紛争と国際関係 国際紛争 国際関係論 ハード・パワーとソフト・パワー 国家と国際社会の相違 国際社会の特徴 1)その社会の道義的判断を反映する法律の不存在 2)法律を制定する政治機構の不存在 3)法律の執行に関わる執行機関の不存在 4)紛争を法律に従って解決する裁判所の不存在 5)下位集団の暴力行使を阻止する公権力の不存在 国際社会の現状 • 世界国家は可能か – 歴史の教訓から • 進歩の歴史観 • 終末思想の歴史観 • 永遠の繰り返しの歴史観 • 国際機関の活動 – 国連の現状と課題 – ヨーロッパの統合と分裂をどう見るか 国連の役割 • 国連の働き – 国連総会 – 国連安全保障理事会 • 国連改革 – 利害対立と拒否権 • 国際司法裁判所 – 取り扱い案件 – 判決の強制力 国際紛争の諸相 • さまざまな紛争 – 国家間の戦争 – 国家の内戦 – テロとの戦い • 紛争の根底にあるもの – 経済的な諸問題 – 思想的な諸問題 世界システムの発展 • 階層システム – 中華と蛮夷、ローマ帝国 • 封建体制 – 義務の多重性 • 領主、国王、司教、ローマ法王 • 西洋的国家システム – ウェストファリア条約以後のヨーロッパ – 国際社会の成立 植民地時代の西洋的世界観 中核 (西欧国家・宗主国) 半周辺(物流の中心) 周辺(植民地) 国際関係論 • 国際関係論の議論の2つのレベル – 国際関係の現状をどう理解するか • 現実を相手にした実証分析(positive) – 国際関係はどうあらねばならないか • 規範的な議論(Normative) • 国際関係論の思想的系譜 – 対立する2つの系譜 • リアリズムとリベラリズム 国際社会をどう見るか • 対立する2つの思想 – 国家の対立と不可避な抗争 – 国際協調の可能性から世界国家へ • 和解は可能か – 2つの対立する思想かスペクトルの2極か – 現状理解か政策目標か • Warm Heart and Cool Head リアリズムの世界観 • 思想の系譜 – トゥキディディス(c.460B.C.~c.395B.C.) • ペロポネソス戦争(432~404B.C.)の分析 – マキャヴェリ(1469.5.3~1527.6.21) – ホッブズ(1588.4.5~1679.12.4) • 『リヴァイアサン』(1651) • 現実世界の理解とその対応 – 「どうあるべきか」ではなく「どうであるか」 – 権力闘争の現実世界にいかに対応するか 理想主義の世界観 • 思想の系譜 – プラトン(427~374B.C.) • 『国家』 – トーマス・モア(1478.2.7~1535.7.6) • 『ユートピア』(1516) – 空想的社会主義(18世紀末から19世紀初め) • 理想国家をいかにして実現するか • 理想か空想か – 見果てぬ夢 – リベラリズムの思想的基礎 リベラリズムの世界観 • 思想の系譜 – 自然権の思想 • ジョン・ロック(1632.8.29~1704.10.28) • ジョン・スチュワート・ミル(1806.5.20~1873.5.8) – 『自由論』(1859) – 自然権としての自由 – 命、財産を守る権利 • 理想主義(idealism)としてのリベラリズム – ユートピアを求めて 戦間期の思想的流れ 第1次世界大戦終結(1919) 理想主義の時代 第1次世界大戦後の精神状況 大恐慌(1929) ヴェルサイユ体制の崩壊 リアリズムの時代 第2次世界大戦勃発(1939) 国家エゴイズムの発現 理想主義の学問的立場 • 社会科学としての理想主義の立脚点 – 国家の行動よりも個人の価値観を重視 • 性善説 • 国家の行動は個人の行動に還元されるか – 「国際平和」から演繹される道義的基準の重 視 • 「国家理性」に対する信頼 – 国際法、国際機構の研究中心 リアリズムの学問的立場 • 現実の直視 – 社会科学としての政治学 • 諸国家の権力関係の結果として秩序 – 正義や法は権力なしに自立し得ない • 国際政治分析の基礎としての「国家利益」 – 国際社会はホッブズ的自然状態 戦後の国際関係論の潮流 • • • • 行動科学的アプローチ ネオリベラリズム ネオリアリズム ポストリアリズム – 批判理論 – 構成主義 – 地球政治論 社会科学としての国際関係論 • 国際関係論の反省 – 科学的な方法と体系の欠如 • 学問的客観性の確保 – 行動科学的アプローチ • 定量的アプローチの重視 • 他の学問分野の成果の導入 – ゲームの理論、システム論、社会心理学など • 学問的精緻化と現実説明力の欠如 行動主義アプローチを超えて • 時代的危機感 – 冷戦構造の定着 – 核全面戦争の可能性 • 学問の社会的意味 – 行動科学アプローチと伝統的アプローチ • 対立から止揚へ – 理想主義とリアリズムの対話 • 現実から理想へのアクション・プログラム 国際関係論の現在 行動主義アプローチ ネオリアリズム ポストリアリズム ネオリベラリズム 批判国際理論 地球市民社会論 「国家-社会関係」 アプローチ ネオリアリズム • 「国家中心主義批判」への反論の体系化 – 国家の優位性 – 国際関係におけるパワーの重視 • ネオリアリズムの提唱者達 – Waltz, K.N.(1979), Theory of International Politics • 勢力均衡論 – Gilpin, R.(1981), War and Change in World Politics • 覇権安定論 ネオリベラリズム • ネオリアリズム批判 – 構造決定論的現状肯定の批判 – 現状改善のための研究の必要性 • ネオリベラリズムの提唱者達 – Keohane, R.O., and J.S.Nye, Jr.(1977), Power and Interdependence • 国際レジーム論 – パワーと相互依存の関係を分析 批判国際理論 • 「問題解決理論」と「批判理論」 – 批判理論の必要性の提唱 – 多種多様な議論の存在 • 批判国際理論のさまざまな立場 – – – – 批判的再構築(Critical Reconstruction) 構成主義(Constructivism) 地球政治論(Global Politics) ポスト・モダニズム(Postmodernism) コンストラクティビズム • コンストラクティビズムの国家観 – – – – 特定の歴史的・文化的条件のもとで存在する ルールや規範から生み出された 活動が慣行化され再生産された 制度(構成物) • 制度としての国際システム – 相互ルール、規範の意義の重視 パワーとは何か • 自らの目的や目標を実現する能力 – 自らにとって望ましい結果を得るために – 他者に影響を与える能力 • 国際社会における国家のパワー – 人口、領土 – 天然資源、経済力 – 軍事力 バランス・オブ・パワー • 政策としてのバランス・オブ・パワー – 自国の独立保持 • 自国を併合しようとする国への対抗 – 超大国の出現阻止 – 勢力均衡を目指して • 世界史におけるさまざまな例 – 合従連衡 ハード・パワーとソフト・パワー • 国力とは何か – 軍事力 – 経済力 – 文化力 • ハード・パワーを必要としない国際社会へ – 孫子の兵法の意味 • 兵は国の大事にして、死生の地、存亡の地なり。察せざるべ からず • 百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈 するは善の善なるものなり – 抑止力としての国際システムの創造
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