技術戦略 経営情報システム工学専攻一年 07540891 安中 祐樹 目次 1.技術戦略とは 2.技術戦略を構成する要素 3.技術戦略における企業の取り得る戦略 4.考察 1.技術戦略とは • 「技術」とは企業が製品やサービスの開発・ 供給等に使用する、理論上、もしくは実際的 な知識、ノウハウ、技能、および製品やサー ビス • 技術戦略とは、その「技術」を管理し、経営戦 略に組み込む事 2.技術戦略を構成する要素 • ポジショニング • バリューチェーン • 範囲 • 深さ 2.1 ポジショニング ・ポジショニングとは、企業が市場において自らの ポジション(立ち位置) を自社の提供物等によっ て確立する事 大まかなポジションは以下の二つである • 市場の支配的企業 • 付加価値を提供する企業 2.1 ポジショニング 取られる行動は通常、二つである。 • 製品の差別化 自社の技術による、付加価値のついた商品展開 • コストの主導権を握る 数を売り、平均コストを下げる 2.1 ポジショニング ・また新規市場においては、早期に市場に参入 し、パイオニアとしてのポジションを得る 自社の強み(技術)を生かした行動は何か? 2.2 バリューチェーン ・バリューチェーンとは 顧客にとって付加価値の高い商品を提供す ると同時に、自社の付加価値の最大化を図る 技術によって如何に「価値」を高められるか? 2.3 範囲と深さ 範囲と深さの決定 ↓↓ コアコンピタンスとその周囲の技術の決定 ↓↓ 自社の競争範囲の決定 2.3 範囲と深さ • どのようにして決定するか? • PPM(プロダクト・ポートフォリア・マネージメン ト)という手法がある。これは、成長率とシェア の二軸で自社の事業を、「花形事業」「問題 児」「金の成る木」「負け犬」の四分類する手 法である 2.3 範囲と深さ • 出所 参考HP1 2.3 範囲と深さ • PPMは、資金に限りがある中で、企業がどの ような事業を持つべきかを考えさせる手法 • 理想は、「金のなる木」が生み出したキャッ シュフローを使い、「ワイルダ・キャット」の新 規事業に投資し、「スター」に育てる 2.3 範囲と深さ 将来性がある事業に対して重点的にリソースを集中 ↓↓ コアコンピタンスの選別と強化 必要なのは、メリハリのある、事業の選択と集中 3.取り得る戦略 技術戦略において、取り得る大まかな戦略は 二つに分けられる。 • A&D (Acquisition & Development) • R&D (Research & Development) 3.1 A&D • A&Dとは 外部の技術を企業買収等で自社内に取り込 み、製品開発力を強化するための手法。 主に、米国のIT企業が行う 3.1.1 シスコシステムズ • 1984年にルータ技術を元に米国で創業 • 1994年度には12億ドルの売り上げ • 2000年度には189億ドルの売り上げを記録 3.1.1 シスコシステムズ ハードは18ヶ月、ソフトは6ヶ月で陳腐化 ↓↓ 自社の資源で6ヶ月以内の新製品開発が困難で あれば、買収によって資源を獲得 3.2 R&D • R&Dとは 自社内の資源を使って研究し、製品開発力 を強化するための手法。 主に、日本の製造業を主とする企業が行う 3.2.1 R&Dの有効性 • R&Dの有効性について、米企業1008社を対象とし てマッキンゼー社が調べた • 結果、製薬業界においては有効であると結論づけ られているが、コンピュータのハード・ソフトウェア や半導体についてはむしろマイナスである 4.日本企業の技術戦略 • 日本企業の技術戦略の根幹にR&Dがある事は疑 いの余地が無い。 • では、そのR&Dは効率的に行われているのか? • 研究開発費と設備投資の面から確かめる 4.日本企業の技術戦略 4.日本企業の技術戦略 • 前頁の図は1980年から1987年までの期間に おける上場製造業企業の研究開発費と設備 投資額の推移である(出所 参考文献2) • これを、R&Dの効率低下と見るか、企業の基 礎研究が増え日本の企業の技術が最先端技 術になった、と見るか 4.日本企業の技術戦略 • 当時の経営陣はこれを日本の技術が最先端 になったと感じていた ↓↓ これは、当時、日本の産業競争力が際立ち「基 礎研究のただ乗り」と揶揄されて、多くの企業 で基礎研究所設立ブームが起きていた為 4.日本企業の技術戦略 4.日本企業の技術戦略 • また、この頃から日本企業の技術戦略は内 向きになるようになった。 • 前頁の図は国際的な戦略技術提携の件数 ベースの日・欧・米の比較である(出所 参考 文献2) 4.日本企業の技術戦略 • なぜこうなったのか? • 外部者による企業乗っ取りの阻止や、取引軽 減・金融支援・一括発注・事業安定・雇用確 保等を目的とした企業系列の存在 • プロジェクトの頑なまでの保持 • 特定個人の判断による幸運な結果 5.まとめ • 日本は戦後、欧米企業から技術を教えて貰 い、米国という巨大な市場で、大量生産・ロー エンド市場で成長した • これは当時、技術が安価で移転可能だった からである • そして今、中国・インドが当時の日本と同じ立 場にいる 5.まとめ • 技術による優位性は時間経過によって無くな る。技術にはある程度の公共性があり、簡単 に移転される • しかし、そこには幾ばくかの「時間」がある • 得られた時間をどう生かすかが、技術戦略の 肝 参考文献 1.Technology Strategy: An Evolutionary Process Perspective .Robert A Burgelman, Richard S Rosenbloom 2.日本企業の研究開発の効率性はなぜ低下 したのか.榊原清則,辻本将晴,内閣府経済社 会総合研究所.2003年1月 3.企業の社会的責任の今日的展開と日本企 業の閉鎖性(世界の中の日本企業).櫻井克彦. 経営学論集.pp41-51.1994年9月 参考HP 1.Resource Center : プロダクト・ポートフォリ オ・マネジメント(PPM) , http://www.innovetica.com/resource_06.html ,2007年7月
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