資料4 木造密集市街地対策及び細街路対策の施策の体系化 - 京都市

木造密集市街地対策及び細街路対策の施策の体系化について(案)
1
資料4
細街路類型に応じた細街路対策
区分
基本方針
後退緩和
・3 項指定+法 43 条の 2+地区計画
・連担建築物設計制度の弾力的運用
⇒ 図 1
・安全性の観点から一定条件を満たすものについては,道路化したう
えで,上記と同様の方針で対応を図る
一定の安全性を担保する制限の付加
道路化等
後退緩和
・安全性の観点から一定条件を満たすものについては,現況幅員を維
持したまま,安全性向上を図りつつ,建替えを可とする
地区単位での
景観保全
・袋路 2 項道路指定+3 項指定+法 43 条の 2
+地区計画
・連担建築物設計制度の弾力的運用
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
・連担建築物設計制度の弾力的運用
・安全性の観点から一定条件を満たすものについては,現況幅員を維
持したまま,安全性向上を図りつつ,建替えを可とする
・拡幅整備を推進する
・私道や後退部分の担保性を高める
地区単位での
景観保全
拡幅整備
・連担建築物設計制度の弾力的運用
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
・狭あい道路整備事業の推進
・後退部分も含めた認定道路化
・私道の認定道路化
⇒ 図 2
・総合的に防災性能を確保することを前提に,建ぺい率の緩和,道路
後退の緩和を検討する。
一定の安全性を担保する制限の付加
建ぺい率緩和
・総合的に防災性能を確保することを前提に,道の担保性を高めるた
め,道路化したうえで,道路後退の緩和を検討する。
一定の安全性を担保する制限の付加
道路化等
後退緩和
袋路
・拡幅整備を推進する
・私道や後退部分の担保性を高める
・袋路始端部の拡幅を誘導する。
・特例許可の弾力的運用を図る
2項道路
袋路
通り抜け
袋路
再建築不可
ネットワーク化等による安全性向
上の推進
建物更新を可能とする制度の検討
再建築可
特定防災細街路
安全性向上を短期間で期待できる施
策を積極的に講じる。また,一定の
安全性が確保できる細街路について
は,建物更新を可能とする制度を検
討する
・後退を緩和するとともに,沿道建築物について安全性向上及び景観
保全のための制限を付加する
一定の安全性を担保する制限の付加
主な施策
袋路
・ 道路後退すると十分な建築面積が確保できな
いため,建物更新が進んでいない
・ 京町家が立ち並ぶなど良好な通り景観を形成し
ている
2項道路
柔軟な対応を検討
袋路
道路後退が進んでいる
道路後退の余地がある
通行量が多く,地域の主要な道路になっている
袋路始端部の拡幅が進んでいない
柔軟な対応の検討
・
・
・
・
通り抜け
拡幅整備を推進
拡幅整備の推進
一般細街路
従来からの施策である拡幅整備を推
進する一方,細街路の状況に応じて
一定条件の下,地域で細街路対策を
選択できるようにする
再建築不可
安全性向上を図りつつ沿道建築
物を適切に保全・再生
袋路
現況幅員を維持
2項道路
再建築可
歴史細街路
行政が積極的に支援策を講じ,一定
条件の下,良好な景観の維持継承を
図る
主な目的と対応方策
拡幅整備
後退緩和
・建ぺい率緩和
・3 項指定+法 43 条の 2+地区計画
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
⇒ 図3
・袋路 3 項指定+法 43 条の 2+地区計画
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
⇒ 図 4
・避難ルート等を確保し,災害発生時にすぐ逃げられるようにする
・危険な建築物の解消を図り,防災ひろば等を設ける
避難経路
確保
・安全性の観点から一定条件(幅員,延長等)を満たすものについて
は,道路化して建替えできる制度を検討する
一定の安全性を担保する制限の付加
通路協定
道路化等
・避難経路等を確保し,通り抜けの細街路にする
・即効性のある施策を組み合わせ,防災機能の一体的な向上を図る
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
・狭あい道路整備事業の推進
・私道の認定道路化
・袋路始端部の拡幅整備支援
・特例許可手続きの簡素化
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
・防災・コミュニティひろばの整備
・6項指定による2項道路化+地区計画
⇒ 図 5
避難経路
確保等
⇒ 図 6
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
・袋路始端部建築物の耐震改修・防火改修費補助事業
・防災・コミュニティひろばの整備
2 すべての細街路及び木造密集市街地における対策
区分
基本方針
主な目的と対応方策
点の施策
点の施策
(建物・敷地単位での対策)
・私道の担保性を向上させる
・後退部分の担保性を向上させる
・認定道路の場合は市で拡幅整備を行う
線の施策
(道路・通路単位での対策)
・避難ルート等を確保し,災害発生時にすぐ逃げられるようにする
面の施策
面の施策
(エリア・ネットワーク単位での対策)
・既存ストックの改修等を促進し,個々の建物の防災性を高める
・袋路始端部建物の耐震性・防火性を向上させる
線の施策
・危険な建築物の解消を図り,防災ひろば等を設ける
・面的な建替え誘導を図る
・地域・まち単位での一体的な防災性能を向上させる
複数の施策を組み合わせることによ
り,各種事業や制度の弾力的運用を
行う
柔軟な対応
すべての細街路及び木造密集市街地(共通施策)
すべての細街路や木造密集市街地の
地域において,歴史性・文化性に配
慮しつつ防災性を向上させる
・歴史的まち並みや京町家などの貴重な景観資源を積極的に保全する
・景観上やむを得ない場合は,庇の突出を認める
主な施策
景観保全
良質な
ストック形成
私道等の
担保性向上
後退部分の
担保性向上
避難経路
確保
面的建替
誘導策
地区単位での
防災性向上
・京町家等耐震改修助成事業の制度
・京都市伝統的な木造建築物の保存及び活用
(3条その他条例)
・京都市建築基準法施行細則の改正
・始端部の耐震改修の促進
・老朽建築物の除却
・私道の認定道路化(2項道路)
・各種道路指定制度(非道路)
・認定道路の2項道路拡幅整備支援
・法 43 条ただし書許可通路の後退整備支援
(狭あい道路整備事業)
・緊急避難経路整備事業による安全性(通り抜け)確保
・防災・コミュニティひろばの整備
・連担建築物設計制度
・優良建築物等整備事業
・開発許可制度の弾力的運用
・防災再開発促進地区の指定
・防災細街路協定による制度の弾力的運用
・路線単位での一体的な防災性能を向上させる
・市民の取組をより有効にするための制度・事業を構築
路線単位での
防災性向上
・地域・まち単位での一体的な防災性能を向上させる
・市民の取組をより有効にするための制度・事業を構築
地区単位での
防災性向上
・まちづくり計画認定制度による制度の弾力的運用
施策の具体的なイメージ例①(複合して適用)
図1
歴史細街路
2項
道路
図1
図2
後退緩和
一般細街路
2項
道路
拡幅整備
京都市
認定路線
2m 後退ライン
道路後退により,再建
築・増築・大規模修繕等
が困難
図2
狭い幅員のまま細街路の
たたずまいを残したい。
⇒現況の幅員を維持したい
将来的に後退部分の道路管理を京
都市にお願いしたい。
⇒認定路線に面した敷地の寄付等
がしやすい制度を作ってほしい。
2m後退後の敷地で建て替えると
居住空間の確保が困難
⇒建ぺい率を緩和してほしい
地域の実情に応じた地域固有ルールの策定
条例による制限の付加
建築物の用途,階数,構造
等の制限を付加し,形態制
限(道路斜線等)を緩和
安全性を担保したうえで道路後退緩和
道路拡幅や通路・後退部分の担保性の向上
後退用地整備費用の補助
後退費用の補助を行う。
街並み誘導型地区計画
地区計画制度にて,壁面の位置の制限
や建築物等の高さの制限等を定め,条
例で一定の制限の付加をした場合,道
路斜線や容積率の緩和を行う。
景観保全のための3項指定
道路中心線からの後退距離を
1.35m以上2.0m未満の範囲で指定
条例等による制限の付加
建ぺい率を緩和する場合,建築物の用
途,階数,防火上の措置等の制限を付
加し,街区としての防災性能を向上さ
せる。
制限の付加
条例(法43条の2)による制限
の付加
2項道路は建物更新時に道路中心
線から2m後退を求めているが,歴
沿道の建築物に対して,用途,
史的な街並み保全のために,特定 階数,構造等を条例にて制限す
行政庁が,建築審査会の同意を得 る。
て,道路中心線からの後退距離を
1.35m以上2m未満の範囲で指定す
る。
建ぺい率の緩和
総合的に防災性能を確保することを
前提に,建ぺい率の緩和を検討
具体的な施策例
具体的な施策例
制度整備
景観保全のための3項指定
狭あい道路整備事業の推進
認定路線の場合は寄付等による
拡幅整備制度を創設
現況幅員維持
ただし,幅員を2.7m未満
にすることはできない
誘導施策
制度整備
狭あい道路整備事業の推進
認定路線の場合は寄付等による
拡幅整備手法を検討する。
制限の付加
誘導施策
後退用地整備費用の補助
拡幅整備費用を補助する。
建ぺい率の緩和
総合的に防災性能を確保することを
前提に,建ぺい率の緩和を検討する。
施策の具体的なイメージ例②(複合して適用)
図 3 一般細街路
2項
道路
図3
図 4 一般細街路
後退緩和
袋路
道路化等
後退緩和
道に塀等が突出していても法的に撤
去を求めることが難しい。
⇒法上の道路にして,担保性を高め
てほしい。
2m後退ライン
2m後退後の敷地で建て替えるの
は難しい。
⇒後退距離を緩和してほしい。
⇒建ぺい率を緩和してほしい。
図4
非道路に面しているので,不動産
流通が活性化しない。
⇒非道路を道路化してほしい。
袋路の始端部の拡幅が進まない。
⇒インセンティブを付与し,拡幅
を進めてほしい。
安全性を担保したうえで道路後退緩和
安全性を担保したうえで道路後退緩和
新たな道路指定等による建物更新の促進
条例による制限の付加
用途,階数,構造等を制
限付加し,道路指定
条例による制限の付加
用途,階数,構造等を制限付加
し,形態制限(道路斜線等)を
緩和
壁面線による建築制限
条件を定め,壁面線を指定し,
建築制限する。
道路後退緩和
1.35m~2.0m
4m
密集地における3項指定
条件を定め,3項指定する。
道路中心線からの後退距離を
1.35m以上2.0m未満の範囲で指定
指定の条件
・面している敷地の状況
(敷地の奥行,敷地の面積等)
・道の延長
・ 接 続 先 の 道 路 の状 況
等
街並み誘導型地区計画
地区計画制度にて,壁面の位置の制限
や建築物等の高さの制限等を定め,条例
で一定の制限の付加をした場合,道路斜
線や容積率の緩和を行う。
具体的な施策例
制度整備
密集地における3項指定
2項道路は建物更新時に道路中
心線から2m後退を求めているが,
密集市街地内の狭小敷地が連担し
ている2項道路では,後退すると居
住空間が確保できず,道路後退が
進んでいない。このような場合,特
定行政庁が,建築審査会の同意を
得て,道路中心線からの後退距離
を1.35m以上2m未満の範囲で指定
する。
(指定の条件有)
制限の付加
条例(法43条の2)による制限
の付加
沿道の建築物に対して,用途,
階数,構造等を条例にて制限す
る。
誘導施策
袋路始端部の角地緩和
角地にある敷地の建ぺい率
の緩和
袋路の3項指定
条件を定め,袋路を3項指定する。
道路中心線からの後退距離を
1.35m以上2.0m未満の範囲で指定
袋路始端部の始端部拡幅整備事業
袋路の始端部を対象として,拡幅
するよう要請し,後退整備に係る
費用を補助する。
幅員
2.7m~4.0m
指定の条件
・延長
・接続先の道路の状況
・避難経路の設置
等
具体的な施策例
制限の付加
誘導施策
条例(法43条の2)による制限 袋路始端部の拡幅整備事業
道路中心線からの後退距離を1.35 の付加
後退義務がない袋路始端部(法上の
制度整備
袋路の3項指定
m以上2m未満の範囲で指定する。
(指定の条件有)
沿道の建築物に対して,用途, 道路との接続部)の拡幅は,袋路全体
階数,構造等を条例にて制限す の防災性向上に大きく寄与することか
る。
ら,袋路の始端部を対象として,建て
替え時に通路中心線からの後退を要
請し,後退用地の舗装,樹木・生垣,
壁面線による建築制限
沿道の建築物に対して,条件 擁壁,塀の撤去等拡幅整備に係る費
を定め,壁面線の指定し,建築 用を補助する。
制限する。
袋路始端部の角地緩和
道路指定されることによる,角地に
ある敷地の建ぺい率の緩和
施策の具体的なイメージ例③(複合して適用)
図 5 特定防災細街路
通り
抜け
図5
通路協定
道路化等
図 6 特定防災細街路
袋路
図6
避難経路
確保等
2項道路
家屋が老朽化して危険。
⇒安全な状況にしてほしい。
1.8m未満の非道路
2項道路
非道路にしか面していないので,建
築行為ができない。
⇒非道路を道路化してほしい。
非道路なので,いつまで経っても
拡がらない。
⇒連続性のある道なので,道路化
してほしい。
災害時に倒壊すれば,道が閉塞
し,避難できない。
⇒始端部の建物は耐震性の高い
ものに誘導してほしい。
1.8m未満の袋路
塀があって,災害時等に2方向に逃
げられない。
⇒避難できるスペースがほしい。
避難経路等の充実による安全性の向上
地区内における防災性能の一体的な向上
面的な建替え誘導策による建築更新の促進
建替え不可地における建物更新の促進
避難経路等の充実による安全性の向上
緊急避難路整備事業による
避難経路確保
塀等に出入り口を設けて,
新たな避難経路を確保する。
条例による制限の付加
必要に応じ,用途,階数,構造等
を制限する。
老朽建築物の除却
6項指定による2項道路化
非道路を道路指定し,2項
道路化する。
共同建替え事業と協調建替え
事業の推進
指定の条件
・1.8m未満の部分の幅員
・1.8m未満の部分の延長
・通り抜け
・全区間1.8m未満の場合
の始端部の幅員
後退用地整備費用の補助
後退費用の補助を行う。
袋路始端部建築物の耐震改
修・防火改修費補助事業
基準時に現に建築物が立ち並ん
でいる幅員1.8m未満の通り抜け
の道路を特定行政庁が,建築審査
会の同意を得て,2項道路化する。
(指定の条件有)
制限の付加
誘導施策
条例(法40条等)による制限 後退用地整備費用の補助
の付加
狭あい道路整備事業で後退部分の
制度整備
緊急避難路整備事業による避難
経路確保
必要に応じ, 沿道の建築物 側溝ごと拡幅整備費用を補助する。
に対して,用途,階数,構造等を
条例にて制限する。
防災・コミュニティひろばの整備
等
具体的な施策例
制度整備
6項指定による2項道路化
1.8m未満の袋路
具体的な施策例
制限の付加
誘導施策
袋路始端部建築物の耐震改修・防
火改修費補助事業
老朽建築物の除却助成
防災・コミュニティひろばの整備
共同建替え事業と協調建替え事業
の推進