なにわの医療道場 064号 - 大阪民医連 医学生.com

64
医
学
生
と
民
医
連
の
情
報
誌
なにわ の 医療道場
大阪民医連は、無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす組織です。2013年、連合会設立60周年
を迎えました。現在、4つの病院、49の診療所、7つの歯科事業所、2つの老健施設、22の訪問看護ス
テーション、33の保険薬局、そして1つの看護専門学校が、大阪民医連に加盟しています。
病院・診療所での実習、随時受けいれています。
奨学金制度
「 子どもの貧困
その
」実態と対応
「 震災から3年…、∼ 復興へ、今自分たちに出来ること ∼ 」
「 医師を目指すものとして… 」
大阪民医連は、いつでも、どこでも、だれもが安心してよい医療を提供できる医療機関を目指しています。私たち
の医療活動に共感し、ともに働く意思がある方を対象に奨学金を貸与しています。
対象学年と奨学金額
1∼2 年生
50,000円
大阪民医連の病院紹介
耳原総合病院
標榜
科目
70,000円
一般110床・亜急性期54床・リハビリテーション54床
内科(呼吸器、循環器、消化器、神経、糖尿病)、外科、
整形外科、小児科、婦人科、泌尿器科、
リハビリテーション科、放射線科、血液浄化室(人工透析)
臨床研修
指定病院
臨床研修
指定病院
〒590-8505 堺市堺区協和町4丁465(南海高野線堺東駅よりバス)
TEL. 072-241-0501(代) E-mail. [email protected]
URL. http://www.mimihara.or.jp/sogo/ ■ ブログ更新中! http://blogs.yahoo.co.jp/kensyuuiroom/
!!
診療科目:内科、循環器科、消化器科、呼吸器科、外科、
整形外科、肛門科、小児科、眼科、リハビリテーション科、
神経内科、皮膚科、泌尿器科、放射線科
大阪民医連
標榜
科目
!!
﹂
﹂
〒577-0832
東大阪市長瀬町1-7-7(近鉄大阪線長瀬駅徒歩3分)
TEL. 06-6727-3131(代) E-mail. [email protected]
URL. http://www.iseikyoukawachino.jp/higasiosaka/
〒555-0024 大阪市西淀川区野里3-5-22
(JR東西線御幣島駅徒歩5分)
TEL. 06-6472-1141(代) E-mail. [email protected]
URL. http://www.yodokyo.or.jp/nishiyodo/index.html
■ ブログ更新中! http://nishiyodo.blog54.fc2.com/
コープおおさか病院 一般108床・亜急性期8床・リハビリテーション50床
一般52床・リハビリテーション47床
(大阪民主医療機関連合会)
1
標榜
科目
﹁チーム医療を体験
﹁病院から在宅へお手伝い
!!
西淀病院
一般386床
﹂
﹂
標榜
科目
5∼6 年生
私たちの病院は 差額ベット料を徴収していません
内科、循環器内科、消化器科、呼吸器科、小児科、外科、
胸部心臓血管外科、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、産婦人科、
皮膚科、精神科、泌尿器科、神経内科、脳神経外科、麻酔科、
放射線科、肛門外科、リハビリテーション科
東 大阪生協病院
60,000円
﹁地域医療を実感
﹁様々な視点で実習を
!!
3∼4 年生
〒541-0054
大阪市中央区南本町2-1-8
創建本町ビル2階
お問い合せ 06-6268-3970
診療科目:内科、循環器科、消化器科、呼吸器科、心療内科、
外科、肛門科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、小児科、眼科、
リハビリ科、放射線科、歯科、小児歯科、矯正歯科
〒538-0053
大阪市鶴見区鶴見3-6-22
(地下鉄長堀鶴見緑地線今福鶴見駅徒歩4分)
TEL. 06-6914-1100(代) E-mail. [email protected]
URL. http://www.osh.coop/
病院実習、奨学金制度についての
お問合せ・お申込み先
医学生.com
http://www.oskmin-igakusei.com/
子どもの貧困
大阪・医療生協かわち野生協こども診療所
所長
春本常雄
子どもの貧困、親世代の貧困
小 生 の 働 く 東 大 阪 市 は 、 医 療 費 助 成 制
度 は 就 学 前 ま で で あ り、 小 学 校 年 以 上
時に帰宅し朝 時には家を出る。 歳以
についていない家庭もあり、あっても午前
シングルマザーや離婚が多い。父親が定職
であれば、真面目に考えれば考えるほど先
に初めて結婚 ・ 出産 ・ 子育てを考えるの
業 ・ 生活 ・ 経済的そして精神的基盤の上
持っ て子どもを産み育てるという夫婦も
上になっ てやっ と安定した職業 ・ 家庭を
社会である。
「 子どもの貧困」というが、
の日本は子どもを産み育てるのが困難な
延ばしとなってしまう。このように、現在
「 親世代の貧困」にほかならない。
多い。一昔前と比べ、 歳後半くらいで結
婚して子育てしている「 普通の」 家庭は
少ない印象である。また、 つの保育園・
次 に 、 現 在 日 本 に お け る 子 ど も を め ぐ
る 環 境 や 社 会 に つ い て、 問 題 点 を い く つ
この国の政策の貧困
習慣の家庭、朝食抜きや通園自転車の上で
か 指 摘 す る。 子 ど も の 生 活 で メ デ ィ ア
ことが浮かび上がる。 時など夜遅く寝る
パンをかじる子、保育園のおやつ( 朝 時
人以上の園児を診るなかでも、いろいろな
幼稚園の嘱託医として年間のべ1000
7
~その実態と対応~
はじめに
「 子どもの貧困」、民医連にとっては直
面 し て い る 日 常 的 な も の で あ る。 し か
20
る。 日 常 診 療 の な か で 感 じ る こ と を 列 記
今まで気がつかなかっ たことも見えてく
ま り 受 診 し な い。 小 学 校 以 上 の 患 児 ぜ ん
常の外来診療には小学校以上の患児はあ
では低血糖状態?)
、 家での食事は貧相で
台)を食べてやっ と元気になる子(それま
重は大きい、時間という点でも、関心とい
フ ォ ン ・ イ ン タ ー ネ ッ ト … )が 占 め る 比
(テレビ ・ ゲーム ・ ケイタイ ・ スマート
歳まで市
る子もいる。母親の仕事が終わるのが 時
ンパク質や野菜のほとんどを摂取してい
奪 わ れ、 人 間 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が
う 点 で も。 メ デ ィ ア に よ っ て 睡 眠 時 間 を
とが物語っている( 厚生労働省発表)。ご
倍 で は な い )と 極 端 に 多 い こ
での突然死が認可外保育所は認可保育所
る。そのことは、2013年の保育施設内
ることは子どもの生命にとっ て危険であ
消を目的として劣悪な保育施設を量産す
機 児 解 消 が 叫 ば れ て 久 し い が、 待 機 児 解
ているのと対照的である。さらに、昨今待
験 を 主 導( = 企 業 の 使 命 と し て 強 要 )し
前まで戦争を繰り返していたヨーロッパ
起 こ っ て ほ し く な い と 考 え て い る。 一 昔
社 会 を 望 む。 普 通 の 庶 民 は だ れ も 戦 争 は
れ、安定した人々( 国々)は、平和な国際
いいのかもしれない。逆に、生活が保障さ
と い う。 貧 困 の 進 行 は 戦 争 前 夜 と い っ て
き抜くために軍隊に出願せざるを得ない
…。ある国では、貧困層は自分と家族が生
わ れ る。 非 行、 麻 薬、 犯 罪、 暴 動、 テ ロ
き ざ る を 得 な く な る。 こ こ ろ の 安 定 も 失
状 態 に 陥 れ ば、 悪 事 を は た ら い て で も 生
を つ く。 若 く し て 子 ど も を 産 ん だ 家 庭 は
「また仕事を止めさせられる」 とため息
患 児 の 母 親 は、 発 熱 で 受 診 し た と き に
いには「ない」とのこと。発熱を繰り返す
増 悪 し た 場 合「 足 」は あ る の か と い う 問
ゃ ん に 預 け る。 お ば あ ち ゃ ん が 看 て い て
でも母親は仕事を休めないのでおばあち
者 数 は 圧 倒 的 に 夜 診 に 多 い。 病 気 の と き
時半)をしているが、患
満という印象である。また、一般診は午前
人未
親家庭か、民医連職員の子かであり、それ
定 感 が 低 い。 親 自 身 も 同 じ よ う な 環 境 下
術を持たず、こころの余裕がなく、自己肯
関 係 も 疎 遠 で、 社 会 的 な 資 源 を 活 用 す る
慣 が 確 立 さ れ て お ら ず、 親 の 家 族 ・ 友 人
刻が遅く栄養が偏るなど健康的な生活習
と感じる。もちろん例外はあるが。就寝時
困と家庭の育児力は弱い負の相関がある
さ て 、「 子 ど も の 貧 困 」へ の 対 応 と し
て、われわれにできることを記したい。貧
親の「 生きるカ」の育成
解決のために
い( で き な い )若 者 も 多 い。 安 定 し た 職
は幸せな方であり、その背後には結婚しな
る。ところで、結婚して子どもを持てたの
の 余 裕 が な い な か で、 多 く は 行 わ れ て い
このように、現在の子育ては、親の不安
定な就労や経済基盤の上で、時間とこころ
っている。
をかけないため、職員は安い給料で踏んば
かかわらず、国が福祉施設へ驚くほどお金
ているのは間違いなく保育園である。にも
しくなくなった。日本の子どもたちを救っ
以降になり、
「 夕 食 付夜 間 保 育」 も め ず ら
す。特別配慮したサポートが必要である。
ば で あ り、 治 療 や 対 応 上 も 困 難 を き た
子どもの問題の原因になることもしばし
体験、精神的余裕のなさがあり、それらが
境、親自身の発達障害、精神疾患、被虐待
である)には、多くは悲惨な生い立ちや環
け、問題児( と言っても、子どもは被害者
般 の 相 談 に も の る、 な ど で あ る。 と り わ
疾 患 制 度 を 紹 介 す る、 医 療 以 外 の 生 活 全
れ な い か ら か も し れ な い。 欧 米 で 国 が 治
極 端 に 数 が 少 な く、 販 売 し て も 採 算 が 取
な い。 子 ど も の が ん は 成 人 の が ん と 比 べ
は行わないという。結果、保険適用になら
どもの抗がん剤の治験は日本の製薬企業
は じ め、 世 界 で は メ デ ィ ア へ の 国 挙 げ て
ど も の 健 康 と 将 来 で あ る。 お 隣 の 韓 国 を
ゲ ー ム や ス マ ー ト フ ォ ン で 儲 か っ て い
る の は 企 業 で あ り、 蝕 ま れ て い る の は 子
くし、病的な生活に陥っている。
切 り 裂 か れ、 自 然 と の ふ れ あ い 体 験 を 失
診と夜診(
悪 影 響 や 受 動 喫 煙 の 害 に つ い て 語 る、 身
長 体 重 曲 線( 当 診 で は 電 子 カ ル テ 上 に 描
か れ 画 面 で 見 ら れ る )を 親 と と も に 見 て
や 健 康 が 軽 視 さ れ、 企 業 の 利 益 を 最 優 先
つ だ け 述 べ た が、 子 ど も の 生 命
い う 認 識 が 欠 落 し て い る。 こ こ で は ラ ン
(もうひとつは親の就労支援) であると
条が子どものこ
「 不健全」
「 貧困」であると言わざるを得
福 な 家 庭 の 子 ど も た ち で さ え、 こ こ ろ は
る。さて、今の日本において、経済的に裕
グビーでも。でも、これは平和なことであ
で の 対 抗 意 識 は す ご い。 サ ッ カ ー で も ラ
た め に は、 単 に 札 束 を ば ら ま く だ け で は
わ れ る も の で あ る。「 貧 困 」 を 克 服 す る
している。悪循環である。貧困の連鎖と言
に、 そ ん な 状 況 が ま す ま す 貧 困 を も た ら
困がそのような状態を生み出したととも
患、被虐待体験などが複雑に絡み合う。貧
元気にする方法をわかっ ていてそれを実
き な 個 人 差 が あ る と 感 じ る。 自 分 自 身 を
か し、 そ の 対 処 の 仕 方 や 処 理 能 力 に は 大
誰 で も 日 常 的 に 経 験 す る こ と で あ る。 し
す る の は、 貧 困 の あ る な し に か か わ ら ず
成 長 を 確 認 し 合 う、 生 活 保 護 や 小 児 特 定
する国の姿勢を暴露する事例は数えきれ
ない。以前、小生は憲法
解 決 さ れ な い。 両 親 が 健 全 な「 育 児 力 」
~
以外の患児が受診することは週に
存 知 の と お り、 多 く の 認 可 外 保 育 所 は 保
の 国 々 も、 現 在 は 国 家 間 の 紛 争 は 話 し 合
で育てられてきたことも多い。そこに、子
の規制が進んでいるというのに。また、子
育 室 の 広 さ や 環 境、 職 員 の 資 格 や 配 置 人
い で 解 決 し て い る。 こ れ ぞ ま さ に 日 本 国
ど も の そ し て 親 自 身 の 発 達 障 害、 精 神 疾
ない。「 子どもの貧困」 というが、「 親世
こ ろ の 治 療 薬 と な る の で は、 と い う 趣 旨
「 生 き る 力 」 が な い な か で は、 例 え ば パ
倍(
数の点で最低限の水準にも到達していな
条 の 精 神 だ。 そ の 代 わ り ス ポ ー ツ
代の貧困」であり、「この国の政策こそ貧
の 文 章 を 書 い た。「 九 条 の 会 ・ 医 療 者 の
そして、憲法9条
子どものこころの貧困と戦争、
に色あせないどころか今こそ強調したい
あ る。 数 年 以 上 前 に 書 き 記 し た も の な の
成 ・ 発 揮 さ れ る よ う、 き め 細 や か な サ ポ
親 世 代 の「 育 児 力 」「 生 き る 力 」 が 育
明、運動の推奨を行う、テレビ・ゲームの
ー ト が 不 可 欠 で あ る。 生 活 習 慣 の 見 直 し
割愛して次頁に掲載する。
と 思 う の は、 日 本 が 危 険 な 方 向 に 突 っ 走
さて、貧困が進めば、社会全体が不安定
に な る。 経 済 的 に 生 活 が や っ て い け な い
( 早 寝 早 起 き )、 具 体 的 な 食 事 内 容 の 説
ダムに
困 そ の も の 」 で あ る。 こ の 国 の 政 治 家
チンコ代やタバコ代に替わるだけで子ど
る。 子 ど も の 健 や か な 成 長 や 発 達 を 促 す
会」 のホームページに今も載せてもらっ
9
っ て い る か ら で あ ろ う。 そ の 文 章 を 一 部
9
9
せー 子どものこころと憲法
条ー 」 で
は、 こ の 国 の 将 来 を 本 当 に 真 剣 に 考 え て
5
もに還元されないということを耳にす
の
い。子どもの安全を守り、成長や発達を促
憲法
19
すことが保育所の重要な役割のひとつ
が自己負担分を助成)か、生活保護や 人
1
子 育 て は 人 生 の 歓 び 人 間 関 係 で 困 難 が
生 じ た り、 腹 が 立 っ た り、 落 ち 込 ん だ り
1
( 東大阪市の制度で喘息児は
日の栄養ー とりわけタ
23
保育園の食事で
割負担となる。ふり返ってみると、日
6
そ く が 受 診 し た 場 合、 小 児 喘 息 助 成 制 度
は
0
し、考察していきたい。
し、 あ ら た め て そ う い う 目 で 見 て み る と
35
9
1
15
条 で 世 界 を 結 べ、 未 来 を 照 ら
19
ている「
17
いるのであろうか。
4.5
3
2
3
3
9
45
行する、というのも重要な「 生きる力」の
定感を培う最良の機会でもある。よく子ど
ろうか。子育ては、親自身の成長や自己肯
貧困対策のひとつ
自費の予防接種も
人で育てなくてい
の旅に出る( 寅さんか!)など、自分のここ
を完走する、山に登ってご来光を見る、放浪
む、下関にフグを食べに行く、フルマラソン
にフランス料理とボルドーワインを楽し
の飲み屋で一杯やる、気の合った仲間と一緒
ブランを食べる、かかりつけ( 行きつけ?)
は民医連職員や事業所にとってはいろいろ
しかしながら、これらをきっちり行うこと
の民医連事業所で行ってきたことである。
ければすばらしい。これらは、今まで多く
け止め、ねぎらい、プラス思考に持ってい
というメッセージを出しつつ、こころを受
だ、もっと親の頑張りが報われるべきだ、
うと貧困家庭であろうと同様に課される
が 生 じ る。 こ の 負 担 は 裕 福 な 家 庭 で あ ろ
子ども
受 け ら れ る 当 医 療 生 協 の 組 合 員 で さ え、
な 予 防 接 種 を 済 ま そ う と す る と、 割 引 を
い る 自 費 の 予 防 接 種 の 試 算 を し た。 必 要
付 け 加 え て お こ う。 当 診 で 実 際 に 行 っ て
当 診 療 所 で も 自 費 の 予 防 接 種 を 行 っ て
い る が、 こ れ も 貧 困 対 策 と も 言 え る の で
ひとつであると考える。信頼のおける人に話
も を 産 ん で く れ た、
い、子どもは社会で育てるものだ、どんな
を聞いてもらう、好きな音楽を聴く、スポー
ッ観戦で応援歌を叫ぶ、コンサートに行く、
状況でも子どもが
ろにとっ ていいものをいくつか持っ てい
な意味( 労働条件、精神衛生、法人経営な
悪 平 等 で あ る。 こ れ が 組 合 員 で な い 場 合
番好きなのは親なん
欲しい服を買う、昼寝をする、大好きなモン
て、その時々でうまく使い分けてこころを持
ど)で 重い負担になる。しかし、私たちが
( 組合員になりたいという意思があっ て
子ども(そしてすべての人間)の健康 ・
生 命 を 守 る こ と が 目 的 で あ り、 そ の た め
万 3 0 0 0 円( 子 ど
ち直し、明日から再出発する。しかし、それ
やらねば誰がやるのであろうか。やらなけ
も居住地が定款地域外の場合)には
や健康の望ましい水準を保障するのは行
に 民 医 連 事 業 所 が あ り、 医 療 制 度 が あ
1
万2
人ならその倍)という高額な自己負担
人当たり
をやろうとしても労働環境や家庭状況、周囲
れば、私たちの存在意義さえなくなる。
政 の 使 命 で あ る。 セ ー フ テ ィ ー ネ ッ ト の
り、 社 会 が あ る の で あ り、「 経 済 発 展 」
人当た
万9000円は組合員に還元してい
せも 避 け ら れ る 。
参加費
無料
せんか。
研修医の生活まるごと
と言われている。そして、子どものここ
感=未来への明るい展望の無さ、である
は、自己肯定感の弱さと、将来への閉塞
今、日本の子ども、そして、若者のこ
ころは病んでいる。その根底にあるもの
ニート…
国家間の紛争を戦争でなく、お互い相手
ものである。人間が大切にされる社会、
来でなく、人間を大切にしない政治その
き詰まっているのは、子どもや若者の将
の諸国民との矛盾をますます広げる。行
らった政治をしているからである。力に
さや矛盾の反映であると捉えていいだ
際社会、 まさに憲法
の立場を考えて話し合いで解決する国
条の謳う国際社
ろう。ここで、子どものこころの病気が
よる他国の支配、専制、圧迫は、全世界
ろの病気は、 %親や大人社会の至らな
見出せないのは、人類の進歩の方向に逆
方、 政治家にとって「 明るい未来」 が
ます。
研修医と一緒に医療現場の体験ができ
独 自 の 初 期 研 修 に 取 り 組 ん で い ま す。
基 づ い た、 研 修 医 自 身 の 声 を 反 映 す る
「 人 権 を ま も る 医 療 」と い う 医 療 観 に
Watching!!
者さんが求められているか、考えてみま
との触れ合いを通して、どんな医師を患
療」 を追求する医療機関です。患者さん
私 た ち は「 患 者 さ ん の 立 場 に 立 っ た 医
患者さんと心の通い合う、
「 地域に根ざした医療」
きない貴重な学びができます。
ご 家 族 へ の 配 慮 な ど、 病 院 で は 体 験 で
師 と 患 者 さ ん の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン、
患者さんのご自宅にうかがって診察。医
病院では知りえない患者さんを知る
〜往診実習
私たち実習の特徴
対 象 : 全 学 年
をつかむ体験をしてみませんか?
点 に 近 い 最 前 線 の 現 場 で、 リ ア ル な 現 実
大 学 で 触 れ る 医 療 の 枠 を 越 え て、 よ り 原
お越し下さい。
私たちの病院・診療所に
随時
受付中!
残虐事件、暴力、性犯罪、いじめ、虐
待、心身症、うつ、自殺、ひきこもり、
なり、 接種率も向上し、 経営へのしわ寄
べ き で あ り、 そ う な れ ば 患 者 負 担 は な く
役割である。しかし、本来は定期接種にす
であり、これもまた、民医連・医療生協の
を 普 及 し て い る。 子 ど も の 貧 困 へ の 対 策
生協の医療機関は身銭を削っ て予防接種
3年度総計)。このように、民医連 ・ 医療
に す る と 5 0 0 万 円 強 に も 及 ぶ( 2 0 1
る計算になる。この組合員還元額は、年間
り
来の価格)であるので、その差額
0 0 0 円( こ れ が 人 件 費 な ど を 入 れ た 本
も
の人の理解、経済的な余裕がない場合には実
現できず、こころは癒されず、ますます悪い
る。 懸 命 に 生 き る 子 育 て 世 代 へ の 特 別 な
配慮がもっ ともっ とあっ てもいいのでは
な い だ ろ う か。 こ れ ら を 進 め る 世 論 を 高
めよう。民医連はその先頭に立とう。
確 立 と ほ ほ 同 じ 意 味 で あ る。 憲 法 や 子 ど
(
おわりに
も の 権 利 条 約 を 出 す ま で も な い。 先 述 し
の労働はその目的実現のために存在する
2
7
方向に向かう。悪循環を繰り返す結果、精神
疾患・自殺・犯罪などに陥ることもある。問
題を抱え余裕のない親に、こころを立て直す
ための援助をすることが大切である。子育て
というのは親にとって負担となることもあ
る一方、逆に人生の喜びにもなり得る。親が
どう考えようとも子どもは生きようとす
る。どんなに悪い環境にあろうとも子どもは
今を生きようと懸命である。子どもの生命力
はすばらしいものがある。その子どもの頑張
りや成長を歓び合うことができれば、それは
何ものにも増して親にとっ てこころの栄
養 ・ 癒し ・ 人生の喜びになるのではないだ
運動に結びつける
「 小児の貧困」 に対し自己犠牲で身を
つ ぶ す の は 私 た ち の 本 意 で は な い。 国 の
政 策 の 転 換 を 迫 り た い。 運 動 に 結 び つ け
てきたことが私たち民医連の歴史であ
た、メディアの問題、抗がん剤の課題、保
のであり、逆立ちしてはいけない。子ども
18
1
待など、多くの点で日本はアメリカの後
た国だけである。しかも、残虐事件や虐
ているのは、日本やアメリカなど限られ
る。子どものこころの問題が深刻になっ
いという事実を認識しておく必要があ
増えているのは、世界共通の現象ではな
れらの国に明るい未来は無い。
( 中略)
敵を多くつくることになり、 もはやそ
得ようとする国は、 今の国際社会では
を支配し、隷属させ、自分だけの利益を
する。一方、武力でもって他国や自国民
会こそが、 明るい未来を現実のものと
条にこだわり、 憲法
大人たちが憲法
条の世界を創る努力をすることで、
気を活火山のようにあちこちで噴出させ
将来への閉塞感を生みだし、こころの病
る政治が、子どもの自己肯定感の弱さと
ある。世界の歴史と人類の進歩に逆行す
産業含む)
の利益にある国ということで
幸せではなく、国家の利益、企業( 軍需
ない国、政治の中心課題が、国民の命や
民の幸せと政治家の思惑が噛み合ってい
政治・社会であるということである。国
して一般庶民も)が 大切にされていない
な国際社会や明るい未来が必ず来るこ
ることを子どもたちに伝えよう。 平和
る宝物であること、 譲れないものであ
うか。大人たちは、 条は大切にしてい
薬であり治療薬であると言えないだろ
を有する、 子どものこころの病の予防
を取り戻し閉塞感をぶち破る「 効力」
る。こう考えると、 条は、自己肯定感
会、 未 来 へ の 明 る い 展 望 が 開 け て く
人間( 子 ど も)が大切にされる国際社
徴、それは、子ども( 高齢者や障害者そ
追いをしている。 日本とアメリカの特
9
り、これもまた存在意義でもある。親の収
育施設の安全性も声を大にして訴える必
の生きる権利 ・ 健康に成長する権利を守
TEL 06-6268-3970
ー子どものこころと憲法9条ー
9条で世界を結べ、未来を照らせ
入 に か か わ ら ず、 す べ て の 子 ど も に 生 活
要がある。さらに、世界水準の予防接種を
るのは、大人たちの責任である。
( 担当 : 医学生担当)
企業の利益)、政治、病院経営、職員
定期接種という形で誰でもが打てるよう
にする、 医療費助成制度を拡大して( 大
阪 市 や 堺 市 な ど は 中 学 卒 業 ま で 助 成 )経
済的理由で受診を控えることがないよう
に す る、 虐 待 に 機 敏 に 対 応 で き る 子 ど も
家 庭 セ ン タ ー( 児 童 相 談 所 ) の 人 的 体 制
大阪民医連
9
9
親自身、大人自身が、明るい展望を持
ち 得 て い な い の か も し れ な い。 果 た し
ている。
( 中略)
未来を照らす灯となる。
( 中略) 条で
にとって、
と、 必ず実現させる決意をもっている
条はともしび間違いなく
ことを語ろう。そうすれば、子どもたち
て、 未 来 は 本 当 に 暗 い の で あ ろ う か ?
9
を 充 実 さ せ る、 な ど 国 や 自 治 体 に や ら せ
るべき課題は多い。さらに、子育て世代の
安定した職業 ・ 生活 ・ 経済的 ・ 精神的基
盤 を 固 め る た め、 雇 用 を 確 立 さ せ る こ と
は 最 優 先 課 題 で あ る。 日 本 の 将 来 を 左 右
人 雇 用 で き、 次
9
1
1
記事にありますとおり、医療の現場は社会の縮図。
患者さんのために求められる医療の姿、病院・診療
所での実習を考えてみませんか? お待ちしています。
99
手放すことは、 明るい未来を捨てるこ
とに等しい。
世界を結べ、未来を照らせ。今、 条を
さ せ ら れ て い る だ け の こ と で あ る。 一
否、われわれの未来は明るい。ただ、何
9
す る 大 切 な こ と で あ る。 天 下 り の お 金 持
~
私たち民間の病院・診療所で、
地域医療実習しませんか?
≒
10
者かの作為的な力で曇らされ、見えなく
9
9
ち に 払 う 給 料( 例 え ば 年 間 2 0 0 0 万
円 )で 若 い 世 代 は
世 代 を 産 み 育 て、 日 本 の 将 来 に 貢 献 す
3
4
5
2
年…
復興へ、今自分たちに出来ること
震災から3年、 医学生22名が被災地宮城県山元町で
健康チェック、泥上げ作業に参加!
万
年が経過
千世
県の仮設住
万
千人の方が避難
もたらした東日本大震災から
しました。 今なお
生活を強いられ、 仮設住宅で
帯が暮らしています。 東北
%と高く、 復興住
『 医学生
3月
日、 近 畿 地 協 医 学 生 被
名が被災地へ…』
日~
名を含む職員
名の医学生が参加しまし
災 地 支 援 ボ ラ ン テ ィ ア が 行 わ れ、 近 畿 ・
東京を中心に
た。 医 学 生 の 他、 医 師
17
名の大型支援となり
39
名 の 医 学 生 と、 コ
5
年が経っ た今
問題となる中、 私たちにできることは何
にとどまっ ています。 震災関連死が社会
に関する不安や疑問に一つずつ丁寧に応
師 や 医 学 生 が、 地 元 の 方 々 の 日 頃 の 健 康
に な り ま し た。 健 康 相 談 コ ー ナ ー で は 医
汗だくになりながらの泥上げ作業
今回の支援活動では、震災後地域から
度 近 い 気 温 の 下、 レ イ ン ス
の要望が多い側溝泥上げ作業も併せて行
い ま し た。
ー ツ を 着 込 ん で の 大 変 な 作 業。 汗 だ く に
なりながら側溝の泥をスコップで取り除
い て い き ま す。 こ の 様 子 を 見 て い た 近 所
の方から「うちもやってほしい」 と飛び
込 み の 依 頼 も 入 り、 震 災 後 手 付 か ず だ っ
た側溝の泥上げに取り組みました。
つながる、伝える、続ける
三日目におこなわれた被災地域の医
療関係者によるリレートークとグループ
ワーク。テーマは『 復興へ、今自分たち
に 出 来 る 事 』。 参 加 し た 学 生 も 医 師 も 職
員 も、 そ れ ぞ れ が 真 剣 に 考 え、 意 見 を 出
し合いました。
参加した学生からは、「ささいな支援
でも被災者の方を笑顔にすることができ
る と い う こ と を 再 確 認 で き た。 こ れ か ら
も 周 り に 伝 え て、 ま た 宮 城 に 来 た い と 思
っ た 」 な ど の 感 想 が 出 さ れ ま し た。 被 災
地ではまだまだ長期的な支援が求められ
今回で
回目の被災地ボラン
年 塩山竣介
を考えていきたいです。
目 指 す も の と し て、 出 来 る こ と
い と 思 い ま す。 こ れ か ら 医 師 を
自分に出来ることをしていきた
題 は 残 っ て い く と 思 い ま す が、
りの力ではどうにもならない問
し ま し た。 こ れ か ら も 自 分 ひ と
粋な感情と衝動に変わっ た気が
のために何かしたい」 という純
れ た も の に 思 え た こ と が 、「 人
被災地支援という最初は大そ
感じられました。
と が で き、 そ れ が 大 き な 喜 び に
は以前にも担当した方を診るこ
牛橋地区での健康チェックで
ティアとなります。
6
東海大学医学部
2
る 中、 医 学 生 と と も に 取 り 組 む 継 続 し た
支援が今後ますます重要です。
医師を
目指すものとして…
なのか…。この問いをそれぞれの胸に、医
もなおつづく深刻な状況の一端が明らか
ど の 声 も 聞 か れ、 震 災 後
く な り、 家 で テ レ ビ ば か り 見 て い る 」 な
健康サロンでは、問診を通じて「 震災
後、眠れなくなった」
「 近所付き合いがな
カレーの炊き出しを行いました。
チェック( 血圧や体脂肪測定、問診)や
よ る 大 腸 ガ ン に つ い て の 健 康 講 座、 健 康
町にて、『 健康サロン』 と題した医師に
ら支援を継続している宮城県亘理郡山元
今回は、医療福祉生協連が震災直後か
炊き出し & 健康相談
地域の方々と一緒に
加しました。
ープおおさか病院から西上喜房医師が参
大阪大学などから計
ま し た。 大 阪 民 医 連 か ら は、 近 畿 大 学 ・
名 と、 全 体 で 総 勢
2
22
えていきました。
%
30
22
28
学生 名が被災地宮城県を訪れました。
宅の完成も遅れて計画戸数のわずか
宅の入居率は今なお
3
10
7
3
2011年 月 日に大規模な被害を
震災から
3
20
6
7
11
26
84
4
9
3
震災から3年…、
3
02
Vol.
支援ニュース
22