みどりの風 - 熊本県農業者政治連盟

田植えのお手伝い(撮影:古谷 操様) 第3回「未来に伝えたい農業・農村の風景」フォトコンテストで、JA グループ熊本賞を受賞した3作品の中の1点です。
今月の表紙
TPP 国会決議実現に向け
た全国代表者集会!
特 集
農政連情報
■ JA 全青協が東京で座り込み
■ 14 年度農業白書が閣議決定!
■農地中間管理機構の出だし不調
■飼料用米への転換が着実に進展
■今年も「協同の森」の下草刈り
■参議院議員山田としお氏コラム
■参院選「一票の格差」是正が難航
■選挙権 18 歳以上、衆議院通過
■「大阪都構想」が住民投票で否決
■各連合会からのお知らせ
平成27年
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No.306
発 行/熊本県農業者政治連盟
熊本市中央区南千反畑町2−3 電話 096-328-1284 編集責任者 藤川 修朗 平成9年7月4日第三種郵便物許可
発行日/平成 27 年 6 月 15 日・毎月1回 15 日発行 定価/1部 50 円(但し、会員の購読料は会費の中に含む)
あ ぜ み ち
数 年 前、
九 州 山 地 の 奥 深 く に、 子 守 唄 で 知 ら れ
る 五 木 村 が あ る。 こ の 村 を 球 磨 川 の 最 大
支 流 で あ る 川 辺 川 が 流 れ る。
るのだと思う。
積 み 重 ね の 中 で こ そ、 人 の 心 は 満 ち 足 り
は 望 ま な い。 ゆ っ く り 変 遷 し て い く 時 の
改革による成長が強く叫ばれる時代だ
が、 社 会 が 急 激 に 変 わ る こ と を 一 般 に 人
なにか憮然とした気持ではないだろうか。
り 住 ん だ 人 々 に と っ て は、 も っ と 複 雑 で
と 長 い 時 間 が 必 要 な の だ ろ う。 実 際 に 移
町並みが、周りの風景に溶け込むにはもっ
こ こ を 初 め て 訪 れ た 時、 ど こ か ぎ こ ち
な さ を 感 じ た。 建 物、 道 路 な ど の 新 し い
され、新しい民家が山を背に並んでいる。
が で き、 学 校、 役 場 な ど 公 共 施 設 が 建 設
に 沈 む た め で あ る。 代 替 地 に は、 道 の 駅
移 っ た。 ダ ム が 建 設 さ れ れ ば す べ て 湖 底
し か し こ の 間、 村 の 中 心 で あ っ た 頭 地
地 区 は、 山 の 中 腹 に 造 成 さ れ た 代 替 地 へ
ていない。覚えている人も少ないと思う。
経 た 現 在 も、 ダ ム 本 体 の 工 事 は 着 手 さ れ
こ の た め、 国 は 川 辺 川 の 中 流 に ダ ム 建
設 の 計 画 を 発 表 し た が、 長 い 紆 余 曲 折 を
川や球磨川の流域を襲った。
集 中 豪 雨 に よ る 洪 水 が、 立 て 続 け に 川 辺
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▲本県参加者
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TPP の今後の情勢
TPA 法案の行方
注目される大統領貿易促進権限
︵TPA︶法案が5月 日、米国議会
の上院で可決しました。甘利担当相
は﹁極めて大事な工程の半分が進ん
だ﹂と述べました。下院での審議は、
6月にずれ込み、参加国の関心は下
院での TPA 法案の行方に着目して
います。
下院は、来年に全議員の改選があ
るため、TPP、TPA 法案に反対
である労働組合を支持基盤とする民
主党議員は、賛成票を投じにくいと
考えられています。一方、議会の多
数派である野党の共和党は、自由貿
易 を 進 め る 立 場で あ り 賛 成 票 が 多 数
を占めるのは確実ですが、オバマ大
統 領 に 権 限 を 与 え る こ と に 反 対の 議
員が一定数存在するといわれます。
下院で可決となれば、参加国の閣
僚会合の開催など、合意に向けた動
き が 活 発 化 す る 危 険 性 が あ り ま すの
で、最大限の注視が必要です。
最近、アメリカの国民の中にも高
水準の自由貿易をめざす TPP に疑
問を抱く人が増えています。これま
で の グ ロー バ ル で 新 自 由 主 義 的 政 策
により、中間層の多くが所得や福祉、
教 育 な ど が 大 き く 後 退 し た と 感 じて
いるからです。また、参加国の利害
が一致していない難航分野も残って
おり、私たちはこれからも粘り強く
TPP 反対を訴えていきます。
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TPP国会決議実現に向けた
全国代表者集会!
▲県選出国会議員へ要請する梅田中央会会長
る﹂と述べました。
あ るこ と、ま た、交 渉 を 主 導 す る 日 米
○県選出国会議員への要請集会
の 2国間 交 渉で、重要品目の関 税に関
JAグループ熊本と熊本県農政連は、
する具体的な報道が相次ぎ、生産現場
日 都 内 ホ テ ル に お いて 県 選 出 国 会 議
で は 大 き な 不 安 が 広 が っ て い る こ と、
員 7人に対して、TPP 交渉に関する
さ ら に 最 近 に なって 米 国 が 日 本 の 主 食
要請集会を開
米 輸 入の 特 別 枠 拡 大 を 強 硬 に 主張 して
き ま し た。 同
い る な ど 危 機 感 を 持って 開 催 さ れ ま し
日の TPP 全
た。
国代表者集会
代表要請した全中の中家徹副会長は、
に合せて行な
交 渉 は TPA 法 案 の 動 向 次 第 だ と の
日本政府の姿勢に対し﹁期限を設けず、 わ れ た も の で
す。
決 議 が 実 現 す る まで 毅 然 と し た 交 渉 を
JA 熊 本 中
貫くべきだ﹂と要求。
央会の梅田穰
また、米国との間で交渉をめぐる情
会長は﹁TPP
報 格 差 が あ る と も 訴 え、一層の 情 報 開
交渉が最終局
示を求めました。
面を迎えてい
与党代表挨拶で森山裕自民党 TPP
るといわれる
対策委員長は﹁TPA 法案が成立すれ
中で、
﹁将来に
ば、大 筋 合 意
向けて持続可
になだれ込む
能な農業が展
可能性は高く
開できるよう、
なる﹂と指摘。
衆 参 農 林 水 産 委 員 会 決 議の 実 現 を 政 府
﹁国会決議
に強 く 働 き か けて 頂 き たい﹂と 改 めて
を守る姿勢に
要請しました。
揺るぎはな
い。農 林 水 産
また、昨年 月の阿蘇山中岳の噴火
業を守り再生
による降灰被害は、いつ収束するか予
可 能 と して い
測 が つ か ず 周 辺 地 域 の 日 常 生 活 への 影
く た め に、与
響 や 農 作 物 被 害の 拡 大 が 危 惧 さ れて お
党、 政 府一体
り、万全の対策を政府に働きかけるよ
で全力を挙げ
う併せて要請しました。
▲全国集会で挨拶する JA 全中の萬歳会長
JA 全 中 と 全 国 農 政 連 は 5 月 日、
﹃TPP 交 渉 に お け る 国 会 決 議 実 現 に
向 け た 全 国 代 表 者 集 会 ﹄を 東 京 都 港 区
で開 きました。集 会には﹃ 情 報不足 か
ら の 混 乱 や 聖 域 は 守 れ る の か と いっ た
不 安 や 怒 り ﹄を 持って、全国の農 業 関
係 者 1 5 0 0 人 が 結 集。 本 県 か ら は、
JA 組合長ら 人が参加しました。
﹁TPP 国 会 決
萬 歳 章 全 中 会 長 は、
議は、日 本の食と暮らし、命を守る命
綱だ﹂と強調し、国会決議実現に向け
た運動を徹底する考えを示しました。
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本 集 会 は TPP 交 渉 が、 最 終 局 面
を迎えているとの報道もあっている中、
TPP 交渉の大筋合意の前提となる大
統 領 貿 易 促 進 権 限︵TPA︶ 法 案 が 5
月 中 に も 米 国 議 会で 審 議 さ れ る 情 勢で
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特 集
No.306 みどりの風 2015.6.15(2)
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▲議員会館前で、TPP 断固反対を訴える熊本県の盟友
▲総決起集会で盟友に呼びかける黒田会長
年度農業白書が閣議決定!
田園回帰の動きに着目
(3)No.306 みどりの風 2015.6.15
授が出席し﹁現場で努力する農業者を
無視したような合意内容は即時撤回す
るよう訴えるべきだ﹂と指摘しました。
▲総決起集会に参加した本県の盟友
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政府は 年度農業白書を閣議決定
し ま し た。白 書 で は、衝 撃 を あ た え
た 日 本 創 生 会 議の レ ポート にあ る 人
口 減 少 に よ る 自 治 体の 消 滅可 能 性 に
対 し、都 市 住 民の 田 園 回 帰の 動 き が
着 実 に 出て き た と 捉 え﹁ 人 口 減 少 社
会 にお け る 農 村の 活 性 化 ﹂を 特 集 し
ています。農村社会は、人口が一貫し
て 減 少 を 続 ける と と も に高 齢 化 率の
上昇に悩んで来ました。
白書では、田園回帰のニーズを、移
住、定住につなげることを提案し、所
得・雇用の確保が重要であり、地域資
源を利用した農村活性化や新規就農
支援が鍵を握るとしています。また、
そう し た 各 地の 事 例 を 多 く 紹 介 して
います。
白書は、都市住民の農山漁村への定
住 に 対 す る 意 識 調 査 も 紹 介 していま
す。それによれば、最も関心の高いの
は、 代 男 性で % が 定 住 に 前 向 き
だと答えています。
﹁ 日 本 辺 境 論 ﹂の 著 者 内 田 樹 氏 は、
日本農業新聞への寄稿文で、講演で訪
れ た 山口県 周 防 大 島の 移 住 者の 印 象
を紹介しています。氏は、
﹃ 毎 日 土に
触 れて い る 若 者の ほ う が、他の 従 事
者より﹁口べた﹂だった。出来あいの
言葉に載せて﹁わかったつもり﹂にな
られるくらいなら、むしろ黙っている
方がいい。そういう﹁言葉に対する禁
欲 ﹂を 農 業 に 従 事 す る 青 年 か ら 感 じ
た。そして、そのとき、地方回帰の流
れ は もうこのあ と 止 ま ら ない と 確 信
した。
﹄と言っています。
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TPP交渉で国会決議の遵守を訴える!
全 青 協 はこの 後、自 民 党の 谷 垣 禎一
幹事長に要請を行い、先の総決起集会
で 採 択 し た 国 会 決 議の 実 現 や 交 渉 内 容
の情報開示を求める決議文を手渡しま
した。谷垣幹事長は情報開示について
は﹁困難な問題がある﹂との考えを示
したものの、国会決議の遵守には理解
を示しました。
全青協は5月 日に東京で総会を
開催し、新会長に天笠淳家氏︵群馬
県︶
、
新副会長に善積智晃氏︵熊本県︶
をはじめとする新たな役員体制を決
めました。
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20
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JA全青協が東京で座り込み
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TPP をテーマに青年組織単独で集
JA 全青協が総決起集会を開く
会を開くのは初めてでしたが、会場に
全国農協青年組織協議会︵ JA全青
は JA 全国女性組織協議会、主婦連合
協 ︶は、 日の 座 り 込みの 後、場 所 を
会、全国漁 青 連の幹 部の方々も 応 援に
東京都内の会場に移して﹁TPP 国会
駆けつけました。
決議の実現を求める全国 JA 青年組織
代表者総決起集会﹂を開催しました。 また、東京大学大学院の鈴木宜弘教
18
全 青 協 の 黒 田 栄 継 会 長 は、
﹁我々若
全国農協青年組織協議会︵JA 全青 手農業者、1次産業従事者が望むのは
協︶は、5月 ∼ 日の 2日間 TPP
交 渉 に お け る 国 会 決 議 の 実 現 を 求 め、 理不尽な要望でなく、国会決議の遵守、
情 報 公 開 の 2 点 だ ﹂ と 強 調 し ま し た。
東京・永田町の衆議院第 2議員会館前
その上で﹁拙速な妥結は国益にかな わ
で座り込みを実施しました。本県盟友
ないと再認識する必要がある。意思結
人 を 含 む 全 国 若 手 農 業 者 4 0 0人 が
集し、
強く訴えたい﹂と呼びかけました。
結 集 し、決 意 表 明、シュプ レ ヒコール
を行い TPP 断固反対を強く訴えまし
た。
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今年も﹁協同の森﹂
の下草刈り
JA 熊本中央会など 組織の連合
会で構成する﹁熊本県協同組合間提
携推進会議﹂と県農政連は、6月5
日大津町環境の森の一角にある﹁協
同の森﹂で下草刈りを行いました。
6年前に植樹した約1ヘクタール
の森を、それ以来年 2回、毎年下草
刈りを続けています。今回は一回目
の作業でしたが、これまでで一番の
試練に見舞われました。
当 日 は 朝 か ら 強 い 雨 が 降 り 続 き、
たっぷり水を吸った足元と雑草を相
手に総勢 名のメンバーが奮闘・努
力しました。汗とどろにまみれて鎌
で草を刈ったり樹木に巻きついた蔦
を取り除いたり、また刈払機を使っ
ての下草刈りと自然と格闘しまし
た。幸い作業はケガ人もなく無事終
了することができました。
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11
飼料用米への転換が
着実に進展
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15
条 件 整 備 し な が ら 借 りて も ら うの が 本
来の趣旨だ﹂と、中山間地域での集積
が優先課題だと訴えました。
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農地中間管理機構の
出だし不調
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農水省は、2015年産の飼料用米
に つ い て 5月 日 現 在 で 調 べ た 中 間 の
取り組み状況を発表しました。それに
よると、全国の生産量の見込みは 万
ト ン で 既 に 前 年 度 実 績 の 約 2倍 の 水 準
となっており、主食用米から飼料用米
への 転 換 が 着 実 に 進 ん で き た と し て い
ます。
農水省は、 年産米の需給の安定の
た め に は、な お一層の 上 積 み が 必 要 だ
と して い ま す。この た め 同 省 は、飼 料
用米の生産者が、予定の生産量などを
記した﹁新規需要米取組計画書﹂の国
に 提 出 す る 期 限 を 1 か 月 延 長 し て 7月
末としました。既に作付けた場合でも
期 限 まで は 飼 料 用 米 に 変 更で き る と し
ています。
JA グループと一体となっ
その上で、
て 産 地 への 働 き か け を 強 化 し て い く と
しています。まだ伸 びしろがある産地
を重点的に回り、知事らトップに飼料
用 米の さ ら な る 積み 上 げ を 働 き か け る
計画です。既に田植えを終えて 計画書
を提出した生産者に対しては、これを
修正し、主食用米を減らして飼料用米
を増やす用途変更を促すとしています。
一方、JA 全中は、飼料用米の積み
上げ数量が昨年実績からほぼ倍増した
ことについて﹁需 給改善に向けた産地
の努力が着実に実現してきている。
﹂と
し、米価安定のためさらなる積み上げ
に 向 け、 6月 2日、 J A全 中 で 具 体 策
が決定されました。
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∼初年度、目標の %∼ 農地中間管理機構︵農地集積バン
ク︶は、農地を手放すことに心理的
農 林 水 産 省 は 農 業の 大 規 模 化 を 進 め
抵 抗 が 強 く 大 規 模 農 家の 育 成 が 進 ま
る た め、2014年 度 か ら 各 都 道 府 県
ないため、小規模農家などから、休
に﹁ 農 地 中 間 管理 機 構︵ 農 地 集 積 バン
眠農地や耕作放棄地を一時的に借り
ク︶
﹂を新設しました。その初年度実績
受け、集約して意欲ある大規模農家
が 公 表 さ れ ま し た が、 そ れ に よ る と、
や農業生産法人などに貸し付ける仕
年 度の 農 地 貸 し 付 け 実 績 は 全 国 合 計
組みです。平成 年3月に法律が施
で約2万4000ヘクタールで、目標の
行され、各都道府県に設置されてい
万ヘクタールの %に止まりました。
ます。
同 じ 期 間で﹁担い手 ﹂への 農 地 集 積
現在5割である、担い手への農地
の 増 加 が、全 国で 63000ヘク ター 集積を 年後に全国合計で8割を目
ルであることから も、機 構の利用が 進
標 と し て い ま す。
︵ 1年 に 換 算 す る
んでいないことが明らかです。
と、全国合計で ∼ ヘクタールの
また、昨年 9月末で借り受けを希望
農地集積が必要となります。
︶
し た 農 地 面 積 は 万ヘク タ ー ル を 超 え
ており、農地の貸し手が大幅に不足し
熊本県における農地集積について
ている状況です。
本 県 に お いて も 農 地 集 積 バン ク を 介
政府は、同機構による農地集積対策 した集積は 208ヘクタールに止まっ
は農政改革の柱としており、初 年度の
て い ま す。し か し、県で は、独 自 に 担
結果を重く受け止め、農地集積の実績
い手への農地集積の加速化を﹁幸せ実
を 挙 げ た 都 道 府 県 に 優 先 して 予 算 を 配
感4カ年戦略﹂に位置付け、JA や県
分する案も浮上しています。
農 業 公 社の 仲 介 に よ るモ デ ル 事 業で 集
自 民 党 の 農 業 基 本 政 策 検 討 プ ロ ジェ
積を図っています。毎年 ∼ 地区を
ク トで も、この 結 果 を 受 けて 検 証 と 今
重点地区に指定、特にカントリーエレ
後の 検 討 を 行いま し た。そこでの 意見
ベ ー タ ー を 核 に﹁ ス ー パ ー 重 点 地 区 ﹂
は、農地集積を進めるには JA などの
構想を展開しています。その結果、
関 係 団 体 を 巻 き 込み な が ら 地 域での 信
年度は2182ヘクタールが集積され、
頼関係を築くことが重要であり、農地
2年連続の年間目標 2100ヘクター
の 貸 し 手の 理 解 醸 成 に 向 け た 丁 寧 な 対
応を求める意見が多く出ました。また、 ルが達成されたと蒲島知事が会見で明
らかにしました。
参院の山田俊男議員からは、
﹁平場は借
り手がいるが、条 件が厳しいところ を
▲草刈りに汗を流すメンバー
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No.306 みどりの風 2015.6.15(4)
JA、頑張ろう
案 に な ら ず、い ま あ る 制 度 や 仕 組 み
農政連推薦
を 大 い に 活 用 し て、こ う し た 自 立 型
参議院議員山田としおの
の農業者を中に取り込まねばなりま
に
せ
ん。 J A グ ル ー プ で は、 そ う し た
前 向 き な 取 り 組 み を 実 践・ 検 討 さ れ
て い る 農 業 者 に 対 し、 J A バ ン ク お
よ び J Aグ ル ー プ 役 職 員の 専 門 的 知
これまで通り、田を耕し、種をまき、
肥培管理し、収穫し、JAに出荷する。 識 と、 多 く の 資 金 の 分 散 運 用、 通 称
こ れ で 所 得 を 実 現 で き て お れ ば い い ﹁JA・ 次化ファンド﹂などの仕組
み の 活 用、 も っ と 開 放 的 で 多 く の 相
の で す が、 米 は 需 要 が 減 じ、 在 庫 の
談に乗っていく仕組みの展開などで、
積 み 上 が り で 価 格 が 低 迷 し、 国 は 需
リスクに対する考え方を変えていく
給の管理から手を引こうとしていま
ことが求められるのだと思います。
す。あえて極論するとすれば、
﹁自由
な 価 格 形 成 で い い、そ れ で 価 格 が 下 日 本 と い う 国 は 大 き く 変 わ ろ う と
し て い ま す。 約 年 も の 歴 史 を 持 っ
が る の な ら、 や め て ゆ く 農 家 が 出 て
きて企業が参入し、構造改革が進む﹂ た J Aを 株 式 会 社 に し て い い と い う
こ と が 通って し ま う 時 代 に なって い
﹁JA全中は脇役に徹すればいい、J
る の で す。 し か し、 地 域 は そ う 簡 単
A は 自 由 に 活 動 し 競 争 し、 生 き 残 る
に 変 わ り ま せ ん。 家 族 を 中 心 と す る
生 産 者 と J Aが 新 し い 競 争 力 の あ る
人 間のつ な が り も 簡 単 に は 変 わ り ま
世界 を 作 る﹂
﹁そ れで 所 得 を 倍 増する
せ ん。 知 恵 を 出 し ま し ょ う。 挑 戦 し
農業者が出来あがる﹂
。極 端 に 言 う と
ま し ょ う。 地 域 に 生 き る J A は 簡 単
こういう 所へ来ているの だ と思い ま
に は 壊 さ れ ま せ ん。 私 も く じ け ず に
す。
頑張ります。
J A は、 引 き 続 き、 農 業 者 の 組 織
と し て 地 域 で 存 在 す る 以 上、こ う し
た 事 態 に ど う 対 処 す る か、で き る こ
と を 詰 め て、 挑 戦 し な け れ ば な り ま
せ ん。 J A 単 独 で な く て も、 連 合 会
に リ ス ク を 分 散 し て も ら い な が ら一
緒 に 何 が で き る の か、 真 剣 に 考 え な
ければなりません。
最近では、農業生産にとどまらず、
加 工・ 流 通・ 販 売 ま で の 取 り 組 み を
関 係 者 の 提 携 で 実 施 す る、い わ ゆ る
次産業化に取り組む農業者が増え
ています。JAグループは引っ込み思
参院選﹁一票の格差﹂ ﹁大阪都構想﹂が
是正が難航
住民投票で否決
新聞各社の報道によると、最高裁が
違 憲 状 態 と している 参 院 選の一票の 格
差の是正を話し合う﹁参院選挙制度改
革 検 討 会 ﹂ は 5月 日 に 議 論 の 打 ち 切
りを決めました。
検討会後の記者会見で、山崎正昭参
院議長は﹁意見の隔たりが大きく取り
まとめは難しい。検討会に区切りをつ
けたい。
﹂と述べ検討会の休止を表明し
ました。
今後、議論は各党協議によりますが、
来年夏の参議院選挙を控えて、与党間
の意見の隔たりも大きく、協議が早期
にまとまるか危惧されています。
最高裁判断
歳以上、衆議院通過
過 去 2回 の 参 議 院 選 挙 の 格 差 と 最 高
裁の判断
2010年
格差5・0
違憲状態
2013年
格差4・77
違憲状態
選挙権
大阪 市 を廃 止して 5つの特 別区に分
割 する﹁大阪 都 構 想﹂の是 非 を問う 住
民 投 票 が 5 月 日 に 実 施 さ れ ま し た。
即 日 開 票の 結 果 は、投 票 率 .8% と
高い関心のなか、1万票の僅差で否決さ
れ ま し た。敗 北 し た 橋下 徹 市 長 は、会
見で 月までの市長任期を全うした後、
政界引退をする意思を表明しました。
大 阪 府 と の二 重 行 政 の 解 消 を 柱 と し
て、大阪 市の地盤沈下に歯止めをかけ
る と し た 橋 下 市 長 の 約 5年 の 政 治 活 動
は終わることになります。
この間、橋下 市長の目立った 行 動 が
マスコミ を 賑 わ せ ま し た が、結 局、行
政 の 仕 組 み を 変 え る こ と の メ リ ッ ト・
デ メ リット や 仕 組 み を 変 え た 後の 構 想
が市民に伝わらなかったといえます。
大阪市の今回の問題は、地方都市に
も 無 縁 で は な く 関 心 が 高 かっ た と 思 わ
れ ま す。多 くの 地 方 都 市で、インフラ
の 整 備 や 企 業 誘 致 を して も、効 果 が一
過性に終わりがちであり、活性化が持
続 し な い という 悩み が あ るので は な い
でしょうか。
僅差での否決とはいえ、もし賛成多
数 で 可 決 し て い た ら 大 阪 市 は 無 く なっ
た わ けで、特 別 区 を 立 ち 上 げて も、住
民や行政には大きな混乱が生じたろう
と思います。その地方に根差した、しっ
か り し た 未 来の 構 想 を 育てて い くので
なければ、行政の仕組みを変えただけ
に終わり、改革前の大阪に戻ったでしょ
う。
(5)No.306 みどりの風 2015.6.15
29
5月4日衆議院本会議で、選挙権
年 齢 を﹁ 歳 以 上 ﹂ に 引 き 下 げ る
公選法改正案が全会一致で成立しま
した。この後、参議院で審議され
日にも成立見通しとされています。
改 正 法 案 が 成 立 す れ ば、 来 年
夏 の 参 議 院 選 挙 か ら 適 用 さ れ、 約
2 4 0万 人 の 未 成 年 者 が 有 権 者 に
加わることになります。これは、有
権者人口全体の2%に当たります。
17
18
18
12
17
66
農
政
問
題
6
6
70
5 月28 日、全国農業委員会会長大会で、参議院
農林水産委員長として挨拶
▲挨拶する寺本会長
した活動の実践④関係組織・地域との
JA熊 本 県 女 性 組 織 協
連携強化︱を重点項目と位置付けまし
議会通常総会
た。
∼TPP特別決議を採択∼
同協議会の寺本眞理子会長は﹁ JA
熊本女性協、全国女性協が心を一つに
JA熊本県女性組織協議会は
5月 日、合志市のJA熊本教
しながら、積極的に活動して次代へつ
育センターで第 回通常総会を
なげていきたい﹂と挨拶しました。
開き、部員ら約130人が出席
役員改選では、理事 人、監事2
し ま し た 。 2 0 1 4年 度 の 活 動 を 報
人 、 参 与 1人 を 選 任 。 会 長 に は 寺 本 眞
告 し 、 年 度 活 動 計 画 な ど 4議 案 を
理子氏、副会長には森下みほ子氏、藤
承 認 し ま し た 。 T P P︵ 環 太 平 洋 連
村裕里子氏が再任されました。
携協定︶交渉では、国会決議の厳守
女性組織リーダー・事務局合同研修
と情報開示を求め、最後の最後まで
会もあり、食料・農業・農村ジャーナ
断固反対の運動を展開していくとの
リストの大金義昭氏が﹁いのちの花を
特別決議を行いました。
咲 か せ ま し ょ ! ∼ 楽 し い J A女 性 組 織
年 度 は ① 県 女 性 協 3カ 年 計 画 の
∼ ﹂ と 題 し 講 演 。 J A熊 本 厚 生 連 健 康
着実な実践②くらしの活動への参
管理部の伊藤千恵子氏による﹁チェア
画・支援③﹃家の光﹄の記事を活用
ビクス体操﹂の実技も行いました。
15
JA 中央会
15
19
62
11
▲選任された役員
あ っ て 、 2日 間 で の べ 約 2 5 0 0人 が
消費地に熊本農産品を
訪れ、会場は大盛況でした。
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イベントでは出荷量日本一のトマト
∼東京・大手町﹁JAまるしぇ﹂で∼ をはじめ、すいか、メロン、なすなど
の県産青果物のほか、干し芋や県産茶
JA熊本経済連は5月 日と
日、東京・大手町のJAビル
を使ったペットボトル飲料など、加工
でJAグループが場所を提供し
品約 種類を販売しました。
て行われる販促会﹁ JAまる
特にカットすいか、カットメロン、
しぇ﹂に参加し、熊本県産の青果物
ミニトマトの﹁アンジェレ﹂など、気
をアピールしました。
軽に持ち帰れる商品が人気でした。
こ の イ ベ ン ト は 、 毎 月 2日 間 、 各 ま た 、 イ ベ ン ト で は 熊 本 県 産 の 食 材
県の経済連などが交代で行ってい
を使った特別弁当も販売され、若い女
ます。熊本県は、すいか・メロンの
性を中心に好評でした。
出 荷 最 盛 期 を 迎 え る 毎 年 5月 に 担 当
すいかを購入した来場者からは﹁す
し て い ま す 。 普 段 は 1日 1 0 0 0人
いかといえば熊本ですよね。甘くてお
程度が訪れる同イベントですが、初
いしいので毎年買っています﹂と、う
日に熊本県のゆるキャラ・くまモン
れしいお声を頂きました。
が販売の手伝いに駆け付けたことも
JA 経済連
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14
20
▲熊本県産なすを来場者に紹介するくまモン
No.306 みどりの風 2015.6.15(6)
▲JA鹿本
▲アンパンマン交通安全キャラバン
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ません。最 近 は母 親 も 仕 事 を持ってい
る 人 も 少 な く あ り ま せ ん 。た ま に一家
揃って 食 卓 を 囲 む と なって も 主 役 は テ
レビだよとなります。
そ し て 、現 代 は 核 家 族 の 社 会 が 完
成 し て お り 三 世 代 同 居 は 珍 し く なって
います 。かつてのその家 庭の料理とい
うのを 、伝 える 者 がおら ず 途 絶 えてし
まってはいないでしょう か。た く わ ん
漬 け 、ぬ か 漬 け 、梅 干 し な ど を 家 庭 で
作 って い る 家 って ど の く ら い あ る の で
しょう 。これ らは 、栄 養 素 が 豊 富 な 発
酵 食 品です 。スーパーなどで販 売 して
あるのは 発 酵 過 程 を 経て 作 ら れている
のでしょう か。そ れは 似て非 なるもの
ではないでしょうか。調 味 料 の味 噌 、
醤油もまた発酵食品です。
日本が誇れる食品こそ、これら発酵
食 品 だ と も のの 本 で 読 ん だこ と が あ り
ます。
ほ ん の 数 十 年 前 ま で 食 べて い た 食 べ
物のほ とん どは 、長い 年 月 、日 本 人 が
工 夫 を 重 ね て き て 今 日 あ る も ので す 。
次 の 世 代 に 必 ず 伝 え て 行 く べき 文 化 だ
と思います。
今 年 は 、5 月 1 日 か ら 月 末 日 ま
で イ タ リ ア の ミ ラ ノ で﹃ 食 ﹄の 国 際
博 覧 会︵万 博 ︶が 開 催 さ れて お り 、約
150の国・地域 や国 際 機関 が参 加し
ています。日 本の食 文 化を世界に発 信
する絶好の機会だと言えます。日本館
の人気は上々と聞いています。
日本の湿度の高い気候から生まれた
発酵食品が、健康に対してもいかに優
れているかを、また 多 様 性のある安 全
な食料を生み出す日本農業を世界の
人々に知って欲しいと願います。
(7)No.306 みどりの風 2015.6.15
和食のブームと
聞いて
外国人の間で﹁和食﹂が注目され
ており、新聞、雑誌でもよく取り上
げられています。日本のブランドと
して、かなり前から様々な工業製品
が先進国で注目されるようになって
いましたが、和食におよんだのは意
外でした。鮨とかは、日本でも高級
感があり外国でも富裕層には好ま
れるのかなといった程度の認識でし
た。どうしても日本の食・住は先進
国に誇れるものではないという先
入観がありましたが、時代は変わっ
たのだと思います。戦後の一時期か
ら、日本は急激に豊かになって、外
国の食べ物 を食する機 会 が増えま
したが、いつのまにか外国人もまた
和食に多く触れるようになり、それ
を評価しているといった感じです。
食べ物とか文化は、その自然環境
の中で生まれ・育ち・工夫され、さ
らにそこになかった異質の物を、外
部から受け入れてさらに発展して
きたものでしょう。
ただ逆に、今のあふれるような豊
富さのなかで、具体的に和食とは何
だろうかと考えてしまいます。高級
料亭はともかくとして、現代の家庭
での食事の中で和食とはどんなも
のを指すのでしょうか。
そもそも、家族そろって食卓を囲
むというイメージが湧きにくくなっ
ています。塾だ、部活だと子供は多
忙 で す 。父 親 も 仕 事 が た ま に 定 時
に終わっても真っすぐ帰宅したがり
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ゲーム﹂を行い、みんなで踊って歌え
﹁ J A共 済 ア ン パンマ ン
る楽しいイベントとなりました。
交通安全キャラバン﹂を
J A共 済 で は 、 こ れ か ら も 皆 さ ま と
開催中
の絆・地域との絆を大切にしながら、
∼JA鹿本・JAあしきた∼
共済事業と地域貢献活動の積極的な取
組みを通じて、豊かで安心して暮らせ
る地域社会づくりに貢献してまいりま
す。
JA 共済連
!!
JA共済では、次世代を担う
子どもたちの交通マナー・ルー
ルの学習および組合員・地域
住民をはじめとする利用者とのふれ
あ い 活 動 を 目 的 と し て 、 ﹁ J A共 済
アンパンマン交通安全キャラバン﹂
を開催しました。熊本県下では、平
成 年度より 回目の催しとなりま
す。
アンパンマンショーでは、子ども
たちが楽しみながら青信号・赤信
号の意味を覚える﹁進んで止まって
信号ゲーム﹂や﹁信号機ダダンダン
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▲JAあしきた
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お問い合わせお申し込みは
㻶㻭 または
あ と
﹁未来の早苗たち﹂
撮影者
木原
雄三様︵天草市︶
が第3き
回未来に伝えたい﹁農業・農村の風景﹂
フォトコンテストの入選作の中の一点で
す。
こどもは何時の時代も、どろんこと水が
好きなのでしょう。学校の帰り道、雨上が
りの水たまりの中を、ズックをはいたまま
でばちゃばちゃと歩いて帰った小さい頃を
思い出します。
●盟友の皆様のご意見や周辺地域の話
題、写真などお寄せ下さい。
連絡先
熊本県農業者政治連盟
︵電
話︶096ー328ー1284
︵FAX︶096ー326ー5807
︵Eメール︶ [email protected]
No.306 みどりの風 2015.6.15(8)