ILC用超伝導加速空洞の製作 共通基盤研究施設 機械工学センター 渡邉勇一 平成24年度技術交流会 国際リニアコライダー(ILC) 超伝導加速空洞 14560台 クライオモジュール 1680台 全長 30km 5年間で製作 世界3領域で分担 空洞製造: 約1000台/年(1領域) 概要 • 国際リニアコライダー(ILC)のような将来の大型プ ロジェクトでは、超伝導空洞の量産技術が非常に 重要である。 • 量産化・工業生産として必要な自動化技術の開発 • 製造工程、品質管理の工程管理 • コスト削減に向けた研究開発 • このような目的で、現在、KEK内に超伝導空洞の 量産研究を行う施設の構築を行っている。この施 設と、これを利用したKEK内での超伝導空洞の製 作について報告する。 平成24年度技術交流会 空洞製造技術開発施設(開発共用棟内 ) 超伝導空洞量産研究のための新しい施設 (Cavity Fabrication Facility 通称、CFF ) MEC ATF/ATF2 STF KEK つくばキャンパス(北側上空より) 空洞製造技術開発施設 (CFF) CP(化学研磨)室 ( 2011年3月納入) プレス装置(2010年3月納入) 電子ビーム溶接装置 (2011年4月納入) ハーフセル トリム用 縦旋盤装置(2010年3月納入) 平成24年度技術交流会 電子ビーム溶接機 SST社 高電圧型 150kV×100mA 巾 3200mm 奥行き 1500mm 高さ 2200mm 真空チャンバー内寸 電子銃横置き 電子銃縦置き 9連超伝導加速空洞 平成24年度技術交流会 CFFにおけるハーフセルの深絞り プレスモーション クランクサンプルモーション CFFに設置されたプレス機。 サーボモーターによる制御で、 自在にプレスモーションを変化さ せることができる。 内形ゲージによる形状測定 平成24年度技術交流会 CFFにおけるハーフセルの製作 KEK-01号 9セル空洞製作のために、ニオブ製ハーフセルの深絞り とトリミングを行った。 トリム形状は、アイリス部: 突き合わせ形状、赤道部: インロー形状 ハーフセルトリミング ハーフセルをトリム加工用冶具に装着 赤道部をトリム(インロー形状) アイリス部をトリム(突き合わせ形状) スティフナ製作 端部プレス冶具でスティフナをプレス メス型をリリース 端部プレス冶具でプレスの前後 プレス後のスティフナをセルにあわせる 平成24年度技術交流会 スティフナプレス冶具でプレス 100kgf/cm2 1号機スティフナ製作は、最終寸法でプレスして いるため、端部カットの工程がスキップされた 電子銃縦ビードオン条件出し Gun固定 テーブル移動 Nb □150試料 銅ブロック アライメントターゲット 平成24年度技術交流会 バッキングプレート 電子銃縦ビードオン条件出し 表ビード 裏ビード 60kV 5mm/sec W.D 500mm 表ビード 裏ビード 120kV 5mm/sec W.D 500mm 平成24年度技術交流会 電子銃縦ビードオン条件出し 表ビード 裏ビード ビード巾 ビード巾 6.75mm 6.57mm 6.63mm 6.62mm 6.65mm 6.39mm 6.61mm 6.83mm 8番 7番 6番 5番 4番 3番 2番 1番 60kV 40-38mA 120kV 20-19mA 90kV 26.5-25.5mA 150kV 16-15mA 6.36mm 6.07mm 6.77mm 6.57mm 6.26mm 6.23mm 6.60mm 6.63mm 5mm/sec w.D 500mm 平成24年度技術交流会 60kV U:+150mA L:-150mA 120kV U:+135mA L:-145mA 90kV U:+150mA L:-150mA 150kV U:+160mA L:-180mA U:Upper Focus L:Lower Focus 電子銃横の水平打ち冶具 X軸移動用冶具 Z軸移動用冶具 バッキングプレート 銅ブロック Nb □150試料 アライメントターゲット 電子銃横水平打ち Gun移動上から下 テーブル固定 Gun移動下から上 テーブル固定 Gun固定 テーブル移動 平成24年度技術交流会 60kV× 40/42/38mA 120kV× 20/19/20mA 120kV× 20/22mA 150kV ×16mA 電子銃横ビードオン条件出し 平成24年度技術交流会 電子銃横ビードオン条件出し 最適溶接条件表7 Nb 2.0T 150x150 加速電圧 60kV-1 溶接速度 5mm/s W.D 500mm (Just Focus 1320mA @2.0mA) 2012年3月30日 安島、渡辺 ⊿IL(mA) フ ォ ー カ ス 電 流 値 500 7.9 □ 4.9 300 290 280 270 260 7.8 ○ 6.5 上限値 250 7 □ 4.9 240 6.7 □ 1.8 230 220 7 □ 4.7 200 7.8 ○ 7.1 7.3 ○ 5.6 210 190 6.7 ○ 5.4 180 6.75 ○ 6 170 160 150 140 130 7.19 ○ 7 7 ○ 7 6.79 ○ 6.3 5.8 □ 2.8 5.8 □ 3.5 6.56 ○ 6.3 6.7 ○ 7 120 110 100 90 80 70 5 □ 2 5.5 ○ 4.8 5 ○ 3 33 34 35 37 38 6.42 ○ 7.1 × 3 39 40 41 42 43 ビーム電流値 IB(mA) -60 -70 -80 -90 -100 4.5 ○ 4 5 □ 1.5 -110 -120 -130 5.2 △ × 1 5.5 ○ 5 5.5 ○ 5 -140 5.9 ○ 4.5 -150 6 □ 3.08 × 4 × 6.1 ○ 6.1 -200 -210 -220 × ⊿IL : +80 ⊿IL : -75 ⊿IL : +40 ⊿IL : -115 × 2 × 3 × 2 6.5 ○ 6.5 -170 -190 60kV ×40mA × 4 6.2 ○ 6.9 -160 -180 120kV ×20mA × 5 × (S) 36 下限値 5.5 ○ 6.5 × 4.8 ○ 5.5 × (S) 4.5 ○ 5 32 5.4 ○ 6.4 5 ○ 5 60 50 40 30 20 10 (1320) 0 -10 -20 -30 -40 -50 6.2 ○ 6.2 6.7 ○ 5.1 上限値 6.9 ○ 6 7 ○ 7 7.5 ○ 7 6.8 □ 4.6 -230 -240 -250 -260 -270 -280 6.5 □ 4 6.8 ○ 5.4 6.15 □ 2.09 -290 -300 5.92 △ 下限値 7.4 ○ 6 6.83 □ 4.72 -500 ○ 正常な裏ビード形成 (印の上段表ビード巾mm、下段裏ビード巾mm) × 溶接不良(穴あき,、スパッタ S) △ 裏ビードの形成不良(未貫通含む) □ 表ビードと裏ビードの幅の差が2mm以上の物 (上段表ビード巾mm □ 下段裏ビード巾mm)、くびれが大きいもの IL(フォーカス電流値)を、1000mA以下には設定できない。Just Focus1320mAに対してー320mA以下はテスト不可。プログラムエラーになる。 6 ○ 3.08の表記は左側の数値は表ビード、右側の数値は裏ビード 平成24年度技術交流会 電子銃横水平打ちアイリス条件出し 120kV×27,29,30mA スロープイン 50mm固定 最適溶接条件探索 120kV×29mA スロープイン 50mm固定 を最適とした 立ち上り 50mm Start 30mA 27mA 29mA L 写真右側半分 GUN横 板垂直 ビーム上から下 End L U L L 写真左側半分 GUN横 板垂直 ビーム上から下 L : Lower Focus U : Upper Focus 120kVx27mA 電子銃横水平打ちアイリス条件出し GUN横 板垂直 ビーム上から下 アイリス部(垂直移動) 突合わせ溶接T=2.6mm 溶接前寸法 溶接後寸法 47.88mm 48.01mm 47.66mm Start 47.78mm 47.88mm 48.01mm 47.46mm 47.62mm 47.86mm 48.01mm End 47.67mm 120kV×30mA ⊿L -120mA 5mm/sec 良いビード 120kV×30mA ⊿L +100mA 5mm/sec 良いビード 47.55mm 最大縮み 0.39mm 最大縮み 042mm 電子銃横水平打ちアイリス条件出し アイリス部 Nbパイプ試し打ち ビーム上から下 #1 120kV×31mA Focus -120mA ビードが太い(半周) #2 120kV×27mA Focus -120mA きれいなビード(半周) #3120kV×27mA Focus -80mA きれいなビード(一周) #4120kV×27(Top)-25mA Focus -80mA きれいなビード(一周) #5120kV×27(Top)-25mA Focus +90mA きれいなビード(一周) #6120kV×25(Top)-24mA Focus -70mA やや細いがきれいなビード(一周) #7120kV×25(Top)-24mA Focus +80mA 細く不安定なビード(一周) 120kV×27(Top)-25mA Focus -100mA きれいなビード、終端やや弱い(一周) #6’ 120kV×26(Top)-25.5mA Focus -90mA きれいなビード(一周) ビーム上から下の場合、裏ビード断面は台形 アイリス部 Nbパイプ試し打ち ビーム下から上 120kV×27(Top)-25mA Focus -100mA 穴あきビード(半周) #4’ 120kV×24(Top)-23mA Focus -100mA きれいなビード(一周) #5’ 120kV×24(Top)-23mA Focus -100mA Z-5mm きれいなビード(一周) #7’120kV×25(Top)-24mA Focus +80mA 穴あき(1/3周) #8’120kV×24(Top)-23mA Focus +100mA 穴あき(一周) #9’120kV×24(Top)-23mA Focus +130mA きれいなビード(一周) ビーム下から上の場合、裏ビード断面は山形(中心部が盛り上がる) また、ビーム上から下に比べ同じ電力で穴が開きやすい傾向にある。 電子銃横水平打ちアイリス条件出し 120kV×24-23mA 下から上 ⊿L -100mA 5mm/sec Slope in 45°24mA ⊿L -100mA Slope out 60°17mA ⊿L -400mA 60° 0mA ⊿L -700mA 120kV×27-25mA 上から下 ⊿L +90mA 5mm/sec Slope in 30°22mA 30° 27mA Slope out 60°22mA 60° 0mA Focusを変化させながらの終端部の形状 これまでの代表的な終端部の形状 End End アイリス部 条件探索 T=2.6mm 電子銃横水平打ちアイリス条件出し パイプ突き合わせ アイリス部 Nbパイプ試し打ち ビーム上から下 穴が開きにくい条件だが、裏ビードの断面形状の台形 盛り上がりが高すぎると判断した。 アイリス部 Nbパイプ試し打ち ビーム下から上 穴が開きやすい条件だが、裏ビードの断面形状が 比較的きれい。このため、パイプの突き合わせ溶接は ビーム下から上の最適条件で行うことにした。 120kV×24(Top)-23mA Focus -100mA 非常にきれいな裏ビードを形成した。 平成24年度技術交流会 電子銃横水平打ちアイリス条件出し 仮付け 120kV×15mA CCD画像 Start シーム溶接 120kV×15mA アイリス部突合せ溶接 φ82mm T=2.6mm 本溶接 120kV×24mA ダンベル製作 スライドブッシュとコイルスプリングを 使用しダンベルの溶接縮みを吸収 電子ビーム 電子ビーム溶接冶具 ダンベルを挟んで固定 EBW冶具の心棒をカバー するニオブパイプ 平成24年度技術交流会 ダンベル製作 パイプの時より熱容量が大きい と考えて、電流を若干増やした。 本溶接 120kV×24.5(Top)-24mA Focus -100mA 5mm/sec ビーム下から上 回転冶具に取り付け アイリス部 本溶接1個目 CCDで位置確認 穴あき 本溶接中 穴があいたので半周で 終了。パイプの時より 熱がこもることが判明し た。形状と輻射が大きく 影響していると考えら れる。 ダンベル製作 アイリス部 本溶接1個目の 残り半周 残り半周で電流を3mA減らして溶接 120kV×21(Top)-20mA Focus -100mA 5mm/sec 裏ビード非常に細い この条件と先ほどの穴あき条件の間に 最適条件がある。 ダンベル製作 本溶接 120kV×23(Top)-21.5mA Focus -100mA 5mm/sec ビーム下から上 ダンベル2個目,3個目,4個目 2個目: 裏ビードは一見非常に良い。ただし裏ビード形状が 凹になっており、際にところどころエッヂがある。 3個目、4個目 : 同じ条件にもかかわらず、裏ビードが非常に弱い箇所があった。 その部分は、のちほど化粧溶接をすることとする。 ダンベル製作 アイリス内面の化粧溶接 本溶接 120kV×24(Top)-23mA Focus +230mA 5mm/sec ビーム下から上 電子 ビーム 回転台 25度回転 ダンベル1個目、2個目 化粧溶接によりエッヂが消失し 大変きれいなビードが形成された。 残りのダンベルも全数化粧溶接をする。 ダンベル製作 アイリス内面の化粧溶接 溶接中 溶接前 溶接後 まとめ • アイリス部のEBWは、結果的に課題を残すこ とになった。 • 赤道部の溶接に向けて、さらに精度の高い溶 接条件探索する。 • 今年中のKEK#1号機の完成を目指す。 • 省力化・コスト削減を目指し企業への技術移 転を図る。(量産化) 平成24年度技術交流会 平成24年度技術交流会 加速空洞製作手順 Cavity (9 cell TESLA /TTF design) Cavity (9 Zeller) Hantel EndhalbzellEndrohr- Einheit kurz Dumb-bell EndhalbzellEndrohr- Einheit lang End group 1 End group 2 Stützring NormalhalbZelle NormalhalbZelle Endhalbzelle kurz Anbindung (end-kurz-lang) Nb-Blech Normalhalelle Hauptkopplerstutzen Endrohr kurz Flansch (Endflansch) HOM-Koppler kurze Seite Flansch (HauptkopplerStutzen) Rippe Rippe Flansch (end-kurz-lang) Bordscheibe lange Seite Flansch (Endflansch) Endhalbzelle lang HOM-Koppler lange Seite Antennenstutzen lang Endrohr lang Nb-Blech Normalhalbzelle HOM-Koppler DESY End-kurz-lang Formteil F Antennenflansch NW 12 Antennenflansch NW 12 HOM-Koppler DESY End-kurz-lang Formteil F lang by 早野 平成24年度技術交流会 シュタイガーバルト社 EBW機 (2月2日 Acceptance Test) ポリコールド ポリコールド+ クライオポンプ チェンバーの真空引き試験 ダンベル製作のためのアイリス部の溶接 電子ビーム 平成24年度技術交流会 テストダンベル製作 アイリス部EBW (東成、12月7日) 4つ目のテストダンベル ビーム電流 39 mA 37.5 mA 35 mA 回転角度 30度 400度 60度 60度 立ち上がりが急すぎる可能性があった。 本ダンベルの溶接時に調整した。 アイリス部の溶接パラメーター Beam Current (mA) アイリス部の溶接パラメーター: V = 120 kV, IB = 39 – 37.5 mA, Oscillation with dia. = 3.0 mm at 1 kHz Welding speed: 10mm/sec Rotation angle (degree) スロープイン、スロープアウトの両方で、2段階の傾きを導入。 スロープアウトの領域では、非常に滑らかな溶接ビードが得られた。しかし、2個のダンベルで、スロー プインの領域に不安定なビードが発生した。さらなる溶接パラメーターの研究が必要と考えられる。 平成24年度技術交流会 Nbスティフナ CP処理完了 ダンベル13個分のスティフナのCP処理を完了 Nbスティフナの製作 Nb平板 KEK0号機用の成形後のスティフナ 手動油圧ポンプ(20ton)によるスティフナの製作 Nbスティフナ CP処理(CFF-CP室) スティフナのCP処理 CFF CP室のドラフトにてCP液を建浴 純水製造装置 純水にて洗浄 スティフナのCP処理 EBW前後の縮み量 NCフライス盤を利用したケガキ間測定 Nbスティフナをダンベルに挿入 ダンベルの引き延ばし ダンベルにスティフナ挿入を完了 スティフナの挿入 スティフナの挿入 2ダンベル化 赤道部溶接EBW エンドグループの製造方法の研究 HOM カプラー HOM内導体 HOM外導体 しのはらプレスサービス(株)との共同研究 プレス成形によるHOM内導体の製造 当初、銅板による試験を行い、その後、ニオブ板で試験を行う ワイヤーカット で1次加工を 行い、 その 後、2次加工 (冷間鍛造)で 形を整える。 ウォタージェットによるHOM内導体の一次加工 Flow Japan GIFB-XD2513 Hyper Jet (87000psi) 圧力 70000psi 切断スピード133mm/min(20%) 研磨剤 Baton #HPA80 研磨剤供給量 400g/min ウォタージェットによる切出し加工 Nb 板厚10mm約3分 Nb・無酸素銅の切断加工 今後の予定(過去の空洞製作の写真を使用) Beam ダンベル6個の溶接作業 平成24年度技術交流会
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