原発のウソ』第4章 - プロバイダはASAHIネット

政経学部教授
経済学博士
大石 高久
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに
旧ソ連のChernobyl原子力
発電所4号機がメルト・ダウン後、爆発。
史上最悪の「レベル7」。
 25年後の現在もなお、原発から半径30km
以内の地域での居住は禁止、
 原発から北東へ向かって約350kmの範囲内
にはホットスポットが約100箇所点在、
 ホットスポット内で農業や畜産業などが
全面禁止されているだけでなく、
 その周辺で制限されている地域も。
 1986.04.26

戦後日本の原子力政策は、保守政治家の中曽
根康弘、正力松太郎、田中角栄等によって、
「国策民営」の名の許に推進され、
「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」等、

専ら経済的利益が宣伝されてきた。
 1986年のChernobyl事故後の宣伝文句:
「原発は安全」
 「原発はクリーン」


以下、この5つのキーワードを順次検討す
る。
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに
「国策民営」(1)「国策」とは?
 原子力委員会が5年程度の間隔で公表し
てきた「原子力開発利用長期計画」
 政府が計画立案、民間の電力会社が運営
 1967(昭和42)年以降、不変・硬直化

原子力規模の拡大

動力炉開発:高速動力炉と新型転換炉を国家
プロジェクトして推進

使用済み核燃料の再処理、プルトニウム利用
等を国内で行う
「国策民営」(2)
 米国の「冷戦」戦略受け原発導入
 アイゼンハワー大統領が53年12月
の国連総会で行った「原子力の平和利
用」演説
 読売新聞社社主で日本テレビ社長だっ
た正力松太郎(1885~1969)が原子力
委員会初代委員長を務め、CIAと協力し
て「原子力の平和利用」キャンペーン
を展開
 政治主導で推進、議論尽くさず
「国策民営」(3)
中曽根康弘は原発関連予算を通
し、原子力関連法を次々に
 1969 自民党幹事長だった田中角栄が東
京電力柏崎刈羽原発を誘致(錬金術)。
 1973 田中角栄元首相は第1次オイル
ショックに前後して、原子力に注目。
 1974 原発の立地支援のための交付金な
どを定めた「電源3法」を成立させる。
 1954
「国策民営」(4)
世界は2度の大事故で原発の停滞期に
 しかし、政治は自民党一党支配、通産省(現
経済産業省)も原発継続の意思
 世界の情勢に逆行して、日本では原発が拡大
 その背景は、政治と行政の特殊な構造
 90年代初めのバブル崩壊以降、電力需要は低
迷し、原発建設はスローダウン
 90年代半ばの「電力自由化」(発電事業者の
新規参入を認める)で、原発は岐路に(東電
と自民党の族議員が潰す)

「国策民営」(5)
 通産省内でも「補助金漬けの原発は財政
的に問題で、電力自由化に逆行する」や
「特に金のかかる核燃料再処理事業をや
めるべきだ」との議論
 1995 高速増殖炉「もんじゅ」のナトリ
ウム漏れ火災事故
 1997 「高速増殖炉懇談会」(科学技術庁
が設置)の議論中に自民党が存続方針を
出し、懇談会も追認
 推進者を考えれば、核兵器開発が本命?
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに
現実にレベル7の事故が起き、それを収束することす
らできない
 従って、「原発は安全」を議論する意味は無い。明ら
かに危険:「電源立地法」
 原発の「安全神話」とは、原発反対運動を権力がアメ
とムチで押さえ込むこと
 アメとは「電源三法交付金」、ムチが「安全神話」
(国策に下々の者が口出しするな!「伊方原発訴訟」)
 GE社の「Mark I」は、そもそも「欠陥商品」
 「Mark I」は運転開始以降、事故続き:低稼働率
 同社は後に、「Mark II」「Mark II改良型」を販売
 アメリカにも未だ「Mark I」が運転しているため
に、
 「Mark I」そのものよりも、作業員のミスにする?

 各(1〜4)号基により、原因が多少異なる
 地震が原因であることは間違いない
 30年前、全電源喪失の可能性が指摘され
たが、班目(まだらめ)原子力安全委員
長が、それに備える必要性を否定!
 地震の専門家は、貞観地震(平安前期の
貞観11年、869年)の地震と津波を指摘
 東電は可能性の低さを理由に無視
 「国民の安全より、コスト優先」体質!
 今回の事故は、地震で冷却系統が破壊!
 外部電源のための鉄塔が倒壊!
 政府が電源車を空輸したが、接続に失敗
(GE社製品のため、規格が異なる!)
 3系統の冷却装置のどれも作動しない!
 メルト・ダウンが始まり、水素が発生!
 水素を外部に逃がす「ベント」に失敗
し、オペーレーション・フロアに充満
し、最後の砦である建屋が爆破
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに
「原発はクリーン」
テキストに記述されている様に:
 原発は、燃料の採掘ーー精製ーー運搬を石油
に依存している:原子力は「石油」の「代替
エネルギー」ではない。
 石油は、化学製品や薬にもなる
 原発はCO2 も排出している。
 原発は、放射性物質を排出している
 原発事故は、取り返しの着かない被害に
(原町火力発電所は津波で破壊されたが誰も問
題にしないし、しないでも大丈夫!)
 事故が無くても、放射性廃棄物は処理不能

日本では殆ど報道されていない
 Chernobyl事故(1986)で「反原発」運動が
盛んになった
 原発関係者が集まり、生き残り策
 University of East AngliaにClimatic
Research Unit (CRU)設立し、「地球温暖
化」キャンペーン:

地球は温暖化している
 その原因は、化石燃料からのCO2排出
 原子力は、CO2を排出せず「クリーン」


2009 CRUのメールが流出、暴露される
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに

「国策民営」のエサとして、地域独占の電力
会社に「総括原価」方式を認める。

電力会社は「すべてのコスト」に一定の利益
率(具体的な率は諸説)をかけ算。

従って、コストのかかる設備を作れば作るほ
ど電力会社は儲かる:高コスト体質
アメリカの場合、設備投資の借金は「コス
ト」として認められず、料金に転化不能。
 これが、1976年以降、新規受注が無い真因

原発は無くても、電力は十分足りる
 電力消費のピーク:真夏日の午後2〜3時
 原発はフル稼働し、その他の発電で調整する
 1980年代に貿易摩擦から日本企業の海外進出
 1980年代後半、電力が過剰なため原発の「出
力調整試験」を行う
 2003年に東電の全原発が停止に追い込まれる
 しかし、節電も停電も無かった
 その後、企業の海外進出で需要は減る一方

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東京電力トップへ
福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 6 号 機 の 点 検 停 止 に つ いて
平成15年4月14日
東京電力株式会社
当社は、原子力安全・保安院からの「福島第一原子力発電所1号機における
格納容器漏えい率検査の偽装を踏まえた厳格な検査の実施等について」(平成
14年10月28日)にもとづき、「運転中原子力発電所の格納容器漏えい率検査の
ための停止計画」(平成14年12月12日)を提出し、計画的にプラントを停止し
て、格納容器漏えい率検査を実施することとしております。
福島第一原子力発電所6号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)につき
ましては、4月15日からプラントを停止し、準備を整えた上で、格納容器漏え
い率検査を行いますのでお知らせいたします。
これにより、当社の保有する原子力発電プラント17基(合計1730.8万キロワ
ット)全てが停止することとなります。
以 上
<参考>当社原子力発電所の現況
福島第一・1号機( 46万キロワット) 定期検査中
2号機( 78万4,000キロワット) 定期検査中
3号機( 78万4,000キロワット) 定期検査中
4号機( 78万4,000キロワット) 定期検査中
5号機( 78万4,000キロワット) 定期検査中
6号機(110万キロワット) 4月15日から停止予定
福島第二・1号機(110万キロワット) 定期検査中
2号機(110万キロワット) 定期検査中
3号機(110万キロワット) 定期検査中
4号機(110万キロワット) 定期検査中
柏崎刈羽・1号機(110万キロワット) 定期検査中
2号機(110万キロワット) 定期検査中
3号機(110万キロワット) 定期検査中
4号機(110万キロワット) 定期検査中
5号機(110万キロワット) 定期検査中
6号機(135万6,000キロワット) 定期検査中
7号機(135万6,000キロワット) 停止中
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東京電力トップへ
原発は13ケ月運転すると、定期点検に入る
 現在稼働中の原発は、14/54だけ


定期点検中の原発を再稼働しなければ、来年
春には、日本の全原発が止まる

「原発停止=電力不足=節電/停電」は、早
く再稼働させたい推進派の(無知な)国民に
対する脅迫

読売は今冬の電力不足を煽っているが、それ
はあり得ない。特に今冬は、石油ストーブ!
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに
「原発で明るい(豊かな)未来」?






コストが掛かりすぎる:「電源三法交付金」も税
金から:「東電の高コスト体質」
たかが電気に、原発は要らない!(2〜3,000度=
爆発)
熱の2/3は冷却水として、海洋に放出
事故が起きたら、逃げ場所は無い。食べ物、飲み
物、住宅、家族、地域の全てを失う!!
事故が起きなくても、使用済み燃料の処理方法
も、廃棄場所も無い。「日本の原子力政策は、ト
イレなきマンション」
『100,000年の安全』(日本の地質では無理)
 はじめに
 「国策民営」
 「原発は安全」
 「原発はクリーン」
 「原発は安い」:「安定的電力」
 「原発で明るい(豊かな)未来」
 おわりに
おわりに

今一度日本を洗濯いたし申し候(坂本龍馬)
何の責任も無い国民に賠償金を転嫁させるな!
 「発送電分離」を東電+自民党族議員が潰す
 「原子力村」の「福島応援キャンペーン」+マス
コミの「大本営発表」
 「安全神話」の形成:警察+最高裁判所:十分
「犯罪的」だ!
 東電を解体し、官僚を解雇すべきであった

「核兵器を持ってこそ一等国」は金正日!
 「貧しい人のほっぺたを札束で叩くな!」
人間らしい地域開発:「窪川方式」
 無からの再出発は、再生可能エネルギーによ
る「スマート・シティー」の構築から
