改正労働安全衛生法における 表示・文書交付制度について 厚生労働省労働基準局安全衛生部 化学物質対策課 Ⅰ 化学物質に起因する 労働災害の現状 化学物質の取扱いに係る現状 • 職場で使用されている化学物質を取扱 う際に、 ・化学物質の有する危険有害性や ・適切な取扱い方法等 を知らなかったことによる、爆発火災や 中毒薬傷等の労働災害が依然として発 生している。 化学物質に起因する 労働災害の現状 • 危険物有害物等による労働災害 (休業4日以上死傷者数) (平成17年) 中毒薬傷:299人(死亡9人) + 爆発火災:140人(死亡5人) =439人(死亡14人) 化学物質を取扱う際の 労働災害発生の原因 • 原因のひとつに、事業者や労働 者が、取り扱う化学物質の危険 有害性、適切な管理、取扱いの 方法について、十分な情報を 持っていないことがある。 このような災害を 防止するためには その化学物質の危険有害性等 の情報を ・確実に伝達し ・伝達を受けた事業場はその情 報を活用して自主的な化学物質 管理を推進すること が重要! Ⅱ 現行の労働安全衛生法に おける表示・MSDS交付 制度の規定 現行の労働安全衛生法における 表示・MSDS交付制度の規定 • 現在においても、労働安全衛生 法第57条において表示規定を、 法第57条の2においてMSDS による通知規定を設けている。 現行の労働安全衛生法における 表示・MSDS交付制度の規定① ①法第57条において、安衛令で 定める92物質及びその混合物 に対する表示義務 (罰則:法119条) 現行の労働安全衛生法における 表示・MSDS交付制度の規定② ②法第57条の2において、安衛 令で定める638物質及びその混 合物に対するMSDS交付義務 表示・MSDS交付の措置義務 政令で定められた危険有害物を譲渡・提 供する事業者は • 名称、成分等を表示しなければならないこ と(労働安全衛生法第57条) • MSDSを交付しなければならないこと。 (労働安全衛生法第57条の2) Ⅲ GHSについて GHSとは? ◎GHS国連勧告とは、 化学物質の安全利用を促進するため、 表示及びMSDSの危険有害性に関す る表示項目を国際的に調和するための システムとして、 国連において示された勧告である。 GHSの目標 ○危険有害性に関する情報を、化学物質を取 り扱う人全般に正確に伝えることにより、人 の安全と健康を確保し、環境を保護するこ と。 → 安衛法は労働者保護が目的であり、GHS と安衛法とでは対象範囲が異なる。 GHSについて① • 原則として全ての化学物質に適用 →安衛法は対象物質が限定されている。 • 2003年(平成15年)7月に国連から勧告さ れ、2008年(平成20年)までの完全実施 (APEC域内では2006年(平成18年)末ま での自主的な実施) →安衛法はAPECの目標に沿って改正された もの。 GHSについて② • GHSでは、 ・化学物質の引火性、発がん性等の 約30種類の危険有害性について、 ・その程度を一定の判定基準に基づいて 分類し、その程度に応じた絵表示等を ラベルに付し、MSDSに反映させること になっている。 国内におけるGHS 実施に向けた活動 • 平成13年にGHS小委員会が発足したのと ほぼ同時期に、GHSに関する情報の共有、 国連GHS小委員会への対応等を目的とした GHS関係省庁連絡会議を設置 • 本連絡会議のメンバー 厚生労働省・経済産業省・環境省・総務省・農 林水産省・国土交通省・外務省等 GHS関係省庁連絡会議 ① GHS国連勧告の邦訳の作成 ② 国内の既存の法令で規制している約1500 物質についてGHS国連勧告に基づく分類の 実施、その分類結果の公表 GHS文書の和訳 • 以下の各省のホームページにて掲載 • (厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/an zeneisei07/index.html • (経済産業省) http://www.meti.go.jp/policy/chemical_manag ement/kokusai/GHS/ GHStexts/kariyaku.html • (環境省) http://www.env.go.jp/chemi/ghs/kariyaku.ht ml 事業者がGHSを円滑に導入し得 るための支援施策① • 法対象物質の分類・公表(関係省庁) ① 対象:安衛法、化管法、毒劇法等 約1500物質 ② 分類結果公開 本年2月~12月にかけて製品評価技術基盤機 構(NITE)のHPで順次公開している。 (http://www.nite.go.jp/) (安衛法表示・MSDS対象物質は公表済み) 事業者がGHSを円滑に導入し得 るための支援施策② ○安衛法表示対象物質 モデルラベルの公開 (中央労働災害防止協会HP)(現在公開中) ○安衛法通知対象物質 モデルMSDSの公開 (中央労働災害防止協会HP) (現在公開中) (http://www.jaish.gr.jp) JIS(日本工業規格)の 改訂・制定① ○ラベル表示 ①GHS表示方法のJIS化: JIS Z 7251 ②平成17年8月 原案作成 平成18年3月 公布 → 安衛法のラベル表示は、原則JISZ7251 を引用 JIS(日本工業規格)の 改訂・制定② ○MSDS ①MSDSのGHS化 JIS Z 7250:2000 の改訂 →JISZ7250:2005 ②平成17年4月原案作成 同年12月 公布 ③JISZ7250:2000については、平成22年12月 31日まで有効 → 安衛法のMSDS記載は、原則JISZ7250を引用 GHSに基づく混合物の分類作業の流れ ① デ ー タ 収 集 ② 分 類 物理化学的危険性 人の健康に対する有害性 物性データの収集 危険物リストを GHSに読替え 各成分のデータ収集 物性データから GHS分類を判定 環境に対する有害性 各成分のデータ収集 安衛法、化管法、毒劇法 対象物質データベースから入手 GHS分類 ③ 確 認 分類案確認 区分に応じたラベル要素選定 ④ ラ ベ ル ・ M S D S ラベル印刷 MSDS修正 Ⅳ 改正労働安全衛生法における 表示・MSDS制度 労働安全衛生法に基づく 表示・文書交付制度 現行 ① 化学物質の有害性(発がん性等)のみを対象 ② 絵表示がない など、GHS国連勧告と相違 改正法 ① 化学物質の危険性(引火性等)も対象に追加 ② 絵表示の導入 などによりGHS国連勧告に対応 安衛法の一部改正とGHS 安衛法(法律) 一部改正の目的(法第57条・第57条の2関連) 危険有害な化学物質による労働災害の防止のため 危険・有害な化学物質の表示や、 MSDS交付に関する制度を改善する GHS(国連勧告) 化学物質・混合物の危険・有害性 を世界的に統一したシステムで判 別して、使用者にその情報を伝え る方式。 手法を利用 表示(絵表示・注意書き) MSDS(GHSタイプ) 改正安衛法の施行までの流れ ・ 平成17年11月2日 改正法公布 ・ 平成18年1月5日 改正省令公布 (表示MSDS記載項目に係る部分) ・ 10月20日 改正政省令公布(対象物質等) 標章を定める大臣告示公布 ・ 12月1日 改正安衛法施行 安衛法第57条・第57条の2改正 • 改正後の事業者の責務 ラベルの変更(GHSタイプの標章)、MSDSの修正(GHSタイプ) • 対象物質の追加 危険物の一部追加(下図) • 混合物について裾切値の見直し • 事業者への実施すべき事項(下図) 現行法 法改正後 ①表示対象物質92物質(純物質) ①表示対象物質 ②表示対象物質(①の混合物) ②表示対象物質(①の混合物)(裾切値の見直し) ③通知対象物質638物質(純物質) ③通知対象物質 ④通知対象物質(③の混合物) ④通知対象物質(③の混合物)(裾切値の見直し) 92物質+8物質(追加危険物)-1物 質(石綿)=99物質(純物質) 638物質+ 3物質(追加危険物)-1 物質(石綿)=640物質(純物質) 表示義務 表示義務(危険物追加) MSDS交付義務 MSDS交付義務(危険物追加) 安衛法の対象物質(現行法と改正法) 現行法 通知対象物質 638物質 (表示対象 92物質含) 表示対象物質 92→99物質 通知対象物質 638→640物質 製造許可物質 改正法 通知対象物質 638物質+ 3物質(追加危険物)-1(石綿)=640 (うち表示対象 92物質+8物質(追加危険物)-1(石綿)=99) 表示・文書交付対象物質に 追加される危険物 ○追加される危険物 • 追加危険物の混合物についても表示を求める。 • 「船舶による危険物の運送基準等を定める告示」 別表第1において危険性を有する濃度範囲が示 されている物質のうち一定の取扱量があるもの が追加される予定である。 ・追加される表示対象物質 8物質 ・追加されるMSDS交付対象物質 3物質 表示・MSDS交付対象に 追加される物質 • 表示対象物質 • MSDS交付対象物質 ①ニトログリセリン ①ニトロセルローズ ②ニトロセルローズ ②硝酸アンモニウム ③ピクリン酸 ③次亜塩素酸カルシウム ④過酸化水素 ⑤硝酸アンモニウム ⑥次亜塩素酸カルシウム ⑦エチルアミン ⑧1,3-ブタジエン 裾切値の変更 ○裾切値:法令上で規定している混合物 の濃度下限値 ○表示対象物質 現行 0.5%、1%、3%、5%、10% 改正後 0.1%、0.3%、1%、裾切値なし ○MSDS交付対象物質 現行 1%(ベンゾトリクロリド0.5%ベリリウム合金3%) 改正後 0.1%、1%、裾切値なし 経過措置① 裾切値が1%未満 となる物質の取扱い ●平成20年11月30日までの間は、表示・ 文書交付対象物質の含有量がその重量 の1%未満のものは法規制の対象としな い。 …裾切値が1%or5%→ 0.1%or0.3% になる物質は、平成20年11月30日まで の間は裾切値は1%となる。 経過措置② 在庫品等の施行日 において現に存するものの取扱い ●新たに規制対象となるもの (①追加される危険物、②裾切値が下がったこ とにより新たに対象となった混合物)のうち 施行日において現に存するもの(在庫品)の 取扱いについては、経過措置として、平成19 年5月31日までの間、改正政省令を適用し ない。 経過措置③ 改正前の規定を満 たす在庫品に係る標章の取扱い ●現に存する容器等で改正前の規定に掲げる 事項が表示されているものについては、経過 措置として、平成19年5月31日までの間、 標章を定める告示を適用しない。 →現行法に基づく表示が行われている在庫品 については、標章を省略することができる。 ③ 現に存する容器等で改正前の規定に掲げる事項が表示されているものについては、6ヶ月間、標章に係る告示を適用しない。 ③ ③ 標章に係る告示の適用なし 安衛法表示・MSDS制度の適用① • 表示対象物質を容器に入れ、又は包装して、 譲渡し、又は提供する者は、容器又は包装に 定められた事項を表示しなければならない。 • 文書交付対象物質を譲渡し、又は提供する者 は、文書の交付により相手方に定められた事 項を通知しなければならない。 • ただし、主として一般消費者の生活の用に供す るためのものについては、この限りでない 安衛法表示・MSDS制度の適用② つまり、事業者であっても個人であっても、 表示・文書交付対象物質を譲渡・提供する 場合は、 一般消費者の生活の用に供するためのも のを除いて、 表示・文書交付の義務が課せられる。 “一般消費者の生活の用に 供するためのもの”とは? • 一般消費者向けに製造している製品 (明らかに業務用であるものは法規制対象) • 医薬品・医薬部外品・化粧品 • 農薬 • 労働者による取扱いの過程において固体以 外の状態にならず、かつ、粉状又は粒状にな らない製品 • 対象物質が密封された状態で取り扱われる 製品 ラベル記載方法について① ①名称 当該物質又は製品の名称を記載する。 ②成分 各成分のうち表示対象物質に該当するもの を記載する。 なお、表示対象物質以外の成分についても できる限り記載する。 ラベル記載方法について② ③注意喚起語 • 原則、GHS国連勧告に基づいて規定されている日 本工業規格(JIS)Z7251に基づいて、危険有害性 区分ごとに割り当てられた注意喚起語を記載する。 • ただし、混合物としてのラベルへの記載が困難な 場合、表示対象物質である成分毎に、中央労働災 害防止協会安全衛生情報センターのホームページ に公表されているラベル記載例(モデルラベル) (http://www.jaish.gr.jp/user/anzen/kag/ankgo o.html)等の情報を参考にして、危険有害性区分毎 に割り当てられた注意喚起語を記載する。 ラベル記載方法について③ ④ 人体に及ぼす作用・安定性及び反応性 • 原則、JISZ7251に基づいて、危険有害性 区分ごとに割り当てられた危険有害性の文 言(例えば、発がん性区分1の場合「発がん のおそれ」、引火性液体区分1の場合「極め て引火性の高い液体及び蒸気」)を記載する。 • ただし、混合物としての記載が困難な場合、 表示対象物質である成分毎に、モデルラベル 等の情報を参考にして、危険有害性区分ごと に割り当てられた危険有害性の文言を記載 する。 ラベル記載方法について④ ⑤貯蔵又は取扱い上の注意 • 製品へのばく露、又はその不適切な貯蔵及 び取扱いから生じる被害を防止し、又は危険 を最小にするために取るべき推奨措置を記 載する。 ラベル記載方法について⑤ ⑥標章 • 原則、JISZ7251に基づいて、危険有害性 区分ごとに割り当てられた絵表示(「炎」「どく ろ」等)を記載する。 • ただし、混合物としての記載が困難な場合、 表示対象物質である成分毎に、モデルラベル 等の情報を参考にして、危険有害性区分ごと に割り当てられた絵表示を記載する。 • 法施行日において、現に存する容器等で改 正前の規定に掲げる項目を表示しているもの に限っては、標章を省略することができる。 ラベル記載方法について⑥ ⑦表示する者の氏名、住所及び電話番号 • 表示する者の氏名(法人の場合は法人名)、 住所及び電話番号を記載する。 ラベル記載例 エチレンイミン Ethyleneimine (成分:エチレンイミン) 名称 成分 (含有量は不要) 標章 危険 <危険有害性情報> ・引火性の高い液体及び蒸気 ・飲み込むと生命に危険(経口) ・皮膚に接触すると生命に危険(経皮) ・吸入すると生命に危険(蒸気) ・重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 ・重篤な眼の損傷 ・アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ ・遺伝性疾患のおそれ ・発がんのおそれの疑い ・生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い ・中枢神経系、腎臓、肝臓、肺の障害 ・呼吸器への刺激のおそれ ・長期又は反復ばく露による腎臓、肝臓、呼吸器系の障害 ・水生生物に有害 ・長期的影響により水生生物に有害 <注意書き> ・使用前に取扱説明書を入手すること。 ・この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 ・熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。 ・防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。静電気放電や火花による引火を防止すること。 ・個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。 ・呼吸用保護具、保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 ・屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 ・眼、皮膚、又は衣類に付けないこと。 ・取扱い後はよく手を洗うこと。 ・容器を密閉して涼しく換気の良いところで施錠して保管すること。 ・内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 厚労株式会社 東京都千代田区霞が関○-○-○ TEL 03-○○○○-×××× FAX 03-○○○○-△△△△ 注意喚起語 安定性及び 反応性 人体に 及ぼす作用 貯蔵又は 取扱い上の 注意 氏名(法人名) 住所(所在地) 電話番号 成分毎のラベル記載の例① 表示対象物質A (含有率) (3%) 表示対象物質B 表示対象でない物質C (2%) (95%) 製品 D 原料 A 危 険分 有類 害・ 性区 の分 原料 B 原料 C ? 引火性液体 3 1 - - 急性毒性 4 1 - 1 皮膚感作性 - - 1 1 発がん性 - 1 - 1 成分毎のラベル記載の例② ①製品Dの分類で表示する場合 ②成分ごとに表示する場合 製品D( 成分:A、B、C ) 製品D( 成分:A、B、C ) 危険 A 危険有害性情報 1.飲み込むと生命に危険(経口) 2.アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ 3.発がんのおそれ 危険有害性情報 1.引火性液体 2.飲み込むと有害(経口) 注意書き 1.XXXXXXXXXXXX 2.XXXXXXXXXXXX 3.XXXXXXXXXXXX 4.XXXXXXXXXXXX 5.XXXXXXXXXXXX 6.XXXXXXXXXXXX 7.XXXXXXXXXXXX 8.XXXXXXXXXXXX B 氏名(法人名)、住所および電話番号 警告 危険 危険有害性情報 1.極めて引火性の高い液体 2.飲み込むと生命に危険(経口) 3.発がんのおそれ 注意書き 1.XXXXXXXXXXXX 2.XXXXXXXXXXXX 3.XXXXXXXXXXXX 4.XXXXXXXXXXXX 5.XXXXXXXXXXXX 6.XXXXXXXXXXXX 7.XXXXXXXXXXXX 8.XXXXXXXXXXXX 氏名(法人名)、住所および電話番号 ラベル印刷システムについて ●成分ごとのラベルについては、 中央労働災害防止協会のホームページにて、 事業者において、手持ちのパソコンとプリン ターでラベル印刷が容易にできるシステムを 提供 • 事業者がプリンターにシール台紙を準備する ことにより、成分毎の記載のラベルの印刷が 可能 ラベル印刷システムの操作手順 ① 中央労働災害防止協会安全衛生情報センターHP を開く。(http://www.jaish.gr.jp/) ② 「オンライン安全衛生情報」-「化学物質」-「追加ラ ベルの作り方」を選択する。 ③ HPに記載の操作方法を参考に、「GHS追加ラベ ル作成支援システム」を起動する。 ④ 事業者が印字したい成分を選択する。 ⑤ 選択した成分のラベルが画面に示される。 ⑥ プリンターにシール台紙をセットして印字する。 ⑦ シールを容器等に貼付する。 ラベル印字イメージ ラベルをシール台紙に印字 キシレン 警告 クロロホルム 危険 危険有害性情報 危険有害性情報 1.引火性液体 2.飲み込むと有害(経口) 1.極めて引火性の高い液体 2.飲み込むと生命に危険(経口) 3.発がんのおそれ 印字されたラベルを、容器等へ貼付する。 危険物輸送に係る標識について ・「船舶安全法」や「航空法」に定められた標識 等を表示している場合、労働安全衛生法に定 められた標章のうち、同一の危険有害性を示 すものについて表示を省略することが可能。 → TDGで規定する標識(例えば炎)を表示し ている場合、それに相当する「標章」の記載 について記載しても、しなくてもいい。(GHS 勧告では、省略すべきとされている。) 小さな容器への表示 • 安衛則第31条の規定により、容器又は包装 に表示事項等のすべての印刷し、又は表示 事項等のすべてを印刷した票せんをはりつけ ることが困難なときは、表示事項等のうち「人 体に及ぼす作用」「貯蔵又は取扱い上の注 意」「氏名・住所・電話番号」「注意喚起語」 「安定性及び反応性」「標章」については票せ んを容器又は包装に結びつけることにより表 示することができる。 MSDS記載方法について① ●改正安衛法に基づくMSDSの記載方法は、 原則JISZ7250:2005に基づき、記載する。 ●なお、JISZ7250:2005にも示されている が、平成22年12月31日までの期間は、JIS Z7250:2000に基づき記載しても差し支え ない。 MSDS記載方法について② ①名称 当該物質又は製品の名称を記載する。 ②成分及びその含有量 各成分のうちMSDS交付対象物質に該当する もの及びその含有量を記載する。 なお、MSDS対象物質以外の成分について もできる限り記載する。 MSDS記載方法について③ ③物理的及び化学的性質 • 各事業者が使用してきたMSDS、中央労働 災害防止協会安全衛生情報センターのホー ムページに公表されているMSDS記載例(モ デルMSDS)等の情報に基づいて、外観、引 火点等の事項を記載する。 ④人体に及ぼす作用 • 各事業者が使用してきたMSDS、モデル MSDS等の情報に基づいて、急性毒性等の 各種の有害性等に係る情報を記載する。 MSDS記載方法について④ ⑤貯蔵又は取扱い上の注意 • 各事業者が使用してきたMSDS、モデル MSDS等の情報に基づいて、製品へのばく露、 又はその不適切な貯蔵及び取扱いから生じ る被害を防止し、又は危険を最小にするため に取るべき推奨措置を記載する。 ⑥流出その他の事故が発生した場合において、 講ずべき応急の措置 • 各事業者が使用してきたMSDS、モデル MSDS等の情報に基づいて、緊急時の応急 措置、火災時の措置、漏出時の措置を記載 する。 MSDS記載方法について⑤ ⑦危険性又は有害性の要約 • 当該物質について表示が行われているか 否かにかかわらず、「ラベル記載方法につい て」で示した内容のうち「標章」「注意喚起語」 「人体に及ぼす作用」「安定性及び反応性」 「貯蔵又は取扱い上の注意」を記載する。 ⑧安定性及び反応性 • 各事業者が使用してきたMSDS、モデル MSDS等の情報に基づいて、引火性等の各 種の危険性等に係る情報を記載する。 MSDS記載方法について⑥ ⑨適用される法令 • 適用される法令の名称及び関連する規制 に関する情報を記載する。 ⑩その他必要な情報 • その他、当該物を取り扱う上で重要な記載 事項(環境影響情報、特定の訓練の必要性、 化学物質等の推奨される取扱い等)を記載す る。 • なお、GHS国連勧告において記載項目とし て示されている「環境影響情報」は改正安衛 法上では本項目に該当する。 GHSと安衛法の記載項目の関係① 1 表示 GHS国連勧告 1 4 5 6 改正安衛則第34条・告示 注意喚起語 第2号「注意喚起語」 危険有害性情報(危険性情報) 第3号「安定性及び反応性」 2 3 改正安衛法第57条 危険有害性情報(有害性情報) 第1号ハ「人体に及ぼす作 用」 注意書きおよび絵表示(注意書 き) 第1号ニ「貯蔵又は取扱い上 の注意」 絵表示 第2号「当該物を取り扱う労働 者に注意を喚起するための標 章で厚生労働大臣が定めるも の」 製品特定名(製品の特定名) 第1号イ「名称」 製品特定名(物質の化学的特定 名) 第1号ロ「成分」 供給者の特定 【改正法第57条第2号の規定に基づき厚 生労働大臣が定める標章を定める告示】 第1号「法第五十七条第一項の規定によ る表示をする者の氏名(法人にあつては、 その名称)、住所及び電話番号」 GHSと安衛法の記載項目の関係② 2 MSDS GHS国連勧告 化学物質等及び会社情報(GHSの製品特定手段) 改正安衛法第57条の2 改正安衛則第24条の2の4 第1号「名称」 化学物質等及び会社情報(供給者名の氏名、住所及 び電話番号) 第1号「法第五十七条の二第一項の規定に よる通知を行う者の氏名(法人にあつては、 その名称)、住所及び電話番号」 2 危険有害性の要約(GHS分類、注意書きを含むGHS ラベル要素、分類に関係しない他の危険有害性) 第2号「危険有害性の要約」 3 組成、成分情報 4 応急措置 5 火災時の措置 6 漏出時の措置 7 取扱い及び保管上の注意 8 ばく露防止および人に対する保護措置 9 物理的及び化学的性質 10 安定性及び反応性 11 有害性情報 12 環境影響情報 13 廃棄上の注意 14 輸送上の注意 15 適用法令 第4号「適用される法令」 16 SDSの作成と改訂に関する情報を含むその他の情報 第5号「その他必要な情報」 1 第2号「成分及びその含有量」 第6号「流出その他の事故が発生した場合 において講ずべき応急の措置」 第5号「貯蔵又は取扱い上の注意」 第3号「物理的及び化学的性質」 第3号「安定性及び反応性」 第4号「人体に及ぼす作用」 第5号「その他必要な情報」 第5号「貯蔵又は取扱い上の注意」 問い合わせ窓口 ① 法令解釈・法令適用に係る問い合わせは、 ○○労働局安全衛生課へ ℡○○-○○○○ ② GHS分類、ラベルMSDSの詳細に係る問い合わ せは、 中央労働災害防止協会化学物質管理支援 センターへ ℡ 03-3452-3373 ③ 上記以外の問い合わせは、 厚生労働省労働基準局安全衛生部 化学物質対策課へ ℡ 03-5253-1111 (内線 5517、5509、5514)
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