精神保健対策 ② 「アルコール依存症」 3年 看護基礎医学 (精神保健) アルコール依存症とは, 生活行動の基準がアルコールと なり,アルコールを調整して飲む ことができなくなった状態(コン トロール障害)であり,アルコー ルが切れてくると,離脱(禁断) 症状を示すもの。身体的・社会的 および精神医学的な症状が多様に 合わせて出現するもの。 アルコール依存症の主な症状 (1)身体的症状・合併症 ①手指の振戦 ②慢性的な栄養障害 ③肝機能障害(肝炎,肝硬変) ④消化器障害(胃炎,慢性膵炎) ⑤循環器障害(高血圧,不整脈,心筋症) ⑥糖尿病 ⑦性機能障害 (2)精神的障害 ①幻覚症 ②嫉妬妄想 ③脳障害 アルコール依存症の主な原因 長期間のアルコール多量摂取 (アルコール60g/日で5年) どのような人がアルコール依存症 になりやすいか? アルコール耐性テストとは? お酒に強い、弱いというのは、アセトアルデ ヒドの分解に関わるALDH(アセトアルデ ヒド脱水素酵素)の分解能力による。 そのALDHの分解能力を調べるテス トをアルコール耐性テスト(別名 エタ ノールパッチテスト)という。 ☆アルコール耐性テストの方法☆ ①エタノールを湿らせたカット綿を上腕もし くは前腕内側にテープで固定させる。(7 分間) ②7分後にカット綿をはがし,更に10分間 経過を見る。 ※ どの時点で皮膚に変化が見られたか 観察すること。 ☆判定の方法☆ 活性型:皮膚の色に変化がなかった 低活性型:皮膚がパッチをはがし10分以内 に赤くなった 非活性型:皮膚がパッチをはがして20秒以 内に赤くなった ☆3年5組の結果発表☆ 活性型:30人(73.1%) 低活性型:7人(17.1%) 非活性型:4人(9.8%) 計 41名(教師1名含む) ☆活性型の人の皮膚の変化①☆ ここに注目 ☆活性型の人の皮膚の変化②☆ こ こ に 注 目 ここに注目 アルコール耐性テストの結果より 見えてくること 日本人の約4割が低活性型,非活性型 活性型の人は、お酒に強いといわれて いる。しかし活性型の人の方が、アル コール性肝障害やアルコール依存症に なる人が多い。 アルコールに関する 精神保健福祉上の問題 ①労働災害 ②交通事故 ③犯罪 ④家庭崩壊(空の巣症候群、 キッチンドリンカー) アルコール依存症の人たちへ のサポートシステム ①専門外来(アルコール精神科) :薬物療法,精神療法など ②保健所,精神保健センター :相談指導,再発防止 ③「断酒会」その他の自助グループ ③ソーシャルワーカー アルコール依存症(まとめ) ①近年のアルコール消費の増加により,ア ルコール性の精神障害者が増加している。 ②アルコール依存症は誰でもなりうる病気で あるが,難治性である。 ③本人のみならず,家族を含めたサポート, 環境調節が重要となる。
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