
この順序に従って、 訓練します。
「現状把握」、「本質追究」、「対策樹立」、「目標設定」 のことで、
KYT(危険予知訓練)

4ラウンドKYT
1R
2R
3R
4R
現状把握
本質追究
対策樹立
目標設定
「状態」→「行動」→「現象」の
第1Rでは、 「どんな危険が潜んでいるか?」
3つの表現で まとめ、
という観点で
話し合いによって 危険要因を発見し、
起きる災害を
想定します。
想定されるそれによって
危険を できるだけ多く
列挙します。
KYT(危険予知訓練)

4ラウンドKYT
1R
2R
3R
4R
①
②
③
現状把握
本質追究
対策樹立
目標設定
「どんな危険が潜んでいるか?」
どのような状態(作業場)のとき
どのような行動(人)をしたので
どのような現象(災害)が起こるのか
まず、
第2Rでは、
発生する確率や、
確率は小さくても
災害が起きた場合の深刻さを
という観点で
考慮して、
また、
その中で「これが危険のポイントだ!」
特に重要と
考えられる項目(2~3項目)に
◎印を 付けます。
第1Rで
挙げた ○印を
危険要因を
2~3項目に
絞り込みます。
重要と思われる そして、
危険と危険要因に
その危険を招く
ポイントに
付けます。
アンダーラインを
引きます。
KYT(危険予知訓練)

4ラウンドKYT
1R
2R
3R
4R
①
②
③
④
現状把握
本質追究
対策樹立
目標設定
「これが危険のポイントだ!」
発生する確率が高い→ ○印
事態が深刻 → ○印
特に重要と考えられる → ◎印
危険を招くポイント → アンダーライン
重要と判断した
危険要因に対して、 という観点で 予防策を 検討します。
第3Rでは、 「あなたならどうする?」
「危険が 現実のものに ならないようにするために どうすればよいか」を考え、
具体的な 予防策を 検討します。
KYT(危険予知訓練)

4ラウンドKYT
1R
2R
3R
4R
現状把握
本質追究
対策樹立
目標設定
「あなたならどうする?」
危険が起こらないためにどうすればよいか?
第3Rで立てた 対応策のうち、 現実的で 実効性のあるもの を選び、
第4Rでは、
「○○○○ヨシ!」という
「私たちはこうする!」
スローガンを
という
設定します。
目標を 設定します。
作業における 行動規範(安全のコツ、安全目標=安全のための行動目標)として、
KYT(危険予知訓練)

4ラウンドKYT
1R
2R
3R
4R
①
②
③
現状把握
本質追究
対策樹立
目標設定
「私たちはこうする!」
現実的で実効性のあるもの
安全のコツ、安全目標
安全のための行動目標
最後に 設定した スローガンを
大きな声で 「指差呼称」します。
KYT(危険予知訓練)

4ラウンドKYT
1R
2R
3R
4R
スローガン
現状把握
本質追究
対策樹立
目標設定

指差呼称
眼
口
耳
指
確認する事をしっかり見る
大きな声でしっかりとなえる
自分の声を聞く
確認する事をしっかり指す
このようにして
「眼・口・耳・指」を 刺激し、
指差呼称の やり方は、
3
4
5 右腕を
右手を
「ヨシ!」と
伸ばし、
耳元へ
大きな声で
振り上げ
人指し指で
唱えながら、
「本当によいか?」
対象を 右手を
指差します。
振り下ろします。
自問し、 考えて 確かめます。
2
呼称項目を
「○○○○」と
大きな声で
言います。
危険な
状態が
起きないよう、
頭に
しっかりと
意識させます。
1 対象を しっかりと 見て 確認します。
5.「ヨシ!」と
3.右腕を伸ばし、
4.右手を耳元へ
2.呼称項目を言う
1.対象を見る
KYT(危険予知訓練) 唱えながら振り下ろす
指で対象を指す
振り上げる
本当に
よいか?
スローガン
○○○○
ヨシ!

指差呼称
眼
口
耳
指
確認する事をしっかり見る
大きな声でしっかりとなえる
自分の声を聞く
確認する事をしっかり指す
それでは、 「硫酸の希釈」を例に 練習してみましょう。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
例題
硫酸の希釈
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
例題
1R(現状把握)
どんな危険が潜んでいるか?
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 一気に水に硫酸を入れると、
突沸して、ビーカーが割れ、
眼や身体にかかる。
② 硫酸の瓶を持ったとき、
外側に硫酸が付着していると、
滑って瓶を落とす。
③ 徐々に硫酸を入れていったとき、
硫酸がビーカーの外側に伝わって、
持っている手を火傷する。
④ 硫酸がビーカーに入るとき、
ビーカー内の希硫酸が飛び跳ねて、
しずくが手にかかる。
それでは、どんな危険が
例題をやってみましょう。
第1Rでは、
すると この作業で
①~④に示すような
危険性が
潜んでいるかを
考えられます。・・・・
考えます。
これは、
水を入れたビーカーに
濃硫酸を入れて
希硫酸に薄めているところです。
例題
2R(本質追究)
絞り込み(関心・重大事故・緊急対策)
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 一気に水に硫酸を入れると、
突沸して、ビーカーが割れ、
眼や身体にかかる。
② 硫酸の瓶を持ったとき、
外側に硫酸が付着していると、
滑って瓶を落とす。
③ 徐々に硫酸を入れていったとき、
硫酸がビーカーの外側に伝わって、
持っている手を火傷する。
④ 硫酸がビーカーに入るとき、
ビーカー内の希硫酸が飛び跳ねて、
しずくが手にかかる。
次に、 第2Rで 「特に関心のあること」や、
すると、 眼や 身体といった ところへの 危険が多い ことが分かります。
「重大事故」、 「緊急に 対策しなくては ならないこと」に 絞り込みます。
例題
3R(対策樹立)
① 一気に水に硫酸を入れると、突沸してビーカーが割れ、
眼や身体にかかる。
② 硫酸の瓶を持ったとき、外側に硫酸が付着していると、
滑って瓶を落とす。
③ 徐々に硫酸を入れていったとき、硫酸が瓶の外側に
伝わって、持っている手を火傷する。
④ 硫酸がビーカーに入るとき、ビーカー内の希硫酸が飛び
跳ねて、しずくが手にかかる。
あなたならどうする?
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 少しずつ硫酸を入れる。
② 水浴中で冷やしながら入れる。
③ 試験瓶に硫酸が付着していないか確
認する。
④ 保護メガネ、ゴム手袋を着用する。
⑤ ビーカーの取扱いに注意する。
⑥ ガラス棒に伝わせながら入れる。
そして、 第3Rでは
すると それぞれの 危険について いくつもの 方策が 出てきます。
こうした 眼や 身体への 危険に対しての 方策を 出していきます。
例題
4R(目標設定)
私たちはこうする。
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 少しずつ硫酸を入れる。
② 水浴中で冷やしながら入れる。
③ 試験瓶に硫酸が付着していないか確
認する。
④ 保護メガネ、ゴム手袋を着用する。
⑤ ビーカーの取扱いに注意する。
⑥ ガラス棒に伝わせながら入れる。
最後に、第4Rでは
この場合は、
そして、
最後に
全員で
この目標を
声を合わせて
実行するための
「水浴中で冷やしながら、ゆっくり硫酸を滴下する」ことを目標としました。
「○○ヨシ!」という
大きな声で
全員で ポイントを絞り込んで
スローガンを
短い言葉の
言って
目標を
スローガンを
指差呼称します。
設定します。
決めます。
大きな声で 指差呼称 してみましょう。
指差呼称
4.右手を耳元へ振り上げる
2.呼称項目を言う
3.右腕を伸ばし、指で対象を指す
5.「ヨシ!」と唱えながら振り下ろす
1.対象を見る
スローガン
本当に
よいか?
水浴・ゆっくり滴下
ヨシ!
次に、 「練習シート」を使って 練習してみましょう。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
系列別KYT練習シート
溶接実習(機械系)・足場実習(建築・土木系)・焼成実習(化学・セラミック系)
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
練習
解答例(クリックすると出てきます)
 コードが水に浸っているので、
電気が通って
ショートする。
 溶接面を着けないと、
アーク光を直視し、
目を負傷する。
 マスクを着けていないので、
ヒュームを吸い込み、
中毒を起こす。
溶接棒と溶接面を持ち
鉄パイプを溶接しようとしている。
どんな危険が潜んでいるかを考え、練習してみましょう。
戻る 足場実習へ 焼成実習へ 次へ
練習
解答例(クリックすると出てきます)
 足場に腰掛けているので、
立ち上がるときに足が滑り、
落下して負傷する。
 足場の上の板が不安定なので、
手に当たって落下し、
下の人が負傷する。
 積んである板が不安定なので、
崩れて足場を直撃し、
足場ごと崩れて負傷する。
足場を組み立てるために、道具を運んでいる。
どんな危険が潜んでいるかを考え、練習してみましょう。
戻る 溶接実習へ 焼成実習へ 次へ
練習
解答例(クリックすると出てきます)
 取り出すとき、
熱気が手に当たり、
手を火傷する。
 片手でサンプルを取り出したとき、
重くて手から滑り落ち、
床で跳ねて身体に当たる。
 サンプルを机の上に置いたとき、
熱によって机が燃えだし、
火事になる。
るつぼハサミを使って、電気炉から
焼き終わったサンプルを取り出し、
机の上に置こうとしている。
どんな危険が潜んでいるかを考え、練習してみましょう。
戻る 溶接実習へ 足場実習へ 次へ
次に、 「問題シート」を使って 練習してみましょう。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
系列別KYT問題シート
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
機械系実習トレーニングシート
正面フライスを使って、
材料上部を平らに切削する
作業をしている。
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
電気系実習トレーニングシート
天井配線をして、
分電盤を取り付ける
作業をしている。
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
建築系実習トレーニングシート
建築用檜材を、
かんなで平らにし、
ノミで溝を彫る
作業をしている。
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
土木系実習トレーニングシート
道路の幅と角度を測定する作業をしている。
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
化学系実習トレーニングシート
滴定によって、工場排水のCODを測定する作業をしている。
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
セラミック系実習トレーニングシート
ろくろを使って、どんぶりを製作する作業をしている。
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
デザイン系実習トレーニングシート
工業生産される製品の表面に印刷する図案を
デザインしている。
機械系・電気系・建築系・土木系・化学系・セラミック系・デザイン系
次に 「4S・5S」について 説明します。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
4S ・ 5S
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S
「整理」、「整頓」、「清潔」、「清掃」の頭文字をとって、「4S」といいます。
これらを 徹底させる 啓発活動は、 職場を より快適で 安全なものにし、
生産や
サービスの 効率化や 品質向上に
つながります。
また、 これに「しつけ」を加えて
「5S」といいます。
4S・5S
整理
② 整頓
③ 清掃
④ 清潔
①
⑤ しつけ
「整理」とは 「必要なもの」と「不要なもの」を 区別し、「不要なもの」を 捨てることで、
「いつか使うかもしれないもの」を、 思い切って捨てることが 重要です。
4S・5S
整理
② 整頓
③ 清掃
④ 清潔
①
⑤ しつけ
いらないものを捨てる。
「整頓」とは 決められた物を 決められた場所に置き、
必要なときに 容易に 探し出せるように 整えて 配置・収納しておくことです。
4S・5S
整理
② 整頓
③ 清掃
④ 清潔
①
⑤ しつけ
いらないものを捨てる。
決められた物を決められた場所に置き、い
つでも取り出せる状態にしておく 。
「清掃」とは、 作業によって生じた ちり・ほこり・ごみを 片付け、
常に 掃除をして、 職場を 清潔に保つことです。
4S・5S
整理
② 整頓
③ 清掃
④ 清潔
①
⑤ しつけ
いらないものを捨てる。
決められた物を決められた場所に置き、い
つでも取り出せる状態にしておく 。
常に掃除をして、職場を清潔に保つ。
「清潔」とは 作業場所や 衣服・装備に 汚れや キズがないようにすることや、
「整理」・「整頓」・「清掃」を 維持することです 。
4S・5S
整理
② 整頓
③ 清掃
④ 清潔
①
⑤ しつけ
いらないものを捨てる。
決められた物を決められた場所に置き、い
つでも取り出せる状態にしておく 。
常に掃除をして、職場を清潔に保つ。
上の整理・整頓・清掃を維持する。
「しつけ」とは 決められたルールを 各自に徹底し、
あいさつや 身だしなみも含めて 規律を高め、 組織の一体感を 醸し出すことです。
4S・5S
整理
② 整頓
③ 清掃
④ 清潔
①
⑤ しつけ
いらないものを捨てる。
決められた物を決められた場所に置き、い
つでも取り出せる状態にしておく 。
常に掃除をして、職場を清潔に保つ。
上の整理・整頓・清掃を維持する。
決められたルール・手順を正しく守る習慣
をつける。
安全教育に役立つ ホームページとして 2つのページを紹介します。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
安全教育に役立つホームページ
中央労働災害防止協会のゼロ災運動・KY(危険予知)のホームページ
http://www.jisha.or.jp/zerosai/kyt/index.html
厚生労働省のヒヤリハット事例集のホームページ
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/hiyari/anrdh00.htm
これで、 「安全教育の実践」についての説明を 終わります。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
安全教育の実践
おわり
①安全教育の必要性 ②ハインリッヒの法則と5つの駒 ③ヒュ-マンエラー ④KYT(危険予知訓練)の基本
⑤例題(硫酸の希釈) ⑥系列別練習シート ⑦系列別問題シート ⑧4S・5S