平成 27 年4月 21 日 各 位 神奈川県環境農政局環境部廃棄物指導課長 ( 公 印 省 略 ) 神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画の変更について(依頼) 本県の廃棄物行政の推進につきまして、日頃格別の御理解、御協力をいただ き厚くお礼申し上げます。 さて、このたび、県内におけるポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の確実 かつ適正な処理を推進するため、「神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計 画」を変更いたしました。 つきましては、PCB廃棄物の処理についての周知文書を別添のとおり作成 しましたので、貴団体会員に周知くださいますようお願いします。 問い合わせ先 指導グループ 末柄 電話(045)210-1111(内線 4161) P C B 廃 棄 物 (使用中のトランス・コンデンサ・安定器等を含む)は 期限までに処理しなければなりません 平成 27 年4月 県では、ポリ塩化ビフェニル廃棄物(PCB 廃棄物)の適正な処理を推進するため、PCB 特別措置法 第7条に基づき、平成 18 年3月に神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画(県 PCB 廃棄物処理計 画)を策定しています。 平成 27 年3月に県 PCB 廃棄物処理計画を変更し、処分先と処分期限が一部変更となりました。 変更後のPCB廃棄物の処分先及び処分期限 PCB 廃棄物の種類 処分先 処分期限 高圧トランス等、高圧コ 中間貯蔵・環境安全事業(株) ンデンサ等、PCB 油、安定 計画的処理完了期限 (JESCO) 高 器等・汚染物(一部の小型 (H35.3.31まで) 東京 PCB 廃棄物処理施設 濃 電気機器に限る) 度 安 定 器等 ・ 汚染 物 (東 京 中間貯蔵・環境安全事業(株) 計画的処理完了期限 PCB 廃棄物処理施設で処分 (JESCO) (H36.3.31まで) するものを除く) 北海道 PCB 廃棄物処理施設 低 濃 低濃度 PCB 廃棄物 度 ※ 無害化処理認定施設等 H39.3.31まで JESCO とは、国が 100%出資している高濃度 PCB 廃棄物を唯一処理できる会社です。なお、H26.12 に日本環境安全事業(株)から中間貯蔵・環境安全事業(株)に商号変更しています。 高濃度 PCB 廃棄物は、PCB 廃棄物の種類により処分先が異なり、それぞれの処理施設の計画的 処理完了期限までに処分する必要があります。 また、JESCO では、処分に当たって、事前登録が必要ですので、登録漏れのないようお願いしま す(ただし、安定器等・汚染物については、平成 27 年3月時点で登録が始まっていませんが、今後 登録が始まる予定です)。 低濃度 PCB 廃棄物は、環境大臣が認定した無害化処理認定施設等で、法定期限である平成 39 年3月までに処分する必要があります。詳しくは裏面若しくは環境省ホームページをご覧くだ さい。(環境省ホームページ:http://www.env.go.jp/recycle/poly/facilities.html) << PCB 使用機器を使用中の方へ >> 使用中の PCB 使用機器についても、処分期限は同じですので、期限まで処理が完了する よう計画的に使用を中止してください。 << 掘起し調査を実施します >> 国の調査によると、PCB 廃棄物の未届事業者が存在していることが判明しています。また、PCB 使用製品の使用事業者は届出義務がないため、実態が把握できていないことから、PCB 廃棄物の保 管事業者及び PCB 使用製品の使用事業者を掘起す調査を実施します。 無害化処理認定施設等一覧(H27.4 現在) 施設設置者名 (財)愛媛県廃棄物処理 センター 光和精鉱(株) (株)クレハ環境 施設所在地 愛媛県 新居浜市 福岡県 北九州市 福島県 いわき市 東京都 江東区 秋田県 大館市 兵庫県 神戸市 富山県 富山市 香川県 綾歌郡 兵庫県 尼崎市 鳥取県 境港市 千葉県 市原市 神奈川県 横浜市 群馬県 太田市 石川県 金沢市 愛媛県 東温市 北海道 苫小牧市 京都府京都市 大阪府阪南市 兵庫県神戸市 大阪府 堺市 秋田県 秋田市 秋田県 鹿角郡 愛知県 知多郡 兵庫県 神戸市 処理可能な低濃度 PCB 廃棄物 トランス・コ その他 廃油 処理物 ンデンサ等 汚染物 問い合わせ先 処理 方法 089-941-2111 焼却 ○ ○ ○ 093-872-2100 焼却 ○ ○ ○ 0246-63-1231 焼却 ○ 03-6327-3190 焼却 ○ 0186-46-1436 焼却 078-651-5060 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 焼却 ○ ○ ○ 076-469-5356 焼却 ○ ○ ○ ○ 087-878-3111 焼却 ○ ○ ○ ○ 06-6411-3690 焼却 ○ 0859-44-5367 焼却 ○ ○ ○ ○ 0436-96-1311 焼却 ○ ○ ○ ○ 045-505-7949 焼却 ○ ○ ○ 0276-55-0500 焼却 ○ ○ ○ 076-244-3132 焼却 ○ ○ ○ 089-976-1234 焼却 ○ ○ ○ ○ 0144-56-0231 焼却 ○ ○ ○ 06-6448-5711 洗浄 072-243-6335 焼却 ○ 018-877-3027 焼却 ○ 03-6847-7011 焼却 052-880-0630 洗浄 ○ 078-262-7060 洗浄 ○ エコシステム山陽(株) 岡山県 久米郡 美咲町 エコシステムジャパ ン(株)PCB 営業推進部 西部 0868-62-1341 本社 03-6847-7013 焼却 ○ 水島エコワークス(株) 岡山県 倉敷市 086-447-3255 焼却 東京臨海リサイクル パワー(株) エコシステム秋田(株) 神戸環境クリエート(株) (株)富山環境整備 (株)富士クリーン 関電ジオレ(株) 三光(株) 杉田建材(株) JFE環境(株) 群桐エコロ(株) 環境開発(株) オオノ開發(株) JX金属苫小牧ケミカル (株) (株)かんでんエンジニア リング (株)GE ユナイテッド計画(株) エコシステム小坂(株) 中部環境ソリューション 合同会社 (株)神鋼環境ソリュー ション ※ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 対応できないものもあるため、必ず処理施設設置者にお問い合わせください。 県 PCB 廃棄物処理計画の詳細については、県のホームページ(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f875/)を ご覧ください。 PCB 廃棄物についてお問い合わせ窓口 神奈川県環境農政局環境部廃棄物指導課 電話 045-210-4159 横浜市資源循環局事業系対策部産業廃棄物対策課 電話 045-671-2513 川崎市環境局生活環境部廃棄物指導課 電話 044-200-2596 相模原市環境経済局資源循環部廃棄物指導課 電話 042-769-8335 横須賀市資源循環部廃棄物対策課 電話 046-822-8523 神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画 平成27年3月 神 奈 川 県 目 次 第1章 基本事項……………………………………………………………………… 1 趣旨……………………………………………………………………………… 2 経緯……………………………………………………………………………… 3 計画期間………………………………………………………………………… 4 対象区域………………………………………………………………………… 5 対象物…………………………………………………………………………… 6 処分先…………………………………………………………………………… 7 処分期間………………………………………………………………………… (1)高濃度PCB廃棄物………………………………………………………… (2)低濃度PCB廃棄物………………………………………………………… 8 その他…………………………………………………………………………… 1 1 1 1 1 1 2 3 3 3 3 第2章 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量………………………… 1 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量…………………………… 4 4 第3章 PCB廃棄物の処理の推進方策…………………………………………… 6 1 PCB廃棄物の処理体制……………………………………………………… 6 (1)高濃度PCB廃棄物………………………………………………………… 6 (2)低濃度PCB廃棄物………………………………………………………… 6 2 PCB廃棄物を保管している事業者等、処理事業者及び行政の役割…… 7 (1)PCB廃棄物の保管事業者………………………………………………… 7 (2)PCBを含んだ機器等の使用事業者……………………………………… 8 (3)PCB廃棄物の処理事業者………………………………………………… 8 (4)県及び政令市………………………………………………………………… 9 3 関係者による連携・協力…………………………………………………………10 (1)事業者、県及び政令市による連携・協力………………………………… 10 (2)広域協議会等における調整・連携………………………………………… 10 第1章 基本事項 1 趣旨 この計画は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正な処理の推進に関 する特別措置法(PCB特別措置法)第7条に基づく法定計画として、神奈川 県循環型社会づくり計画及び国のPCB廃棄物処理基本計画に即して定める、 県内のPCB廃棄物の確実かつ適正な処理に関する計画である。 2 経緯 平成13年7月 平成15年4月 平成17年11月 平成18年3月 平成24年12月 平成26年6月 平成27年3月 PCB特別措置法施行 ・PCB廃棄物の平成 28 年7月までの処分 ・事業者のPCB廃棄物の保管状況等の届出義務化 国のPCB廃棄物処理基本計画策定 ・日本環境安全事業(株)(現、中間貯蔵・環境安全事業(株)) が全国5箇所に高濃度PCB廃棄物処理施設を整備す ること ・東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県(一都三県)につい ては、東京PCB廃棄物処理施設で処理すること 東京PCB廃棄物処理施設の処理開始 神奈川県PCB廃棄物処理計画策定 PCB特別措置法施行令の一部改正 ・平成 39 年3月まで処分期間延長 国のPCB廃棄物処理基本計画変更 ・PCB廃棄物の処分先の一部変更 ・法定処分期間より前倒しの計画的処理完了期限の設定 ・都道府県の新たな取組み等の追加 神奈川県PCB廃棄物処理計画変更 3 計画期間 平成 18 年4月から平成 39 年3月まで PCB特別措置法第 10 条の規定に基づきPCB特別措置法施行令第 3条で定める期間 4 対象区域 県内全域 5 対象物 県内にある、PCB特別措置法第2条第1項に定めるPCB廃棄物(注1) 注1 PCB廃棄物には、PCBあるいはPCBと絶縁油の混合物を封入した廃 電気機器、廃PCB、PCBによって汚染されている廃棄物、微量のPCB によって汚染された絶縁油を用いた廃電気機器などがある。 1 6 処分先 PCB廃棄物の処分先は、国の「PCB廃棄物処理基本計画」に基づき、表 1のとおりとする。 表1 PCB廃棄物の処分先一覧 PCB廃棄物の種類 処分先 高濃度PCB廃棄物 高圧トランス等、高圧コンデンサ等、 中間貯蔵・環境安全事業(株) PCB油、安定器等・汚染物(一部の 東京PCB廃棄物処理施設 小型電気機器に限る) 中間貯蔵・環境安全事業(株) 北九州PCB廃棄物処理施設 一部のコンデンサ 注1 安定器等・汚染物(中間貯蔵・環境安 中間貯蔵・環境安全事業(株) 全事業(株)東京PCB廃棄物処理施 北海道PCB廃棄物処理施設 設の対象物を除く) ( ) 低濃度PCB廃棄物 注2 低濃度PCB廃棄物(東京電力(株) の柱上トランス及び東京電力(株)の 柱上トランス油を除く) 無害化処理認定施設等(注3) 東京電力(株)の柱上トランス 東京電力(株)TEPCO 川崎リサイクルセ ンター 東京電力(株)の柱上トランスの油 東京電力(株)TEPCO 川崎リサイクルセ ンター、TEPCO 横浜リサイクルセンター 及び無害化処理認定施設等 ( ) 注1 高濃度PCB廃棄物とは、PCBを封入した廃コンデンサ、PCBと絶縁油 を混合して封入した廃トランス、廃PCB、感圧複写紙等PCBを意図的に使 用したPCB廃棄物で、PCB濃度が 5,000mg/kg を超えるものをいう。 注2 低濃度PCB廃棄物とは、PCBを使用していないとする電気機器等であっ て、微量のPCBによって汚染された絶縁油を用いた廃電気機器等及びPCB 濃度が 5,000mg/kg 以下のPCB廃棄物(微量のPCBによって汚染された絶縁 油を用いた廃電気機器等を除く)をいう。 注3 無害化処理認定施設等とは、環境大臣が廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第 15 条の4の4に基づき無害化処理についての認定を行った施設又は都道府 県知事が同法第 14 条の4に基づき特別管理産業廃棄物処理業の許可及び同法 第 15 条に基づき産業廃棄物処理施設の設置の許可を行った施設をいう。 2 7 処分期間 (1)高濃度PCB廃棄物 高濃度PCB廃棄物は、各PCB廃棄物処理施設の計画的処理完了期限 までに処分することとする。 計画的処理完了期限とは、保管事業者が中間貯蔵・環境安全事業(株)の PCB廃棄物処理施設で処分委託を行う期限のことであり、各施設のPCB 廃棄物処理の計画的処理完了期限は表2のとおりである。 表2 計画的処理完了期限 東京PCB廃棄物処理施設 平成35年3月31日まで 北九州PCB廃棄物処理施設 平成31年3月31日まで 北海道PCB廃棄物処理施設 平成36年3月31日まで なお、特殊な形状や構造などにより処理が容易ではない機器については、 事業終了準備期間を設け、各PCB廃棄物処理施設の事業終了準備期間まで 処分できるものとする。 事業終了準備期間とは、国のPCB廃棄物処理基本計画において推計され た発生量に含まれない廃棄物の処理や、処理が容易ではない機器の存在、事 業終了のための準備を行うための期間等を勘案して、計画的処理完了期限の 後に設けられたものであり、各施設のPCB廃棄物処理の事業終了準備期間 は表3のとおりである。 表3 事業終了準備期間 平成35年4月1日から 東京PCB廃棄物処理施設 平成38年3月31日まで 平成31年4月1日から 北九州PCB廃棄物処理施設 平成34年3月31日まで 平成36年4月1日から 北海道PCB廃棄物処理施設 平成38年3月31日まで (2)低濃度PCB廃棄物 低濃度PCB廃棄物は、法定期限である平成 39 年3月までに処分するこ ととする。 8 その他 本計画は、神奈川県循環型社会づくり計画、国のPCB廃棄物処理基本計画 の変更、PCB廃棄物の処理体制の状況等を勘案して、適宜見直すこととする。 3 第2章 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量 1 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量 県内で保管されているPCB廃棄物の保管量、PCBを含む使用中の機器等 の使用量及び処分見込量は、表4のとおりである。 表4 種 高 圧 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量 (平成 25 年3月 31 日現在) 単 別 ト 処分見込量 (A+B) (注1) (注1) (注1) 台 2,901 712.000 3,613 高 圧 コ ン デ ン サ 台 26,882 6070000 27,489 低 ス 台 22,153 320000 22,185 低 圧 コ ン デ ン サ 台 422,992 311.000 423,303 柱 上 ト ラ ン ス ( 注 2 ) 台 112,190 36,1920000 148,382 安 定 器 台 580,650 17,2580000 597,908 P C B kg 2,200 0.002 2,200 kg 22,689,783 0.302 22,689,783 紙 ㎏ 266,411 0.000 266,411 ス kg 131,183 0.000 131,183 泥 ㎏ 56,270 0.000 56,270 そ の 他 機 器 ( 注 4 ) ※微量 PCB 汚染廃電気機器 等(注5)を含む 台 24,723 1,219.0000 25,942 その他(注6) ℓ 225,331 600.0000 225,931 ト ラ ン 使用量 (B) ス 圧 ラ 位 保管量 (A) ン P C B を 含 む 油 ※柱上トランスの油(注3)を 含む 感 圧 ウ 複 エ 汚 * 写 保管及び使用している事業所数の合計は、4,092 事業所 注1 保管量及び使用量は、PCB特別措置法第8条に基づく届出から集計した (柱上トランスの使用量を除く。)。処分見込量は、保管量に将来発生量とな る使用量を加えたもの。 また、ドラム缶等各種容器にまとめて保管している場合など、台数や重量で 計上できないものがある。その他、PCB、PCBを含む油、柱上トランスの 油、感圧複写紙、ウエス及び汚泥については、体積で計上された分について1 リットル=1kgとして重量に換算して集計した。 4 注2 「柱上トランス」とは、微量のPCBが混入した絶縁油を含む、通常電柱上 に設置するトランスで、主に東京電力(株)が所有するものをいう。使用量は、 同社の調査によるものを含む。 注3 「柱上トランスの油」とは、柱上トランスから抜き取った微量のPCBが混 入した絶縁油で、主に東京電力(株)が所有するものをいう。 注4 「その他機器」とは、PCB(絶縁油との混合物を含む)を絶縁油として使 用した機器のうち、高濃度PCBを使用したトランス、コンデンサ、柱上トラ ンス及び安定器を除くものをいう。 注5 「微量PCB汚染廃電気機器等」とは、微量のPCBによって汚染された絶 縁油を用いた廃電気機器等で、東京電力(株)の柱上トランス以外のものをいう。 注6 「その他」とは、PCBを含む含水廃液、PCBに汚染された金属系の容器 や部材等をいう。 5 第3章 PCB廃棄物の処理の推進方策 1 PCB廃棄物の処理体制 (1)高濃度PCB廃棄物 高濃度PCB廃棄物を処理する施設の概要は、表5のとおりである。 表5 中間貯蔵・環境安全事業(株)のPCB廃棄物処理施設の概要 事業者名 施設名称 中間貯蔵・環境安全事業(株) 東京PCB廃棄物処 北九州PCB廃棄物 北海道PCB廃棄物 理施設 処理施設 処理施設 東京都江東区青海二 福岡県北九州市若松 北海道室蘭市仲町 14 所在地 丁 目 地 先 ( 中 央 防 波 区響町一丁目 62 番地 番地 7 堤内側埋立地) 敷地面積 施設能力 処理方式 約 30,000 ㎡ 24 約 54,000 ㎡ 約 52,600 ㎡ 2.0 トン/日(PCB 1.5 トン/日(PCB 12.2 トン/日(安定器 分解量) 分解量) 等・汚染物量) 水熱酸化分解法(注1) 脱塩素化分解法(注2) プラズマ溶融分解法 (注3) 注1 高温、高圧の熱水の中でPCBを炭酸ナトリウムより脱塩素化し、酸素に より水、二酸化炭素及び塩化ナトリウムに分解する処理方式 注2 PCBの分子を構成している塩素とアルカリ剤等を反応させてPCBの 塩素を水素等に置き換えることによりPCBを分解する処理方式 注3 電気エネルギーにより発生させた高温のプラズマと溶融浴によりPCB を高温熱分解し、二酸化炭素及び塩化水素等に分解する処理方式 (2)低濃度PCB廃棄物 低濃度PCB廃棄物を処理する無害化処理認定施設等は、平成 26 年 11 月 11 日現在、一都三県では表6の事業者が設置している。全国では 22 事業者 により設置されており、環境省のホームページにおいて公開されている。 表6 一都三県内に設置されている無害化処理認定施設 (平成 26 年 11 月 11 日現在) 廃棄物の種類 事業者名 設置場所 トランス・コ その他 廃油 処理物 ンデンサ等 汚染物 神奈川県 JFE環境株式会社 ○ ○ ○ 横浜市 東京臨海リサイクル 東京都 ○ パワー株式会社 江東区 千葉県 杉田建材株式会社 ○ ○ ○ ○ 市原市 6 東京電力(株)の柱上トランス等を処理するPCB廃棄物処理施設の概要 は表7のとおりである。 表7 東京電力(株)の柱上トランス等の処理施設の概要 事業者名 東京電力(株) 施設名称 TEPCO 川崎リサイクルセンター TEPCO 横浜リサイクルセンター 所在地 神奈川県川崎市川崎区扇島 神奈川県横浜市鶴見区大黒町 敷地面積 処理能力 対象物 31,700 ㎡ 4,275 ㎡ 低濃度PCB油 6,600ℓ/日 容器洗浄 140 トン/日 低濃度PCB油 6,600ℓ/日 東京電力(株)が供給区域(注1) 東京電力(株)が県内で使用して で使用していた柱上トランス及 いた柱上トランスの油 び柱上トランスの油 処理方式 脱塩素化分解法 脱塩素化分解法 洗浄処理 事 業 の 時 低濃度PCB油処理:平成 14 年 平成 13 年 10 月から平成 26 年度 期 10 月から平成 27 年度まで まで 容器洗浄:平成 15 年 11 月から 注1 東京電力(株)の供給区域は、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉 県、東京都、神奈川県、山梨県及び静岡県の一部である。 2 PCB廃棄物を保管している事業者等、処理事業者及び行政の役割 PCB廃棄物の保管事業者、PCBを含んだ機器等の使用事業者、処理事業 者並びに県及び政令市(横浜市、川崎市、相模原市及び横須賀市)は、それぞ れ次の役割を果たすことにより、PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進す る。 (1)PCB廃棄物の保管事業者 ア PCB廃棄物を、漏えい、飛散又は紛失することのないよう適正に保管 する。 イ PCB廃棄物の保管及び処分の状況について、PCB特別措置法第8条 に基づき毎年度県又は政令市に届け出る。 ウ 高濃度PCB廃棄物については中間貯蔵・環境安全事業(株)のPCB廃 棄物処理施設で計画的処理完了期限までに、低濃度PCB廃棄物について は無害化処理認定施設等で平成39年3月までに自らの責任において確実 かつ適正に処分する。 なお、東京電力(株)の柱上トランス等については東京電力(株)の処理施 設等で平成39年3月までに自らの責任において確実かつ適正に処分する。 エ 特に、多量のPCB廃棄物の保管事業者にあっては、中間貯蔵・環境安 7 全事業(株)や無害化処理認定施設等の受入条件及び受入計画と整合を図 りつつ、搬入の量、搬入の時期及び搬入の方法その他処分に関する事項を 定めた計画を策定し、当該計画に基づきPCB廃棄物の処分が完了するま での間、計画的な搬入を行うことに努める。 オ PCB廃棄物の運搬や搬出などのためにやむを得ず機器の分解や解体 が必要な場合は、PCBが漏えい、飛散しない方法で実施する。 (2)PCBを含んだ機器等の使用事業者 ア PCBを含んだ機器等を、漏えい、飛散又は紛失しないよう適正に管理 する。 イ 平成37年までのPCB使用全廃を定めている「残留性有機汚染物質に関 するストックホルム条約」を踏まえてPCBを使用している機器等の使用 を中止し、高濃度PCB廃棄物については、中間貯蔵・環境安全事業(株) のPCB廃棄物処理施設の計画的処理完了期限までに、低濃度PCB廃棄 物(東京電力(株)の柱上トランスを含む)については、法定期限である平 成39年3月までに処分する。 ウ エ 特に、PCBを含んだ機器等の多量使用事業者にあっては、中間貯蔵・ 環境安全事業(株)や無害化処理認定施設等の受入条件及び受入計画と整 合を図りつつ、計画的にPCBを含んだ機器等の使用を中止し、処分す る。 PCBを含んだ機器等の使用を中止した場合は、PCB廃棄物となるの で、PCB廃棄物の保管及び処分の状況についてPCB特別措置法第8条 に基づき毎年度県又は政令市に届け出る。 (3)PCB廃棄物の処理事業者 ア PCB廃棄物の処分事業者 (ア)PCB廃棄物処理施設からの排気、排水などが周辺環境に影響を及 ぼすことのないよう施設を整備、維持するとともに、適正な運転管理 を行う。 また、周辺大気等を定期的に測定し、周辺環境に影響のないことを 確認する。 (イ)PCB廃棄物処理施設の操業状況及び周辺大気等の測定結果を公表 するなどの情報公開並びに施設の一般公開などによる広報活動を積極 的に行い、PCB廃棄物処理施設の安全性について、地域住民の理解 と信頼を得られるよう努める。 (ウ)PCB廃棄物処理施設の稼動期間の延長に際しては、処理設備の経 年的な劣化を考慮し、処理施設の保守点検・更新を計画的かつ確実に 行う。 8 イ PCB廃棄物の収集運搬事業者 (ア)PCB廃棄物の収集運搬中の漏えい、飛散を防止するため、国が定 めた「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」及び「低濃度PCB廃 棄物収集・運搬ガイドライン」(以下「PCB廃棄物収集・運搬ガイ ドライン等」という。)を遵守するとともに、PCB廃棄物を処理施 設に運搬する場合は、処分事業者が定める受入基準を遵守する。 特に、今回新たに処理することとなった北九州PCB廃棄物処理施 設及び北海道PCB廃棄物処理施設へ収集運搬を行う場合には、地元 地方公共団体内における輸送規制を十分確認し、遵守する。 (イ)車両事故などによる運搬中のPCB廃棄物の漏えい、飛散に迅速か つ的確に対処するため、PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン等に従 い、緊急時の連絡先や必要な措置を記載した緊急時対応マニュアルを 定め、緊急時の対応を明確にする。 また、PCB廃棄物を安全かつ確実に収集運搬するため、PCB廃棄 物の収集運搬に従事する者に対して、収集運搬の方法、緊急時の対応な ど必要な事項を教育する。 (4)県及び政令市 ア 県及び政令市が把握しているPCB廃棄物への対応 (ア)保管及び処分の状況の届出がされているPCB廃棄物について、中 間貯蔵・環境安全事業(株)または無害化処理認定施設等での円滑な処 理を推進するため、未処理事業者が処分期間内に処理できるよう必要 な調整、指導を行う。 (イ)保管事業者が中間貯蔵・環境安全事業(株)に処理申込の登録をして いる高濃度PCB廃棄物について、「東京PCB廃棄物処理事業に係 る首都圏広域協議会」(注1)において調整し、計画的な処理の推進を 図る。 (ウ)低濃度PCB廃棄物について、無害化処理認定施設等を設置してい る処分事業者と調整を行うとともに、関係団体と連携し、周知・啓発 を行い、円滑な処理の推進を図る。 イ 県及び政令市が把握していないPCB廃棄物への対応 保管及び処分の状況の届出がされていないPCB廃棄物について、保 管の実態を調査し、事業者に対し届出及び処分期間内の処理等必要な指 導を行う。 ウ PCB使用製品の使用事業者への対応 PCB使用製品の使用事業者を調査し、使用の中止を促すとともに、 処分期間内に処理するよう指導する。 9 エ 収集運搬事業者及び処分事業者への指導 収集運搬事業者及び処分事業者に対し、PCB廃棄物の収集運搬及び 処分が周辺環境に影響を与えることなく安全に実施されるよう、監視及 び指導を行う。 オ 県民への情報提供等 県民に対し、PCB廃棄物の保管事業者からの保管及び処分の状況の 届出を毎年公表するなど情報の提供を行い、PCB廃棄物の処理につい て県民の理解を深めるよう努める。 カ ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の造成への協力 県は、中小企業者等が保管するPCB廃棄物の処理にかかる負担を軽 減するために設けられた「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金」(注2) の造成に協力する。 注1 一都三県内のPCB廃棄物の処理について広域的に連絡、調整を行う ため、一都三県並びに埼玉県、千葉県及び神奈川県内の9政令市等で構 成する協議会 注2 平成 13 年度から、国と 47 都道府県で中小企業者等のPCB廃棄物の 処理にかかる負担を軽減するために造成を行っている。 3 関係者による連携・協力 (1)事業者、県及び政令市による連携・協力 PCB廃棄物の保管事業者、PCBを含んだ機器等の使用事業者、収集 運搬事業者、処分事業者、県及び政令市は、処分期間内に処理が完了する よう連携し、相互に協力する。 (2)広域協議会等における調整・連携 ア 東京PCB廃棄物処理施設での処理にあたっては、一都三県の処理計 画や緊急連絡体制など必要な事項について、「東京PCB廃棄物処理事 業に係る首都圏広域協議会」において調整し、連携してPCB廃棄物の 計画的な処理を図る。 イ 北九州PCB廃棄物処理施設及び北海道PCB廃棄物処理施設を利用 する処理にあたっては、関係する都道府県市等による広域協議会等にお いて調整し、連携してPCB廃棄物の円滑な処理を図る。 10
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