MISH Tech Journal

Fast, Flexible, and Customer-Focused Embedded Solutions!
MISH TECH JOURNAL
(ミッシュ
・テックジャーナル)は、最新の情報をいち早くお届けする技術情報誌です。
2011
Summer
Vol.
Powered by
5
http://www.mish.co.jp
CONTENTS
CPUの歴史
P.2
CPUとWindows
マルチコアプロセッサ
PowerPC
CPUボードのアーキテクチャ
P.4
Intel Core i7 CPUボード
Quad Core CPU ボード
OpenVPX
P.6
OpenVPXとは
容易なインテグレーション
エンベデッド・コンピューティング・ソリューション
OpenVPX エンベデッド・コンピューティング・ソリューション
GPU
by Extreme Engineering Solutions
P.8
GPUとは
NVIDIA GeForce GTX 580
AMD Radeon HD6870
CPUボード新製品
P.10
Extreme Engineering
Solutions社製 Xcalibur4440
Mercury Computer
Systems社製 HCD6410
Pentek社製 Model53690
ANSI/VITA 65でOpenVPXが規格化されたことによって、VPXシステムのインテグレーションは劇的に改善されます。今まで、VPXシステムは複数ベ
ンダ間での相互運用性(互換性)
を確立するのが困難でしたが、
これからはスムーズなインテグレーションが可能になります。
Extreme Engineering Solutions(X-ES)社は2002年にアメリカのWisconsin州Middletonにて設立されたシングルボードコンピュータ・周辺装置
及びソフトウェアのエンジニアリング・カンパニーです。元々はエンベデッド・コンピュータ業界で長年の経験を持った人材が集まって設立したプ
ライベートカンパニーですが、現在はエンベディッド業界のマーケットリーダーとして急成長しています。X-ESはOpenVPXのソリューションを提供
するEmbedded Computingのエキスパートとして、航空宇宙や防衛、産業機器や医療などの幅広い分野に最適なソリューションをご提案します。
’
11夏号特集
マルチコアプロセッサ
マルチコアプロセッサとOpenVPX
企画・編集・発行/株式会社ミ
ッシュインターナショナル
〒190−0004 東京都立川市柏町4−56−1 園部ビル
TEL:042−538−7650 FAX:042−534−1610 Email:[email protected]
CPUの歴史
CPU には約 40 年の歴史があり、パソ
コンの普及により年々進化を遂げてきま
した。現在ではマルチコアの CPU が主
流になっていますが、ここではその 40
年の歴史を振り返ってみたいと思います。
CPU と Windows
図1 Intel CPU の変遷
Intel CPU History
Core i7
Core 2
最初の CPU は今から 40 年前の 1971
のプロセッサです。この当時の動作周波
数は数百 kHz 程度のものでした。その後、
8080 という 8bit のプロセッサを開発し
Pentium 4
Pentium III
Performance
年 に Intel が 発 表 し た 4004 と い う 4bit
Pentium D
Pentium II
Pentium
80486
80386
80286
8086
8080
数 MHz の動作が可能になりました。
4004
1970
1980
1990
字の表示だけでした。当時は 5 インチの
当然、マルチコアという概念も無い
フロッピーディスクで起動していました。
2000
2010
Pentium 4 と更に性能アップしていきます。
1998 年に Microsoft 社から Windows98
のでシングルコアで数 MHz の動作で何
こ の 時 期 に AMD も 286 互 換 の CPU
ができるのでしょうか。今では信じら
"AM80286" を発表します。また、同じ時
れません。Windows なんて動くはずも
期に IBM 社の PC-AT が発表されます。そ
ありません。また、これと同じ時期に
の後、80386 になると処理性能は 32bit と
ZILOG は Z80 と い う 8080 互 換 の CPU
なり、AMD も AM386、Cyrix は Cx386SLC、
を発表します。Z80 は有名です。
Motorola は MC68020/30 と、 各 社 32bit
す。この後、ノート PC 向けの低電圧
の CPU をリリースしていきます。
動作の Celeron がリリースされます。
がリリースされ、その後 Windows Me と
続きます。
2000 年になり、Microsoft 社は Windows2000
を Windows NT の後継としてリリースします。
この当時の CPU は Pentium 全盛期で
1984 年になると、Motorola MC68000
2001 年に Microsoft 社は Windows XP をリ
を搭載した Apple 社製 Macintosh がリ
リースします。この時期の CPU としては Intel
その後、Intel は 1978 年に 8086 プロセッ
リースされます。Apple は当初から独
Pentium/Celeron, AMD K6/Athlon などがメイ
サを開発します。これが、86 系 CPU の元祖
自の OS である "Mac OS" を搭載し、筐
ンストリームとなってきます。Windows XP
です。処理性能も 16bit になり、後に 286、
体の先進性とグラフィックユーザーイ
は今でも使われていますので息の長い安定し
386、486 と次々と新しい CPU を開発してい
ンターフェイスは革新的なものでした。
た OS と言えます。但しこの頃から CPU のク
きます。Motorola も 86 系に対抗するように
1985 年になると、Microsoft 社は Mac
16bit のプロセッサ MC68000 を開発します。
に対抗するようにグラフィックユーザー
Pentium 4 で 3GHz を超えるクロックレート
インターフェイスの Windows をリリー
を達成していますが、発熱の問題で 4GHz 以
スします。ここから PC ユーザは Mac 派
上のクロックアップを断念します。
ロ ッ ク レ ー ト が 限 界 に 到 達 し て い き ま す。
と Windows 派に 2 分されます。
Intel の 8086 が搭載された PC が NEC
1993 年 に な る と Intel は デ ー タ バ ス を
マルチコアプロセッサ
社製 PC9801 です。これも有名ですね。
64bit に広げ更に性能を向上した Pentium
OS は コ マ ン ド レ ベ ル で 動 作 す る MS-
をリリースします。半導体の微細化により
DOS(Microsoft 社製 ) で、もちろんグラ
CPU を構成するトランジスタの数は 300 万
Intel は 2005 年に初めてのデュアルコ
フィック表示では無いのでキャラクタ文
個以上になりました。CPU の性能向上に伴
アプロセッサ "Pentium 4 extreme edition"
って 1995 年に Microsoft 社は更にユーザー
をリリースします。
ここからマルチコアの時代を迎えます。
インターフェイスを改良した Windows95
AMD も同様にデュアルコアプロセッ
を 発 表 し ま す。AMD は こ れ に 合 わ せ て
サ "Athlon64 X2" と い う ハ イ エ ン ド の
Pentium 互換の CPU"K5" をリリースします。 CPU をリリースします。
Intel は こ の 後、Pentium II, Pentium III,
2
MISH International Co., Ltd.
デュアルコアプロセッサは 1 つの
MISH Tech Journal 2011 SUMMER
CPU 内に 2 つのプロセッサコアを並列
現在、最新のマルチコアプロセッサは、
に動作させることで性能向上を実現す
Intel で は ”Core i7 (Sandy Bridge)” で、
る革新的な技術です。(図2参照)
GPU を内蔵しており描画性能が優れてい
この後、浮動小数点演算機能を強化し
ます。また、ターボ・ブースト機能やハ
マルチプロセッサ機能を追加した第四世
図2 Single Core と Dual Core の違い
Single Core CPU
Dual Core CPU
がリリースされ、Apple の Macintosh シリ
ーズ ”iMac” に採用されました。
イパー・スレッド機能も改善されています。 代のG 4(MPC74xx シリーズ、MPC8641
シリーズ)がリリースされます。このG
4 で AltiVec(Velocity Engine)が搭載され、
CPU Core
CPU Core
CPU バスに MPX バス(MaxBus)を採用
CPU Core
したことで Power Mac 以外に産業用の
組み込みボードに広く採用される事にな
りました。AltiVec は 128 ビットのデー
ここからはクロックレートを上げる
ことなく並列処理で性能アップを実現し
ていきます。この頃、ユーザーインター
フ ェ イ ス を 大 き く 変 更 し た Windows
タを一括して処理する事が可能なベクト
PowerPC
ル演算ユニットで、画像処理や大量のデ
ータを処理する事を得意としており、軍
PowerPC は、1991 年 に Apple、IBM、 事・防衛分野にも高速の信号処理ユニッ
Vista がリリースされますが、OS として
Motorola の 3 社が提携して開発したプ
トとして浸透していきます。当時、G 4
の規模が大きく CPU への負荷も大きく
ロセッサです。
は Motorola が設計・製造を行っており
なり評判は悪くほとんどのユーザが
ましたが現在は Freescale が販権を引き
Windows XP を使い続けていました。
継いでいます。
2006 年にサーバー・ワークステーシ
ョン向けのデュアルコアプロセッサ
"Xeon" 及び PC 向けのデュアルコアプロ
セッサ "Core 2 Duo" がリリースされます。
2006 年末にはクアッドコアプロセッサ
IBM 社 製 の ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン 向 け
"Xeon" 及び "Core 2 Extreme" がリリースさ
CPU POWER アーキテクチャをベースに開
れます。その後、"Core 2 Quad" "Core i7" と
発 さ れ、PowerPC は 1994 年 に Apple の
その後、PowerPC は IBM 社と Apple
クアッドコアプロセッサがリリースされま
Macintosh に搭載されて Power Macintosh
との共同開発でG 5(PowerPC 970 シ
す。CPU の 処 理 性 能 が 上 が っ た 事 に よ り
として旧来の MC68K との互換性を保ちな
リーズ)をリリースします。このG 5
Windows Vista の動作も安定してきましたが、
がらリリースされました。
で 64bit 化を実現し、浮動小数点演算
この頃、Microsoft 社の Windows 7 のアナウ
は 8GFLOPS を実現しました。この時期
ンスによりユーザは Windows Vista への移
に P.A.Semi がG 5 の互換品をリリース
行を控え Windows XP を使い続けるように
し、省電力という事でかなり話題を呼
な り ま す。Windows Vista は Windows 7 へ
び ま し た が 2008 年 に P.A.Semi は
のつなぎ OS となってしまいました。
Apple に買収されてしまいます。
2009 年になると 7 番目の Windows で
こ の 同 時 期 2008 年 に Freescale は
あ る Windows 7 が リ リ ー ス さ れ ま す。
POWER アーキテクチャをベースにした
これに合わせて Intel よりメインストリ
PowerPC は Intel の CISC 系 CPU とは
マルチコアプロセッサ ”QorIQ” を発表
ーム向けのクアッドコアプロセッサ
異なり RISC の技術をベースに設計され
し ま す。QorIQ は POWER ア ー キ テ ク
"Core i5" をリリースします。更に翌年に
ている為、性能の割に低消費電力でサ
チャ e500 コアを複数個実装する事が可
は廉価版の "Core i3" をリリースします。
イ ズ も 小 さ い と い う 事 か ら、Power
能なプラットフォームです。P4080 プ
AMD も Intel に対抗してクアッドコアプ
Mac の他にゲーム機やネットワーク機
ロセッサは e500 コアを 8 個内蔵した
ロセッサ "Phenom" をリリースします。
器又は組み込みシステム用の CPU ボー
マルチプロセッサです。
図3 Quad Core CPU の内部ブロック
Quad Core CPU
Memory
Memory
Memory
Memory
Controller
Memory
Controller
ず、当時松下社製の 3DO REAL というゲー
ム機に採用されました。その後、第二世代
のG 2(PowerPC 603 及び 604)が Power
Memory
Memory
Memory
Memory
Memory
Memory
Memory
Memory
Memory
I/O Controller
Memory
Controller
CPU Core
Memory
Controller
CPU Core
CPU Core
初代 PowerPC 601 の低価格版 PowerPC
602 は残念ながら Power Mac には採用され
I/O Controller
CPU Core
ド等に広く使われるようになりました。
Macintosh に採用され Power Mac G2 とし
今後、CPU は更にマルチコア化が進
て市場に投入されました。1997 年になる
みコアの数を増やして性能アップを実
と第三世代のG 3(PowerPC 75x 及び 74x)
現していくことになります。
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3
CPUボード
のアーキテクチャ
容量を実装する事ができます。プロセ
Core i7 CPU ボード
ここでは弊社にて取り扱っている VPX
のマルチコア CPU ボードをピックア
ップして詳しく紹介したいと思います。
図5 Xcalibur4341 のバックプレーン側接続図
ッサからは QM57 チップセットを経由
して各ペリフェラルに接続されます。
x4
Processor
フ ロ ン ト 側 に は Gigabit Ethernet ポ ー
x8
PCIe
Switch
P2
PMC1
P14 I/O
に直接接続されます。バックプレーン
です。
側は VITA-65 OpenVPX に準拠しており、
図4ブロック図の中央にあるのが
Intel Core i7 デュアルコアプロセッサで
P3
SerDes
x1
Ethernet
Interface
x1
サイトがあり、PCIe to PCI-X ブリッジ
グルボードコンピュータ ”XCalibur4341”
P64S
x1
また、ボード上には 2 つの PMC/XMC
PCIe は XMC のシリアルファブリック
x4
1x SATA
HDMI(DVI) ポートが出力されています。
写真は Extreme Engineering 社製シン
P1
x4
2x USB
ト、 シ リ ア ル ポ ー ト、USB ポ ー ト、
を 経 由 し て PMC に 接 続 さ れ、x8 の
x4
x1
Chipset
XMC1
P16 I/O
I2C
PMC1
P14 I/O
図5の様に P1 ~ P6 コネクタにシリア
2x USB
ルファブリックで出力されています。
1x DVI
XMC1
P16 I/O
SerDes
Analog
Analog
P4
X12D
I2C
Register
8x GPIO
P64S
Serial
Draver
P5
2x RS-485/422/232
X12D
P6
3x SATA
I/O
Serial
Ethernet
PCIe Gen1
す。DDR3 SDRAM は最大各 8GB までの
XCalibur4341 は OpenVPX に 対 応 し
ている為、シャーシは VPX 対応のシャ
図4 XCalibur4341 ブロックダイアグラム
ETH
Serial
Mag
XCVR
USB
ーシが必要となります。
表1は XCalibur4341 の概略仕様です。
HDMI
XMC/PMC 0
NAND
Flash
Controller
NOR
Flash
DDR3
ECC
SDRAM
IntelⓇ
QM57
Chipset
SATA
DMI
FDI
SATA / USB
x4 Ethernet
P6
IntelⓇ
CoreTMi7
Processor
DDR3
ECC
SDRAM
x8 PCI Express
Four x4 (x16) PCI Express
P5
PCIe to
PCI-X
Bridge
x4
x8
48 Lane
PCIExpress
Switch
x8
J16
J16
J26
J25
J13
J11
J23
J21
J14
J12
J24
J22
P4
XCalibur4341
4
仕 様
プロセッサ
DVI
Gig E
Controller
MISH International Co., Ltd.
表1 XCalibur4341 仕様
NAND
Flash
PCI-X
Gig E
Controller
XMC/PMC 1
P3
P2
P1
Intel Core i7
クロック(Max)
2.53GHz
メモリ
16GB DDR3-1066
Flash
32MB NOR, 128GB NAND(最大)
拡張メザニン
2 PMC/XMC
Ethernet
GbE(フロント x1port、バッ
クプレーン x4port)
USB
USB 2.0( フ ロ ン ト x1port、
バックプレーン x2port)
シリアルポート
RS-232/485
HDMI(フロント x1port、バ
グラフィックポート
ックプレーン x1port)
P0
SATA
SATA 3.0(バックプレーン x4port)
XMC
PCI Express x8 Gen2
PMC
PCI-X (64/32bit, 100/66MHz)
フォームファクタ
6U VPX
ドライバ
VxWorks, Linux, QNX,
INTEGRITY, Windows
環境仕様
0-50 ℃、95% 結 露 無 し、 エ
アークール
※耐環境仕様あり
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図6 HDS6600 ブロックダイアグラム
Quad Core CPU ボード
UARTs
IPMB-A/IPMB-8
uDB-9
Temp Senecre
8bit bus
IPMC
Veltage Monltor
Air-Conled
Only
2GB・ECC
FPGA
DDR3
1066
DDR3
1066
Frent
Panel
写 真 は Mercury Computer Systems
VBAT
(Backclane)
Power Platform
社製マルチプロセッサボードです。
P1
Date
Plane
x4 x4
DDR3
1066
P2
Expansion
Plane
P3
Mezzanine
I/O Plane
P4
Mezzanine
I/O Plane
P5
Mezzanine
I/O Plane
P6
Mezzanine
I/O Plane
DDR-II SDRAM
x16
PCIe
Switch
Debug
Cornecter
x8 PCIe2
x8 PCIe2
RS-232
USB 2.0
RTC
RTC
Subsystem
SPI
USB
1000BASE-BX - CP2
Intel
GigE
Controller
x4 PCIe
LPC
1000BASE-BX - CP1
1000BASE-T - ExtEnet2
XFMR
MUX
PCH
Idex Peak
1000BASE-T - ExtEnet1
XFMR
x16
USB
USB
x8 PCIe2
x8 PCIe2
SMLink1
Push
Button
USB 2.0
OMMC
SATA
GPIOs
Reset
セッサボードです。各 CPU には DDR3
Gen2 SerDes
Gen2 SerDes
CKSOS
4GB Flash
アルで搭載した計 8 コアのマルチプロ
Gen2 SerDes
Gen2 SerDes
x4
x16 PCIe2
x16 PCIe2
BIOS Flash
Forest) クアッドコアプロセッサをデュ
Utility
Plane
Contlg ROM
DDR-III
SDRAM
Intel
Quad-Core
DDR3
1066
QPI
(19.4 GB/s)
x4
x2
x2
2GB・ECC
DDR-III
SDRAM
DDR3
1066
DDR3
1066
Intel
Quad-Core
2GB・ECC
DDR-III
SDRAM
DDR-III
SDRAM
UARTs
マルチ CPU として Intel Xeon (Jasper
2GB・ECC
2GB・ECC
DDR-III
SDRAM
P0
DiscreteS P0_P1
x2
x2
RS232
LEDs
DDR-III
SDRAM
CPLD
GPIO
SMBus
2GB・ECC
GA[0:4]
LEDs
SEEPROM
Management
RS-232
RS-232
RJ-45
HDS6600
SDRAM を最大 6GB 搭載することが可
能で、メモリチャンネルへの帯域幅は
17GB/s を確保しています。2 つの CPU
間 は 高 速 の QPI で 接 続 さ れ て お り、
19.26GB/s の転送が可能です。チップ
図7 MultiCore Plus ソフトウェア開発環境
セットは Intel PCH Ibex Peak を搭載し
Software Development
ており各種ペリフェラル I/O との接続
Target Production System
TATL
れています。Mercury Computer の最大
SUPERVISOR
の特徴はマルチプロセッシング用のソ
MultiCore Debug
フトウェア環境が準備されていること
VMC
です。
Customer Applications
OpenFDK - SVE
MPI
ICS
3rd-Party IDE Plug-ins
MultiCore Plus はマルチプロセッサ用
FPGA Driver (FDK)
TimeStorm
のソフトウェア開発環境で、画像処理
FPGA IP (FDK)
Windows - Linux
又は信号処理の用途に最適なライブラ
TCP/IP
Ethernet RIO
DIAGNOSTICS
は各種シリアルファブリックが出力さ
SYST. MGT. SVCS
Eclipse Framework
MultiCore MathPack
OpenVPX に 準 拠 し て お り P0 ~ P6 に
HIGH AVAILABILITY
が可能となります。バックプレーンは
OFED
Extended OS
VxWorks BSP
RT Linux LSP
リを提供しています(図7参照)。
ターゲットのマルチプロセッサハー
ドウェアに対して MultiCore Plus を使用
Mercury Today
Third-Party
CSN Enabling Software
Custorner IP
することで MultiCore MathPack に含ま
れる MultiCore SAL (MultiCore Scientific
Algorithm Library) 科学アルゴリズムラ
イブラリ又は MultiCore VSIPL (MultiCore
Vector Signal Image Processing Library)
ベクトル信号処理・画像処理ライブラリ
表2 HDS6600 仕様
仕 様
プロセッサ
Intel Dual Quad-Core Xeon (Jasper Forest)
クロック(Max)
1.73GHz
を使用する事が可能になります。また、
メモリ
12GB DDR3-1066
Eclipse Framework で TATL 又
Flash
8MB BIOS SPI, 2GB NAND
Ethernet
GbE(フロント x1port、バックプレーン x4port)
USB
USB 2.0(フロント x1port、バックプレーン x2port)
シリアルポート
RS-232/485
SATA
SATA(バックプレーン x2port)
フォームファクタ
6U VPX
ソフトウェア
MultiCore Plus
環境仕様
-25-55℃、85% 結露無し、エアークール
※耐環境仕様あり
は
SUPERVISOR 等の解析ツール、MultiCore
Debug でのデバッグツール、VMC のク
ラスタアプリケーション用の仮想マルチ
コンピュータツールを提供します。
表2に HDS6600 の概略仕様を示しま
す。
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5
OpenVPX
ANSI/VITA 46 で 規 格 化 さ れ て い る
VPX の規格は、ボード間の相互運用性が
考慮されていなかった為、複数のベンダの
ボードを使ってインテグレーションしよう
とすると膨大な期間と費用を費やすことに
なります。この相互運用性を考慮したシス
テムレベルの規格が OpenVPX です。
てワーキンググループを作ってシステム
OpenVPX とは
Management Plane
Management Plane はヘルスモニタリン
レベルの規格化を行いました。
2009 年より Mercury Computer Systems
社の主導でワーキンググループを作り規
OpenVPX は軍事・防衛分野で今最も
グ、インベントリ管理、イベントログ、故障
注目されている規格です。
検出、故障分離などのプラットホームレベル
格 制 定 を 行 っ て お り、2010 年 に ANSI/
OpenVPX で は AdvancedTCA 又 は
VITA 65 として規格化されました。VITA46
MicroTCA の様なテレコム向けのアーキ
フレームワークを定義します。OpenVPX は、
の VPX 又は VITA 48 の VPX REDI にてボー
テクチャで共通の ”Plane” でバックプレ
ペイロードモジュールレベル (IPMCs) と筐体
ドレベル、バックプレーンレベルで個々の
ーンの通信を定義しています。OpenVPX
レベル (ChMCs) で任意のシステム管理コン
規格を確立しておりましたが、ボード間の
に は ”Utility”, “Management”, “Control”,
ポーネントを定義する VITA 46.11 をサポー
相互運用性については考慮されておりま
“Data”, “Expansion” の 5 つ の Plane が 定
ト し ま す。OpenVPX も 同 様 で す が、VITA
せんでした。OpenVPX はこの VPX 規格を
義されています。図8は 3U OpenVPX の
46.11 はホットスワップなどのテレコム特有
システムレベルで規格化し、異なる COTS
バックプレーンの構成を示しています。
の 機 能 を 取 り 除 い て AdvancedTCA や
タスクのためにハードウェアとソフトウェア
ボードベンダ間のシステム構築を容易に
する為に規格化されたものです。
Utility plane
表3 VITA 46 のオプショナル・マトリックス
VITA 46.0
46.1
VME
46.3
RapidlO
46.4
PCIe
46.6
Ethernet
46.7
10GE
46.9
46.10
I/O
RTM
46.11
Sys.Mgt.
Fiber
66
67
P0
P2
P2
P0
P5,6
P6
RF
3U
P2
P1
P1
P1
P1
P1,2
P2*,3,4,5
P1
P1
P4
P1
P3,4,5,6
MicroTCA の仕様を盛り込んでいます。
6U
Management Plane
Control Plane
Data Plane
Expansion Plane
Utility plane はシステム内の電源、クロッ
Control Plane
ク、リセットの接続を定義します。OpenVPX
Control Plane はトラフィックをコントロ
は、Utility Plane でシステム内のリセット要
ールする為、システムレベルで通信経路を
件を明確化し、COTS ボードとシャーシの電
定義します。OpenVPX は、Control Plane に
源プロファイルを定義することによって相互
1000BASE-BX SERDES GbE プロトコルを使用
運用性をサポートします。リセット要件の明
することにフォーカスしました。これはピ
確化と電源プロファイルの定義はシステム相
ン数が限られた 3U シャーシには特に有益で
互運用の為には基本的な要件です。
す。SERDES ベースの GbE プロトコルがピ
User I/O
表 3 の よ う に VITA 46 VPX 規 格 に は
様々なオプションが準備されており、そ
図8 3U OpenVPX のバックプレーン構成
Slot 1
Slot 2
VPX
VPX
Integrated
Payload 1
Switch Power
Reset
Clocks
れが COTS ボードベンダ間で異なる為互
換性をとるのが非常に困難な状況があり
A
B
空宇宙などの堅牢性(Ruggedized)及
た規格であり、ボード、バックプレーン、
スイッチファブリック I/O の全てに於い
て、次の世代への可能性を備えた規格で
C
A
J30
B
x4
J40
Slot 6
VPX
Payload 5
J50
J60
B
x4
A
A
I/O
via RTM
SerDes GigE
J21
I/O
via RTM
x1
SerDes GigE
J31
I/O
via RTM
x1
SerDes GigE
J41
I/O
via RTM
x1
SerDes GigE
J51
B
x4
I/O
via RTM
x1
SerDes GigE
J61
A
I/O
via RTM
x1
SerDes GigE
J71
I/O
via RTM
I/O
via RTM
I/O
via RTM
I/O
via RTM
I/O
via RTM
I/O
via RTM
I/O
via RTM
J12
J22
J32
J42
J52
J62
J72
あると言えます。但し、異なる COTS ベ
ンダによるそれぞれの思惑による実装は
マーケットの要求にミートする事ができ
ませんでした。そこで、各ベンダを集め
6
MISH International Co., Ltd.
Control Plane
J70
Data Plane
Expansion Plane
A
x4
x1
Slot 7
VPX
Payload 6
Leaf Node
A
x4
I/O
via RTM
J11
Slot 5
VPX
Payload 4
Leaf Node
Management Plane
J20
x4
Slot 4
VPX
Payload 3
Utility Plane
12C
J10
ます。VPX の技術は軍事・防衛または航
び高性能が要求される用途で非常に優れ
Slot 3
VPX
Payload 2
Leaf Node
x4
Fat Pipe (FP)
x1
Ultra Thin Pipe (UTP)
MISH Tech Journal 2011 SUMMER
ンカウントを半分に抑えて、ボード上のノ
計のためのシャーシとモジュールの電源
イン表があります。全てのピンの位置
イズを低減することが可能となります。
及び温度プロファイルを定義しています。
と用途は明確に定義されています。こ
Data Plane
Slot Profile
れはユーザ定義のピンスペース領域も
含んでおり、システム設計者が固有の
Data Plane はシステム内ピア間のデータ
図9-1、9-2はマルチプレーン・ペ
転送の為、スイッチドファブリックに基づく
イロード及びスイッチ・モジュールの
高スループット機構を提供します。これは、
為の 6U Slot Profile の一例です。
ボード間でコミュニケーションできるよう、
分配アーキテクチャを使用するかまたは中央
にスイッチを置いてルーティングすることに
よって達成できます。高速シリアルファブリ
をサポートするために帯域幅と下位互換のデ
Utility Plane
SE
P0/J0
S
E
User Defined
Utility Plane
S
E
Diff
P1/
J1
Diff
P2/
J2
Key
Key
S
E
Expansion Plane
意図したデータ転送のために高スループ
ット機構を提供します。Expansion Plane
はコプロセッサへのデータ移動、またはセ
Module Profile では OpenVPX 仕様は
広範囲なアプリケーション要求に対応
Data Plane 4 Fat pipes
User Defined
S
E
Diff
P3/
J3
Diff
P4/
J4
S
E
Diff
P5/
J5
S
E
Diff
P6/
J6
S
E
User Defined
Utility Plane
Expansion
Plane - 32 pairs
する為、様々なスイッチファブリック
オプションを可能にします。
SE
P0/J0
Utility Plane
S
E
User Defined
Diff
P1/
J1
表4はスイッチファブリックオプシ
Control
Plane 2 Ultra
Thin pipes
ョンを含む 6U Module Profile の一例で
す。様々なファブリックとボーレート
Diff
P2/
J2
がアプリケーション要求に適合します。
Key
Key
の特定のエンティティ間のデータ共有を
Module Profile
図9-2 6U スイッチスロット・プロファイル
SLT6-SWH-20U19F-10.4.1(右)
ータスループットを提供します。
Expansion Plane は、システム内の 2 つ
プレーンの開発の実装を提供できます。
図9-1 6U ペイロードスロットプロファイル
SLT6-PAY-4F1Q2U2T-10.2.1(左)
ッ ク Data Plane の 規 格 化 に、OpenVPX は、
現在のものと将来のアプリケーションの両方
ターゲットアプリケーションとバック
User Defined
S
E
Diff
P3/
J3
S
E
Diff
P4/
J4
S
E
Diff
P5/
J5
S
E
Diff
P6/
J6
User Defined
Control Plane 2 Ultra-Thin pipes
Control Plane 2 Thin pipes
User Defined
Control Plane 2 Thin pipes
Key
Backplane Profile
Data Plane 19 Fat pipes
Slot Profile 及 び Module Profile が 決 ま っ
たら、Backplane Profile のソリューションを
選択する必要があります。通常は設計者は、
アプリケーションに必要なスロット数又は
Key
サイズ、重量、電源及び性能要求をベース
ンサインタフェース・モジュールからプロ
セッサ・モジュールへのデータ移動と同様
各 Pipe は差動ペアで Plane にアサイ
にシャーシトポロジを選択します。図 10 は
のオフロードエンジンの様な機能を実装
ンされています。ここでは記載しませ
6U OpenVPX で規定されている Slot Profile
する為の標準メカニズムを提供します。
んが、OpenVPX 仕様書には全てのスロ
及び Backplane Profile を使って設計した 6U
ットプロファイルコネクタのピンアサ
OpenVPX のシャーシトポロジの一例です。
容易なインテグレーション
OpenVPX でバックプレーンのピンアウト
図 10 16 スロット 6U マルチプレーン・バックプレーン・プロファイル
(BKP6-CEN16-11.2.2-n)のトポロジ
Payload Slots
Switch/Manegment
Payload Slots
を標準化するまでは VPX システムを構築す
Slot numbers are
logical, physical
slot nubers may
be different
る 事 は 膨 大 な 費 用 と 労 力 が 必 要 で し た。
VPX
1
VPX
2
VPX
3
VPX
4
VPX
5
VPX
6
VPX
7
VPX
8
VPX
9
VPX
10
VPX
11
VPX
12
VPX
13
VPX
14
VPX
15
VPX
16
Expansion Plane
(DFP = 8 lanes)
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Expan
Plane
Data Plane
(FP = 4 lanes)
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Switch
Data
Switch
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Data
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Switch
Control
Switch
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
Control
Plane
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
ChMC
ChMC
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
IPMC
OpenVPX で定義するスロット、モジュール、
バックプレーンのプロファイルはシステムイ
ンテグレーションを容易にします。OpenVPX
はバックプレーンから見た場合の物理ロケー
ション及びプレーンの論理定義として Slot
Profile を 定 義 し て い ま す。 ま た、Module
Profile はプロトコルの要件を定義します。
Control Plane
(UTP = 1 lanes)
Management
Plane (IPMB)
更にシステムの柔軟性を適用する為に
OpenVPX は Module Profile に い く つ か の ”
User Defined I/O” を 定 義 し ま し た。Module
Profile でコネクタ上の ”User Defined I/O” の
位置を設定している事で、モジュールベンダ
側でその I/O の配置を決めることができます。
しかしながら、システムで外部 I/O にアクセ
スするには RTM(Rear Transition Module) を使
うか、モジュール自身のフロントパネル I/O
を使います。よって、I/O ピンアウトを指定
できる事の利点はごく僅かです。
OpenVPX は Backplane Profile で基本設
表4 6U Module Profile の例
Profile Name
Data Plane 4 FP
DP01 DP02 DP03 DP04
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-1
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-2
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-3
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-4
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-5
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-6
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-7
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-8
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-9
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-10
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-11
MOD6-PAY-4F1Q2U2T-12.2.1-12
SRIO 1.3 at 3.125 Gband per Section 5.2
SRIO 1.3 at 3.125 Gband per Section 5.2
PCle Gen 1 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
10GBASE-BX4 per Section 5.1.4
10GBASE-BX4 per Section 5.1.4
10GBASE-BX4 per Section 5.1.5
10GBASE-BX4 per Section 5.1.5
SRIO 2.0 at 5.0 Gband per Section 5.2
SRIO 2.0 at 6.25 Gband per Section 5.2
SRIO 2.0 at 5.0 Gband per Section 5.2
SRIO 2.0 at 6.25 Gband per Section 5.2
Expansion Plane
Control Plane 2 UTPs Control Plane 2 TPs
CPutp01 CPutp02 CPtp01 CPtp02
PCle Gen 1 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
PCle Gen 1 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
PCle Gen 1 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3 1000BASE-BX per 1000BASE-T per
Section 5.1.1
Section 5.1.3
PCle Gen 1 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
PCle Gen 2 per Section 5.3
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7
GPU
近年、グラフィック・アクセラレータ
が進化した GPU が高性能な演算処理
プロセッサとして PC 市場に流通して
います。エンベディッドマーケットも
同様に GPU を搭載した信号処理・画
像処理プロセッサボードがリリースさ
れてきました。ここでは、その GPU
に関して説明します。
GPU とは
NVIDIA GeForce
GTX 580
GPC(Graphics Processor Cluster)ブロッ
GTX 580 は NVIDIA 社製のハイエンド
クに分かれています。更にこの GPC 内に
ブ ロ ッ ク 図 を 見 る と、 内 部 は 4 基 の
市場向け GPU です。CUDA プロセッサ
は 4 基の SM(Streaming Multi-Processor)
コアを 512 基搭載し、プロセッサクロ
が 内 蔵 さ れ、 更 に 各 SM 内 に 32 基 の
ッ ク は 1544MHz で 動 作 し ま す。 図 11
CUDA プロセッサコアが実装されている
に GTX 580 の内部ブロック図を示します。 のがわかります。合計で 512 基の CUDA
表5 GTX 580 概略仕様
仕 様
GPU と は Graphics Processing Unit
の略で、コンピュータの画像表示機能
を行うグラフィック・アクセラレータ
から発展した画像処理や演算処理を行
うプロセッサの事です。
3 Dゲームやマルチメディア機能の
CUDA プロセッサコア
512
コアクロック
1544MHz
メモリ容量
1536MB GDDR5
メモリクロック
2004MHz
メモリインターフェイス幅
384bit
テクスチャユニット数
64
図 11 GTX 580 内部ブロックダイアグラム
普及に伴って、グラフィック・アクセ
Host Interface
GigaThread Engine
ラレータメーカはレンダリングやシェ
が担当していた座標変換とライティン
グ(光源計算)をグラフィック・アク
GPC
Raster Engine
Memory Controller
っ て 開 発 し、2000 年 以 降 に 従 来 CPU
GPC
SM
SM
SM
Raster Engine
SM
SM
SM
SM
SM
Memory Controller
ーディングといった描画処理機能を競
セラレータに取り込んだ事から GPU と
呼ばれるようになりました。
きる事で CPU の 10 倍以上の浮動小数
点演算が可能です。GPU の処理性能の
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Memory Controller
載されており、それらを並列に処理で
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Memory Controller
GPU には複数のプロセッサが多数搭
L2 Cache
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
Polymorph Engine
どで広く使われるようになりました。
GPU の 2 大 メ ー カ は NVIDIA 社 及 び
AMD 社(旧 ATI Technologies 社)です。
ここでこの 2 社の製品をピックアップ
して説明します。
8
MISH International Co., Ltd.
SM
SM
SM
SM
SM
Raster Engine
GPC
SM
SM
Raster Engine
GPC
SM
Memory Controller
の演算処理コンピュータが研究機関な
Memory Controller
高さから、最近は GPU を使用した汎用
MISH Tech Journal 2011 SUMMER
プロセッサコアを使う事ができます。
図 12 Streaming Multi-Processor の内部ブロック
表5は GTX 580 の概略仕様です。
SM
NVIDIA 社 の GeForce シ リ ー ズ は
GPU の開発環境として CUDA(Compute
Unified Device Architecture)を提供し
CUDA Core
ており、GPU の性能を最大限に利用す
Operand Collector
ることができます。
FP Unit
現在、CUDA はイメージや画像処理、
Dispatch Port
INT Unit
Instruction Cache
Warp Scheduler
Warp Scheduler
Warp Scheduler
Warp Scheduler
Dispatch Unit
Dispatch Unit
Dispatch Unit
Dispatch Unit
Register File(32,768 x 32bit)
Core
Core
Core
Core
Register File(32,768 x 32bit)
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
SFU
Core
Core
Core
Core
計算処理を行う生物学や化学、流体シ
Core
Core
Core
Core
ミュレーション、CT 画像処理、地質調
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Result Queue
SM
Instruction Cache
SFU
SFU
査など、幅広い分野で使用されています。
SFU
SFU
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
Core
SFU
SFU
Core
Core
Core
Core
SFU
Interconnect Network
Interconnect Network
64KB Shared Memory / L1 Cache
64KB Shared Memory / L1 Cache
Uniform Cache
tex
tex
Uniform Cache
tex
tex
tex
tex
Texture Cache
PolyMorph Engine
Vertex Fetch
Trssellator
Attribute Setup
tex
tex
Texture Cache
PolyMorph Engine
Viewport
Transform
Vertex Fetch
Stream Output
Trssellator
Attribute Setup
Viewport
Transform
Stream Output
図 13 AMD Radeon HD6800 内部ブロック
AMD Radeon HD6870
Radeon HD6870 は AMD 社製の GPU です。
図の様に AMD のアーキテクチャは
SIMD(Single Instruction Multiple Data)
エンジンを実装しており、HD6870 では
この中に 1120 基の Stream Processor を
内蔵しています。演算性能は 2.0TFLOPS
で、メモリは NVIDIA 同様 GDDR5 を採
用しています。
以下に概略仕様を示します。
AMD 社は Radeon GPU の開発環境と
して「ATI Stream」を提供しています。
ATI Stream は GPU ハ ー ド ウ ェ ア 上 に
CAL(Compute Abstraction Layer)とい
うレイヤを配置して C 言語ベースの高
級言語「Brook +」を用いて GPU 用の
表6 Radeon HD6870 仕様
プログラムを開発することができます。
こ の 様 に、HPC(High Performance
Computing)の領域で GPU は CPU に代
わるマルチコア・プロセッサとしてなく
てはならない存在となってきています。
仕 様
Stream プロセッサコア
1120
コアクロック
900MHz
メモリ容量
1GB GDDR5
メモリクロック
4.2GHz
メモリインターフェイス幅
256bit
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9
CPU ボード新製品
新 製品
今回は CPU ボードの新製品をピックアップしてご紹介します。
■ Extreme Engineering Solutions 社製 XCalibur4440
■ Mercury Computer Systems 社製 HCD6410
■ Pentek 社製 Model53690
XCalibur4440
Extreme Engineering Solutions 社製 XCalibur4440 は最新の Intel
Core i7 プロセッサを搭載した OpenVPX の高性能 CPU ボードです。
Intel の Sandy Bridge マイクロアーキテクチャを採用した
Core i7 は 32nm の半導体プロセスにより低消費電力を実現
しています。このデュアルコアプロセッサに各 8GB(最大)
の DDR3 SDRAM を搭載する事ができます。
ブ ロ ッ ク 図 の 通 り、 内 部 構 成 は CPU が Core i7(Sandy
Bridge) に変更されたこと以外は前述の XCalibur4341 とほぼ
図 14 XCalibur4440 のブロックダイアグラム
同等です。ボード上には各種 I/O モジュールを拡張できる
XMC/PMC サイトを 2ch 用意しています。オンボードのイン
ターフェイスとしては標準的な Ethernet、USB2.0、DVI-D ポ
ETH
Serial
Mag
XCVR
USB
HDMI
XMC / PMC 0
NAND
Flash
Controller
NOR
Flash
ートが装備されています。OS は VxWorks、Linux をサポート
しており、その他 Windows や QNX も対応可能です。
IntelⓇ
QM57
Chipset
フォームファクタは 6U OpenVPX(VITA 65)に対応していま
DDR3
ECC
SDRAM
SATA
DMI
FDI
DDR3
ECC
SDRAM
IntelⓇ
Core™i7
Gig E
Controller
防衛分野、産業機器や医療分野など幅広い分野の高速信号処理
SATA / USB
Gig E
Controller
Four x4 (x16) PCI Express
x8 PCI Express
PCI-X
Etherner
ルとコンダクションクールタイプを用意しており、航空宇宙や
NAND
Flash
DVI
すのでバックプレーン上のシリアルファブリックで高速通信が
可能です。コマーシャル版の他に耐環境仕様としてエアークー
XMC / PMC 1
x4
PCIe to
PCI-X
Bridge
x8
48 Lane
PCI-Express
Switch
J16
J15
J26
J25
J13
J11
J23
J21
J14
J12
J24
J22
システムのメインプロセッサとして使用する事ができます。
表7に XCalibur4440 の仕様を記載します。
P6
P5
P4
P3
P2
P1
P0
表7 XCalibur4440 仕様
仕 様
仕 様
プロセッサ
Intel Core i7 Sandy Bridge
SATA
SATA 3.0(バックプレーン x4port)
クロック(Max)
2.1GHz
XMC
PCI Express x8 Gen2
メモリ
16GB DDR3-1066 SDRAM
PMC
PCI-X (64/32bit, 100/66MHz)
Flash
32MB NOR, 128GB NAND(最大)
フォームファクタ
6U VPX
拡張メザニン
2 PMC/XMC
ドライバ
VxWorks, Linux, QNX, INTEGRITY, Windows
Ethernet
GbE(フロント x1port、バックプレーン x4port)
環境仕様
0 ~ +55℃、0 ~ 95% 結露無し、エアクール(300LFM)
USB
USB 2.0(フロント x1port、バックプレーン x2port)
耐環境仕様(Level 3) -40 ~ +70℃、0 ~ 95% 結露無し、エアクール(600LFM)
シリアルポート
RS-232/485
耐環境仕様(Level 5) -40 ~ +85℃、0 ~ 95% 結露無し、コンダクションクール
グラフィックポート
HDMI(フロント x1port、バックプレーン x1port)
HDC6410
Mercury Computer Systems 社 製 HDC6410 は Freescale 社
製の PowerPC”MPC8640D” デュアルコアプロセッサを4個搭
載した OpenVPX の高性能マルチプロセッサ CPU ボードです。
Freescale の MPC8640D は AltiVec 128bit SIMD(Single
Instruction Multiple Data)エンジンを搭載した e600 コアをデュア
ルで実装しており、高性能の信号処理及び画像処理を可能にしま
す。HCD6410 はこのプロセッサを4個搭載し、合計8個の e600
PowerPC コアを実装している事で高性能のマルチプロセッシング
処理を実現しています。図 15 に HCD6410 のプロック図を示します。
MPC8640D プロセッサは Serial Rapid IO クロスバースイッ
チで接続され、高速にプロセッサ間のデータ転送を可能にし
ます。また、XMC サイトが1基準備されていますので I/O モ
10
MISH International Co., Ltd.
ジュールを搭載する事ができ、PCIe 経由でプロセッサにデー
タを受け渡すことができます。
表8は HCD6410 の概略仕様です。
2011 年夏の新製品
表8 HCD6410 概略仕様
図 15 HCD6410 のブロックダイアグラム
Serial
1GB
DDR2
1GB
DDR2
128 MB
Flash
1GB
DDR2
I2C
864xD
Dual-Core
PPC
128 MB
Flash
GigE
System
Management
Block
GigE
Ethernet
Switch
128 MB
Flash
1GB
DDR2
GigE
1GB
DDR2
864xD
Dual-Core
PPC
3x GigE
プロセッサ
1GB
DDR2
864xD
Dual-Core
PPC
GigE
GigE
864xD
Dual-Core
PPC
仕 様
RJ45
RTC
1GB
DDR2
128 MB
Flash
1GB
DDR2
x8 PCIe
x4 SRIO
XMC
Site
x4 SRIO
x4
PCIe
x4 SRIO
Serial
RapidIO
Crossbar
x4 SRIO
4 - x4 SRIO
x4
PCIe
I2C
x8
PCIe
Freescale MPC8640D x4
クロック(Max)
1.06GHz
メモリ
8GB DDR2 SDRAM(各プロセッサノードに対して 2GB
最大)
Flash
512MB(各プロセッサノードに対して 128MB)
拡張メザニン
1 XMC
Ethernet
GbE(フロント x1port)
シリアルポート
RS-232/422/485(バックプレーン)
XMC
PCI Express x8(VITA 42.3)
フォームファクタ
6U OpenVPX
ソフトウェア
VxWorks、Linux サポート
環境仕様
0 ~ +55℃、0 ~ 95% 結露無し、エアクール(300LFM)
Model 53690
Pentek 社製 Model53690 は L-Band RF チューナと 200MHz
AD&FPGA を搭載した 3U VPX モジュールです。
フロントエンドに 925MHz ~ 2175MHz の L-Band 信号を
受 信 可 能 な RF チ ュ ー ナ が 実 装 さ れ て お り、I/Q 分 離 の 後
16bit@200MHz の A/D コンバータで 16bit のデジタル信号に
変換します。その後段には Xilinx Virtex-6 FPGA が搭載されて
おり、高速の信号処理を実行する事が可能です。
VPX バックプレーンには 4X の Fat Pipe で P1 の Data Plane
に ア サ イ ン さ れ て い ま す。 ま た、P2 Expantion Plane に は
表に概略仕様
FPGA から LVDS 差動でユーザ I/O がアサインされています。
を示します。
弊社ではこれらCPUボードを組み
合わせた受託開発も承っておりま
す。ソフトウェア開発及びハードウ
ェアの設計開発も可能ですのでお
気軽にご相談ください。
図 16 Model 53690 ブロックダイアグラム
Ref
In
RF
In
Ref
Out
GC
MAX2112
Samole CIk /
Reference CIk In
Trigger 1
TTL Gate / Trig
TTL Sync / PPS
Sample CIk
Ref In
Gate A
Gate B
Sync / PPS A
Sync / PPS B
Timing Bus
Ref
TIMING
GENERATOR
I
Option 100
A/D Clock/Sync
Q
200 MHz
16-BIT A/D
Clock / Sync /
Gate / PPS
12-BIT
D/A
Control
200 MHz
16-BIT A/D
16
16
◤ 展示会情報 ◥
2
I2C
VIRTEX-6 FPGA
VCXO
LX130T, LX240T, LX365T, SX315T or SX475T
LVDS
16
QDRII+
SRAM
8 MB
16
16
16
QDRII+
SRAM
8 MB
16
QDRII+
SRAM
8 MB
16
16
QDRII+ option 150
QDRII+ option 160
DDR3 option 155
DDR3 option 165
DDR3
SDRAM
512 MB
DDR3
SDRAM
512 MB
Memory Banks 1 & 2
DDR3
SDRAM
512 MB
16
16
QDRII+
SRAM
8 MB
40
Config
FLASH
64 MB
Option -104
FPGA
I/O
8X
4X
4X
4X
4X
4X
Gbit Gbit Gbit
Serial Serial Serial
VPX-P2
VPX BACKPLANE
VPX-P1
2011 年5月
ESEC 組込みシステム開発技術展
(東京ビッグサイト)
http://www.esec.jp
x8
PCIe
CROSSBAR
SWITCH
DDR3
SDRAM
512 MB
Memory Banks 3 & 4
Gigabit Serial I/O
GTX GTX
GTX
4X
Gbit
Serial
2011 年7月
WTP ワイヤレス・テクノロジー・
パーク(パシフィコ横浜)
http://www.wt-park.com
表9 Model53690 仕様
仕 様
RF チューナ
L-Band 625MHz ~ 2175MHz(MAX2112)
ADC
16bit, 200MHz(ADS5485)
FPGA
Xilinx Virtex-6 XC6VLX130T(Default)
メモリオプション
8MB QDRII+SRAM 又は 512MB DDR3 SDRAM
Flash
64MB
PCI Express
x8(Gen1)又は x4(Gen2)
フォームファクタ
3U VPX
ソフトウェア
VxWorks、Linux サポート
環境仕様
0 ~ +55℃、0 ~ 95% 結露無し、エアクール
耐環境仕様(オプション) -40 ~ +70℃、コンダクションクール
2011 年 11 月
Embeded Technology
(パシフィコ横浜)
http://www.jasa.or.jp/et/ET2011
おわりに
テックジャーナルでは、これからも出
来る限りお客様に有意義な情報を提供
していきたいと思います。今後ともど
うぞよろしくお願いいたします。
http://www.mish.co.jp
11
☞ 『ミッシュ・テックジャーナル』次回発行をお楽しみに!
Trigger 2
XTAL
OSC
受託開発
Fast, Flexible, and Customer-Focused Embedded Solutions!
MISH TECH JOURNAL
(ミッシュ
・テックジャーナル)は、最新の情報をいち早くお届けする技術情報誌です。
2011
Summer
Vol.
Powered by
5
http://www.mish.co.jp
CONTENTS
CPUの歴史
P.2
CPUとWindows
マルチコアプロセッサ
PowerPC
CPUボードのアーキテクチャ
P.4
Intel Core i7 CPUボード
Quad Core CPU ボード
OpenVPX
P.6
OpenVPXとは
容易なインテグレーション
エンベデッド・コンピューティング・ソリューション
OpenVPX エンベデッド・コンピューティング・ソリューション
GPU
by Extreme Engineering Solutions
P.8
GPUとは
NVIDIA GeForce GTX 580
AMD Radeon HD6870
CPUボード新製品
P.10
Extreme Engineering
Solutions社製 Xcalibur4440
Mercury Computer
Systems社製 HCD6410
Pentek社製 Model53690
ANSI/VITA 65でOpenVPXが規格化されたことによって、VPXシステムのインテグレーションは劇的に改善されます。今まで、VPXシステムは複数ベ
ンダ間での相互運用性(互換性)
を確立するのが困難でしたが、
これからはスムーズなインテグレーションが可能になります。
Extreme Engineering Solutions(X-ES)社は2002年にアメリカのWisconsin州Middletonにて設立されたシングルボードコンピュータ・周辺装置
及びソフトウェアのエンジニアリング・カンパニーです。元々はエンベデッド・コンピュータ業界で長年の経験を持った人材が集まって設立したプ
ライベートカンパニーですが、現在はエンベディッド業界のマーケットリーダーとして急成長しています。X-ESはOpenVPXのソリューションを提供
するEmbedded Computingのエキスパートとして、航空宇宙や防衛、産業機器や医療などの幅広い分野に最適なソリューションをご提案します。
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11夏号特集
マルチコアプロセッサ
マルチコアプロセッサとOpenVPX
企画・編集・発行/株式会社ミ
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