物価指数とデフレーター(deflator)

物価指数とデフレーター
(deflator)
名目値と実質値
 指数の作成
 GDPデフレーターの作成

名目値と実質値
現行価格と不変価格
 現行価格(current price)とは、日日、
市場で取引される値段のことである。
 名目GDPは「現行価格表示のGDP」と
呼ばれる。
 不変価格(constant price)とは、基準
時点の価格(現在は2000年)である。

実質値GDP

実質値GDPとは、ある基準時点の価格
体系を設定し、その基準年の価格で評
価したGDPということになる。「不変
価格表示のGDP」と呼ばれる。
基準期と比較期
Qt :t年の数量

Pt :t年の価格、

P0:基準年の価格、 Q0 :基準年の数量

名目値=

実質値=  P0Qt
(実際には存在しない架空の数字)

 PQ
t
t
デフレーター

デフレーター=名目値/実質値


 PQ
PQ
t
t
0
t
名目値/デフレーター=実質値
指数の作成

ラスパイレス方式(Laspeyres,L式)

パーシェ方式(H.Paasch,P式)
ラスパイレス指数
pt
 p0 q0

pt q 0
p0
pt
p0 q0

Lp 

 
p0  p0 q0
 p0q0  p0q0

pt
p0
:当該財の価格指数
p0 q0
 w0 
:当該財の基準時ウェイト
 p0q0
ラスパイレス指数
Lp  
pt
 w0
p0

L式指数は、個々の財の価格指数を基準
年時のウェイトで加重算術平均したもので
ある。

L式指数の長所と短所
パーシェ指数
Pp
pq


p q
t
t
0 t


1


 p0qt
 pt qt
1
1

p0
p0 pt qt
 p pt qt  p  p q
t
t  t t
 pt qt
p0
:当該財の価格指数の逆数
pt
pt qt
wt 
 pt qt
:当該財の比較時ウェイト
パーシェ指数
Pp 


1
p0
 wt
pt
P式指数は個々の財・サービスの価格指数
を比較時のウェイトで調和平均したもので
ある。
パーシェ・チェック

L式指数はP式指数よりも時間が経つにつ
れて、大きな上昇を記述する傾向がある。
L式指数による過大評価となる危険を防ぐ
ためには、定期的にP式指数を計算してL
式指数との差を調べ、現在使用しているL
式指数の信頼性をチェックする。その結果
に大きな差があれば、基準時点を変更す
る必要が生じる。
L式指数とP式指数の関係

ボルトキヴィッチの関係式
p p  pL
pL

sp

pp
s p sq

1    
pL
pL qL
r は其々財の価格と数量の相関係数
と sq個別価格指数と個別数量指数の標準偏差
r <0のとき p p  pL; r >0のとき
p p  pL
L式指数とP式指数の組合せ

価格指数×数量指数=価額指数
P Q  P Q
L
0t


p
0t
p
0t
L
0t
PQ


PQ
t
t
0
0
(名目値)
GDPデフレーターの作成方法

C:消費、 I:投資、 G:政府支出
X:輸出、 M:輸入
大文字:名目値
小文字:実質値

Def:各項目のデフレーター

名目GDP=C+I+G+(X-M)



C
I
G
X M
 


 実質GDP=
Pc Pi Pg Px Pm
GDPデフレーター

=名目GDP/実質GDP
C  I G  X M
=
C
I
G
X
M




Pc
Pi
Pg
Px
Pm
GDPに占めるウェィト

それぞれの需要項目のGDPに占める
ウェィトを
とする、即ち
Wc ,Wi ,Wg ,Wx ,Wm
C
Wc 
C  I G  X M

他の項目についても同じである。
GDPデフレーター
1
Wg
Wc Wi
Wx Wm




Pc
Pi
Pg
Px
Pm

それぞれの需要項目のウェィトで調和平均
した指数、P式指数となる。