920MHz 特定小電力無線伝送の1周波 RTK-GPS 航法センサーへの利用 Feasibility Study of Specified Low Power Radio for RTK-GPS L1 Navigation Sensor ○勝賀野 史佳 井上 優一 木原 正裕 稲岡 孝 山口 典生 徳永 幸次 岸本 章志 平松 裕次 Fumiyoshi Shogano Masakazu Inoue Masahiro Kihara Takashi Inaoka Norio Yamaguchi Koji Tokunaga Shoji Kishimoto Yuji Hiramatsu 長田電機 株式会社 NAGATA Electric Co.,Ltd. 1.まえがき 3.実験結果 農業の効率化・省人化・ロボット化技術の開発が急が れており,トラクタなど農機の運転アシストや自動走行 に必要な,高精度で安価な航法センサーが要望されてい る.[1] 本稿では弊社で開発中の1周波RTK方式の航法センサー に特定小電力無線を利用した例を報告する. 2015 年 4 月に兵庫県内の圃場にて測位実験を行った. 受信信号強度 対 局間距離 測定結果を図 3 に示す. 受信信号強度 vs 局間距離 -20 無線帯域幅 1ch使用 -30 -40 図 1 にハードウェアブロック図を示す.設定により基準 局・移動局いずれにも使用可能になっている.無線通信 部は当初は 2.4GHz 帯のモジュールを搭載し実験を行った が,通信距離 1km 以上を安定して達成できなかったことか ら,現在は 920MHz 帯のものを採用している. 無線帯域幅 2ch使用 -50 受信信号強度[dBm] 2.ハードウェア構成及び外観 シミュレーション -60 -70 最低受信感度 -80 -90 -100 -110 -120 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 局間距離[m] 1600 1800 2000 2200 図 3 受信信号強度 対 局間距離 測定結果 基準局の高さは 4.8m で移動局の高さは 3.3m にした.本 機は GPS のみをサポートしているが,実験に使用した圃場 が直線見通しで 3km 以上確保でき,且つ周囲にマルチパス の発生原因となる建築物や山林が無かった為,衛星仰角 マスクを 15deg としても捕捉衛星数は 7~9 個あり,FIX 状態を概ね継続できた.他方,GLONASS もサポートした場 合に向けて,通信速度を倍にできる無線通信 2ch 同時使用 の場合でも同様の結果を得られた. 4.まとめ 図 1 航法センサー ハードウェアブロック図 構造は,複数の農機に着脱させて使用すること念頭に, GNSS アンテナ・本体測位演算部・無線通信部を一体化さ せた.図 2 に外観図を示す. 図 2 航法センサー 外観図(レドーム径 142Φ) 1周波RTK方式の航法センサーに安価な組込型920MHz帯 無線を採用しても,最大2km迄使用できる可能性があるこ とがわかった. 今後はGLONASS対応とIMU統合機能の実装 を経て製品化する予定である. 参考文献 [1] 北海道庁 農政部 生産振興局技術普及課 ロボット 農作業機等実用化普及推進事業 農業のICT・ロボット技 術の普及促進 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/gjf/jisedai2.htm
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