原子スペクトル分析法 ①原子吸光分析法 原理:分子を炎(約2000℃)で熱すると、原子が一つ一つ に分かれる。光を当てると吸光光度法で光を当てた時 のように原子が励起する。「原子」の電子の励起により 吸収された光の波長と強度を用いて定量分析を行う。 吸光光度法との違い 吸光光度法:分子内の結合に関与する軌道内の電子を利 用 原子スペクトル分析法:原子の内殻電子を利用 測定物質:元素(化合物の形はわからない)、特に金属。 検出限界:mg/Lレベル 1 原子スペクトル分析法 ①原子吸光分析法の分析フロー 2 フラウンホーファー(Fraunhofer)線 Fe Na 590nm 太陽 Na 連続光 Fe 527nm 地球 3 4 原子スペクトル分析法 ②誘導結合プラズマ発光分析法 誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma;ICP) プラズマ:陽イオンと電子を含む伝導性の(電気を通す) 高温(10,000度)の気体 原理:誘導コイルにより電磁場を作りプラズマを誘導する。 原子を含んだサンプルを霧状にし、プラズマに入れる。 サンプル中の金属がイオン化し、その後電子と結合 する時に発光する。この発光スペクトルを分析。 測定物質:元素(化合物の形はわからない)、特に金属。 検出限界:μg/Lレベル 高周波 誘導コイ ル 噴出口 原子スペクトル分析法 原子吸光分析法とICP発光分析法の違い 原子吸光分析法(吸光光度法と類似) 光 原子 検出器 吸収された波長を検出 炎 吸収し、励起状態に ICP発光分析法(蛍光分光分析法と類似) 原子 光 炎 励起状態になり、光を放出 検出器 放出された波長を検出 5 質量分析法(mass spectrometer:MS) 構成 試料導入部→イオン化部→電場によるイオン加速部→イオン分離部→検出部 6 質量分析法(mass spectrometer:MS) 原理 磁石 力 電場を用いて加速 m+ 電子(イオン) 磁場 7 質量分析法(mass spectrometer:MS) 測定対象物質 イオン化 r 半径rにぴったり合った イオンのみ検出器へ イオンは以下の式に従って移動 B:磁場の強さ 2 2 z:イオンの電荷数 e:一電子の電荷量 V:加速電圧 m:イオンの質量 r:イオンの軌道の半径 m er B z 2V 8 質量分析法(mass spectrometer:MS) B(またはV)を一定にし V(またはB)を変える 9 MALDI法 (マトリックス支援レーザー脱離イオン化法) (Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization) 10
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