PowerPoint プレゼンテーション

<EPA特定原産地証明書発給セミナー資料>
EPAとビジネスチャンス
(繊維分野を例にした原産地考え方と
その活用について)
2010年2月
日本繊維産業連盟 常任幹事
(東レ(株)経営企画室 部長)
伊集院 秀樹
1
日本繊維産業連盟の組織と活動
1.設立とその背景
1970年1月に設立。1968年頃から米国の繊維品輸入
規制の動きが高まる中で、政・官、財界および国民に
対して、繊維業界が一丸となって総合的な対応を講ず
る必要との判断により設立された。
2.組織
会員27団体
・日本紡績協会
・日本化学繊維協会
工業組合連合会
・日本羊毛紡績会
・日本被服工業組合連合会
・日本綿スフ織物工業連合会
・(株)大阪繊維リソースセンター
・日本絹人繊織物工業組合連合会
・日本アパレルソーイング工業組合
連合会
(1)会員 主要繊維関係団体26団体及び主要繊維
産地20支部、顧問3団体、賛助会員52社
・日本毛織物等工業組合連合会
(2)会長
・日本毛整理協会
下村 彬一(2009年1月就任)
・全日本婦人子供服
・日本染色協会
・日本百貨店協会
・(社)繊維評価技術協議会
(注)下線は常任委員9団体
(3)総会(年1回) 主要全団体による年度活動方針、
予算、人事などの決議機関
・日本ニット工業組合連合会
(4)常任委員会
会長と常任委員9団体長、顧問で構成し、
重要課題を討議。
・日本輸出縫製品工業組合
・日本織物中央卸商業組合連合会
・日本百貨店協会
3.基本指針
・日本撚糸工業組合連合会
・日本チェーンストア協会
・・日本麻紡績協会
・繊維産業流通構造改革
-創造と信頼- “提言と実行”
4.主な活動
(1)政府、国会などに対する政策の提言
(2)民間による通商交渉(FTA/EPA)の推進
(3)海外の繊維業界、団体との交流および
産業協力の推進
・日本靴下工業組合連合会
・日本繊維輸出組合
・日本繊維染色連合会
・日本タオル工業組合連合会
・日本製網工業組合
・日本繊維輸入組合
・日本アパレル産業協会
顧問団体
推進協議会
賛助会員52社
全国で3万社近い事業者
50万近い従業者が傘下に
・日本インテリアファブリクス協会
2
日本の繊維貿易の推移
(億\)
4000
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
-500
-1000
-1500
-2000
-2500
-3000
ニ
ク
ソ
ン
シ
ョ
ッ
ク
(右軸)
為替レート
(\/$)
400
プ
ラ
ザ
合
意
350
輸入
(左軸)
300
250
輸出(左軸)
オ
イ
ル
シ
ョ
ッ
ク
バブル崩壊と
200
第2次円高ショック
150
100
50
輸出-輸入(左軸)
0
’65
’70
’75
’80
’85
’90
’95
’00
’05
(年)
停滞し続ける輸出の拡大は繊維産業の最大の課題の一つ⇒FTA/EPAの活用は重要な課題
出所:日銀、化繊ハンドブック、国連統計(1965-1969)
3
日本繊維産業連盟の2010年度活動方針
1.繊維産業の構造改革の推進
2.新素材・新商品・新技術の開発
3.環境問題、製品安全問題への
取り組み
(1) 需要構造の変化に対応した国内生産基盤の再構築
(2) 国際的な環境変化に対応したグローバルな事業構造改革
(3) 国内の流通構造改革の推進(取引慣行の改善)
(4) 産地活性化と中小企業の自立化推進
(5) 業界団体再編による活動基盤強化
(1) 新素材・新商品・新技術の開発促進
(2) 繊維クラスターによる産学官連携の研究、開発促進
(1) 環境問題への取り組み (2) 製品安全問題への取り組み
4.情報発信力・ブランド力強化
(1) 技術と感性を融合させた日本素材の徹底訴求
(2) ジャパン・ファッション・ウィークをコアとする日本ファッション振興イベントの積
極的展開
5.通商問題への積極的な対応と
工商一体の貿易拡大
(1) FTA/EPAの積極活用とアジアとの連携強化
(2) 業界ベースの FTA/EPA交渉への積極的関与
(3) 海外市場の積極的な開拓 (4) 中小企業の輸出振興
(5) 知的財産問題への対応 (6) 貿易救済措置の機動的な発動の働きかけ
6.国内事業基盤の維持強化
(1) 高コスト構造の是正 (2) 中小企業向け金融支援の継続の働きかけ
(3) 行き過ぎた円高への対応
(1) 必要な人材の確保・育成 (2) 人が育つ環境の整備
7.人材の確保と育成
8.税制問題への対応について
9.国際化への積極的対応
(1) 中小企業対策税制の抜本強化 (2) 法人実効税率の引下げ
(3) 環境税導入反対 (4) 事業所税改正
(1) 第4回世界四極会議の開催(5月頃を予定、米国)
(2) 第5回日中繊維産業発展・協力会議の開催(時期検討中、中国)
(3) 第24次日韓繊産連(聯)年次合同会議の開催(時期検討中、韓国)
(4) アセアン諸国の繊維産業との緊密な関係を維持強化
(5) WTOのドーハラウンド最終合意に向けた欧米の繊維産業との連携強化
(6) アジア化繊産業連盟など、各種繊維業界団体の国際化への積極的な取り
組み支援
44
日本の繊維業界のFTA/EPAに対する
基本理念と重要な枠組み
基本理念
相互の繊維産業
の将来の発展
+
第三国の
Free Rideの回避
重要な枠組み
相互国の
繊維主要工程の
連携、活用
糸・綿
テキスタイル
縫 製
2工程
原産地規則
(2工程基準を
基本とするPSR)
2工程
繊維産業は工程間の連携が付加価値を生む‘摺り合わせ型産業’
相互国の繊維産業発展のために工程間連携を促進する仕組みが重要
ともすれば途上国は縫製1工程の原産地に固執するが、労働集約型の
縫製のみならず技術集積型装置産業であるテキスタイル産業の発展を
促進する仕組みが重要
現状の
貿易関係を
乗り越えた
ハイレベルなFTA
相互の商品の
強みを活かした
貿易の拡大
全品目
即時関税撤廃
5
WTO協定における関税とEPA特恵関税の関係
WTOにおける原則
EPAを結んだ場合
全ての加盟国に同じ関税率
タイ
0%
10.9%
日本
10.9%
中国
10.9%
15%
タイ
特恵税率
日本
10.9%
中国
10.9%
米国
米国
非加盟国
出典:外務省ホームページ等から東レ作成(資料中の関税の数字は概念をわかりやすく説明する為のものあり実例は品目毎に確認が必要です)
6
(抜粋サンプル)実行関税率表 第61類
第61類 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
統計番号
品名
Statistical code
Description
番号
基本
暫定 WTO協定
General Temporary WTO
H.S. code
男子用のオーバー
コート、カーコート、
ケープ、クローク、アノ
ラック(スキージャケッ
トを含む。)、ウインド
チーター、ウインドジャ
ケットその他これらに
類する製品(メリヤス
編み又はクロセ編み
のものに限るものと
し、第61.03項のものを
除く。)
61.01
特恵
GSP
関税率(経済連携協定)
Tariff rate (EPA)
特別特恵 ・・ マレーシア ・・
タイ インドネシア
LDC ・・ Malaysia ・・ Thailand Indonesia
無税
無税
無税
・
・
・
・
・
・
・
16.8%
10.9%
10.9%
無税
2 その他のもの
14%
10.9%
10.9%
無税
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
010
1 ししゆうしたも
の、レースを使用
したもの及び模
様編みの組織を
有するもの
020
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
0%
綿製のもの
6101.20
・
・
・
・
関税率
Tariff rate
7
FTA/EPAにおける原産地規則
FTA/EPAによる免税を享受するためには、原産地規則をクリアする必要あり
原産地規則とは
○国際的に取り引きされる商品の国籍(原産地)を認定するためのルール
○「非特恵原産地規則」と「特恵原産地規則」の2つに大きく分類できる。
FTA/EPAの
原産地規則は
こちら
非特恵原産地規則
特恵原産地規則
貿易統計上どの国の産品とするか、原産地表示
をどうするか、というときに用いる規則。通常は最
終的な加工が行われた国が原産国
特恵関税制度やFTAによる免税など、特別な待
遇を受けるための適格性の有無を決定するとき
に用いる規則。迂回輸入を防止し、協定に基づく
特恵貿易を適切に運用することを目的としており、
FTAごとに内容が異なる。非特恵原産地規則よ
り厳格な場合が多い。
【日本の場合】
糸・・・紡績又は紡糸された国
織物・・・織布された国、又は染色加工された国
衣類・・・縫製された国
FTAの原産地規則について、
国内産業を保護する立場
は「厳格なルール」を希望、
貿易促進を目指す立場は
「緩やかなルール」を希望。
出所:東レ経営企画室作成
FTAを結ぶ国の
産業競争力の
違いにより、
原産地規則は
様々
FTA/EPA毎に異なる原産地規
則が錯綜しており、運用が煩雑
になる懸念あり
(スパゲティボウル現象と呼ばれ
ている)
8
FTA/EPAにおける原産地規則について
FTA/EPAにおける原産地規則の意義
特恵関税受益
第三国のFree Ride排除
域内投資・進出促進
締約国を原産地とする産品について
特恵関税を受益しようとする他国
当該FTA域内での生産メリット
通常関税よりも低率または無税の特
産品を排除する
が増加するため、投資・進出
恵関税が適用される
が促進される場合あり
原産地決定方法の比較
具体例(プリント織物の場合)
①関税分類(番号)変更基準
産品と使用原材料の関税分類(番号)
が異なること
関税番号が1回変更すればよいというルールの場合、
糸から製造すればよい(=域内で織布すればよい)
②加工工程基準
重要と認められる加工が行われること
プリントが「重要と認められる加工」とされるルールの場合、
白生地から製造すればよい(=域内でプリント加工すればよい)
③付加価値基準
一定比率以上の付加価値が加わること
40%以上の付加価値というルールの場合、
(域内原材料・部品価格+人件費+一般諸経費+利益+その
他コスト)÷FOB価格≧40%であればよい
上記具体例は概念の説明用であり実例ではありません。
上記①、②、③を応用、あるいは組み合わせて、個別品目ルール(Product Specific
Rule:PSR)が定められる場合も多い
出所:財務省資料に基づき東レ経営企画室作成
9
FTA/EPAにおける原産地規則とEPA特恵関税の関係
(日タイEPAを例としたイメージ図)
原産地表示は
日本製となるが
EPA特恵関税は
適用されない
第3国
(中国等からの生地輸入)
日
本
染
織
EPAの原産地
規則を満たし
(織・染+縫製)
EPA関税が
適用される
縫製
30
%
日本
タ
イ
染
織
日本
縫製
0%
日本
EPA特定原産地証明書でEPAの原産地規則を満たしていることを証明
EPA特恵関税については、EPA発効後即時撤廃(0%に)の場合、5年間や10年間かけて段階的に0%に削
減していく(ステージング)があるが、日本のEPAにおける繊維分野は即時撤廃を原則としている。
出所:東レ経営企画室作成
10
日本のEPAにおける繊維品原産地規則
加工工程を重視した関税分類(番号)変更基準(2工程基準を基本としたPSR)
関税分類(番号)の変わるところが、工程が変わるところが合致しており、実ビジネスで使いやすい。
(但し、染色加工工程の前後では、関税分類(番号)が変更されないことに注意)
HS 29, 39,
紡糸
4701~4706
HS 5401
~5406
化合繊
フィラメント
化成品
品目
生機はヤーンフォワード
(糸段階からの製造)
染織物・染編物は、*一定
の染色仕上を域内で行う
場合は、ヤーンフォワード
が緩和される(輸入糸使
いのテキスタイルでも原
産承認される)
織布
染色
プリント
HS 5407
5408
化合繊F織物
HS 6201
~6217
縫製
加工
アパレル
=原産地が付与されるために
域内(FTA締約国内)で行うことが必須の工程
製糸or紡績
織布or編立
染色仕上
縫製
糸
生機
染織物・染編物
布帛製衣類
ニット製衣類
*1つの染色工程と2つ以上の準備仕上工程を経ること (1+2ルール)
染色工程とは「糸染め、浸染または捺染」 準備工程とは「漂白、マーセライズ加工、減量加工 等」
出所:東レ経営企画室作成仕上工程とは「カレンダ仕上げ、ブラッシング、せん毛、圧縮縮重仕上げ、撥水加工、抗菌防臭加工
等」
11
日本とアセアンとのEPA(繊維分野)の合意内容
(注)関税譲許(自由化)欄の記載は相手国の輸入関税に関するもの。日本の輸入は即時撤廃。
後発発展途上国(LDC)3国:CLM
アセアン主要7ヶ国(6ヶ国+ベトナム)
シンガ
ポール
関税
譲許
マレー
シア
タイ
インド
ネシア
ブル
ネイ
フィリ
ピン
大半の
品目が
10~12年
後に
関税撤廃
即時撤廃
日本との2国間
経済連携協定
原産地
規則
関税
譲許
ベト
ナム
日アセアン包括的
経済連携協定
(AJCEP)
原産地
規則
出所:経済産業省資料を基に東レ(株)経営企画室作成
ラオス
ミャンマー
2国間経済連携協定
は
締結予定なし
日本向け(輸入)は
LDC特恵関税の適用あ
り
2工程基準を基本としたPSR
(ファブリックフォワード)
即時撤廃
カンボジア
一部の
品目で
4~10年
後に
関税撤廃
大半の
品目が
10~15年
後に
関税撤廃
大半の品目が
10~18年後に関税撤廃
(一部関税削減されない品目あり)
2工程基準を基本としたPSR
(ファブリックフォワード)
12
日本からASEAN(タイを例に)への輸出の場合(1)
糸
糸+織の2工程で
EPA原産地規則を
満たす
日本
糸
糸
第3国(中国など)
染1工程では日本
原産と認定されない
出所:東レ経営企画室作成
日本
5%
日本
織
日本
日本
タ
染
織
糸
第3国(中国など)
糸
第3国(中国など)
日本
糸染
日本
織
第3国(中国など)
0%
日本
糸
第3国(中国など)
糸染+織・仕上げで
EPA原産地規則を
満たす
0%
織
糸
織+染の2工程で
EPA原産地規則を
満たす
日本
織
タイ
織1工程ではEPA
原産地規則を
満たさない
0%
織
染
0%
イ
日本
織+仕上
0%
日本
染
日本
5%
13
日本からASEAN(タイを例に)への輸出の場合(2)
糸
織・染+縫製2工程を
満たしており
EPA原産地規則を
満たす
日本
糸
第3国
(中国など)
糸
第3国
(中国など)
糸
染+縫製ではEPA
原産地規則を
満たさない
縫製1工程ではEPA
原産地規則を
満たさない
編+縫製で
EPA原産地規則を
満たす
第3国
(中国など)
糸
第3国
(中国など)
糸
織
染
日本
日本
織
染
日本
日本
織
染
インドネシア
日本
織
染
第3国
(中国など)
織
第3国
(中国など)
縫製
日本
縫製
縫製
0%
タ
日本
縫製
日本
日本
染
縫製
第3国
(中国など)
日本
糸染
第3国
(中国など)
0%
日本
編み~縫製一貫
第3国
(中国など)
0%
日本
30
%
イ
30
%
0%
14
ASEAN(ベトナムを例に)への持ち帰り輸出、輸入の場合
生地輸出
織・染+縫製2工程で
EPA原産地規則を
満たす
糸
第3国(中国など)
染+縫製2工程では
EPA原産地規則を
満たさない
織・染+縫製2工程で
EPA原産地規則を満た
す(日越EPA活用)
糸
第3国
(中国など)
縫製1工程では
EPA原産地規則を
満たさない
(一度第3国に輸出して
しまうと累積とは成らず
縫製一工程となる)
出所:東レ経営企画室作成
縫製
0%
ベトナ
ム
日本
織
染
第3国
(中国など)
日本
縫製
ベトナム
10
%
製品輸入
糸
第3国(中国など)
織・染+縫製2工程で
EPA原産地規則を満た
す(AJCEP累積活用)
染
織
製品持ち帰り
糸
ベトナム
第3国(中国など)
糸
日本
染
織
第3国(中国など)
糸
染
織
タイ
織
0%
ベトナム
縫製
0%
本
ベトナム
染
第3国(中国など)
織
縫製
日
染
第3国(中国など)
縫製
ベトナム
縫製
ベトナム
10
%
10
%
15
ASEAN(ベトナムを例)への持ち帰り輸出、純輸出の場合
の原産地証明書の発給手続き
1.純輸出(EPA)
日本
ベトナム
生地(織物)輸出
縫製後、ベトナム国内で消費
日本からの生地輸出:「織布+染色」又は「紡糸+織布」の2工程が日本で行われた
ことを確認後、商工会議所にて特定原産地証明書を取得する必要あり
2.持ち帰り輸出(EPA)
日本
生地(織物)輸出
ベトナム
縫製品を日本へ持ち帰り
日本からの生地輸出:織布の1工程が日本で行われたことを「宣誓書」により自己証明
(原則として商工会議所での原産地発給手続きの必要なし)
16
日アセアン包括的経済連携協定(AJCEP)での
原産地規則(抜粋)
品目
関税番号 締約国内において規則を満たすために必要な加工
(HS)変更 工程数
具体的工程
織布生地
絹・毛・綿・麻・合繊長繊維・合繊短繊維
2or1
2
ニット生地
絹・毛・綿・麻・合繊長繊維・合繊短繊維
2or1
2
ニット衣類・織布衣類(HS61-62類)
2
2
紡糸or紡績+織布
又は
a.先染め(糸染色)+織布
b.織布+後染め
紡糸or紡績+編み立て
又は
a.先染め(糸染色)+編み立て
b.編み立て+後染め
織布or編み立て+縫製
家庭用品(HS63類)
2
2
織布/編立+縫製/組立
2or1
2or1
紡績+織布又は原料からの加工
ロープ、ひも、網(HS5604-5609)
2
2
カーペット、じゅうたん(HS57類)
3or1
衣類/二次製品
(HS61-63)
衛生用品・フェルト・不織布(HS5601-03)
産業用資材等
特殊織物、テリータオル、レース、刺繍布
(HS58類)
画用カンバス等(HS5901)
タイヤコード(HS5902)
コーティッドファブリック、壁画被覆材等(HS590309)
紡織用繊維の物品及び製品(フェルト等)
(HS5911)
出所:経済産業省
紡績+製品への加工
紡糸or紡績+織布+じゅうたんへの加工又
3or1
は原料からの加工
2
2
紡糸・紡績+織布
2
2
織布+製品への加工
3
3
紡糸or紡績+織布+タイヤコード(+ディップ
加工.011-012)への加工
2
2
織布+塗布加工(ウレタン、プラスティック等)
2
2
織布+加工(圧縮)
17
暫8とEPAの関係
暫8:関税暫定措置法8条、委託加工再輸入減税制度
(加工又は組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税)
日本
生地輸出
暫8
ベトナム
委託加工が条件
生地価額部分:関税 0%
縫製価額部分:関税 10%
縫製品持ち帰り
生地輸出
EPA
生地価額部分:関税
縫製価額部分:関税
出所:東レ経営企画室作成
通常の輸出入で可
0%
0%
縫製品輸入
18
特恵関税制度とLDC特恵関税について
1.特恵関税制度における原産地規則
特恵関税制度における衣類の原産地規則は、関税暫定措置法施行規則別表(第9条関係)にて、
下記の通り規定されている。
HS61類
HS62類
該当製品
ニット製衣類 (靴下、手袋等の小物を含む)
布帛製衣類 (ショール等の小物を含む)
必要工程数
3工程 (糸・編・縫製)
1工程 (縫製)
2.LDC(Least Developed Countries:後発開発途上国)について
LDCとは
国連開発政策委員会が認定した基準に基づき、国連経済社会理事会の審議を経て、国連総会の決議
により認定された途上国の中でも特に開発の遅れた国々のことである。
LDC
認定国
現在世界で50ヶ国がLDCと認定されており、アジアは10ヶ国(アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、カンボ
ジア、ラオス、ミャンマー、モルディブ、ネパール、東ティモール、イエメン)、
その他はアフリカ34ヶ国、大洋州5ヶ国、中南米1ヶ国となっている。
3.LDC特恵関税制度について(一般特恵関税との比較)
一般特恵
関税
国連開発会議(UNCTAD)での合意に基づき、先進各国が自主的に行っている制度で、開発途上国か
ら輸入される物品に対し、最恵国税率(WTO加盟国で適用している税率)よりも低い税率を適用するこ
とにより、開発途上国からの輸入を促進し、ひいてはそれら諸国の経済発展に資することを目的として
いる。
LDC特恵関税
LDC産品に対して無税・無枠(関税及び数量制限がない)という更なる優遇措置を与えるものである。
出所:東レ経営企画室作成
19
補足資料
20
世界主要国・地域の主要繊維品の関税率比較(2009年)
品
目
合繊短繊維
合 繊 長 繊 維糸
合繊紡績糸
合 繊 織 物
日
本
6.6
6.6
6.6
FY 5.3~5.7
SF 5.3~6.6
1.9%又は13円/kg
糸
の高い方
5.6%又は4.4%+
綿
米
国
E
U
韓 国
8.0
8.0
8.0
FY 8.0
SF 10.0
台 湾
1.5
1.5~4.0
4.0
(%)
国
中
5.0
5.0
5.0
FY 10.0
SF 10.0~18.0
4.3
7.5~8.8
9.0~13.2
FY 8.5~14.9
SF 12.0~14.9
4.0
4.0
4.0
3.7~12.0
4.0
8.0
4.0
5.0
6.5~15.5
8.0
10.0
7.5~10.0
10.0~12.0
6.0
3.8~4.0
8.0
7.5
5.0
25.0
8.0
13.0
10.0
10.0
10.5~12.0
綿製衣類
14.0-17.5
化合繊製衣類
16.0-20.0
8.0
7.5~10.0
1.52円/㎡の高い方
綿
織
物
(ポプリン)
3.7%又は2.9%+
1.01円/㎡の高い方
(その他)
糸
2.7
毛
毛
衣
織
物
7.9%又は130円/㎡
の高い方(200g/㎡超)
ニット外衣 10.9
セーター 9.1-10.9
ニット下着 7.4
類
布帛外衣 7.4-9.1
布帛下着 7.4-9.0
出所:化繊協会 繊維ハンドブック
化合繊ニット外衣
28.2-32.0
化合繊ニット下着
14.9-15.6
綿シャツ類 15.4-19.7
綿下着類 6.1-11.2
12.0
13.0
21
世界主要国・地域の主要繊維品の関税率比較(2009年)
品
目
合繊短繊維
タ
イ
ポリエステル、
アクリル 1.0
その他 5.0
インドネ シア
ポリエステル 5.0
アクリル 0
マ レ ー シ ア
フ ィ リ ピ ン
0
1.0~3.0
イ ン ド
ナイロン 10.0
その他 5.0
(%)
パ キ ス タ ン
4.5~6.5
ポリエステル加工糸,
合 繊 長 繊 維糸
5.0
5.0
合繊紡績糸
5.0
5.0
合 繊 織
綿
綿
織
毛
毛
織
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
10.0~15.0
5.0
10.0
5.0
10.0
物
糸
物
糸
物
ナイロン加工糸 10
その他 0
アクリル純糸 0
その他 10.0
10.0
10.0
10.0
0
0
3.0~7.0
ナイロン 10.0
その他 5.0
5.0~9.0
7.0
5.0
9.0
5.0~10.0
7.0
10.0
1.0
1.0
10.0
10.0
10.0
10.0
10.0
15.0
5.0
25.0
5.0
15.0
15.0
10.0
25.0
オーバーコート類 0
衣
類
30.0
15.0
スーツ、ジャケット類 15
その他 20
出所:化繊協会 繊維ハンドブック
22
日本の繊維貿易の地域・国別輸出入額(2008年実績)
輸出
金額
輸入
構成比
(百万円)
アジア
62,290
1.8%
台湾
31,241
3.3%
46,179
1.3%
中国
351,384
37.3% 2,596,640
75.7%
香港
82,169
8.7%
4,919
14.7%
288,244
8.4%
他東南アジア
6,871
0.7%
12,921
0.4%
インド
8,740
0.9%
38,893
1.1%
パキスタン
2,231
0.2%
9,050
0.3%
52,144
5.5%
4,250
0.1%
720,088
76.5% 3,063,386
89.3%
100,615
10.7%
243,771
7.1%
11,407
1.2%
20,510
0.6%
112,022
11.9%
264,282
7.7%
76,804
8.2%
62,605
1.8%
7,065
0.8%
16,329
0.5%
83,869
8.9%
78,934
2.3%
アフリカ
19,764
2.1%
12,879
0.4%
大洋州
5,548
0.6%
11,404
0.3%
100.0% 3,430,885
100.0%
北米
中南米
世界計
941,292
*アセアン10ヶ国
香港
9%
台湾
3%
0.1%
137,999
その他欧州
その他
中国
37%
5.0%
EU
輸出
(百万円)
47,310
西アジア
米州
構成比
韓国
アセアン*
欧州
金額
アセアン
15%
韓国
5%
アフリカ・大洋州
3%
米州
9%
他アジア
7%
欧州
12%
輸入
中国
76%
台湾
1%
韓国
2%
アフリカ・
大洋州
1%
米州
2%
欧州
8%
他アジア
2%
香港
0%
アセアン
8%
出所:化繊協会
23
日本の経済連携協定に関わる交渉経過
2006年
(2009年10月現在)
2007年
3月
改正議定書
署名
シンガポール 01年1月交渉開始
02年1月署名、同年11月発効
メキシコ
02年11月交渉開始
04年9月署名、同年4月発効
マレーシア
04年1月交渉開始
同年12月署名
フィリピン
04年2月交渉開始
04年11月大筋合意
12月発効
9月署名
3月署名
9月発効
11月発効
4月署名
04年2月交渉開始
05年9月大筋合意
交渉
2月
交渉
7月発効
8月署名
05年7月交渉開始
交渉
政府間研究(05年10月~)
2月署名
5月
9月発効
交渉
10月発効
12月署名
2月 検討会合
1月
交渉
11月妥結
04年2月政府間協議開始
アセアン全体04年11月交渉開始合意
交渉
12月発効※
4月署名
7月
(持ち回り方式)
交渉再開に向けた
実務者協議(審議官級)
03年12月交渉開始
04年11月以降交渉中断
GCC(湾岸協力会議)
豪州
7月発効
6月署名
6月
準備会合
ベトナム
インド
5年目
再協議
交渉
スイス
韓国
9月
改正議定書
発効
2010年
交渉
2月
ブルネイ
インドネシア
2009年
7月発効
チリ
タイ
2008年
5月準備会合 9月
交渉
共同研究会(05年7月~06年7月) 1月
政府間研究
(05年11月~06年12月)
交渉
4月
ペルー
※AJCEPは、効力発生の通知を行った国から順次発効。
交渉
民間(JETRO)
研究会
5月
交渉
出所:経済産業省
(2010年1月時点では、日本、シンガポール、ラオス、ミャンマー、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、タイ、及びカンンボジアの9カ国)
24