Bond(債権)と金利の関係 金利が上がる Bond価格は下がる BondのYieldは上がる 金利が下がる Bond価格は上げる BondのYieldは下がる Copyright 2014 Shiro Miyashita Bond(債券)のDurationによる金利の影響 • BondのDuration(期間)が長いほど、金利変動の影響が大きくなる • BondのCoupon(金利)が低いほど、金利変動の影響は大きくなる Copyright 2014 Shiro Miyashita Bond(債権)の性質 • 満期(Maturity Date)には必ず額面(Face Value)の100%の価格に戻る(*) • DCF法で計算した理論値で価格が決まり、常に変動している • 満期に向かって刻一刻と近づき、市場金利が毎日変動するから • ディスカウントで売られると債券の利回りが高くなる。 • プレミアムで売られると債券の利回りは低くなる • ディスカウントレートをベースにしてクーポン(債権金利)が決まる • クーポンが市場利回りより安いとディスカウントで売られる • クーポンが市場利回りより高いとプレミアムで売られり • クーポンが市場利回りと同じだとパーで売られる • 満期まで保持するつもりなら、価格変動は関係なく、最後は額面を受け取る(*) 注(*) デフォルトの場合を除く Copyright 2014 Shiro Miyashita Bond FundとBondの根本的な違い • Bondには満期があるが、Bond Fundには基本的に満期がない • Bond FundはFundの平均Durationを維持するために、毎年、残存期間 が短くなったBondを売って、残存期間が長いBondを買っている • 各Bondは毎年1年ずつ満期に近づくため、何もしないとFundの Durationが毎年下がっていってしまう。 • 中長期のBond Fundでは構成要素の各Bondを満期まで持たない。 • Bond Fundは金利が上昇し続ける局面では、下落し続ける • 現在は異常な低金利であり、もうこれ以上、低金利にはなりようが なく、今後は金利は徐々に上昇することが予想される • Bond Fundは金利が下落し続ける局面では、上昇し続ける • 過去30年間のBond Bull Marketが証拠 • 短期のBond Fundではこの問題は小さい • そもそも3ヶ月や6ヶ月の期間であるため、満期まで持っても持たなく ても価格の変動は少ない Copyright 2014 Shiro Miyashita BondもBond Fundも初心者には向かない商品 • そもそも債券という商品は、売り出し側が圧倒的な情報優位に立つ • 初心者の投資家には、債券が割安かどうかや、価格動向を予測しにくい • Callable Bondなどが典型的に初心者が買ってはいけない社債 • 特に社債を購入する際は注意が必要 • 社債が大量に販売される時は、企業にとって絶好の機会だからであって、そう いう時に売り出される社債を買う個人投資家はカモネギもいいところ • アップルのサムライ債はたったの0.35%の利回りしかない • しかし、日本国債5年物の0.10%と比べるとお得に見えてしまう • 実は、どっちも買ってはいけない • そもそもアップルは米国でも社債はいくらでも発行できるのだが、なぜ、 わざわざ日本でサムライ債を発行するのかを考えるべき • 将来のドル高円安が見込まれてる • 将来の日本でのインフレが政府の目標になっている • 彼らにとっては利息ゼロ/マイナスで借りられる資金調達に見える • 5年後の満期まで持てば、額面の元本は戻ってくるが、5年後にはインフ レで、かなり元本価値が目減りしているのは間違いない。 • 金利は上昇が見込まれており、満期までの間は価格下落する可能性大 • パナソニック、ソフトバンク、三菱商事など日本企業も社債発行に動く • 株式の公募増資よりも、断然コストを抑えて資金調達ができるから • 投資家にとっては、全く魅力のない商品であり、株を買った方がマシ Copyright 2014 Shiro Miyashita Short term Govt. Bond (-0.4%) Short Term Corp. Bond (-1.24%) High Yield Bond (-5.5%) Intermediate term Govt. Bond (-2.9%) Long term Govt. Bond (-13.6%) Total Corporate Bond (-6.5%) Total Bond (Corp. & Govt.) (-3.7%) S&P500 (9.0%) Bond 40% Stock 60% (5.8%) (Yield 3.23%) High Yield Bond (-5.5%) (Yield 3.02%) Emerging Market Bond (USD) (-6.1%) (Yield 3.03%) China Bond (RMB) エマージング・マーケットで現地通貨がUSDに対して上昇する 可能性があるのは中国人民元ぐらい。 High Yield Bondも結論から言うと、あまり魅力的ではない。 Yieldこそ3%と長期国債並に高く、それでいて金利変動に対して は長期国債よりも耐性がある。しかし、金利上昇局面では下落傾 向になるのは不可避。しかも、金利リスク以外に、為替リスク、 カントリーリスクなどが付きまとうため、リスク vs. リターンの 観点では、株式よりも魅力的には写らない。 High Yield Bondの可能性 • 別名はJunk Bond (S&P では BB+ 以下、Moody’sでは BA1以下) (欠点) • 投資不適格 “non-investment grade” 債権でデフォルトリスクが高い • 景気後退局面では破綻企業が増えるため、かなり価格下落する • エマージング・マーケットBondもこのタイプが多く、デフォルトリス ク以外に、カントリーリスク、為替リスクが追加されるため、ボラティ リティが非常に高い (利点) • 他の債権よりも利回りが高い • 新興国のソブリンFundでは、一旦好循環になると価格上昇は大きい • 景気回復~拡大局面では値上がりも十分に期待できる • 格付けが上がれば価格は高騰する • 通常は短期の債権で構成(長期は単体ではリスクが高すぎる) • Durationが短く、利回りが高いため、金利上昇での影響が小さい • 現在、High Yield Bondが通常のBondの代わりとして期待され るのは、この理由が大きい Copyright 2014 Shiro Miyashita
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