少数粒子系厳密計算 - 仁科加速器研究センター

少数多体系の観点からの
ストレンジネスを含むエキゾチックな
原子核
肥山詠美子(理研)
東京大学高等研究所
カブリ数物連携宇宙研究機構
村山斉 機構長 講演会
“量子的宇宙”
12月4日(水)
3時00分-4時30分
RIBF棟2階大会議室
2時半からお茶とお菓子を
用意してありますので
ご利用ください。
共催
RIKEN iTHES (理論科学連携研究推進グループ)
Kavli IPMU (カブリ数物連携宇宙研究機構)
1) 物理学の興味ある課題の中には、
少数粒子系(3体以上)のシュレーディンガー方程式を
「精密に」解くことに帰着する課題が多い。
2) 「精密に」解くことによって、新しい知見を得たり、
新しい予言や発見に至ることが しばしばある。
3) 従って、少数粒子系のシュレーディンガー方程式を、
a) 精密に解ける、
b) 容易に解ける、
c) 適用範囲が広い (システム、相互作用)
d) 初心者(大学院修士レベル)でも容易に修得できる、
そういう計算法を手にしていれば、心強い。
しかし、その開発は非常に困難である。なぜなら、
例えば、3体系に対する量子力学のシュレーディンガー
方程式は
粒子間ポテンシャル
(複雑な関数)
6変数 2階偏微分方程式(固有値問題)
固有関数
(x,y,z)
固有値
固有関数
(X,Y,Z)
(境界条件:十分遠方で Ψ 0 )
4体系は、9変数 2階偏微分方程式となり、さらに困難
5体問題になると・・
1)上村・肥山(日本)
2)新潟大学(日本)/ ATOMKI研究所(ハンガリー)
3)アルゴンヌ・ロスアラモス研究所
4)アリゾナ大学
5)・・・
世界で10グループにも満たない。
・・・というのが実状
私は、
1)この困難をどのようにして解決し、
新しい計算法を提唱したか、
2)それを用いて、物理学(原子核物理学)の研究に
どのように貢献して来たか。
について、講演
OUTLINE
1)原子核の世界の 3体問題・4体問題は
なぜ難しいか。 解き方の一般論。
2)無限小変位ガウスローブ法(肥山):
3体問題・4体問題の、適用範囲が広く、
高速で高精度な計算法の提唱。
3) 原子核物理学への応用:
ハイパー核物理
(「昨年、今年の epoch-makingな実験」に関する4体計算)
Section 1
原子核の世界の3体問題・4体問題は
なぜ難しいか。 解き方の一般論。
原子・分子の世界
電子
原子核
ヘリウム原子
など
電子
水素分子な
ど
2体間に働く相互作用 V(r)
2体問題
3体問題
4体問題
原子・分子の世界は、電子と原子核で構成されている。
電子の質量 << 原子核の質量であり、かつ、
相互作用(クーロン力)が弱いため、良い近似解法があり、
3体問題・4体問題は、原子核の世界の3体問題・4体問題に
比べて楽に解ける。 (今、これ以上は踏み込まない)
原子核の世界
相互作用 V(r)
2体問題
3体問題
4体問題
しかし、原子核の世界では、中性子と陽子に働く相互作用
は非常に強いので、
楽な近似解法はない。
したがって、
精密に解く、適用範囲の広い方法を開発しなければならない。
原子核の世界の3体問題は組み合わせが多彩で複雑
2体問題は簡単
固く結合
緩く結合
もう1つ粒子が加わると
3体問題:複雑
固く結合
緩く結合
2つの粒子結合、1つの
粒子が緩く結合
4体問題は
さらに複雑多彩
2つの、2粒子グループ に分離
(3通り)
固く結合
緩く結合
3粒子グループ+1粒子
(4通り)
これら全ての可能性(自由度)を取り入れて、4体問題を解かなければならない
量子力学的3体系、4体系のシュレディンガー方程式を
厳密に(近似的ではなく)解く方法 を提唱
V(R)
・ 構成粒子は何でもよい、
質量、電荷を問わない。
強い相関 (核力など)
(電子、陽子、中性子、クオーク、・・・・・)
・ 粒子間に強い相関がある場合
にも精密に適用できる。
3体問題
4体問題
0
R
現在は、
さらに
5体問題
こちらの研究を強化
してきた。今日は
ハイパー核に焦点をあてる。
私の研究の
進め方の特徴
ハイパー核物理
フィードバック:
不安定核物理
適用・貢献
私の研究法の発展
冷却原子物理
私が創った研究法
「無限小変位ガウス・ローブ法」
(量子力学的3体・4体問題を
精密に解く方法)
ミュオン触媒核融合
少数粒子系物理
ハドロン物理
Section 1.1
束縛状態のシュレーディンガー方程式の
オーソドックスな解き方
3体系のシュレーディンガー方程式の一般形
6変数の2階偏微分方程式の固有値問題 ( 固有値 E と 固有関数
H: ハミルトニアン
を求める)。
4体系:9変数、
5体系:12変数
R (X,Y,Z)
量子力学の教科書にある一般的な解き方:
未知関数
を、基底関数系
r (x,y,z)
で展開し、
(できるだけ完全形に近い)
ハミルトニアンをこの基底で対角化して、
固有値
と 係数
を求める。
行列要素を計算(多変数積分)する。
N i n = <Φi | 1 | Φn >
* Φ dr dR
≡ ∬Φ
i
n
H i n= <Φi | H | Φn >
(非直交系でもよい)
行列の一般化固有値問題となる。これを解いて 、
Hi n
Ni n
Cn =
エネルギー固有値のセット :
波動関数のセット :
Cn
1,
2,
3 , ・・・・・
1,
2,
3 , ・・・・・
を得る。
ここで、厳密解を得るために最も重要なことは、
良い基底関数を用いること
良い基底関数とは、 例えば、
1)すべての粒子間の(強い)相関を取り入れられる。
2)波動関数の遠方の漸近の形をよく記述できる。
3)行列要素の計算が容易に、
できるだけ解析的に行える。
N i n = <Φi | 1 | Φn >
H i n= <Φi | H | Φn >
基底関数
Section 1.2
九大流 ガウス型基底関数展開法
九大流の「ガウス型基底関数展開法」による3体問題の解き方
(1988~)
1)粒子間のどこの相関も精密に取り入れるために、
3通りのヤコビ座標の組み方を使う。
2)波動関数を、3通りの座標の成分関数の和で表わす。
3)それぞれの成分関数を、3体の基底関数で展開する:
未知係数
3体の基底関数
4)エネルギー固有値と基底関数の未知係数を求める問題は、
前述の一般論で示したように、
行列の一般化固有値問題を解く事に帰着する。
等比数列
1
=0
0
100
ガウス関数(サイズは等比数列)は次の記述に優れている
短距離の強い相関も
compact な状態も
長距離の漸近領域のtailも
dilute な状態も
Section 1.4
九大流 ガウス型基底関数展開法の難点
九大流 ガウス型基底関数展開法 (1988~)
: 等比級数
九大グループは、さまざまな分野の
3体系の課題に適用して、
成果を挙げていた。
九大流 ガウス型基底関数展開法 (1988~)
: 等比級数
九大グループは、さまざまな分野の
3体系の課題に適用して、 成果を挙げていた。
九大流 ガウス型基底関数展開法の 難点
しかしながら、4体系になると、
この基底関数では、計算が非常に困難。
球面調和関数の角度積分が大変だから。
以下で、3体系で示す
Section 2
無限小変位ガウスローブ基底関数展開法
の提唱
左辺:従来の基底関数
右辺:無限小変位ガウス・ローブ基底関数
ε
ε
ε
丸いガウス関数を多方向に
瘤 (Lobe) のように ずらし,
重ね合わせて角度依存性を表し,
ずれ が無限小の時,
左辺と同値になるように
したものである。
右辺は、ガウス関数だけなので、多重積分が容易
無限小変位ガウス・ローブ法
左辺:従来の基底関数
(Infinitesimally-Shifted Gaussian Lobe)
右辺:無限小変位ガウス・ローブ基底関数
シフト係数
シフト・ベクトル
すべての積分は単純なガウス積分なので、手計算は非常に簡単。
面倒な球面調和関数は全く現れない。
シフトを無限小にする極限は、行列要素を解析積分した後に行う。
そこにも重要な工夫がある(省略)
3体・4体系の束縛状態関しては、汎用性が高く、
非常に精度の高い方法が確立した。
無限小変位ガウス・ローブ基底関数を使うことによって、
面倒な角運動量代数(ラカー代数)が無くなり、
4体系、5体系の計算
(従来のガウス基底関数展開法では、手を出せなかった計算)
は大いに簡単になり (ビギナーでも容易に扱えるようになり)、
研究課題が一気に広がった。
計算法の詳細、有用なテクニック等は、レビュー論文
E. Hiyama, Y. Kino and m. Kamimura
Prog. Part. Nucl. Phys. 51 (2003) 223.
に書いてある。
また、高い精度で答え(エネルギー、波動関数)を得ることが
できる。=>次の4核子束縛エネルギー計算を例にとる
Section 3
少数粒子系への応用
ベンチマーク テスト計算 --- 4核子束縛状態(4He核)
PRC 64, 044001 (2001) , 7グループ(18著者)
1. Faddeev-Yakubovski (Kamada et al.)
2. Gaussian Expansion Method
(Kamimura and Hiyama)
3. Stochastic varitional (Varga et al.)
4. Hyperspherical variational (Viviani et al.)
5. Green Function Variational Monte Carlo
(Carlson at al.)
6. Non-Core shell model (Navratil et al.)
7. Effective Interaction Hypershperical
Harmonics EIHH (Barnea et al.)
4He
n
n
p
p
4-nucleon
bound state
NN: AV8
Good agreement among the 7 different methods in the
binding energy, r.m.s. radius and two-body correlation function
7グループによる国際ベンチマークテスト (2001)
4体問題における
(左表)エネルギーの一致の様子
(右図)波動関数の一致の様子
肥山
これらの計算で分かったこと
「4体問題を解くための、非常に信頼できる理論を
確立したことになる。
また、少数多体系計算グループが、
このように 計算法の開発に関して、
互いに厳しく切磋琢磨している
ことがわかる。」
少数多体系のシュレーディンガー方程式を精密に解く
「無限小変位ガウス・ローブ法」の利点
クーロン3体問題は
・ 構成粒子は何でもよい、
V(R)
質量、電荷を問わない。
(電子、陽子、中性子、クオーク、・・・・・)
・ 粒子間に強い相関がある場合
にも精密に適用できる。
3体問題
4体問題
10桁の精度
強い相関 (核力など)
0
R
現在は、
さらに
5体問題
私の研究の
進め方の特徴
ハイパー核物理
フィードバック:
不安定核物理
適用・貢献
私の研究法の発展
私が創った研究法
「無限小変位ガウス・ローブ法」
(量子力学的3体・4体問題を
冷却原子物理
2012年
RIBFセミナーで
講演
精密に解く方法)
ミュオン触媒核融合
少数粒子系物理
ハドロン物理
Section 3.1
冷却原子系への応用
基礎的理論研究
4He 原子の3体・4体系
4He=電子の閉核、
4He -4He間は中心力のみ
少数多体系分野が受け持つ諸課題の中の、最も基本的なもの。
原子核、原子分子、量子化学分野から、
多くの理論研究者が入り込んで競合
極度に強い 短距離斥力」 と 「外側の
浅い引力」の下での 極度に浅い
束縛状態(3体・4体)を解くという
難しい課題
dimer
0.0 mK
4He + 4He
-1.30348 mK
tetramer
trimer
4He + 4He + 4He
4He + 4He + 4He + 4He
dimer +
4He
0.0 mK
-2.2706
trimer + 4He
-126.40 mK
-127.33
難問
だった
-558.98 mK
He
「精密に計算する」ことによって、
4He テトラマー計算で得た新しい
計算技術経験
自分の研究法向上へ
のフィードバック
冷却原子物理
フィードバック:
適用・貢献
私の研究法の発展
私が創った研究法
「無限小変位ガウス・ローブ法」
(量子力学的3体・4体問題を
精密に解く方法)
4He原子系
におけるuniversalityを暴くことに成功した。
詳細は、省く。
詳細は、
E. H. and M. Kamimura, Phys. Rev. A 85 (2012) 022502
E.H. and M. Kamimura, Phys. Rev. A 85 (2012) 062505
私の研究の
進め方の特徴
ハイパー核物理
フィードバック:
不安定核物理
適用・貢献
私の研究法の発展
冷却原子物理
私が創った研究法
「無限小変位ガウス・ローブ法」
(量子力学的3体・4体問題を
精密に解く方法)
ミュオン触媒核融合
少数粒子系物理
ハドロン物理
Section 4
ハイパー核への応用
Major goals of hypernuclear physics
1) To understand baryon-baryon interactions Fundamental and
important for the study
of nuclear physics
2) To study the structure of multi-strangeness systems
ここでは、構造の面白さに焦点を当ててお話する。
In neutron-rich and proton-rich nuclei,
n
Nuclear
cluster
Nuclear
cluster
n
Nuclear
cluster
n
Nuclear
cluster
n
n
n
n
n
When some neutrons or protons are added to clustering nuclei,
additional neutrons are located outside the clustering nuclei
due to the Pauli blocking effect.
As a result, we have neutron/proton halo structure in these nuclei.
There are many interesting phenomena in this field as you know.
このことが不安定核物理の発展につながった。
Λ
Nucleus
Question:How is the structure modified when a hyperon, Λ
particle, is injected into the nucleus?
The glue like role of Λ particle provides us with another
interesting phenomena.
Λ particle can reach
Λ
Λ
Nucleus
There is no Pauli
Pricliple between
N and Λ.
deep inside, and
attracts the
surrounding nucleons
towards the interior
of the nucleus.
hypernucleus
Λ
Neutron decay threshold
nucleus
γ
hypernucleus
Due to the attraction of
ΛN interaction, the
resultant hypernucleus
will become more stable
against the neutron
decay.
Nuclear chart with strangeness
Multi-strangeness system
such as Neutron star
Extending drip-line!
Λ
Interesting phenomena concerning the neutron
halo have been observed near the neutron drip
line of light nuclei.
How does the halo structure change when a Λ
particle is injected into an unstable nucleus?
Question : 中性子過剰核に Λ粒子を 注入すると
何が起こるか? ----- 中性子過剰ハイパー核の構造
n
Λ
n
α
7He
Λ
Observed at J-Lab
Phys. Rev. Lett.110, 012502
(2013)
n
Λ
n
t
6H
Λ
Observed by FINUDA group (Italy)
Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012).
このような中性子過剰ラムダハイパー核の研究を行う上で、重要なことは、
コア原子核である中性子過剰核の性質を理解する必要がある。常に、
中性子過剰核とハイパー核の構造を両方の見据えながら研究を進めていく。
Section 4.1
7He
Λ
ハイパー核の4体計算
n
n
6He
α
: 最も軽い中性子過剰核の
1つ
7He:
n
n
Λ
α
Λ
最も軽い中性子過剰
ハイパー核の1つ
J-LAB experiment-E011,
Phys. Rev. Lett.110,012502 (2013).
E. Hiyama et al., PRC53, 2075 (1996),
PRC80, 054321 (2009)
6He
7He
Λ
2+
γ
α+Λ+n+n
0 MeV
0 MeV
α+n+n
5He+n+n
0+
Λ
-1.03 MeV
Exp:-0.98
5/2+
3/2+
γ
Observed at J-Lab
experiment(2012)
Phys. Rev.
Lett.110,012502
(2013).
1/2+
Halo state
現在励起状態
について解析中
E. Hiyama et al., PRC53, 2075 (1996),
PRC80, 054321 (2009)
6He
7He
Λ
2+
γ
α+Λ+n+n
0 MeV
0 MeV
α+n+n
5He+n+n
0+
Λ
-1.03 MeV
Exp:-0.98
5/2+
3/2+
Halo state
γ
+
中性子過剰核やハロー核の励起機構研究
5/2+ →1/2+
1/2
Observed
at J-Lab
-6.19
3/2+ →1/2+
に有用だろう
experiment(2012)
+
Phys. Rev.
1/2
6
7
この He と Λ He のような組み合わせについての
-6.19
Lett.110,012502
γ線測定がJ-PARCでなされることを期待する.
(2013).
Section 4.1
6H
Λ
ハイパー核の4体計算
n
n
t
Λ
E. H, S. Ohnishi, M. Kamimura, Y. Yamamoto, NPA 908 (2013) 29.
n
t
n
Λ
6H
Λ
Γ=1.9±0.4 MeV
1/2+
Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012).
FINUDA experiment
1.7±0.3 MeV
t+n+n+Λ
t+n+n
5H
4H+n+n
Λ
0.3 MeV
6H
Λ
5H
: super heavy hydrogen
n
n
t
Λ
Before the experiment, the following authors calculated the
binding energy using shell model picture and G-matrix theory.
(1) R. H. Dalitz and R. Kevi-Setti, Nuovo Cimento 30, 489 (1963).
(2) L. Majling, Nucl. Phys. A585, 211c (1995).
(3) Y. Akaishi and T. Yamazaki, Frascati Physics Series Vol. 16 (1999).
Akaishi et al. pointed out that one of the important subject to study
this hypernucleus is to extract information about ΛN-ΣN coupling.
Motivated by the experimental data, I calculated the binding energy of
6H and I shall show you my result.
Λ
Framework:
To calculate the binding energy of Λ6H, it is very important
to reproduce the observed data of the core nucleus 5H.
transfer reaction p(6He, 2He)5H
Γ= 1.9±0.4 MeV
A. Korcheninnikov, et al. Phys. Rev. Lett.
87 (2001) 092501.
1/2+
1.7±0.3 MeV
t+n+n threshold
Theoretical calculation
N. B. Schul’gina et al., PRC62 (2000), 014321.
R. De Diego et al, Nucl. Phys. A786 (2007), 71.
calculated the energy and width of 5H with t+n+n
three-body model using complex scaling method.
5H
is well described as t+n+n three-body model.
Then, I think that t+n+n+Λ 4-body model
is good model to describe Λ 6H.
Then. I take t+Λ+n+n 4-body model.
Λ
n
n
t
5H
n
n
t
Λ
6H
Λ
Before doing the full 4-body calculation,
it is important and necessary to reproduce the observed binding
energies of all the sets of subsystems in Λ6H.
Namely, all the potential parameters are needed
to adjust the energies of the 2- and 3-body
subsystems.
6H
6H
6H
Λ
Λ
Λ
n
Λ
n
t
n
Λ
n
n
t
Λ
n
t
1/2+
1.69 MeV
1.7±0.3 MeV
Γ=1.9±0.4 MeV  EXP
Γ= 2.44 MeV  CAL
I focus on the 0+ state.
t+n+n
n
1+
n
t
5H
σn・σΛ
0+
Λ
6H
Λ
Then, what is the binding energy of 6ΛH?
Exp: 1.7 ±0.3 MeV
Even if the potential parameters were tuned
so as to reproduce the lowest value of the
Exp. , E=1.4 MeV, Γ=1.5 MeV,
Γ=1.9 ±0.4 MeV
½+
we do not obtain any bound state ofΛ 6H.
Γ= 2.44 MeV
1.69 MeV
1.17 MeV
t+n+n
0+
E=-0.87 MeV
Γ=0.23 MeV
Γ= 0.91 MeV
0 MeV
t+n+n+Λ
4H+n+n
Λ
- 2.0
4H+n+n
0+
Λ
-2.07 MeV
On the contrary, if we tune the
potentials to have a bound state
in Λ6H, then what is the
energy and width of 5H?
Γ= 1.9±0.4 MeV
Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012).
FINUDA experiment
1/2+
1.7±0.3 MeV
t+n+n
t+n+n+Λ
5H
4H+n+n
Λ
t+n+n+Λ
n
n
t
5H:super
0.3 MeV
6H
Λ
heavy hydrogen
But, FINUDA group provided the bound state of
6H.
Λ
n
n
t
Λ
How should I understand the inconsistency between our results
and the observed data?
(1) We need more precise data of 5H.
A. Korcheninnikov, et al. Phys. Rev. Lett.
87 (2001) 092501.
Γ=1.9±0.4 MeV
1/2+
1.7±0.3 MeV
t+n+n
To get bound state of Λ6H, the energy should
be lower than the present data.
Question:
Is it possible to measure the energy and width
of 5H more precisely somewhere again?
実験でも
崩壊幅がいろいろ。
崩壊幅は、波動関数
の広がりに重要。
こちらを実験で
決めてもらえると
ありがたい。
[3] A.A. Korosheninnikov et al., PRL87 (2001) 092501
[8] S.I. Sidorchuk et al., NPA719 (2003) 13
[4] M.S. Golovkov et al. PRC 72 (2005) 064612
[5] G. M. Ter-Akopian et al., Eur. Phys. J A25 (2005) 315.
(2) In our model, we do not include ΛNーΣN coupling explicitly.
The coupling effect might contribute to the energy of
6H.
Λ
Non-strangeness nuclei
N
S=-1
Σ
Δ
80 MeV
Λ
S=-2
N
N
ΞN
25MeV
Δ
300MeV
N
ΛΛ
In hypernuclear physics,
the mass difference is very small
in comparison with the case of S=0
field.
Probability of Δ in nuclei is
Then, in S=-1 and S=-2 system, ΛN-ΣN and ΛΛ-ΞN
not large.
couplings might be important.
A. Gal and D. J. Millener, arXiv:1305.6716v3 (To be published in PLB.
They pointed out that Λ N-ΣN coupling is important for 6H.
Λ
It might be important to perform the following calculation:
6H
Λ
n
t
n
Λ
n
n
+
3N
Σ
Γ=1.9±0.4 MeV
1/2+
1.7±0.3 MeV
Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012).
FINUDA experiment
t+n+n+Λ
t+n+n
5H
0 MeV
Cal: -0.87 MeV
4H+n+n
Λ
ΛN-ΣN coupling ?
Exp: -2.3 MeV
This year, at J-PARC, they performed
a search experiment of (E10 experiment) ofΛ6H.
If E10 experiment reports more accurate energy,
we can get information about ΛN-ΣN coupling.
最近、E10の実験結果が報告された。
Σ
t+n+n+Λ
No peak?!
4H+n+n
Λ
0.3 MeV
FINUDA data
6H
Λ
困ったことに、実験同士でデータ結果が異なる。
理論としてはどちらを信用していいかわからない。
理論家として言えることは、 6Hが束縛するのか、しないのか、
Λ
確定してほしい。
7
Heのエネルギースペクトルを
計算予言し、実験値と誤差の範囲で
一致。
励起状態の解析を待っている状態。
ハイパー核
Λ
フィードバック:
適用・貢献
私の研究法の発展
私が創った研究法
「無限小変位ガウス・ローブ法」
(量子力学的3体・4体問題を
精密に解く方法)
6Hのコア原子核である 5H
Λ
を計算するために、
共鳴状態を求めることに成功。ハイパー核にも
様々な共鳴状態が存在するので、そちらにも適用可能。
Section 5
おわりに
ハイパー核物理
不安定核物理
予想もしない
冷却原子物理
適用・貢献
研究法の発展
量子少数多体系の
反物質科学
新しい分野
精密計算法
宇宙・天体核物理
少数粒子系物理
ハドロン物理
中心の計算法を発展させながら、
新しい分野を開拓して行くことは非常に楽しい!
ITHESも活動中。
院生やPDにも
分担してもらって、
物理の発展に努めたい
おわり