元気に飛び立て、ホタル 「いよいよホタルの幼虫ともお別れだ」 今日の放流式にあたって、ぼくはそう思いました。そこには、すこし「さみしい気持ち」もある し、それとは反対の「うれしい気持ち」もありました。 まず、なぜさみしいかというと、この一年間ずっと、えさをあげたり、水をかえたり、数を 数えたりと、みんなでお世話をしてきたからです。簡単に言うと、とても大事にしてきたものを 手放すような気持ちになるからです。 カワニナをペンチでつぶしてえさをあげるのは、何度やってもたいへんですし、えさをやる のを忘れていた時などは、小さくなって動かずじっとがまんしている幼虫に「申し訳ない」と思 うこともありました。水道の水がよくないのか、幼虫がどんどん死んでいった時がありました。 その時は、真冬でも、水道ではなく、みんなでこの池に水をくみに来て、水かえをしたこともあ りました。そんな活動とも重なり、手放すのがさみしいのです。 一方、うれしい気持ちにもなるのはなぜかというと、ぼくたちが育ててきたホタルの幼虫が、 これから2ヶ月もすると、いよいよ成虫になってこの池から飛び立つことになるからです。 ホタルの幼虫は1年で成虫になれないものもあります。ぼくたちが育ててきたホタルの幼虫 は、その大半が、2年間も小さな入れ物の中で過ごしており、それがいよいよホタルとして飛び 立つ日が来るのです。ほたるとして飛び立つ日を夢見て、ずっと小さな入れ物の中で育てられて きたのですから、ホタルの幼虫もうれしいにちがいありません。このあとも元気にたくましく育 って、きれいな光を放ちながら、空を舞ってほしいと思います。 5年生のみなさん、ホタルの幼虫を育てることは大変ですが、分からないことあったら、ぼ くたち6年生に聞いてください。いつでも助けたいと思います。そして、ホタルのことよろしく お願いします。それから、ぼくたちがホタルの幼虫をここまで育てることができたのは、ホタル の先生である「大井先生」「工藤先生」「今井先生」そして「伊藤好男先生」たちのおかげです。 本当にどうもありがとうございました。 ぼくたちは、ホタルの幼虫を育ててきたこの1年間のことを、一生忘れません。 平成27年4月25日 6年 児童代表 土門 海人
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