ドイツの医師国家試験 口答試験 実施要領 医師試験第3部(学部6年終了時) 1 ドイツでは口答試験を重視(実力がよく分かる) 1970年にマルチプルチョイスを導入するまでは 全部口答試験であった。 現行規定 前期試験学部2年 筆答 口答 第1部 学部3年 筆答 第2部 学部5年 筆答 口答 第3部 学部6年 口答 2003年以降 第1部 学部2年 筆答 口答 第2部 学部6年 筆答 口答 2 医師国家試験 出題カタログ 3 国家試験は州政府の試験局が実施 試験委員は州政府の試験局が任命 試験委員会 構成:委員長、3―4名の委員、1名の書記。 試験の対象となっている科の教員が任命。 医師試験第3部では、これ以外に、大学の教 官でない医師、とくに開業医を委員とし て任命することができる。 委員長は、自分も試験官であるが、受験生 への質問が適切であるかを注意し、規 則が守られることへの義務がある。 4 委員は試験の間はその場にいなければなら ない。 しかし、受験生が患者に専心しなければなら ないとき、患者の要望や、患者の利益とい う根拠があるときは、委員長は一時的に委 員長と委員1名だけで試験を行うことを認め ることができる。このような場合には、同時 に受験している他の受験生も席を外す。 5 一回に試験する受験生は4名を超えてはなら ない。 管轄官庁は監視官を派遣することができる。 委員長はこの期の試験を受験する医学生5 名まで、州の大学教員の委員1名、および 管轄医師会の代理人1名が試験に同席す ることを許可しなければならない。しかし、 成績を告げるときには上記の者は席を外さ なければならない。 規則違反やカンニングの結果は州試験局が 決定を下す。 6 口答試験は「可」の評価までが合格となる。 受験生の試験経過、試験の対象、試験成績、 不正などは委員全員が署名。所定の様式 の記録書を作成する。 委員会は多数決で決定。意見同数のときは、 委員長の意見が優先する。委員長は受験 生に結果を口頭で伝える。評価が「不可」 のときは、理由を示し、文書にこれを記入 する。州試験局は受験生に結果を書面で 伝える。 7 口答試験は4名の受験生の場合、最低4時間、 最高5時間をかけて実施。 臨床実地領域から実地的な問題。一般医学 的および諸科にまたがる設問。内科、外科、 その受験生が最終学年の病院実習で実地 を経験した科を含む。 1 それ以外の臨床の科、とくに小児科、産婦 人科、神経科、病理学、薬理学、中毒学、臨 床薬理学、老人医学の質問も含む。 8 2 医学的社会学、とくに社会、家庭、職業の 健康に与える影響。 3 医学の歴史的、精神的、倫理的な基本の 質問にも及ぶ。 受験生は習得した知識を実地に応用するこ と、医師に必要な基礎知識や技能と能力 を身に付けたことを、症例に関連付けて示 さなければならない。とくに以下のことを証 明しなければならない: 9 1 ヒストリー作成、簡単な臨床的検査方法お よび簡単な検査室検査の技術を身に付け、 それらの結果を判断できる、 2 診断を下すのに必要な情報を取得し、それ らのもつ意味合いや診断における重みを 識別し、鑑別診断的思考ができる、 3 病理学の十分な知識、とくに病因との関連 を識別できる、 4 保存的治療と手術的治療の適応、ならび に重要な治療原則、 10 5 十分な薬理学的知識、薬物治療、とくに重 要な医薬品、適応と禁忌、処方の規則なら びに医薬品に関する法律規定、 6 予防とリハビリの基礎と基礎知識、 7 患者に対する医師の態度の一般規定、状 況に対応して行動することを知り、慢性や 不治の患者および死にゆく人の援助と世 話ができる。 11 試験委員会は受験生に、試験期日の前に1 名または数名の患者についてヒストリー作 成と検査を行わせる。受験生はそれにつ いてヒストリー、診断、予後、治療ならびに 結論を含んだ報告を作成する。報告は作 成後遅滞なく1名の委員に署名してもらっ て、試験期日に提出する。 規則の全訳は http://www.hi-ho.ne.jp/okajimamic/d121.htm 12
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