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7,8,9 情報の量と質と価値
• 量
– 受け取ることができる情報が意味する内容の総計
• 質
– 情報の受発信、情報の判断を容易にするもの
– 情報の価値を高めるために貢献するもの
• 価値
– 受信者の価値基準で決まる
– 受信者がその時の特定の目的に必要な情報にのみ
に価値がある
例;交通標識
• 情報量
– テキストの意味する内容の全て
– 記号、イメージ、イラスト、標識
• 質
– 読みやすさ、わかりやすさ
– 表示の色(背景青、文字白)
– 字の大きさ3m×2m/材質アルミ
• 価値
– 受信者が必要な情報
– 高速道路の入り口で東京方面へ行きたい場合は、
→東京
情報の量と質と価値
• 量
– 多様性
– 詳細さ
– 物理的な量の多さ
• 質
–
–
–
–
正確さ、早さ、
解りやすさ、表示の大きさや色、
普遍性(客観性、体系度)
信頼性
• 価値
– 受信者がその時の特定の目的に必要な情報
7情報の量
• 情報の量の多い少ないは相対的なもので
あって、絶対的なものでないと言われる
• 一般に情報処理が困難な量になると情報
が多いと言われる
• 情報量の増大を、情報の洪水、情報の爆
発と表現される
7-1科学技術情報の増加
• 1950年代の米ソ宇宙開発戦争を契機として、各
国とも科学技術関係の研究開発が盛んに行わ
れるようになった
• その結果、大量の研究成果が記録・発表される
ようになり、特に研究者や技術者が情報を求め
る場合、すぐに入手できない状況をつくりだした
• そのために、これらの情報の中から必要とする
情報を容易にしかも迅速に入手することの重要
性が増してきた
7-2オンライン情報検索の発展
• JICST(日本語)
• JOIS
1998/1 96/1
1169万件 1020 70万件/年
– +14%
• JMEDICIN
348万件 266
– +30.8% 特に医学分野の伸びが大
7-3科学技術情報の増加
• (1)技術開発競争
– 技術がビジネスと結び付く
– 技術情報の増大
• 問題解決型、回答は複数
• (2)専門分野の細分化
– 日本医学会----癌学会------肺癌学会
• (3)複合分野(学際的分野)の出現
• (4)情報発信メディアの多様化
• 本、雑誌、図書 → CD-ROM, WWW
7-4ビジネス情報の増加
• 経済的価値の生産に貢献する情報
• 会社情報
• 会社概要(財務情報)
• 信用調査
• 取り引き先、調達先情報
• 株式情報
• 市場情報
– 商品の販売情報
•
•
•
•
貿易情報
人物情報
提携、M&A情報(会社買収&合併)
新聞情報
7-5製造物責任に関する情報
• 電気製品
– 取り扱い説明書
•
食品
– 添加物表示
• 医薬品
– 有効成分・分量、効能・効果、用法・用量、副
作用情報
例;製品の取り扱い説明書
• 携帯電話〔危険〕
– 電池パックを分解しないこと
– 電話機、電池パック、ACアダプター、充電器を改造し
ないこと
– 電池パックを火の中に入れないこと
– 電話機、電池パックを火のそばストーブのそばなど高
温の場所で使用放置しないこと。
– 電話機、電池パックを水中や、海水のかかる場所で
使用放置しないこと。
– 電話機、電池パックの近くにコップなど液体の入った
容器を置かないこと
– 電話機、電池パックに強い衝撃を与えないこと
– 電池パックのコネクターコードを引っ張ったり、傷つけ
たりしなこと
• 電話機の電池は付属品または指定の電池パッ
クを使用すること
• 電池パックはこの電話機だけに使用すること
電話機を充電するときは付属のACアダプターと
充電器を使用すること
• ACアダプターと充電器はこの電話機の充電だけ
に使用すること
• 〔警告〕8項目
• 〔注意〕6項目
7-6情報の保存量
• DIALOG
– テキスト量
– 7tera bit
•
•
•
•
•
330,000,000件(95年)
deca hecto kilo mega giga, tera, peta, exa, zetta, yotta
10 100 **3 **6 **9 **12 **15 **18 **21 **24
7×10**(12ー3)=7,000,000,000(70億文字)
Bit 1/0
Byte 8Bit(英語は**-3文字、日本語は-4)
• インターネット www
– 155072709頁(Alta Vist、98/11/13)
5X10**8**100=4X10**10文字
=4X10**13=40tera
– 20億ページ
• 朝日新聞
180万件(1996/12)
– 600MX15year=9giga
7-7情報量の増大
• 情報の洪水
– 科学技術情報>
– 経営情報、ビジネス情報
• 情報量が多くない
– 一般(百科辞典, 書誌情報, 書籍案内)
– 人文科学・社会科学
8.情報の質
•
•
•
•
1定量情報 quantitative information)
2定性情報 qualitative information
3定性情報の特徴
4質の高い情報、問題がある情報
定性情報と定量情報
• 定性情報
– 新潟←(左) (右)→東京
– 冬期通行止め
• 定量情報
– 東京300Km
– 新潟50Km
– 最高速度80Km
8-1定量情報 quantitative
information
• 1)計量的情報(analogue information)
• 2)計数的情報(digital information)
•10万人あたり死亡数
•日本の貿易額
•入試競争倍率
事業計画の基本数字
•失業率
•GNPの成長率
•住宅着工件数
•物価上昇率
•車両保有台数
8-1定量情報
8-1-1計量的情報 analogue
information
– 定量情報
– 数字の頭位から1~2桁の有効精度で評価で
きる情報
– 10桁でも示すことができるが頭から1~2桁に
意味がある
– 計量的情報で判定する事が多い
8-1定量情報
8-1-2 計数的情報 digital
information
• 定量情報
• 必要な場合には10桁以上の精度でも提供しうる数
字で表わされた情報
– 経理や財務部問で取り扱う企業会計
– 生産・販売部門の業務上
•
•
•
•
官公庁・金融機関などの各種統計資料
利用する側でも10桁以上の有効桁数を使用
桁数の多さが信頼性につながるという保証はない
有効数字の扱い
8-2 定性情報 qualitative information
• 定量化できない、定量化する必要のない情報
• まだ計量化されるにいたらない情報。
• 人文社会科学分野
– 定性情報を主として論理的体系化が進み学問が進歩
する
• 社会科学分野
– 統計、社会調査などの定量情報の重要性が高い
– 定量情報は参考情報であり自然科学分野に比べると
重要度は低い
• 自然科学/応用科学分野
– 学問の進歩
– 定性的情報→定量的情報と体系化が進む
8-3 定性情報の特徴
• 定性情報は主観的で、定量情報は客観的
– 数は多いが、次元の低い情報も多い
• 客観的に計量化するよりそのまま使用した方が
役立つ重要な情報も多い
• 政治・外交・軍事・経済などに関連した情報はほ
とんどが定性情報
• 企業の経営は、不完全情報下のゲーム
– 主観的情報で、重要な判断
• 定量情報のほうが価値があるとは限らない
– だれもが知っている定量情報より、みんなが知らない
定性情報のほうが重要な場合も多い
8-3客観的な定性情報1
• 定量情報
新しくできた食堂のまえに11月9~13日の正
午に車が3台以上止まっていた
• 客観的定性情報
新しくできた食堂のまえに昼はいつも車が止
まっている
• 主観的定性情報
新しくできた食堂のまえに昼はいつも車が止
まっているので経営は順調のようだ。
客観的な定性情報2
• 定量情報
– 今年の成長率(GNPの伸び)はー2%である
• 客観的定性情報
– 今年の経済成長はマイナスである。
• 主観的定性情報
– 政府の景気対策も来年まで効果は期待でき
ない。
客観的な定性情報3
• 定量情報
– 融資条件を緩和したら申し込みが618件になった
• 客観的定性情報
– 融資条件を緩和したら申し込みが倍近くになった
• 主観的定性情報
– 資金繰に苦しんでいる企業が多い。
客観的な定性情報4
• 中国の経済自由化問題(日本経済新聞
1996/10/26)
• 客観的定性情報
– 9月半ば、中国の国会にあたる全人大(全国人民代
表会議)の一部代表が対日抗議声明の発表を計画。
9月18日前後の抗議声明に、共産党の首脳部から
待ったがかかる。中国政府は抗議運動に理解を示す
が、過激な行動には賛成しないとの内部方針を固め
た。
• 主観的定性情報
– 全人大と政協の反発を覚悟で声明を抑えたのは大陸
で一気に抗議デモが広がると判断したため。日本か
らの投資や円借款は中国の経済に欠かせないため、
8-4 質の高い情報
• 情報の質とは
– 情報の信頼
– 早さ
– 客観性
正確さ
解りやすさ
論理性(体系的)
• 目的により求められる質はことなる
• 一般社会(ビジネス)で、質の高い情報とは信頼
性の高い情報。
• 学問的には、新しい(発見、新しい学説)、体系
的な情報である
• 情報の質が高いかどうかは、チェック機能
が働いているかで判断する。
– インターネットのWWW情報の大半はチェックが
無い
– 作成している組織が確かなものを選別する
– 情報の手がかりを得るには有効だが判断材
料としては不適当
• 独創性を求める場合は個人が作った情報
が適当だが判断資料としては不適当
8-4質の高い情報
8-4-1学位論文
• イ.学位論文
– 研究課程における最高の成果物
– 科学技術分野では優れた研究資料として評価
– 一部の国を除いて一般的に流通するに至っていない
• 【日本の博士論文】
• 明治20年の学位令公布
• 大正9年,文部省の認可を経て大学が行う
• 昭和28年学位令に代わる学位規則の制定
「大学が学位授与を行い.その後文部省に報告すること」と
なる。
• 現在、日本の博士論文の収集、整理、閲覧は国立国会図書
館支部上野図書館が行っており、所蔵数は平成3年3月現在
25万件を超える。収集率は95%。年間9千冊を受け入れてい
る
• 【米国の博士論文】
米国の学位には
学士(Bache1or),
修士(Master),
博士(Doctor)がある。
• 米国の最初の博士号はl861年エール大学
• (UMI)University Microfilms International 社
– l938年に博士論文のマイクロ化,販売,複写サービス
l861年から現在までに提出された米国博士論文はl00
万件を超え,毎年4万件が加わっている
8-4質の高い情報
8-4-2学術雑誌記事
• 著名な学術雑誌記事
• 学術雑誌に掲載されるには、まず著者が投稿し
ようとする学術雑誌の投稿規定に従って原稿を
仕上げる
• 各学術雑誌の編集目的に合った内容で、新らし
い知見が含まれている必要がある
• レフエリー
–
–
–
–
一線の研究者による審査
掲載の可否の判断を委ねられている
公平を期するため、氏名は原則非公開
1つの投稿論文に2-3人が選任
• 質の高い学会誌ほど新らしい知見に対する要求
度が高い
• Nature,
• Science
• JAMA(Journal of American Medical
Association)
• JACS(Journal of American Chemical Society)
• 複数のレフェリー
• 雑誌のプレリリースにより学会自体が情報発信
– 新聞の科学記事は殆どが学術雑誌のプレリリース
– 発売日の直前に出る
8-4質の高い情報
8-4-3署名記事
• 日本の新聞では記者名の記述がある場合は少
ないが、米国の新聞では記事の先頭に記者名
が記述される場合が多い
• 署名のある記事は新聞社の責任に加え、記者
が個人としての責任を負っているため、内容の
信頼性も高い
• 署名の無い場合は新聞社としての責任となるた
め責任の所在が不明確
– 新聞としての論調の統一が図れるメリットもある
– 反面、主張が少なくなる傾向が見られる。
8-4質の高い情報
8-4-4複数の情報源の結果が
一致する情報
• 全く独立した情報源の内容が一致する。
• 別の判断結果が一致する。
• ウラをとる
9. 情報の価値
• 1)情報の期待価値と実現価値
• 2)価値判断、評価(クライテリア)
9 情報の価値
9-1 情報の期待価値と実現価値
• (1)期待価値
• 情報の経済的価値は一般の商品と同様に期待
価値によって決定される
• 情報に付けられる価値は行動前の期待効用に
付けられた価値である
– 情報の経済的価値は、ある情報を得ることにより期待
される利潤あるいは所得の増加が情報の持つ価値。
(畑中)
• 情報の価値は情報受信者の行動目的によって
価値付けられる
– 同じ情報であっても目的により価値が変わる
• (2)実現価値
• 情報を利用したことにより増加した価値が情報
の実現価値
– 価値の増加(実現価値)>情報のコスト(情報価値)、
であれば情報を使用する価値がある
•
行動目的が実現されたときに情報の価値が決
定する
• 情報を使用することによる価値の増加を測定す
ることは困難(コントロール値不明)
• 通常は再取得価格と比較する。
情報の価格
• 価格の決め方は一定していない。
• 売れそうな最も高い価格がつく。
• 経費から決まる価格。
– 日経テレコン 5ID 180万円
– 朝日
1ID 10万円
• 再取得価格で決まることも多い。
• 物の価値
– 期待価値、実現価値、再取得価値、
– 流通価値(×3)、生産価値(×10)、希少価値
9 情報の価値
9-2価値判断、評価
• 情報の使用目的が同じでも情報受信者の主観
的評価により異なる(価値観による)
• 情報発信者は価値を決めることができない
• 信頼性の高い、正確な情報でも簡単に入手でき
るような情報は経済的価値が低い
• 価値の客観的評価(クライテリア、Criteria)
– 価値判断は尺度や基準に基づいて決まる。
– 価値に客観性をもたせ価値を共有する
– 正しいか、良いか悪いか、役に立つか
価値基準、クライテリア
時給
通勤時間
忙しさ
職場環境
勤務時間
勤務日
得点計
ウエート
50
10
10
10
10
10
職場A
点数/10
800円/h
6
30分
8
普通
7
普通
7
12:00 ~
18:00
5
月、水、金
5
得点
30
8
7
7
5
5
62
職場B
点数/10
800円/h
8
60分
5
忙しい
5
厳しい
5
18:00 ~
22:00
7
土日
8
得点
40
5
5
5
7
8
70