1 内容 1.海技研のCFD研究開発 ・1980年代からCFD研究開始 ・2004年から使用許諾開始 2.次世代CFDの開発 ・重合格子法:複雑形状(e.g.省エネ付加物) ・平水中 -> 波浪中、抵抗・自航 -> 操縦性 3.国際会議の活用 ・Tokyo2015(CFDWS)の開催 4.計算機の歴史 ・10年で概ね1000倍の割合で高速化 5.まとめ 2 海技研現行CFDソフトウェアz *HullDes ver.6.02 (格子生成ソフト) * 構造格子生成(HO、OO)とCAD機能 *AutoDes ver.1.01 (格子生成+自動船型変形ソフト) * 構造格子生成(HO、OO)と自動船型変形機能 *NEPTUNE ver.6.41 (構造格子によるNSソルバー) * 抵抗、自航、斜航、旋回の計算機能 *SURF ver.6.44 (非構造格子によるNSソルバー) * 抵抗、自航、斜航、旋回の計算機能 3 重合格子法を用いた海技研CFDソフトウェア *G-TOOL ver.1 (重合格子・重合格子情報生成ソフト) *UP_GRID ver.2.0 R2 (重合格子・重合格子情報生成ソフト) *NAGISA ver.2.0 (重合格子を用いた構造格子によるNSソルバー) * 抵抗、自航、斜航の計算機能 4 ソフトウェアの現状-1 HullDes : 構造格子生成 AutoDes : HullDes+重合格子対応(G-TOOL) 自動船型変形機能 AutoDesの機能: + Preferenceの設定ファイルが各ユーザフォルダに + 格子生成(HullGへ統一) - 船体まわりの格子生成(HO/OO トポロジ) - G-TOOLによる重合格子およびその情報生成 (舵、フィン、厚みを持ったフィン、ダクト) + 船型変形機能と自動計算・最適化機能 - CHGHULLによる変形 - 自動計算・最適化(SQP):複数の速度に対応 5 ソフトウェアの現状-2 重合格子法 ・ 各格子ブロックの計算格子生成 ・ 格子ブロックの移動・変形等 ・ 格子ブロック間の重合情報生成 重合格子法 システム 概要・特徴 G-TOOL ・少ないパラメータで簡易に付加物の検討が可能 ・適用できる付加物の種類と配置は限定 ・初期検討に適したシステム UP_GRID ・任意の形状の付加物の検討が可能 ・付加物の数、種類に制限なし ・詳細検討、自社の付加物の検討に適したシステ ム 6 ソフトウェアの現状-3 G-TOOL ・局所細分化機能の追加 7 ソフトウェアの現状-4 UP_GRID ・船体まわりの計算格子も生成可能 ・船体やESDの形状データとして、igesが適用可能 ・物体表面格子に関する機能の追加 (平面への投影、形状適合、 物体に沿わせながら延伸) 8 NAGISAの概要 ・疑似圧縮法 ・有限体積法 ・構造マルチブロック格子 ・重合格子による複雑形状計算 ・Roe法+3次のMUSCL ・陰解法/多重格子法 ・界面追跡法(単ブロックのみ)/捕獲法による自由表面 ・乱流モデル:SA、MSA、k-ω、EASM、DES ・抵抗、自航(簡易プロペラモデル他)、斜航 ・波浪中、船体運動計算(次期リリースにて対応) NEPTUNEとの並列化の比較 20 20 NAGISA New NEPTUNE Ideal 15 15 10 10 5 5 0 0 0 5 10 NAGISA New NEPTUNE Ideal 15 Series60 (二重模型流れ) 20 0 5 10 15 龍光丸 (二重模型流れ) 計算環境 Xeon E5-2680v2 2.8GHz 10コア x 2 メモリ 64GB 20 重合格子法のアプリケーション 1.実海域シミュレーション ・波浪中の船体運動計算(プロペラ影響あり・なし) 2.各種省エネデバイスの最適化 ・SBDシステムの構築+形状最適化 3.実船スケールの船尾流れ計算 ・舵直圧力の尺度影響 4.実プロペラ計算 ・プロペラ単独性能試験 ・自航試験 11 波浪中計算(プロペラ影響あり・なし) 対象船型 :KVLCC2船型 格子点数 :約820万点 レイノルズ数:2.55e6 フルード数 :0.142 向波規則波中: (吸収造波方法) λ/L=0.6, 1.1, 1.6 Hw/L=0.01875 2自由度運動計算 (ピッチ、ヒーブ) プロペラ影響あり: 平水中モデルポイント (簡易プロペラ理論) 乱流モデル:EASM 12 波浪場計算(λ/L=1.1、ΔZ=0.002) 13 波浪中の船体運動(プロペラ影響なし、λ/L=1.1) 14 波浪中計算(プロペラ影響なし) 左上:ヒーブ 右上:ピッチ 下 :抵抗増加 15 波浪中計算(プロペラ影響あり、λ/L=0.6) t/Te = 0 t/Te = 1/4 t/Te = 1/2 t/Te = 3/4 Total velocity distribution Averaged total velocity Wave height and motions 16 波浪中計算(プロペラ影響あり、λ/L=1.1) t/Te = 0 t/Te = 1/4 t/Te = 1/2 t/Te = 3/4 Total velocity distribution Averaged total velocity Wave height and motions 17 重合格子技術と非線形最適化理論の導入による CFD援用最適省エネルギーデバイス設計法 Interface between G-TOOL and outer components: meshing / CFD / other software tools Comparison of serial and parallel computation architectures for SQP algorithm: (Left) serial architecture, (right) parallel architecture Overview of the present automatic optimization method based on MPI parallel coding architecture Three layer structure of G-TOOL AE - Asynchronous parallel evaluator GM - Geometry modeler OPT – Optimizer 18 省エネデバイスの最適化例(1) Stern Duct optimization Finds optimal duct chord length distribution Original Optimised 19 省エネデバイスの最適化例(2) Rudder fin optimization Finds optimal rudder fin attack angles Original Optimised 20 省エネデバイスの最適化例(3) Stern Fin optimization Finds optimal stern fin attack angles Original Optimised 21 実船スケールの船尾流れ計算 : KVLCC2 + 舵 二重模型流れ レイノルズ数: 4.60e6 (モデル) 2.03e9(実船) 乱流モデル : EASM 格子ブロック : 3(船、舵、海洋) 格子点数 : 400万点(モデル) 490万点(実船) プロペラモデル: 簡易プロペラ理論 対象船型 直進舵角試験(δ=0, 10deg.) 22 舵直圧力の尺度影響 23 APにおける伴流分布(δ=0deg.) Full Model (S.P.) Model (M.P.) 24 動的重合格子法 重合格子法 • 互いに重なり合う複数の計算ブロックで゙ 計算領域を構成し 、流場に関する情報を計算ブロック間で 受け渡しながら全 体の流れを計算する方法。 • 個々のブロックに対して、値を受け取るセル(Receptor cell)には、値を提供するセル(Donor cell)を他の計算ブロッ クから探索し、補間情報を決定する必要かがある。 (左)翼前縁付近slat周りの格子で補間により 値を受取るセル(Receptor Cell、黄緑) (右)翼周りの格子で、Receptor Cellに 値を提供するセル(Donor Cell、黄) 動的重合格子法 • 物体が運動する非定常計算では、タイムステップ毎に補間 情報の更新が必要。 • 補間情報の生成では、不適切な参照関係(Orphan cell, 循 環参照等)が発生しないようにしなければならない。 適用問題 • 実プロペラが回転する場合 • 転覆等大規模な運動計算 • 多体問題 25 プロペラ単独性能試験 Principal dimensions of a propeller 対象プロペラ 「旧青雲丸」通常プロペラ Pitch Ratio (Mean) 0.950 Expanded Area Ratio 0.650 Boss Ratio 0.1972 Number of Blades Blade Thickness Ratio 計算手法 • • 移動格子法(Monolithic Moving grid) (プロペラ周りの単一格子を回転さ せる) 動的重合格子法(Dynamic Overset) (プロペラ周りの格子を、計算領域 全体をカバーする格子内で回転させ る) 0.0442 Skew Angle [deg] 10.5 Rake Angle [deg] 6 Blade Section MAU Computational domains and conditions Monolithic Moving grid Number of Cells Solver: SURF 7.34 5 609K Dynamic Overset blade 131K / blade boss 1134K rectangular parallelepiped 2193K total 3982K Solution Domain -1.5D < x < 2.5D -3.0D < y, z < 3.0D -5.0D < x < 7.0D -4.0D < y, z < 4.0D Minimum wall spacing 0.13e-3 0.4e-2 Time increment 5e-5 0.972e-3 Reynolds number 1e6 0.652e6 26 動的重合格子計算用の計算格子 27 KT and 10KQ プロペラ単独性能試験 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 KT(Tank Test) 10*KQ(Tank Test) KT(Moving Grid) 10KQ(Moving Grid) KT(Dynamic Overset) 10KQ(Dynamic Overset) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 J 28 自航シミュレーション Number of Cells blade 131K / blade boss Solution Domain -1.5L < x < 3.0L, -2.5D < y < 2.5D 1046K Minimum wall spacing 0.9e-6 (hulll), 0.14e-3 (propeller) rectangular parallelepiped 1953K Time increment 4.433e-5 (n’ = 31.3) hull 1597K Reynolds number 4.02e6 total 5251K 29 Tokyo 2015 (7th CFDWS) 日程:2015年12月2日-4日 場所:海上技術安全研究所 目的:厳選されたテストケースに 対して最新のCFD手法を用い た計算結果を比較すること により、CFDの現状を評価す るとともに、今後の方針を 探索すること。 対象船型の追加: KCS(従前) JBC(Japan bulk carrier) ONRT(ONR tumblehome ship) Web site of Tokyo 2015. http://www.t2015.nmri.go.jp /index.html 30 Tokyo2015のテストケース ○:前回と同じ ○:新規 31 スーパーコンピュータの歴史 “世界最速スーパーコンピュータ「京」”(理研:渡辺貞、H24.2.25)より抜粋 32 まとめ 1.実プロペラや波浪中の船体運動シミュレーションが可能な 動的重合格子法に基づくソフトウェアを構築する。 2.今年度末を目途に、すべてのプログラムをリリースする予 定です。 3.個々のプログラムの使用説明会も、今年度から開始します。 33
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