ヒューマンエラー - 役に立つ薬の情報~専門

利用規約
提供している資料は「同じ会社内、施設内での研修」や「高校生・大学生のプレゼン
テーション参考資料」、「市民向けの教材をボランティアで作成するため」などを想定
しています。つまり、当サイトの資料の利用は「教育に対して、無償で貢献するため
に使用すること」が大前提です。
そのため、社外や施設外の研修にこのサイトの資料を利用することは基本的にで
きません。例えば、製薬企業や医薬品卸が医療機関へ行う得意先研修としての利
用は禁止します。
得意先から金銭を受け取っていなくても、間接的な営業支援となり、売上に貢献し
ます。当サイト内の資料を使用することによる利益獲得は禁止です。営利目的で使
用する場合、有償にて承っています。
なお、このサイトで提供するパワーポイントはノート部分に原稿を載せてあります。
参考にして頂ければと思います。
役に立つ薬の情報~専門薬学 : http://kusuri-jouhou.com/
役に立つ薬の情報~専門薬学
ヒューマンエラー
役に立つ薬の情報~専門薬学
ヒューマンエラーとは
ヒューマンエラーの定義
望まない結果を生じた、人間の行為
システムの許容範囲を超えた、人間の行為
望まない結果を生じる要因
人間による判断ミスや決定ミス
システムの許容範囲を超えるとは
例) 自動車で信号を直進したい
赤信号を無視すると、違反となる(エラーを犯している)
青信号では、違反でない(エラーを犯していない)
周りの環境によって左右される
役に立つ薬の情報~専門薬学
ヒューマンエラーと環境
ヒューマンエラーの多くは人為的ミス
ただし、エラーの要因を取り除くことはより重要
人を責めるのではなく、改善すべきはプロセスである
ヒューマンエラーの発生は、
条件や環境に大きく依存
労働環境 : 夜勤など
高い専門性 : 技術・知識
人間は間違いを起こしやすい
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医療現場とヒューマンエラー
医療現場はヒューマンエラーが起こりやすい
認知力の低下
夜勤などの労働環境
慣れによる錯誤
計画
多用な情報
個別対応
患者さんごとの対応
常に変化する現場
知覚・判断
実行
高い専門性
類似した薬・方法
技術・知識の不足
情報の伝達不足
種類の多い医療器具
役に立つ薬の情報~専門薬学
経験年数別のヒヤリハット件数
(ヒヤリハット件数)
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
(経験年数)
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日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」
エラーの発生要因
当事者の行動
判断の誤り
8.7 %
患者への説明不足
8.7 %
ヒューマンファクター
いつもと異なる肉体的条件下
(過労、睡眠不足など)
2.5 %
その他
19.2 %
連携不足
11.8 %
記録の不備
2.2 %
技術不足
10.9 %
確認を怠った
48.9 %
勤務状況が繁忙
38.1 %
観察を怠った
17.6 %
報告の遅れ
2.0 %
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知識不足
15.2 %
いつもと異なる
心理条件下
(緊張、気を取られていたなど)
14.2 %
日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」
エラーの概要
エラーの内訳
影響度
濃厚な治療
4.0 %
死亡・重篤な状況
2.8 %
その他
8.3 %
療養上の世話
18.9 %
薬剤
44.0 %
検査
7.5 %
軽微な治療
または処置不要
93.2 %
ドレーン
チューブ
13.8 %
医療機器等
3.2 %
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治療・処置
4.3 %
日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」
ハインリッヒの法則
重大な事故が起こるまでの構図
1
29
300
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重大な事故
(死亡事故など)
軽微・中等度の事故
ヒヤリハット
ヒヤリハットを減らすために
人間はミスを犯す特性がある
これらの特性を変えることは困難
ミスをしない人間はいない
人間の特性
不注意(うっかり・ぼんやり)
省略行為(慣れ、横着 )
錯誤 (思い込み)
焦り(先を急ぐ、パニック)
人間の特性が悪い方面で表れないシステムが重要
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エラーの背景
初心者のエラー
初心者はベテランよりもストレスの影響が大きい
ストレスの大きい場面では、上司のもとで作業を行う
ベテランのエラー
慣れが生じさせる不注意
無意識のうちにエラーを犯す
エラー発生件数 =
作業数
×
エラーする確率
「作業数」と「エラーする確率」が減れば、エラー数が減少
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① 作業数を減らす・なくす
例) 溶解液が付いてある医薬品
薬剤の溶解作業が増える
溶解したか分からなくなる
(溶解液だけを投与の恐れ)
薬剤 溶解液
薬剤
溶解液
溶解作業がなくなる
時間の有効活用
溶解液のみの投与を回避
誤投与の減少
② 認知能の向上
名称・外観が似ている医薬品を排除
ノルバスク
ノルバデックス
ラシックス
アダラート
薬品棚の配置工夫
規格の違う医薬品
隣に配置しない
同じ列に配置
棚にラベルを付ける
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③ 危険の予知・認知をさせる
KYT(危険予知トレーニング)
・ イラストKYT
イラスト中に含まれる危険を予知する
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④ 状況確認
指差呼称
よし!
よし!
指を差して呼称する
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⑤ エラーの検出
ダブルチェック
二人以上の人間によるチェック
ドリル式 : 二人同時にチェック
リチェック式 : チェック後、時間を置いて再度チェック
権力勾配など、互いに独立している事が望ましい
チェックリスト
チェックリストを使用することで、
チェック項目の見過ごしを防げる
認知負担を軽減できる
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⑥ エラー発生へ備える
緊急体制を整える
アレルギーの既往歴を見逃した
アナフィラキシーショック
用意しておくべき医薬品
アドレナリン注射
ステロイド薬注射
気管支拡張薬
抗ヒスタミン薬 など
組織での対応
訴訟・賠償への備え
賠償責任保険 など
事故発生時の対応を決めておく
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まとめ
人間の特性
人間はもともとミスを起こしやすい
ヒューマンエラーを少なくするために
ミスを減らすための
環境・システムが重要
ミスをした人を責めるのではない
日々の改善が大切となる
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