マッサージチェアがもたらす新しい歯科医療のかたち フェリーチェスタイル 大阪府吹田市 にし か わ . 歯 科 医 院 「これからは、予防を当たり前にしていきたい」 大 阪 の ベッドタ ウ ンとして 時 代 を 支 え た 千 里 ニュータウン。広域なニュータウンの南側にある佐 竹台 地 区に「にしかわ.歯 科 医 院 」がある。開 業し て4 年 目、手 術 室か 予 防 室か 迷ったが、患 者さん の 予 防 ニーズに応 えるために予 防 室を増 設した。 そこは、 快 適な癒しの空間であるべきだということで “フェリーチェ”を導入された。 左より、歯 科助手の崎山由香さん、歯科衛生士の後 藤 初美さん、 歯科助手の元岡美子さん、院長の西川学先生、歯科衛生士の水野 さやかさん。 48 No.144 2013-2 院長 西川 学 先生 千 里 ニ ュータウン の 一 角 で 開 業 大 阪の 梅 田 から北に20分 余りで 吹 ています。 そのような環境で開業したのは、 田市に入る。市域 北部は千里 丘陵が占 高齢者はもちろん、新しくこの地域に来ら め1970年には日本万 国 博 覧 会が 開 催 れる若いご夫婦たちの健康を支えてあげ された。それに合わせるように生まれた たいと思ったからです」と西川 学院長。 のが日本初の大規模タウン開発の千里 団 地 内でテナントの数が少ないこと ニュータウン である。「にしかわ.歯 科 から、意外なほど地 域には歯 科医院が 医院」は、そんな千里ニュータウン佐竹 少ない。「にしかわ.歯 科 医 院 」が 開 業 台地区で2008年に開業した。 するまでは、高齢 者が気 軽に歯 科医院 「団 地が生まれて40年 以 上 経ちます。 に通うには多少不便であったという。 団塊世代が中心の町で、 地域は高齢化し 「患 者さ ん が 2 階に行 き たいと 思え るよ うな 空 間を目 指した」 1 階 と は 全 く 違 う イメ ー ジ の 2 階 予 防 室 「にしかわ.歯 科 医 院 」は佐竹台 近 隣 てきて予防ニーズが 高いと感じたので、 センターという地 区の商 店 街の 一角に 最終的に予防室として立ち上げました」 ある。丘陵地のため、エントランスは階 2階 は 大きな窓と高い天 井。気 持ち 段を上る正面玄関と、裏にバリアフリー の良い空間に感 激する。「1階とは全く の入り口も用意されている。 違うイメージで、患者さんが2階に行き 1階はユニット3台の治療 空間。開業 たいと思える空間を目指しました」。 以 来1階だけで診 療していたが、2012 予防室は角柱の格 子で左右がシンメ 年5月に新たに予防スペースを2階に開 トリーに仕 切られた2ブース。明るく開 設した。 “フェリーチェ”2台がゆったり 放 的な空 間 は1日 中いたくなる心 地 良 設置されている。 さである。「医 院コンセプトの3C+1C 「開 業 から3年 で2階を増 設しようと を実現した空間です」と西川先生。 考えました。その時、手術室か予防室か 3CはClean (清潔) 、 Comfortability で随分 迷ったのです。インプラントも行 (快適)、Communication(会話)で、 っているのですが、地域の皆さんと接し 1CはCommunity(地域)である。 ジーシー・サークル 144号 2013-2 49 まだ 治 療 中 の 患 者さんで も、受付時に「今日は2階で メインテナンスを受けたい」 とリクエストされる方も多い。 そんな患者さんにとっては、 2階は歯科医院とは異なる ようである。 「 心 か ら リ ラ ック ス でき る ので 患 者 さ ん と の会 話 も弾 み ます」 癒 し の 空 間 に 通 常 の ユ ニ ット は 置 き た くな い 「2階の空 間デザインを考えているう さんもいらっしゃいます」と語られる。 ちに、通常のユニットでは意味がないと 後 藤さんは「まず、 “フェリーチェ”は 思い、いろいろ探して“フェリーチェ”に 通常のユニットとイメージが違うので驚 行き着きました。予 防とホワイトニング きました。座り心 地がすごく良いので、 専用なので、患者さんに癒しの時間を提 また驚いて、マッサージ 機 能 が 付いて 供したいのです。そのためにも、座る側 いるので、もっと驚きました」と言う。 の気持ちになってチェアを探しました」 また、お二人は異口同音に「初めて2 予防 空間で活躍されるのは、水 野さ 階に案 内すると、患者さんは部 屋が見 やかさんと後 藤 初 美さん2人の歯 科 衛 えた時にすごく喜んでくれます。こんな 生士さん。チェア選 定時には歯 科 衛 生 ところできれいにしてくれるのって。予 士さんも参 加して“ フェリーチェ”に決 防 室に居るだけで患者さんとの会 話も 定された。 弾みます」と語られた。 水 野さんは「座り心 地が良いのでび まさに、医院コンセプトの3C+1Cの っくりしました。クリーニング中でも眠 実現空間である。 れる快適さです。実際にそのような患者 2階のデザインは悩んだ。窓の外の景 色もリラクゼーションの要 素と考え、 何度もスケッチをおこしてイメージを 固めていった。角材を使った格子で自 然の温もりを空間にも創造した。 50 No.144 2013-2 歯科衛生士の 水野さやかさん 歯科衛生士の 後藤初美さん マッサージチェアがもたらす新しい歯科医療のか フェリーチェスタイル 2階予防室は、1階の診療室とは全く異なる空間と位置づけている。メインテナンスの患者 さんは、2階待合室に通されて終了後にはここで会計を済ますこともできる。 リラックス でき て 歯 の 健 康 が 保 た れ れ ば 最 高 2階には小さな待 合コーナーもある。 身の健 康にも大 切なことです。もっとも メインテナンスだけの患者さんは、直接 っとアピールしていきたいですね」 2階で受付と会計を済ますこともできる。 予 防 の 患 者さんは 女 性 や 子 供が 中 「にしかわ.歯 科医 院 」に開 業 以 来 通わ 心だが、最 近では男 性も増えてきてい れ、今ではメインテナンスで来られてい る。とくに営 業 の方や自営でお 仕事を るという患者さん(自営業男性38歳)に されている方が増えているという。 お話しを伺った。 「歯 科 医 院は痛みを抱えて来る場 所 「この 部 屋に入って感 激しましたね。 から、快適で気持ちの良い場所に変わる こんなに気持ちの良い歯医者さんは初 ことが大 切です。そのためには、安らぎ めてです。それにチェアがいい。体の大 のある空間を提 供することと、患者さん きな私でもすごく楽で、まるで高級車に とのコミュニケーションが大事ですね」 座っているようです。治 療も終わって、 まさに、先 生のお言 葉 通りの歯 科 医 院 いい状態をいつまでも保ちたいので、リ である。スタッフはみんな明るく、治 療 ラックスできる2階にはいつでも喜んで 中でもコミュニケーションが絶えない。 来ますよ。時間があればマッサージもし 気持ちの良い時間を提供できる「にし てもらいます」と、空間と “フェリーチェ” かわ.歯 科 医 院 」。歯 科 医 院が 患 に大絶賛である。 者さんの癒しの場として衣替えし 西 川先 生は、これからは予防を当た ていく姿を見たようでもある。 癒しの空間を創 造するの に、ユニットの機能、デザイ ンは大きな要素でした。タ ービンやモーター類のホー スを見るだけで緊張する患 者さんもいるので、見せたく ない。あくまでもリラックス して座っていただくために は恐怖感のない“フェリー チェ” のデザインは群を抜 いていました。2階に来た だけで快適になっていただ く。それは空間とチェアと 歯科衛生士のコラボレーシ ョンの結果です。 “フェリー チェ” のマッサージ機能は、 付加価値のひとつであると 考えています。 (西川先生) り前にしていきたいと語られる。 「病気でなくとも歯科医院に来られる 方が増えることは、歯を守るとともに全 歯科用ユニット フェリーチェ ●電源=AC100V 50-60Hz ●電源入力500VA ●使用空気圧=0.5MPa 管理医療機器 特定保守管理医療機器 設置管理医療機器 22300BZX001750 ジーシー・サークル 144号 2013-2 51
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