2003年度 図書館活用論 Ⅰ 第7講 効果的検索方式と目録検索 (明治大学図書館庶務課システム担当 中林) 前回のおさらい 検索システムとは ある一定の規則で組織化された情報源から効率 的に必要な事項だけを抽出する仕組み 情報の組織化の手法は処理するコンテンツに よって変化 検索システムは対象情報源の規模によって変化 検索システムとは・・・・・・・ 情報の組織化と検索手法のコンビネーション。 検索システムのメリット/デメリット メリット 速い 何時でも,何処で も 情報の再利用 随時情報更新 デメリット 柔軟性 学習能力 ブラウジング ○コンピュータは万能ではない.過信は禁物! 検索方法① キーワード検索の構造 (キーワード検索はどのように行われるのか?) ① 利用者がキーワードを入力して検索実行 ② 登録された情報を辞書を使ってキーワードに分割 ③ 入力されたキーワードと一致するものを抽出 ④ 画面に結果として表示を返す. ○ 漢字キーワードは,人間が生成していない.コン ピュータが辞書を使って,検索ごとに作成している. 辞書によるキーワード生成の仕組 タイトルらのキーワード → 対外経済政策の現状と課題 • 助詞を削除→対外経済政策_現状_課題 • 辞書に登録されている単語単位で切り分け • →対外_経済_政策_現状_課題 • 区切られた単語の順序を見て追加キーワード作成 • → 対外経済政策_対外経済_経済政策 作成されたキーワード ①対外 ②経済 ③政策 ④現状 ⑤課題 ⑥対外経済政策 ⑦対外経済 ⑧経済政策 実習① キーワード検索の弱点 図書<BB00019981> 線型代数入門 / 齋藤正彦著 第41刷 出版・頒布事項 東京 : 東京大学出版会 , 1996.5 この資料を,漢字キーワードで探し出してください. 実習① 結果 検索結果と理由 ①線型_代数_入門 ②線型代数_入門 ③線型代数入門 ↓ ↓ ↓ ヒットしない! ヒットした! ヒットした! ↓ ↓ ↓ 辞書には“入門”あり タイトルそのもの ↓ ↓ 切れる単語だけで切る 辞書関係なし ↓ ↓ “線型代数” “入門” 順序関係なし 辞書にない! ↓ ↓ ↓ ヒットした ヒットした 実は.... ↓ “線型”は当字 ↓ ヒットしない 検索方法② 主題で検索する (探したいテーマで探す) タイトルだけでの主題検索は実質不可能 ↓ 分類検索を使う ○ 人間が,データを作成するときに,内容を見て付与する記号 ○ 統一規格,大学図書館はほぼ共通(十進分類法) ○ その資料の内容を数桁の数字で表現(参考資料①) ○ 数字ではなく,単語で表現するものあり→件名(参考資料②) ○ でも分類にはなじみがない,どうすれば簡単に主題検索でき るか)? 便利な主題検索方法① ① まずキーワードで検索 → “児童心理” ② 主題にあっていそうな一冊をクリック 便利な主題検索方法② ③請求記号の最初の区分に注目! •ここは,人間が付与した分類から生成されている. •桁数が多いほうが,細かく主題を検索できる. ④“371.45” が探してるテーマの分類である 便利な主題検索方法③ ⑤分類を入力して検索 371.45/19//H← これの第一区分を入力 ○分類に数字だけを入力→必ず半角数字で! 便利な主題検索方法④ ⑥検索結果はあなたの探す主題と一致! ○キーワード検索の結果と件数が変化した. ○件数が多い場合は,分類を入れたまま,キーワードを追加していく! ○実習2 主題検索にチャレンジ ①自分の研究テーマをキーワードでタイトルから検索 ②検索結果から,一つの資料を選択 ③請求記号を確認して,その第一区分を覚える. ④覚えた数字を,分類に入れて検索. ⑤主題と一致した検索結果が得られる. ⑥さらなる絞込みの為に,キーワードを追加 OPACをもっと使う ○データの再活用 → メール送信&ダウンロード(学外のみ) ↓ 卒論やレポートの参考文献リストを手早く作成 ○探している本が見つかったら,必ず周りの資料もチェック ↓ 請求記号は分類順.隣の資料も同じ主題(ブラウジング) ○検索だけじゃない.OPACからサービスも受けられる ↓ ポータルサービスを活用 PortalServiceとOPAC Portalとは“入口”のこと.→ 個人サービスへの入口 ○ここからログイン! PortalServiceでできること ○配送依頼 ○貸出延長 ・何時でも,何処でも ・予約がついているとダメ ・延長は1回だけ ・窓口と同じ規則 ○予約依頼 ・貸出中の資料だけ ・上限がある. ・利用可能かどうかも ・他館の本を取寄せる ・貸出中,予約本は できない. ・到着したかもPortalServce で確認 PortalServceで確認 ○PortalServiceに必要なこと ・ 大学の共通認証サービス用ID/Password ・ インターネットに接続できるコンピュータ ・明治大学に在籍していること その他のOPAC ○コンソーシアムOPAC 山手線沿線私立大学図 書館コンソーシアムの目 録券検索を順次的に検 索できる. コンソーシアム参加大学 の図書館は相互利用が 可能.直接出向いて資料 を使える. 貸出しも可能(一部) ○NII横断検索OPAC 学内のOPACから順次的 にNII(国立情報学研究 所)の目録情報を検索でき る どの大学が資料を所蔵し ているかが分かる.相互 協力を通じて,資料を利用 (レファレンスで対応) この機能は学内OPACの みで提供 山手線コンソーシアムOPAC ○利用方法 検索値を入力 検索先大学をクリック 検索結果とナビ大学一覧 が表示される. 検索値を変更しなければ, 何度でも,どの大学でもク リック一つで検索可能 ○実習3 コンソーシアムOPACを使う ○http://www.lib.meiji.ac.jp/cons_opac/html /index.html それぞれのOPACは特徴も違う.検索する ときは,一番スタンダードな検索値で. (→タイトルの読みが一番よい!) まず明治大学のOPACで検索. そのままコンソーシアムOPACで他大学の 所蔵を探そう 今日の授業の要点 目録検索システムは非常に便利だが完璧 ではない.(漢字キーワードの欠点) タイトルからだけではない,主題検索 手にした資料の周りの書架も見てみよう. 目録検索だけじゃない.→PortalService 明治だけじゃない.いろんなOPACも検索 できる. 時間があるときは,書架をブラウジングし てみよう 今日の課題 ① 漢字キーワードの問題点を述べる. (できれば事例も含めて) ② 分類がなぜ主題検索に適しているの か,その付与過程を含めて述べる.
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