エピペンとは、ハチ刺傷、食物アレルギーなどによるア

食物アレルギー発作時
に使用する
自己注射について
エピペン
宮崎県薬剤師会
健康教育推進委員会
エピペンは、諸外国では20年以上も前から
使われています。
2005年3月には食物や薬によるアナフィラキ
シーにも使えるようになりました。
エピペンはあくまでも、医者にかかるまでの
応急処置という位置づけです。エピペンをつ
かうことにより症状は一時的に落ち着きます
が、また再発することもありますので、必ず
お医者さんにかかりましょう。
これまで日本の法律では、「エピペン」での
注射を行えるのは医師以外は処方箋を受けた
本人か、その保護者に限られていました。
しかし2008年4月25日に文部科学省より、
学校がアレルギー疾患の児童・生徒にどう対
応すべきかまとめた初のガイドラインが発表
され、その中でアナフィラキシーショックに
対処する自己注射を、本人に代わって教職員
らが打つことは医師法に違反しないとする初
めての見解が示されました。
エピペンとは、ハチ刺傷、食物アレル
ギーなどによるアナフィラキシーに対す
る緊急補助治療に使用される医薬品です。
アナフィラキシーを起こす可能性の高い
患者が自宅に常備することで、アナフィ
ラキシー発症の際に医療機関へ搬送され
るまでの症状悪化防止に役立っています。
アナフィラキシーの既往のある人また
はアナフィラキシーを発現する危険性
の高い人に限るとされるが、蜂毒、食
物及び薬物等に起因するアナフィラキ
シー反応に対する補助治療として適応
があります。
アナフィラキシー
アナフィラキシーでよくみられる症状として、じ
んましん、呼吸困難、腹痛、嘔吐、下痢、およ
び血圧低下を伴うショック等があげられます。
これらの症状は、人によって、またアレルゲン
の量等によっても異なります。じんましん等の
皮膚症状は、はじめにみられることが多く、ま
た9割以上の患者さんに出てくるといわれて
います。
食物の場合は口から食べて胃や腸で消
化・吸収されてからアレルゲンになるため
、食後30分~1時間くらいはかかります。
また、数時間後に症状が再びあらわれ
ることもあり、一度、症状が落ち着いたか
らといって油断してはいけません。
必ず、医療機関を受診しましょう。
アナフィラキシーで恐いのは、ショック
等により死に至ることがあることです。
その多くは、喉のはれや痛み等を伴う
気道閉塞(気道が塞がれること)、不
整脈による心停止、重篤な酸素欠乏
状態、血圧低下等が原因になってい
ます。
アドレナリン(エピネフリンともいう)
現在0.15mg製剤と0.3mg製剤が流通し
ています。
アドレナリンには気管支を広げる作用や心
臓の機能を増強して血圧を上昇させショッ
ク症状を改善する作用があり、アナフィラ
キシーショックに対して有効です。
アドレナリン (adrenaline)
(英名:アドレナリン、米名:エピネフリン、
IUPAC組織名:4-[1-ヒドロキシ-2-(メチルアミノ)エチ
ル]ベンゼン-1,2-ジオール)とは、副腎髄質より分泌さ
れるホルモンであり、また、神経節や脳神経系におけ
る神経伝達物質でもある。
分子式はC9H13NO3
ストレス反応の中心的役割を果たし、血中に放
出されると心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開きブ
ドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げる作用など
がある。
作用
交感神経が興奮した状態、すなわち「闘争か
逃走か (fight-or-flight)」のホルモンと呼ばれ
る。 動物が敵から身を守る、あるいは獲物を
捕食する必要にせまられるなどといった状態
に相当するストレス応答を、全身の器官に引き
起こす。
心筋収縮力の上昇
心、肝、骨格筋の血管拡張
皮膚、粘膜の血管収縮
消化管運動低下 呼吸におけるガス交換効率の
上昇を引き起こす反応
気管支平滑筋弛緩
感覚器官の感度を上げる反応
瞳孔散大
痛覚の麻痺
勃起不全 興奮すると分泌されるため、例えば喧嘩
になった時に分泌され、血まみれや骨折の状態に
なっても全く痛みを感じないケースもある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アドレナリンは心停止時に用いたり、アナフィラ
キシーショックや敗血症に対する血管収縮薬や、
気管支喘息発作時の気管支拡張薬として用い
られる。有害反応には、動悸、心悸亢進、不安、
頭痛、振戦、高血圧などがある。
代謝はまずモノアミン酸化酵素によって酸化
(脱アミノ化)され、最終的にはバニリルマン
デル酸として尿中に排泄される。
併用禁忌
カフェイン(カフェイン飲料・製剤) - 相互に作用
を増強させ、心臓に負荷をかける。突然死の原
因につながることもある。
タバコ(喫煙) - 相互に作用を増強、精神活動を
賦活、錯乱を招く恐れがある。
血管拡張作用のある薬 - 血管収縮作用を減弱
させ、相互に効力を弱める。
ブチロフェノン系、フェノチアジン系薬等(α遮断
作用のある薬) - アドレナリンの作用を逆転させ、
急激な血圧降下を起こす
患者、またその家族が迅速に使えるように
ということで発売された緊急注射用のキッ
トです。アナフィラキシーショックが出た
と思ったら、太ももの前外側へ筋注します。
緊急時は衣服の上からでも大丈夫です。
また一本のエピペンは一回分のみで、たと
え注射液が残っていたとしてもそれは基本
的に使えないものです。ちなみに使用量は
体重1kgあたり、0.01mgとされ、それ
以上の注射は過量です。
エピペンには有効期限があります。
有効期限は、外箱および製品ラベルに表示さ
れています。
マイラン製薬株式会社では、ご使用時の有効
期限切れを防ぐ目的で、「有効期限切れ等お
知らせプログラム」を設けています。
このプログラムにご登録いただいた方には、
お持ちのエピペンの有効期限切れを事前にお
知らせします.
使用期限が過ぎたエピペンや、使用済みのエピ
ペンは注射針がついていますので危険ですので、
薬を受けた薬局や医療機関へ持ってきて処理を
してもらいましょう。
医療機関も薬局もカルテがあるので、いつ処方さ
れたエピペンか記録が残っています。
薬局でエピペンをお渡しする場合、一番最初は
スタータキットにて説明、次回からはエピペンの
みでお渡ししています。
エピペンの有効成分であるアドレナリンは光に
より分解しやすいため、携帯用ケースに収めら
れた状態で保存・携帯して、更に遮光に努めて
ください。
冷所(例:冷蔵庫の中)または日光の当たる高
温下等(例:夏場の車のダッシュボードの中)
を避け、15℃~30℃で保存してください。
薬液が変色していたり、沈殿物がみつかったり
した場合は、使用しないでください。
液が透明 液が茶色になってきた場合は、使用
しないでください。
アナフィラキシーショックと呼ばれるこれら重
篤なアレルギー反応が生じた場合、命に関わり
ます。
早め(30分以内)のアドレナリン注射が必要で、
そのために開発されたのが自己注射器のエピペ
ンです。簡単な操作で患者自らが自分に注射で
きるように設計されています。
「エピペン」の主成分であるアドレナリンは血
管収縮、心拍数増加、気管支拡張等の作用があ
り、呼吸困難や血圧低下といった命に関わる症
状を緩和することができます。
食物アレルギーのショック症状は、発症から
30分以内にアドレナリンを投与しなければ
命にかかわるといわれています。学校で子ど
もがショック状態に陥り、意識が低下した場
合、「エピペン」を自分で打てなくなるケー
スも想定されます。この際は教職員が本人に
代わって注射することが望まれます。
救急車を呼ぶと同時に、エピペンの使用の
準備をしてください。